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【唐澤貴洋殺す】雑談★2【唐澤貴洋殺す】

1000 レス · dat原文

まあ普通の弁護士がやることじゃないわな 出龍はいい加減注意しろよ 長谷川家と同様にあの家族もおかしいのか
ツッキは「なんでアンチなの?」って訊かれた時にア○ル膜の件言ってたら最高やったのに
うしじまいい肉がなんJ民煽りつつ障碍者馬鹿にした
ttps://twitter.com/PredatorRat/status/334993467694534659 2つの訴訟の内1つはコレやろな… ふたばとなんJへの訴訟は口だけなんかな?
テスト http://jbbs.livedoor.jp/otaku/16395/
https://twitter.com/PredatorRat/status/252377089465020416 ┏━━━━━━━━━━━┯ ┃        / ̄ ̄\    く ┃      /  ヽ_  .\  ゝ ┃      ( ●)( ●)  | 〈 ┃      (__人__)      |   7 ┃      l` ⌒´    |  ノ ┃     . {         |,イ ┃       {       / | \ ┃  ,-、   ヽ     ノ、\ `ヘ、 ┃ / ノ/ ̄/ ` ー ─ '/><  `∟_ ┃/  L_         ̄  /         ト、,_ ┃   _,,二)     /              〔―ヽ、人,,r、__ ┃   >_,フ      /                }二 コ \.  Li\_, ┃__,,,i‐ノ     l              └―イ   ヽ |   ┃ ┃            l                   i   ヽl   ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 2012年9月30日    と   も              コム  立,ノー  レ'                勹虫 |古|乂 (_     なんでも実況Jにて.    もうあの頃には戻れないだろ、常識的に考えて…
裁判所に行って記録開示すればママンフェの名前分かるんやろ? 月永に行ってもらえばええやん
872 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2013/10/20(日) 18:12:38.82 ID:9h6K+h2M [2/2] http://i.imgur.com/gysKtA3.jpg
展開がはやすぎる
>>408 一応言っとくけど別人やで
月永民←中国にいそう
月の民?(FF4)
MMSSTVでわかるやで https://anonfiles.com/file/d3098c6a0f6c62126b67d0b58b741aae https://www.youtube.com/watch?v=nwl-AHJP_xs
青空 ひきこもり 登記簿 http://download5.getuploader.com/g/kereseu/35/1.jpg http://download5.getuploader.com/g/kereseu/36/2.jpg
1株1万って本当やったんやな
巡|⇔|珍笛一派|開示弁護|弁護士組|鶏競走組|恒心綜合|唐掲管理|河野一族|西村王朝|最聖尊師|依頼人組|炎上人組|敵対勢力|外部派遣|恒心教徒| ①|⇔|長谷川亮|清水陽平|宇都宮健|仲間邦雄|唐澤貴洋|三代目管|河野一英|西村博之|麻原彰晃|牛島良肉|後藤久典|auカス  |JEX   |高濱芳雄| ②|→|稲垣千尋|神田知宏|奥村徹  |島根君  |唐澤洋  |ザイル管|河野典男|中尾嘉宏|佐野尊師|西村博嗣|小屋敷雄|要塞カス |嵯峨山茂|文学館  | ③|←|加藤優拓|中澤佑一|川崎美奈|livebase |事務員  |保管庫管|菅谷真理|中尾靖子|与沢翼  |重光由美|松田正則|依頼部  |さっしー |シュワッチ | ④|→|池之上勇|金映珉  |小西一郎|ピートローズ|唐澤厚史|初代管理|河野英二|西村国之|大橋宏幸|藤崎空  |こんどー |しなこ  |ログ速管 |谷川お兄 | ⑤|←|佐伯星加|園田すみ|大坪和敏|丸の内oc|唐澤厚子|ハセケー |河野櫻樹|ジムさん |宇治野壮|松原勝頼|支倉凍砂|まこと  |みみずん |偽恒心垢| ⑥|→|和久泉美|近藤信幸|牧瀬祥一|dionくん |M弁護士|無法地帯|河野一三|異邦ジン |奥村徹  |稲塚久馬|ソル   |西ノ宮  |鳥取ループ|kaijiman | ⑦|←|清水啓予|深町周輔|小倉秀夫|鶏ニキ  |愛宕警察|T唐澤管 |河野沙希|----|小西基皓|山本道場|れるりり |SFC   |大貫聡子|ハニトラニキ| ⑧|→|井越美咲|植木則和|早川健  |宮城ocn |大崎警察|二代目管|河野茂典|----|----|アーティスクリ|コーコラン |----|月永皓瑛|大麻尊師| ⑨|←|細谷彩華|米村哲生|隈淳平  |北海道oc|親戚書家|----|河野一郎|----|----|今村綾子|下地翼  |----|----|キヨウ  |
松戸東署が社長を殴りつつ犯罪者扱いした 松戸東署が社長を殴りつつ犯罪者扱いした
TV版あらすじ 尊師は神となった 劇場版ネタバレ 尊師がいないことに耐え切れないハッセは妄想の中の千葉県松戸市を作り出す 尊師、事務員、出龍が普通に中学校に登校する展開 (出龍が中学校に通っているのがまずおかしい) この時点で3人は既に魔法少女。 ハッセが転校してくる。髪は三つ編み。 3人と照井、ハッセは魔法少女として「ナイトメア」を討伐する生活を続けるが、 ハッセが「違和感」に気づく。 ハッセは出龍を呼び出して、幾つか質問をする。ここに来る前はどこに住んでいたの、いつ転校してきたの、等。 出龍は回答に窮することもあるが、ごまかす。 ハッセと出龍は出龍が前住んでいた町を訪問することにするが、 バスで行こうとしてもどうしても行けず、徒歩でもたどり着けない。 ハッセはこの世界の「おかしい点」を幾つか明らかにし、 この世界は魔女の創りだした結界であると結論づけ、その「魔女」が誰なのか考える。 答えはハッセ自身であった。 現実世界(TV版最終話で再構築された優しい世界)のハッセは、 ソウルジェムをJEXの作った「干渉遮断装置」に入れられ、「円環の理」(尊師の影響)を遮られることで 無理矢理にソウルジェムを濁らさせられていたのであった。 