617 - がん患者さん 2016/11/15(火) 09:05:34.65 ID:lJyjoDkh0
カシアス・クレイ、そしてモハメド・アリの伝説 6月6日
▼凱旋帰国したものの、レストランでは入店を拒まれた。メダルを見せても無視される。黒人差別への怒りから、メダルを川に投げ捨てた。有名なエピソードは、実は伝記作家の創作である。紛失しただけらしい(『モハメド・アリ その闘いのすべて』)。
▼4年後に世界ヘビー級チャンピオンになると、イスラム教に改宗し、名前を変えた。カシアス・クレイは奴隷の名前だ、というのが理由だった。プロ通算成績は61戦56勝(37KO)。ベトナム戦争への徴兵を拒否してタイトルを剥奪されても、74年にジョージ・フォアマンから奪還する奇跡を起こす。確かに、ボクシング界の頂点を極め、リングの外では人種差別と闘い続けたヒーローにぴったりの「伝説」である。
▼今月3日に74歳で亡くなった元王者は現役引退後、パーキンソン病に苦しみながら、人道活動に携わってきた。湾岸危機の90年には、イラクに乗り込んでフセイン大統領とかけあい、15人の米国人の連れ帰りに成功している。
▼ボクシングを始めたのは12歳だった。買ったばかりの自転車を盗まれ、近くにいた警察官に届け出た。「犯人をたたきのめしてやる」。息巻く少年に、ボクシングジムのコーチも務めている警察官は意外なアドバイスをする。「まず、けんかのやり方を身につけたらどうだろう」。
▼こちらの伝説は、事実である。「俺は、自転車を盗んだやつを今でも捜し出して、ぶちのめしてやるつもりだ」。晩年のインタビューで語っていた。ただ一つの、心残りだったかもしれない。