【唐澤貴洋殺す】雑談★38【佐々木チワワ謁見】【選手の妻】【アットキャド】 (1001)

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631 - [´・ω・`] powered.by.rdp.sh 2022/09/17(土) 20:27:59.50 ID:5ioamwA00

ソーシャルメディア解体全書 山口真一
4-4 ネット炎上の歴史 (2011年〜2014年)

 この頃には「少年及び弁護士誹謗中傷事件」が起こる。本事件は,ある学生が2ちゃんねるで長期にわたってハンドルネームを使い,他人を強く批判し,嫌がらせを行っていたことに端を発する事件である。ハンドルネームを使い始めたのは2009年であり,当時高校生であった。
そして大学生となった当該学生は,2012年に2ちゃんねる上で自分の大学の合格証をアップロードした。しかし,日頃から挑発的な態度を取っていたこともあり,掲示板ではこの少年の個人情報を特定しようと盛り上がってしまった。mixiやTwitter,他掲示板での活動などから,彼にまつわる情報が2ちゃんねるの中に書き込まれていった。
 しかしこの炎上はより巨大な炎上をもたらすこととなる。この学生が炎上した際に,ITに強い弁護士として活動していたある弁護士が依頼を受けることになった。当該弁護士は,当時の2ちゃんねるのルールに従い,投稿の削除請求や発信者の情報開示請求に関して,担当弁護士の名前が記載された裁判所の仮処分命令を掲示板にアップした。
 当時匿名掲示板における炎上・中傷において弁護士を雇って反撃するということは稀であったため,当該学生に対する誹謗中傷は一時的に減ることになる。
しかしながら,開示された者がすべて訴訟に至るわけではないことが広まり,2ちゃんねる上では当該弁護士の対応をスレッドで予想したり,誹謗中傷をすることで反応を楽しんだりするようになり,殺害予告などの犯罪行為にまで至るものも出ることとなった。
 その結果,「何時にナイフでめった刺しにする」など,計100万回以上の殺害予告を受けるだけでなく,当該弁護士の名前を名乗った犯罪予告が出されたり,弁護士事務所への出入りが盗撮されたりするなど,現実における被害にまで発展した (朝日新聞デジタル, 2020a)。
また,インターネット上でも「無能弁護士」「詐欺師」などとしてやじる記事や,動画や音楽として笑うようなコンテンツを作られ,彼のイメージにも大きな影響を与えた。
動画配信サービスのニコニコ動画では,当該弁護士の名前のタグのついた動画が一般ユーザーによって2,460件投稿されており,イメージダウンにつながるコラージュ動画などが多く存在する。
インターネットミーム7)化したといえるが,大量の殺害予告を含むもので,非常に悪質といえよう。現実でも,インターネット上でも,多大な被害を受けたのである。脅迫容疑などで十数人が逮捕または書類送検されたが,当該弁護士への誹謗中傷は,2021年現在でも散見される。

7) インターネット上で模倣されて広まっていくテキスト・画像・動画・コラージュなどのこと。

朝日新聞デジタル(2020a, 6-6).「突然,掲示板に「詐欺師」 炎上弁護士が見たネット中傷」. https://www.asahi.com/articles/ASN664F66N5VOBJB007.html(参照 2021-12-6).