これは、「円環の理」の観測、干渉、そして支配を目論むJEXの企みであった。 JEXはハッセが救いを求めればそれに「円環の理」が応答し救いが得られるとハッセを唆す。 (これにより、JEXは「円環の理」を観測し、干渉し、支配できるとされる) ハッセは拒み、自らの結界に閉じこもろうとする。 しかし、結界の中のシノケンと浅見の働きにより、「干渉遮断装置」が破られ、 空から降りてきたアルティメット尊師がハッセを連れて行こうとするが、 このときハッセは尊師を取り込み「八神化」する ハッセは尊師が世界を書き換えたように、世界を書き換えた 「円環の理」(アルティメット尊師)の一部をもぎ取り、普通の人の姿の尊師を構築した。 八神によって再構築された世界では、ハッセと事務員、出龍がクラスメイトで、 そこに尊師が転校してくるという展開になる。 ハッセは尊師に「学校を案内する」と言って尊師を連れて歩くが、 その時、尊師が「当職はもっと人を超えた存在だったような・・・」とアルティメット尊師のことを思い出しそうになる ハッセは尊師にキスをしてそれを押しとどめ、 (おそらく改心して?)尊師にTV版の終わりで貰った弁護士バッヂを返却し、尊師の胸につける。 これはあなたのほうが似合いそうだとか言ってた気がする エンドロール エンドロール後、ハッセは自ら用水路に飛び込んで終幕
>>418 これは間接的なネタバレですねぇ・・・
新種のカラコロが最近それなりに来てるナリね
爆サイにチンフェのことを書いても全く釣れんナリ 流石にあそこに関係者が覗いていることなんてないか
まああそこのメイン層はガラケー使いの中年DQNやからな しゃーない
ツキケー携帯から書き込めんなっとる 多分串規制で巻き込まれたんやろけど
<ポア>
>>424 なぜ、ここで開示したのか
>>425 torやからね
>>424 逮捕不可避やからすぐ消した方がいいで
てす
<ポア>
管理人、ここ閉鎖した方が良えよ
取り敢えずここで誰でも見れる状態にしたままはアカンで
佐々木はここ放置しとるから無駄やで あいつは自分がちやほやされない場所には責任を持たない
>>424 今すぐ消しとけ
   ○      / \ \  \ 。         |     o    |     />    /  / \ \  \       , "⌒ヽ       /    ///   ./  /   \ \  \     i    .i       ./ ○   ./\\\  /  /    。\ \  \    .ヽ、_ノ     /  /  .\\ ./  /       \ \  \     .|     /  \   \\ ./ (´・ω・`) /.\ \  \    |    / 。    \   \\ ∪   ノ/   \ \  \   .|   /.|    /   o .\    \\ u- /        \ \  \  |  / |   ./     , "⌒ヽ..   \\ /           \ \  \| /  |   /     i     i    \\   ○       \ \/|/   |  ./   ○ ヽ _.ノ .\   \\      _,. - ''",, -  ̄    _| /            \    \\_,. - ''",. - ''   o     ̄   |/
復活おめ
あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)
力を。
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この男コーラン燃やすだったは真実か。 この国のものか唐澤貴洋は? 有名な男か?誰者か?
>>439 これから寒くなるので唐澤は暖をとるため定期的にコーランを燃やすと思われます とりあえず取り急ぎ
439さんへ 唐澤は東京で本買うとこで? コーランは東京で買えるか? そこは場所どこになるますか?
440さんへの質問間違いだ
http://i.imgur.com/CbqD8US.jpg http://i.imgur.com/OmwpnWe.jpg
>>441 尊師はケチなので楽天市場の77%オフでアイスと一緒に購入しています。 とりあえず取り急ぎ。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4657138.gif
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http://i.imgur.com/Oub8l8f.png
>>424 これなんや
唐内洋太 犯罪 悪魔 有能 恒心
http://i.imgur.com/KTpkUX3.jpg http://i.imgur.com/HnfWIRR.jpg http://i.imgur.com/wwRugRe.jpg http://i.imgur.com/bKVOQHO.jpg http://i.imgur.com/rsq2i8Q.jpg http://i.imgur.com/BhCvKGr.jpg
>>450 草不可避
ファッ!?
797 :塘懌��拝 [] :2013/11/21(木) 05:56:35 ID:S5puA0W2 http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4677799.jpg 熱い兄弟愛に涙不可避
>>450 あかんALSOK不可避
ここも大分過疎ってるね
そらタマネギ使って書くような事以外全部カラザイル内で完結するし
http://www.bengo4.com/bbs/215925/
http://i.imgur.com/rYlNpbm.jpg
てすや
カラザイルで保管用の専用板ほしいって言ってたから作ったナリ http://jbbs.livedoor.jp/study/12212/
>>460との出会いに感謝
http://www.bengo4.com/bbs/216823/
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http://pbs.twimg.com/media/BJbsGSuCUAIv0mz.jpg
てすや
ボーボボ
2ch規制されたんじゃクソが 唐澤のせいやろこんなもん
http://atmatome.jp/u/karasawatakahiro/4b0z6ko/ 犯人はピュア虎ノ門に潜んでるぞ
ポア不可避
http://atmatome.jp/u/jupiternews/4b6mppr/ とりあえず取り急ぎ
でりゅよ!
