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エッヂの名無し
2024/10/14(月) 23:13:44.318 ID:M0lFgu535
シンオウ神話の裏設定
はじめに、混沌のうねりがあった。
すべてがゆっくりと混ざり合い、あらゆるものは曖昧だった。
ある時、その中心に大きな卵が現れた。長い時の中、卵はそこで揺れ続けていた。
さらに長い時を経て、いつしかうねりが止まると、卵はこぼれ落ち、割れた。
絶対神アウスが産まれた。
飛び散った殻の欠片は、巨人に姿を変えて、産まれて間もないアウスに次々と襲いかかった。
しかしアウスは、みるみる成長を続けながら、巨人を倒し続けた。
激しい戦いが続いたが、とうとうアウスはすべての巨人を打ち倒した。
傷ついたアウスは、自分の分身を創ることにした。
アウスの体は左右で姿が異なったので、2人の分身を創ることにした。
アウスは倒した巨人達の骸を集め、自らの血を注いだ。
自らの左側に似せたその者からは光が溢れたので、それを光の神イアを名付けた。
自らの右側に似せたその者からは闇が這ったので、それを闇の神エアを名付けた。
アウスは2人に、あらゆる場所を家族で満たすことを命じ、深い眠りに着いた。
姿形の異なるイアとエアだったが、互いを愛し、交わり、多くの子を成した。
だが、まだそこに世界に呼べる場所はなかった。行き場のない脆弱な子らは次々と死んでいった。
悲しみに暮れたイアとエアは、あらゆる者が健やかで豊かに暮らせる世界の創世を考えた。
イアとエアは自らの子、眼の神レイ、心の神アイ、声の神ハイを呼んだ。
レイが目覚めると、あらゆるものがそこに現れた。色と輪郭が生まれた。
アイが願うと、あらゆるものがそこに感じられた。穏やかな気配が広がった。
ハイが叫ぶと、あらゆるものがそこで震えた。幸福な音色が響きはじめた。
イアとエアは3人に生命の種を与え、育てるように命じた。
3人が輪となって祈りを捧げると、生命の種は芽吹いた。
芽はみるみる成長し、巨大な生命の樹となった。
しかし、どこまでも成長を続ける生命の樹は、やがて至る所を埋め尽くし、誰も身動きが取れなってしまった。
3人は、父なるイアと母なるエアに助けを求めた。
エアとイアは再び交わり、3人の子を成した。
天空の神レックウザ、大地の神グラードン、大海の神カイオーガが産まれた。
レックウザはその体を生命の樹に巻き付けた。
グラードンとカイオーガは、その体を生命の樹に打ち付けた。
やがて生命の樹は倒れ、3つに砕けた。
レイ、アイ、ハイは、生命の樹がこのまま朽ちることを悲しみ、祈りを捧げた。
すると、砕けた生命の樹は、それぞれ空と地と海に変化した。
レックウザは空を頂く主柱と姿を変えた。
天空を登るその影は、カイリュー、カビゴン、バンギラスの3匹の空を支える神と化した。
空を大気が包み、星々が煌めいた。
グラードンは地を覆う盤石と姿を変えた。
大地に潜るその轟音は、ダーブ、サーン、ゴードンの3匹の地を支える神と化した。
地は胎動し、山々が蠢いた。
カイオーガは海を抱く水脈と姿を変えた。
大海に消えるその波紋は、ラティアス、メタグロス、ラティオスの3匹の海を支える神と化した。
海に水が満ち渡り、波が囁いた。
こうして世界が誕生した。
イアとエア、そして多くの神々は、これを大いに喜び、世界に我が子らを住まわせた。
安らかなその世界は神の子らの楽園だった。
神の子らは増え続けた。
その力、言葉を少しずつ変化させながら。
いつしか神々は、その世界に生きる者達を2つの名で呼ぶようになった。
大いなる父イアに似た神の子らを"ポケモン"。大いなる母エアに似た神の子らを"人"と。
やがて目覚める絶対神アウスは、 末裔の満ちる世界を見たとき、さらなる豊壌と繁栄を約束するであろう。