1 野に咲く名無し@転載禁止 (b8b4d099) 2025/09/07 (日) 03:57:26.147 ID:6WH5fP6eg主
静まり返った夜の図書館で、古びた地球儀が突然、ぼんやりと光り始めた。
?どんどん地球儀は明かりが強くなり、徐々に速度を上げて回転し始めた。高速で回転する地球儀から雷のようなものが飛び散り、図書館の天井にいくつものひび割れが走った。そして、そのひび割れから、星々の光が降り注ぎ始めた。それは、まるで図書館が宇宙そのものになったかのようだった。
?それはまるで、天井のひび割れから降り注ぐ星々の光の中から現れたかのようだった。ふわふわと宙を舞うように、一人の女の子がゆっくりと図書館の床へと降りてきた。彼女は透き通るような白いドレスをまとい、その瞳は星の光を宿しているかのように輝いていた。
?女の子は床に降り立つと、きょろきょろとあたりを見回した。そして、輝く瞳で私を見つめ、「お腹が空いた。二郎、食べたい」と、どこか遠い星の言葉のようにも聞こえる、けれど確かに日本語でそう言った。
?私は彼女に「二郎」というものが何であるかを説明した。そして、彼女を連れて図書館の外へ出た。夜の街の明かりが彼女の瞳に映り、その輝きはさらに増した。私たちは、深夜まで営業している二郎の店を探しに歩き始めた。
?二郎の店に着くと、彼女はメニューを一目見て「豚大ダブル、全マシで」と淀みなく注文した。私はその注文量に驚きつつも、隣で普通のラーメンを頼んだ。運ばれてきた山のようなラーメンを前に、彼女は目を輝かせ、一心不乱に食べ始めた。
?そして、あっという間にその巨大な豚大ダブルの全マシを完食してしまった。まるで食後のデザートでも求めるかのように、彼女は私を見てにっこり笑い、「もうちょっと食べたいな」と言った。
?彼女の「もうちょっと食べたいな」という言葉に、私は呆れつつも感心するしかなかった。二郎の店を出て、次に私たちが向かったのは家系ラーメンの店だった。
?「今度は、ラーメンをおかずにご飯をたくさんおかわりする!」
?彼女はそう宣言し、本当にラーメンを一口食べるごとに、山盛りのご飯を美味しそうに平らげていく。店員さんも、他のお客さんも、その小さな体からは想像できない食べっぷりに、ただただ目を丸くしていた。気づけば、ご飯のおかわりは5杯を超えていた。
?お腹も満たされ、満足げな表情を浮かべる彼女の隣で、私はもうお腹いっぱいで何も考えられない状態だった。
?家系ラーメンの店を出て、私たちは近くの公園へと向かった。夜風が心地よく、満腹の身体にはちょうど良い。ベンチに腰を下ろし、コンビニで買ったストロングゼロの缶をカシュッと開ける。彼女も慣れた手つきで自分のストロングゼロを開け、ゴクッと一口飲んだ。
?「ねぇ、あなたのいた世界って、どんなところだったの?」
?私が尋ねると、彼女は星の光を宿す瞳を細めて、ゆっくりと話し始めた。彼女のいた世界は、色とりどりの光が常にきらめき、言葉ではなく感情で意思疎通をする場所だという。人々は空を自由に飛び回り、時間という概念は存在せず、すべてが移ろいゆく美しさの中にあったと。
?「でも、あそこには二郎も家系もないんだ」
?彼女は少し寂しそうにそう言い、またストロングゼロを一口飲んだ。そして、ふと私のほうを向き、にやりと笑った。「二郎も家系もない世界にいたのに、焼肉キングは知ってるの?」と尋ねると、彼女は「地球の美味しいものは、だいたい調べた」と涼しい顔で答えた。
?私たちはストロングゼロを飲み干し、公園を出て歩き始めた。深夜の街に煌々と輝く「焼肉キング」の看板を見つけると、彼女は目を輝かせた。「食べ放題、行くぞ!」と彼女が言う。その瞳には、星の輝きと、無限の食欲が宿っていた。
?焼肉キングの席に着くやいなや、彼女は迷わず「特選カルビと壺カルビ、全部!」と注文した。運ばれてきた霜降りの美しいカルビの皿を前に、私の予想を遥かに超える行動に出た。
?なんと彼女は、肉を焼かずにそのまま口に入れ始めたのだ。生肉を次々と平らげ、そして、ジョッキで運ばれてきたビールをごくごくと水のように飲み干し、肉を流し込む。周りの客は、その光景に目を丸くし、店員も呆然と立ち尽くしていた。私も呆気に取られ、ただその食べっぷりを見守るしかなかった。
?しかし、彼女は至って満足げな顔で、次々に肉を胃袋へと収めていく。その姿はまるで、肉の海を泳ぐ人魚のようだった。
?特選カルビと壺カルビを平らげた彼女は、満足げに微笑んで、私のほうを向いた。「カルビは食った。次はタンだ」と、まるで次のミッションを告げるかのように言った。今度は、分厚くカットされたタンが大量に運ばれてきた。彼女は網には目をくれず、皿から直接タンを掴むと、口の中へと放り込む。そして、豪快にビールを呷り、「タンは飲みもの」とつぶやいた。その言葉と、あまりにも速い食べっぷりに、私はただただ圧倒されるばかりだった。
?タンを「飲みもの」として貪り尽くした彼女は、ふと私のほうを向き、にやりと笑った。「ホルモンも外せないよね」と、まるで秘密の合言葉を囁くように言った。次の瞬間、大量のホルモンが運ばれてきた。彼女は、タンの時と同じように網を使わず、ホルモンを直接口に放り込んだ。そして、目を輝かせながら「グミみたいでおいしー!」と無邪気に叫んではしゃいでいる。その様子は、まるで初めてお菓子に出会った子供のようだった。
?焼肉キングを出た私たちは、お腹いっぱいのまま、ふらふらと夜道を歩き、家へと向かった。家に着くやいなや、彼女は冷蔵庫からストロングゼロを取り出し、プシュッと音を立てて開けた。
?「今日は最高の夜だった」と、満足げに微笑む彼女。
?私は、彼女の隣でストロングゼロを飲み干し、今日一日を振り返った。古びた地球儀から始まった奇妙な夜は、二郎、家系ラーメン、そして焼肉キングと、食の冒険に満ちていた。
?やがて彼女は、ストロングゼロの缶を握りしめたまま、すやすやと眠り始めた。その寝顔は、まるで無邪気な子供のようだった。私は静かに毛布をかけ、彼女の隣に座って、静かに夜が明けるのを待った。