おっかちゃんだよ
http://atmatome.jp/u/jupiternews/4bg40ux/ 曲順は25日発表らしいナリ それまでに検索上位に来るようにリンク貼ってくナリ
こんなアフィブログ見つけますた Domain name: chunisoku.com Registrant Info: kozin youichi mine ([email protected]) 0425775772 FAX: viktoriahaimukunitatihigasi301 1-6-27 kokubunnzisinaitou tokyo https://twitter.com/0930mika http://ameblo.jp/min1192/ http://2020tokyo-olimpic.blog.jp
てすや
ぷてぃけんま! http://download4.getuploader.com/g/t_kara/35/1.jpg http://download4.getuploader.com/g/t_kara/36/2.jpg http://download4.getuploader.com/g/t_kara/37/3.jpg まねけんま! http://download4.getuploader.com/g/t_kara/38/4.jpg http://download4.getuploader.com/g/t_kara/39/5.jpg
http://i.imgur.com/viH6ptb.jpg いってきた
12月の20日の朝7時に警視庁の人間がワゴンに乗ってきて、 捜査令状を見せてPC・USBメモリ・マウス・ACアダプタ・ルーター洗いざらい押収していったナリ 今はネカフェから書き込んどるけど4回事情聴取されたナリ 刑事が言うには逮捕はまだ後、証拠固めてから捕まえるそうナリ カラコロもあまり変なこと書いちゃいけないナリ 当職のような目にあうナリよ 書類送検で済んでもその後に多分尊師直々に訴状が届くのは覚悟してるナリ
>>482 書き込んだ内容を(大まかでもいいから)教えてくれないか?
・いつカラコロしたか ・何と書き込みしたのか ・警察には何と言われたのか ・尊師の通報によるものなのか これらがわからないと何の意味も無い書き込みなんだよなあ
http://fushi.x0.com/cap/Cap20140103-224334.jpg http://fushi.x0.com/cap/Cap20140103-224337.jpg http://fushi.x0.com/cap/Cap20140103-224341.jpg http://fushi.x0.com/cap/Cap20140103-224344.jpg http://fushi.x0.com/cap/Cap20140103-224347.jpg http://fushi.x0.com/cap/Cap20140103-224349.jpg
佐々木「全部嘘だったんやで」 http://download4.getuploader.com/g/t_kara/40/kr.jpg http://download4.getuploader.com/g/t_kara/41/sw.jpg
なぜこんなに過疎なんだ。自問自答する日々。最終的に出会ったのがカラザイル荒らしだった。
>>486 SFCさん並の有能教徒がまだ残ってたのか…(感涙) やっぱりTがナンバーワン!
ワイ将の子供の名前、邦雄に決定 http://102ch.us/livenews/280/?g=3650d0eb
カラザイルau規制された
詳細ヘッダー      平成26年1月8日 株式会社TKC 恒心綜合法律事務所 唐澤 貴洋 様 「TKCローライブラリー」トライアルIDのお知らせ         ( 有効期限 平成26年1月18日 ) この度は「TKCローライブラリー」トライアルIDをお申込いただきまして誠に ありがとうございます。 下記の通りに、TKCローライブラリー利用のためのトライアル用ユーザID、パ スワードを決定しましたので、お知らせいたします。                   記          ====================================      ID :tkd026740      仮パスワード :j6452644     ==================================== ※ご利用に際しては、ログイン後の画面で仮パスワードを変更して頂く必要がござ います。 ※ID、パスワードは、大文字、小文字の区別がありますので入力の際にご注意く ださい。 【ご利用案内】 ●ご利用方法 「TKCローライブラリー」ログイン画面 ( http://www.lawlibrary.jp/ )に接続し、[会員専用ログイン]をクリック後、 ID及び仮パスワードを入力するとパスワードの変更画面が表示されます。パスワー ド変更後、「TKCローライブラリー」をご利用いただけます。 ●推奨ブラウザ Internet Explorer6.0以上  ●パスワード パスワードは、暗証番号にあたるものです。盗難・失念されることがないように、厳 重に管理してください。 ●著作権   本サービスのプログラム、画面イメージ及び提供する情報等の著作権は株式会社 TKC及び情報提供者に帰属します。 【利用上のご注意】 ・「日経ダイレクトサーチ」はトライアルの対象外となります。 ・ID、パスワードを第三者に譲渡もしくは貸与し、または、第三者に本サービスを 利用させることはできません。 ・入手した情報は如何なる目的においても複製することを禁じます。 ・ご利用後、本サービスのご利用をご希望される方は別途申込みが必要です。 【TKCローライブラリーのコンテンツについて】 <基本サービス> TKC提供  『LEX/DBインターネット』『新・判例解説Watch』『公的判例集データ  ベース』『法律関係リンク集』 日本経済新聞デジタルメディア殿提供  『日経四紙からの選りすぐり情報』 <基本サービスセット> ・『基本サービス』     + ・『Super 法令Web』(ぎょうせい殿提供)     + ・『法律文献総合INDEX』(日本評論社殿・TKC提供) <オプションサービス> 日本評論社殿提供 ・『法律時報』(『学界回顧』『判例回顧と展望』を含む) ・『私法判例リマークス』 ・『法学セミナー ベストセレクション』 ・『インターネットコンメンタール(民法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法、   会社法)』
