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349 エッヂの名無し 2024/10/14(月) 21:07:48.560 ID:h5/JcyE9n
>>297

昔。ポケモンと人間の境が曖昧だった頃。

あるところに村があった。
ある日、その村の少女が山へ薪を集めに出かけた。
山の奥にはよく乾いた枯れ木が見つかったので、少女はどんどん奥深くへ進んでいった。

気がつくと日は傾いていて、少女は道に迷っていた。
辺りにはイノムーの糞が転がっており、少女は不安になった。
すると森の向こうから一人の男が洗われた。
男の顔は、村に住む男の誰にも似ていなかったが、とてもハンサムだった。
男は言った。

「君は道に迷っているのだろう?僕は山を降りる道を知っているけれど、君の足では真夜中になってしまう。明日の朝連れて帰ってあげるから、今日は僕のところで休まないか?」

少女はしかたなく男の言う通りにすることにした。
男は少女の手をひいて歩きだした。
日が暮れる頃、大きな洞穴にたどり着いた。

「ここが僕の家だ。おなかが空いているだろ? 待っていて」

男はそう言うと、洞窟の外へ出て行った。
男が出て行ってから暫くすると、山の遠くで、木々が揺れる音がした。
やがて男は沢山の赤い木の実を抱えて帰ってきた。
男は言った。

「これを食べたら今日は寝よう。僕より先に目が覚めても、僕の顔を見ないでくれよ」

翌朝少女が目を覚ますと男はまだ眠っていた。
少女は男との約束を守って横になったまま待っていたが、やがて再び眠りにおちた。

男の声で少女は目覚めた。外を見ると日がすでに傾いていた。

「今日は緑の木の実を食べよう。待っていて」

そう言って、洞窟の外へ出て行った。
男が出て行ってから暫くすると、山の遠くで、木々が揺れる音がした。
日がすっかり暮れた頃、男は沢山の緑の木の実を抱えて帰ってきた。
男は言った。

「これを食べたら今日は寝よう。僕より先に目が覚めても、僕の顔を見ないでくれよ」

少女は家族が心配しているので早く帰りたいと言うと、
男は大きなあくびをして少女の頭を叩いた。
すると少女は、家族のこと、家のことをきれいさっぱり忘れてしまった。
そして二人で緑の木の実を食べて、眠りについた。

次の日も二人は日が傾く頃に目覚め、男は木の実を取りに行き二人で食べて、また眠った。
そんな暮らしが何日も続き、やがて少女は男がイノムーであること気がついた。

冬が近づく頃、イノムーは洞窟の奥を掘り出した。そして少女に言った。
「薪なる木を集めておいで。できる高い木の、上のほうの枝を折っておいで」

少女はイノムーの言う通りにしようとしたが、高い木は恐ろしかったので、低い木にしか登れなかった。
枝をいくつか集めて帰ると、イノムーは言った。
「だめだよ、もっと高い木の枝でなければ人間に見つかってしまう」

雪が降り始めると、二人は深くなった穴の奥で、眠りながら暮らした。
食べ物はたくさんあった。 たまに目覚めて食事をし、また眠った。
ある日に目覚めると少女は一人の子供を抱いていた。
何日かの昼と夜が過ぎ、少女が目覚めると、イノムーは言った。
「君のお父さんが君を捜している。だけど君は私の妻だから返すわけにいかない。彼と戦わなければいけない」

少女は言った。
「やめてください。お父さんを殺さないでください。家族を殺されてどうしてあなたと生きていけるのです。あなたいい人です。だから外に出ないでここで眠りましょう」

「分かった。ここで眠ろう」

男はうなずいた。

次の日の夜、イノムーは少女を起こして言った。

「君のお父さんがすぐ側にいる。外を見ておいで」

少女が外へ出ると辺りは吹雪いていた。少女は低い木に登り、その枝を折った。

洞窟に戻ってくると、イノムーは歌っていた。聞いたことのない歌だった。

「君は木の枝を折ってきたな。間もなくここに君のお父さんがやってくる。これから私は君のお父さんに悪いことをしに行く。もし私が殺されたら、私の目と声と心を貰うんだ。そして私の殺された場所に火を焚いて、それを燃やして欲しい。そして燃え尽きるまでこの歌を歌って欲しい」

少女は言った。

「やめてください。お父さんを殺すなんて。やめてください。あなたが殺されてください」
「さよなら。二度と会う事もない」

そう言うと、イノムーは外へと出て行った。

しばらくすると、大きな物音がして、少女は外を覗いた。
すると少女の父親がイノムーを殺していた。
少女は外に飛び出して、父親に言った。

「お父さんは息子を殺しました。私は今まで彼と暮らしてきました。彼は私の夫です。夫の、イノムーの目と心と声を私に下さい」

少女はイノムーが殺された場所で火を焚いて、目と心と声を炎にくべた。
そして燃え尽きるまでの間、イノムーに習った歌を歌った。

少女の父は、村のはずれに小屋をつくって、少女と子供を住まわせた。
やがて春が来た。
村の若者たちは、少女とその子供をよくからかい虐めた。
それは日増しに酷くなり、あるとき、イノムーの毛皮を被せようとした。
少女は家に戻り、両親に訴えた。
「私たちをからかわないように、村の人たちに言ってください。あの毛皮を被れば、きっと私たちはイノムーになってしまいます。もう今だって半分イノムーなのです」

両親が話をしても、村の者たちは聞き入れることはなかった。
それどころか、ますます面白がって、少女と子供にイノムーの毛皮をかぶせた。
すると少女と子供は大きな声で嘶き、二人は森の奥へと消えていった。
二人は二度と村に戻ってこなかった。

そういうことがあって人々は知った。
イノムーは半分人間なのだと。
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