クシティガルバ棟 (155)

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121 - 一般ノルウェー市民 (sage) 2020/02/03(月) 14:36:39.48 ID:gE+rpO/80

本拠地、上九一色村で迎えた機動隊戦
先発林郁夫が逮捕、智津夫っちも逮捕され惨敗だった
サティアンに響く信者のため息、どこからか聞こえる「麻原は処刑だな」の声
無言で連行される幹部達の中、正大師の上祐は独りサティアンで泣いていた
修行で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる信者・・・
それを今のオウムで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」上祐は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、上祐ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいサティアンの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってワイドショーに出演しなくちゃな」上祐は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、上祐はふと気付いた

「あれ・・・?サティアンに信者がいる・・・?」
サティアンから飛び出した上祐が目にしたのは、富士山まで埋めつくさんばかりの信者だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにマントラが響いていた
どういうことか分からずに呆然とする上祐の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「マイトレーヤ、修行の時間だ、早く行くぞ」声の方に振り返った上祐は目を疑った
「む・・・村井さん?」  「なんだマイトレーヤ、居眠りでもしてたのか?」
「あ・・・麻原元死刑囚?」  「なんだ上祐、かってに尊師を処刑させやがって」
「青山さん・・・」  上祐は半分パニックになりながらサティアンを見上げた
1番:井上 2番:遠藤 3番:村井 4番:中川 5番:土谷 6番:上祐 7番:石井 8番:早川 9番:新実
暫時、唖然としていた上祐だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
井上からグラブを受け取り、機動隊へ全力疾走する上祐、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている上祐が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った