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1 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25514657/平成25年9月30日/東京地裁/平成25年(ワ)第21492号/第一審 LEX/DB 2013/09/30 書誌 全文 2 判例(民事) 割増賃金等請求事件/レガシィ事件 25501779/平成25年9月26日/東京地裁/平成24年(ワ)第15937号/第一審 税理士法人においては,その税理士以外の従業員が税理士法人を労務の提供先として事実上税務書類の作成等の業務を行い,その成果が税理士法人を主体とする業務として顕出されるということがあり得るが,他方,税理士法人でない会社においては,自… LEX/DB 2013/09/26 書誌 全文 3 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25510781/平成25年2月19日/東京地裁/平成24年(ワ)第27652号/第一審 LEX/DB 2013/02/19 書誌 全文 4 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25510834/平成25年2月19日/東京地裁/平成24年(ワ)第27756号/第一審 LEX/DB 2013/02/19 書誌 全文 5 判例(民事) 所有権移転登記請求事件 25510213/平成25年1月21日/東京地裁/平成23年(ワ)第38080号/第一審 LEX/DB 2013/01/21 書誌 全文 6 判例(民事) 損害賠償請求事件 25499155/平成24年12月20日/東京地裁/平成24年(ワ)第18974号/第一審 LEX/DB 2012/12/20 書誌 全文 7 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25499413/平成24年12月10日/東京地裁/平成24年(ワ)第21264号/第一審 LEX/DB 2012/12/10 書誌 全文 8 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25498447/平成24年10月26日/東京地裁/平成24年(ワ)第19073号/第一審 LEX/DB 2012/10/26 書誌 全文 9 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25498563/平成24年10月23日/東京地裁/平成24年(ワ)第20187号/第一審 LEX/DB 2012/10/23 書誌 全文 10 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25498429/平成24年10月18日/東京地裁/平成24年(ワ)第21038号/第一審 LEX/DB 2012/10/18 書誌 全文 11 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25498662/平成24年10月2日/東京地裁/平成24年(ワ)第11833号/第一審 LEX/DB 2012/10/02 書誌 全文 12 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25494912/平成24年6月29日/東京地裁/平成24年(ワ)第4004号/第一審 原告が、インターネット上の電子掲示板に投稿された記事によって権利を侵害されたとして、上記投稿に係る経由プロバイダである被告に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づいて同記事… LEX/DB 2012/06/29 書誌 全文 13 判例(民事) 発信者情報開示請求事件 25494966/平成24年6月19日/東京地裁/平成24年(ワ)第4008号/第一審 LEX/DB 2012/06/19 書誌 全文 14 判例(民事) 投稿記事削除請求事件 25493851/平成24年4月26日/東京地裁/平成23年(ワ)第42026号/第一審 原告が、インターネット上に公開されるブログサービスにおいて被告が投稿した記事によって、原告の社会的評価が著しく低下されたとして、被告に対し、名誉権に基づき本件記事の削除を求めた事案において、原告の請求を認容した事例。 LEX/DB 2012/04/26 書誌 全文
《全 文》 【文献番号】25514657 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成25年(ワ)第21492号 平成25年9月30日民事第1部判決 口頭弁論終結日 平成25年9月9日        判   決 原告 X1 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 同代表者代表取締役 X2 同訴訟代理人弁護士 上村哲史 同 上田雅大 同 横山経通        主   文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。 2 訴訟費用は,被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文同旨 第2 事案の概要等 1 本件は,原告が,被告に対し,氏名不詳の者(以下「本件発信者」という。)が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上の電子掲示板にした書き込みによって名誉を毀損されたとして,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき,本件発信者の氏名及び住所等の開示を求めた事案である。 2 前提事実(各事実末尾記載の証拠及び弁論の全趣旨により認められる。) (1)被告は,電気通信事業を営む株式会社であり,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律2条3号に規定する特定電気通信役務提供者に該当する(弁論の全趣旨)。 (2)本件発信者は、不特定の者が閲覧可能なインターネット掲示板「2ちゃんねる」に,別紙情報目録記載のとおりの情報(以下「本件投稿」という。)を発信した(甲1)。  (3)原告は,2ちゃんねる掲示板管理者であるシンガポール法人を債務者として,発信者情報の仮開示等の仮処分を申立て,平成25年5月2日,発信者情報の仮開示仮処分等の決定を得て,同掲示板管理者からIPアドレスの開示を受けたところ,本件投稿は,被告を経由して,発信されたことが判明した(甲2から3)。 (4)原告は,本件発信者に対し,不法行為に基づく損害賠償請求をする準備として,本件発信者の発信者情報の開示を求めている(弁論の全趣旨)。
3 争点 (1)権利侵害の明白性 (原告) ア 原告は,X3のペンネームを用いて,同人誌を作成していた者である。原告が当該ペンネームを用いて活動していること及び原告の勤務先は,平成23年に既に明らかになっていた。 イ 本件投稿は,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読んだ場合,原告が女性に対して殺害予告をした旨の書き込みは,原告が脅迫行為を行っていると誤信させ,原告が未成年者を部屋に連れ込み,未成年者略取で捕まりそうである旨の書き込みは,原告が犯罪行為に及ぶ人物であると誤信させ,いずれも原告の社会的評価を低下させる。 ウ 本件投稿は,真実でない。また,公共の利害に関する事項でなく,原告を誹謗中傷するものであって,積極的な加害意思しか見て取ることができないから,公益目的も認められない。 (被告)  本件投稿が原告に関するものか不明であり,本件投稿の内容も意味不明なところが多く,殺害予告を行ったとの事実が真実でないかも不明であるため,原告の名誉が毀損されていること及び違法性阻却事由の存在を伺わせるような事情が存在しないことが明白であるとはいえない。 (2)電子メールアドレス開示の必要性 (原告)  契約者が世帯主であり,携帯電話の使用者が他の家族である可能性がある。その場合,電子メールアドレスは,実際の発信者を推知するために必要である。 (被告)  損害賠償請求には,氏名又は名称及び住所の開示があれば足り,電子メールアドレスの開示まで不要であり,電子メールアドレスの開示を必要とする事情が具体的になっていない。 第3 当裁判所の判断 1 本件投稿が原告についてのものであるか否かについて (1)各事実末尾記載の証拠によれば,次の事実が認められる。 ア 原告は,「○○○○○」という名称のサークルに属し,平成20年4月及び平成23年8月,「X3」というペンネームで,同人誌を発行した。(甲6,7,8) イ 原告は,平成21年6月頃,出版社の編集者との間で,「X3」名義で発表した作品をアンソロジーに再録する件に関し,本名を明らかにした上で,やりとりを行っていた(甲8)。 ウ 本件投稿が書き込まれた掲示板のスレッドは,「△△△△△△△△△△△△△」という名称であるところ,その中に,平成25年4月18日付けで「X3」を指す趣旨で,「X1」という原告の本名を記載した書き込みがあった(甲5)。 (2)以上の事実によれば,原告のペンネームが「X3」であることは,少なくともサークル関係者及び原告とやりとりをした出版関係者には周知されていたと認められる。  そして,本件投稿がされたスレッドに原告の本名が書き込まれていたことから,本件投稿を読んだ他の者にとっても,「X3」が原告を指すものと認識することができ,当該スレッドにされた書き込みが原告に向けられたものであると認識できたと認められる。 2 本件投稿によって,原告の権利が侵害されたことが明らかであるか否かについて  別紙情報目録〔1〕の投稿は,「女性に対して勘違い逆恨みから殺害予告や品性下劣で心無い言葉を投げつけておきながら」との部分から,原告が女性に勘違いや逆恨みから殺害予告をしたという事実が摘示されていることが容易に読み取れる。  また,同目録〔2〕の投稿は,「やったことが殺害予告や病人なりすましなど悪質すぎて反省して罪を償っても許されない」との部分から,原告が殺害予告などの犯罪行為をしたという事実が摘示されていることが容易に読み取れる。  さらに,同目録〔3〕の投稿は,「そのうち未成年を部屋に連れ込んだりしそうで怖いよ・・・未成年者略取で捕まらないといいなあ」というもので,原告が未成年者を部屋に連れ込むような性癖があり,未成年者略取という犯罪行為をしかねない人物である旨指摘していることが容易に読み取れる。  そうすると,本件投稿は,いずれも原告が犯罪行為を行ったこと,または,原告が犯罪行為をしかねない人物であるとの事実を摘示するものであるから,原告の社会的評価を低下させ,その名誉を毀損していることが明らかである。  なお,本件投稿の記載内容に照らせば,本件発信者が公共の利益を図る目的で本件投稿を行ったとは認め難く,本件投稿につき違法性阻却事由があるとは認められない。  よって,本件投稿に係る情報の流通によって,原告の権利が侵害されたことが明らかであるということができる。
3 そうすると,本件発信者の発信者情報が原告の損害賠償請求権の行使のために必要であるいうことができる。そして,本件発信者は,本件投稿をする際,被告を経由して情報を発信したから,被告は,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に規定する開示関係役務提供者に該当する。  なお,携帯電話の契約者が使用者以外の家族であることはしばしば見られるから,発信者の特定のために,電子メールアドレスの開示も必要であると認められる。  よって,原告の請求に理由があるから,これを認容することとし,訴訟費用の負担につき,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第1部 裁判官 綿貫義昌 (別紙)発信者情報目録  別紙情報目録記載の投稿日時における別紙情報目録記載のiモードIDで特定される携帯電話番号の契約者についての以下の情報 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス 以上 別紙 情報目録
やっぱり無法地帯がナンバーワン!
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《全 文》 【文献番号】25498447 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第19073号 平成24年10月26日民事第32部判決 口頭弁論終結日 平成24年9月7日        判   決 原告 X1 原告 X2 原告両名訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 同代表者代表取締役 X3 同訴訟代理人弁護士 五島丈裕        主   文 1 被告は,原告らに対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文同旨 第2 事案の概要  本件は,原告らが,氏名不詳者がインターネット上の電子掲示板にした記事の投稿により名誉を毀損されたとして,当該投稿についてインターネット接続サービスを提供したいわゆる経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,当該氏名不詳者に係る発信者情報の開示を求める事案である。 1 前提となる事実  以下の各事実については,証拠等を掲記した事実は当該証拠等によりこれを認め,その余の事実は当事者間に争いがない。 (1)当事者 ア 原告X2(以下「原告X2」という。)は,平成19年に東京藝術大学(以下「東京芸大」という。)音楽学部邦楽科教授に就任し,平成24年3月末に定年退官するまで同教授の地位にあり,退官以後は邦楽囃子の演奏家をしている(甲6)。 イ 原告X1(以下「原告X1」という。)は,在日韓国人であり,平成10年4月に東京芸大音楽学部邦楽別科邦楽囃子(小鼓)専攻に入学し,邦楽囃子を専攻して平成19年3月に博士課程を修了し,平成22年4月から平成24年3月末まで東京芸大音楽学部邦楽科で非常勤講師を務めていたが、原告X2の退官に伴い,選考を経て東京芸大の准教授に就任した(甲5,甲8)。 ウ 被告は,電気通信事業を目的とする株式会社である。  (2)インターネット上のウェブサイトである電子掲示板(http://www.2ch.net)(以下「本件ウェブサイト」という。)に,いわゆるスレッドが作成され,氏名不詳者により別紙投稿記事目録記載の投稿記事(以下「本件記事」という。)が投稿されて掲載され,不特定多数の人の閲覧に供された(以下,本件記事を投稿した氏名不詳者を「本件発信者」という。)。 (3)原告X1は,本件ウェブサイトの管理者であるパケットモンスターインク ピーティーイー エルティーディ(PACKET MONSTER INC.PTE.LTD.)を債務者として,本件記事の投稿に係る発信者情報開示の仮処分を申し立て,平成○○年○月○○日付けの仮処分命令に基づき,本件記事の投稿に使用された別紙投稿記事目録記載のIPアドレス等の開示を受けた(甲2,弁論の全趣旨)。 (4)被告は,本件記事の投稿についてインターネット接続サービスを提供したいわゆる経由プロバイダであり,上記IPアドレスの使用者である本件発信者の住所,氏名,メールアドレス等の情報を保有している。 (5)原告らは,本件発信者に対し,名誉毀損による権利侵害を理由として,不法行為に基づく損害賠償請求等を準備している(弁論の全趣旨)。 2 原告らの主張 (1)本件記事における記載の対象  本件記事において記載の対象となっているのは原告らである。本件記事には「芸大の邦楽科のMという教授」,「在日の女性R」との記載があるが,これはそれぞれ原告X2,原告X1を指すものである。 (2)本件記事による原告らの名誉毀損  本件記事は,原告X2が原告X1といわゆる不倫関係にあるとの真実に反する事実を摘示し,原告らの社会的評価を低下させ,その名誉を毀損するものである。また,本件記事は,読者に対し,原告X2が大学の人事を私物化しており,原告X1がこのような私物化がなければ准教授に就任することができない人物であるとの印象を与え,原告らの名誉を毀損するものである。  本件記事に記載されているのは男女の私的関係であり,公益目的は観念し得ず,公共の利害に関するものでもない。
3 被告の主張 (1)本件記事における記載の対象について  原告らの主張は,争う。本件記事の読者は,本件記事の「M」及び「R」がそれぞれ原告X2,原告X1を指すと理解することはできない。 (2)本件記事による原告らの名誉毀損について  原告らの主張は,争う。本件記事の読者は,単なる発信者の意見や憶測が記載されていると解釈するにとどまるから,本件記事が原告らの社会的評価を低下させることはない。  本件記事が事実を摘示するものであると解されるとしても,摘示事実は,大学関係者等の多数の者の利害に関係し,これらの者が関心を寄せることが正当であり,大学の人事について注意を喚起する意図がうかがわれるから,公共性及び公益目的がある。また,真実性又は真実相当性がうかがわれる事情があるから,本件記事の投稿の違法性が阻却される余地がある。 第3 当裁判所の判断 1 本件記事の記載の対象について  本件記事が掲載されたスレッドには,本件記事の直前に,「東京芸大音楽学部邦楽科邦楽囃子の教授は本年定年退官。後任人事を巡って様々な憶測が芸界内で飛び交っている。」との記事が掲載されており(甲11),また,本件記事が投稿された平成23年11月25日当時,東京芸大音楽学部邦楽科の講座においては,姓の頭文字のアルファベットが「M」である教授は原告X2の他におらず,姓の頭文字のアルファベットが「R」である非常勤講師又は助手は原告X1のほかにいなかったこと(甲7)によれば,本件記事の対象は原告らであることが認められる。そして,原告X2が東京芸大音楽学部邦楽科第4講座の指導教員であることは同大学のウェブサイトに公表されており(甲12),原告X1が在日韓国人であって,東京芸大音楽学部邦楽科に在籍していることも公表されていること(甲5)に照らせば,本件記事の対象が原告らであることは,その読者においても認識し得たと認めることができる。 2 本件記事による原告らの名誉毀損について  法4条1項1号に定める「開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかである」というには,開示請求者において,権利が侵害されたことに加え,当該侵害について,違法性阻却事由の存在をうかがわせるような事情が存在しないことを主張,立証する必要があると解するのが相当である。  そこで,本件について,上記のような観点から検討する。 (1)社会的評価の低下について  本件記事には,「芸大の邦楽科のMという教授が,私生活で懇意にしていた在日の女性Rを自分の次の准教授に推し,それが確定したようです。」,「邦楽界からかなりクレームが出ています。どうやら,憶測ですが,学長もグルのようです。」,「彼女は,古典の世界では何の知名度も無く,一人の師について修行もつんでいません。芸名もありません。」との記載があるが,これらは事実を摘示するものであるということができる。そして,これらの摘示事実(以下「本件摘示事実」という。)は,本件記事の一般の読者にとって,東京芸大の邦楽科の教授である原告X2が,原告X1といわゆる不倫関係にあり,そのために原告X1を准教授に推薦し,学長と通謀して,本来であれば准教授に就任することができるほどの実績のない原告X1を准教授に就任させたと理解されるものであり,このような読者に対し,原告X2が東京芸大の教授人事を情実により左右し,原告X1は准教授に就任することができるほどの実績がないにもかかわらず,准教授に就任させようとしているとの印象を与えるものであるということができるから,原告らの社会的評価を低下させるものであると認められる。
(2)真実性の欠如について  原告X2は,原告X1を邦楽の演奏家として指導したことはあるが,原告X1といわゆる不倫関係にあったことはなく,東京芸大においては,退任する教授の後任は公募され,後任人事委員会が選考にあたり,推薦者を一人に絞った後に,音楽学部教授会において投票により候補者として決定することとされているところ,退任する教授である原告X2は上記委員会の構成員となることができず,教授として出席した上記教授会においては賛成多数で原告X1を後任候補者とすることが可決されたものである(甲5,甲6)。  また,原告X1は,東京芸大音楽学部邦楽別科邦楽囃子専攻に入学し,博士課程を修了しており(前記第2の1(1)イ),平成15年から演奏家として様々な演奏会に出演している(甲5,甲9)。  これらの事実に照らせば,本件摘示事実は真実ではないと認められる。 (3)以上によれば,本件記事中の本件摘示事実は,原告らの名誉を毀損するものであって,本件記事の投稿の違法性を阻却する事由はないことが認められる(原告らが,本件発信者において本件摘示の事実を真実であると信ずるに足りる相当な事由がないことまでを主張立証する必要はないと解する。)から,本件記事の投稿によって原告らの権利が侵害されたことが明らかであると認めることができる。 3 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由  原告らは,本件発信者に対する不法行為に基づく損害賠償請求等を準備しており(前記第2の1(5)),原告らがこれを行うためには,本件発信者の氏名,住所等によりこれを特定する必要があることは明らかであるから,本件発信者に係る発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる。 4 結論  以上によれば,原告らは,被告に対し,法4条1項に基づき,本件発信者に係る別紙発信者情報目録記載の情報の開示を求めることができる。  よって,原告らの請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第32部 裁判官 白井幸夫 (別紙)発信者情報目録  別紙投稿記事目録記載のIPアドレスを使用して同目録記載の投稿用URLに接続し,同目録記載の投稿日時ころに同目録記載の投稿記事を投稿した者に関する次の情報 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス 以上 (別紙)投稿記事目録 http://www.tkclex.ne.jp/lexbin/WebGifOut.aspx?Bunban=25498447&GifIndex=1 http://www.tkclex.ne.jp/lexbin/WebGifOut.aspx?Bunban=25498447&GifIndex=2
新しいDBかな?
http://tsdb.geidai.ac.jp/profile/ja.ZwfZq0x1cX2OWO8QijjAhA==.html 原告X1はこの人やな
このような声もありますを 声なき声に力を。 86 :核撃てば尊師:2014/01/08(水) 23:02:38 ID:CfbwcRJ2 >>80 尊師以外ならJJとかトミーとか胸元開示とか見たい 87 :核撃てば尊師:2014/01/08(水) 23:03:12 ID:jm/bXfjs ノビュークが普段どんな仕事してるのかも分かるんやな
>>493の内容ではもうログインできなくなってるナリ 誰かがパスワードを変更したか運営にアカウント消されたか
パスワード変更とかマナー違反やろ まあ作者自身がやったのかもしれんが
ID :tkd026740 パスワード :krsw40298
《全 文》 【文献番号】25500462 東京地方裁判所 平成24年(ワ)第18893号 地位確認等請求事件(本訴) 平成24年(ワ)第27163号 建物明渡等請求事件(反訴) 平成25年3月6日民事第19部判決 口頭弁論終結日 平成25年1月11日        判   決 原告(反訴被告) a 同訴訟代理人弁護士 森下文雄 被告(反訴原告) ヒタチ株式会社 同代表者代表取締役 b 同訴訟代理人弁護士 弘中徹 同 三好重臣 同 仙田正一 同 別所司 同 野村亮輔 同 高橋知久 同 植村理栄子 同 小屋敷雄二        主   文 1 原告(反訴被告)の請求をいずれも棄却する。 2 原告(反訴被告)は,被告(反訴原告)に対し,別紙物件目録記載の建物を明け渡せ。 3 原告(反訴被告)は,被告(反訴原告)に対し,平成24年10月1日から前項の明渡し済みまで1か月5万5000円の割合による金員を支払え。 4 原告(反訴被告)は,被告(反訴原告)に対し,金88万円及びこれに対する平成24年9月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 被告(反訴原告)のその余の請求を棄却する。 6 この判決は,主文2ないし4項に限り,仮に執行することができる。 7 訴訟費用は,本訴反訴を通じ,原告(反訴被告)の負担とする。        事実及び理由 第1 請求 1 本訴 (1)原告(反訴被告)が被告(反訴原告)の従業員たる地位を確認する。 (2)被告(反訴原告)は,原告(反訴被告)に対し,平成23年6月1日以降,毎月22日限り,23万2650円を支払え。 (3)被告(反訴原告)は,原告(反訴被告)に対し,原告(反訴被告)が居住する静岡県富士宮市α×××番地の×c○-×××からの退去をさせてはならない。 (4)被告(反訴原告)は,原告(反訴被告)に対し,金600万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 反訴 (1)主文2項と同旨 (2)主文3項と同旨 (3)原告(反訴被告)は,被告(反訴原告)に対し,金88万円及びこれに対する反訴状送達から年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要  以下,原告(反訴被告)aを「原告」,被告(反訴原告)ヒタチ株式会社を「被告」という。 1 本件は,被告を解雇された原告が,解雇が無効であるとして,労働契約上の地位の確認とバックペイの支払を求め,また,配転打診から始まる被告の一方的な振る舞いは,重い持病で苦しむ原告が安心して主治医のもとで療養を受ける環境を破壊するものであり,これにより精神的損害を被ったとして慰謝料300万円の支払を求め,さらに,被告の対応によって原告は源泉徴収票を受領することができなかった慰謝料等として300万円の支払を求める事案(本訴事案)と,被告が,原告に対し,従業員の社宅として転貸借している別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)について,解雇によって原告が従業員としての地位及び転借権を失ったものとして,本件建物の明渡しと,解雇日以後の賃料相当額の不当利得返還を求める事案(反訴事案)である。 2 争いのない事実等(以下の事実は,当事者間に争いがないか,掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。) (1)被告は,貨物自動車運送業等を業とする株式会社である(甲1)。 (2)原告は,平成16年10月17日,被告に入社し,d営業所に配属された(甲92,93 以下,原告と被告の間で締結された労働契約を「本件労働契約」という。)。その後,平成17年2月17日,e営業所(静岡県富士宮市所在)に異動した(甲3)。 (3)被告は,平成22年9月30日,原告に対して,同年11月1日付けでe営業所からf営業所(さいたま市β区所在)への配転を命じた(以下「本件配転命令」という。甲10,乙8)が,原告は本件配転命令を拒否した。 (4)被告は,平成23年4月28日,原告に通知書(甲94,乙9)を交付し,同年5月25日までのf営業所への配転を再度命じると共に,これに従わない場合については,同月31日付けで解雇すると予告した。その後も原告はf営業所への配転に従わず,被告は,同日,原告を諭旨解雇した(以下「本件解雇」という。甲2,乙1)。 (5)就業規則(甲12,乙10) 9条(人事異動) 1項 会社は,業務の都合により従業員に対して職場もしくは職務の変更,転勤およびその他の人事上の異動を命ずることがある。 2,3項 略 54条(服務の基本原則)  会社の事業目的は少数精鋭により,顧客に常に最高のサービスを提供することである。従って従業員は,この規則に定めるものの他,業務上の指揮命令に従い事故の業務に専念し,作業効率の向上に努めるとともに互いに協力して職場の秩序を維持しなければならない。 84条(懲戒の種類) 1項 懲戒は,次の6種類とする。 1ないし4号 略 5号 諭旨解雇・・・予告期間を設けるか,または予告手当を支給して解雇する。この場合,退職金を支給しない場合がある。 6号 略 2項 略 87条(懲戒処分その3)  従業員が,次の各号の1に該当するときは,諭旨解雇とする。ただし,情状により出勤停止,または降職・降格に止めることがある。 1,2号 略 3号 故意に会社の諸規則,または指示・命令に違反し,職場の秩序を乱したとき。 4号以下 略 (6)原告は,被告が賃借する本件建物に居住している(甲95,114の1ないし114の10,乙2)。 (7)原告は,平成11年9月から「うつ状態」として小沢メンタルクリニックで入院治療を受けるなどし,その後も継続的に「うつ状態」「うつ病」として通院治療を受け,平成17年5月から「反応性うつ病,不眠症」の病名で,南富士病院において通院治療を受けている(甲13,111)。 (8)原告は,本件解雇が無効であるとして,平成23年7月,静岡地方裁判所富士支部に地位保全等の仮処分を申し立てた(静岡地方裁判所富士支部平成23年(ヨ)第13号 地位保全等仮処分命令申立事件)が棄却され(甲92),これに対して特別抗告を申し立てた(東京高等裁判所決定平成23年(ラ)第1966号 地位保全等仮処分命令申立却下に対する抗告事件)が棄却された(甲93)。 (9)訴状の送達 ア 原告は,訴状をもって,本訴を提起し,同訴状は,平成24年7月6日,被告に送達された。 イ 被告は,反訴状をもって,反訴を提起し,同反訴状は,平成24年9月26日,原告に送達された。
3 争点 (1)本件解雇の有効性 (2)不法行為の成否 ア 本件配転命令,本件解雇 イ 源泉徴収票の取扱い (3)本件建物の明渡し請求等の可否 第3 当事者の主張 1 争点(1)(本件解雇の有効性)について 【被告の主張】 (1)はじめに  被告は,原告が本件配転命令に応じなかったことを受け,原告の過去の勤務態度等を併せて考慮した結果,原告を勤務継続させることはもはや不可能であると判断し,本件解雇を行った。本件解雇は客観的に合理的な理由が存し,社会通念上も相当であって,有効である。 (2)本件解雇に至る経緯 ア d営業所におけるトラブル(甲3,4) (ア)原告は,平成16年10月17日,d営業所にアルバイトとして入社し,2,3ヶ月後に株式会社デイリーヤマザキ便のドライバーとして配属された。 (イ)g店とのトラブル  原告は,平成17年1月19日,配送に出発して,デイリーヤマサキg店(以下「g店」という。)に午前5時35分頃到着した。午前5時40分が当日の到着予定時間であったが,同店オーナーは,原告に対して,午前5時20分には納品するよう希望を述べ,原告の到着が遅い旨述べた。  これに対して,原告は遅れていない旨反論して,同店オーナーと激しい口論となり,警察官を呼ぶ騒ぎとなり,市川警察署にて事情聴取を受けた。上記経緯のため,g店以降配送予定の数店舗の配送に遅配を生じた。  被告は,これ以降,3便分の原告の乗務を中止させ,翌日から,原告をg店の配送コースに乗務させない措置をとった。 (ウ)h店とのトラブル  g店でのトラブルから1ヶ月も経過しない平成17年2月9日,原告は,デイリーヤマサキh店(以下「h店」という。)において,納品時間をめぐってトラブルを起こした。  被告は,原告が相次いで配送先の店主と口論等のトラブルを起こしたため,同月10日より乗務停止処分とした。  しかしながら,原告は,h店の店長を告訴するため同店オーナーの氏名住所を聞こうとして,同月18日夕方,h店に問合せの電話を入れた。 イ e営業所への異動(甲3,4)  被告は,原告が取引先に対し強硬的な行動に出ることを重く見て,平成17年2月17日,原告に対し,e営業所への異動を命じ,同年3月2日,原告から,関係者に刑事民事の責を問うことをしない旨の念書の提出を受けた(甲36,37)。  被告が最大取引先である山崎製パン株式会社(以下「山崎製パン」という。)グループとの間のトラブルを穏便に解決しようとすることは,他従業員の雇用及び生活を確保するという側面からも当然の措置である(甲98)。 ウ e営業所におけるトラブル〔1〕  被告は,原告がd営業所において顧客との間にトラブルを起こしたことから,ドライバー職への従事は適切でないと考え,原告をe営業所へ配転させた後,被告の主要取引先である山崎製パンi工場での仕分け作業に従事させることにした。仕分け作業は,3人ないし5人程度で,山崎製パンが製造販売している食パン・菓子パン等を工場からの配送先小売店別に仕分けしていく作業である。  ところが,原告は,平成18年2月,原告の作業効率をめぐって山崎製パンの従業員から厳しい指摘を受けたのをきっかけに口論となるトラブルを起こした。  当時の被告のj常務(以下「j常務」という。)は,原告が直接山崎製パンに対して自己の正当性を訴えるなどしてトラブルが拡大することを懸念し,すぐに原告と面談を行うと共に仕分け作業への就業を中止させ,原告を自宅待機させる処分をとり,山崎製パンi工場を訪ねて謝罪し穏便な処理を図った。j常務は,原告に対し,解雇処分も辞さない厳しい態度をとったが,これに対して原告は弁護士を代理人として争い,両者協議の結果,平成18年4月1日,時給900円ベースで原告の収入を確保する条件の和解契約が締結された(甲6)。
《全 文》 【文献番号】25499109 損害賠償請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第13330号 平成24年12月10日民事第27部判決 口頭弁論の終結の日 平成24年11月19日        判   決 原告 A1 被告 A2 同訴訟代理人弁護士 弘中徹 同 三好重臣 同 仙田正一 同 別所司 同 野村亮輔 同 高橋知久 同 植村理栄子 同 小屋敷雄二        主   文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
《全 文》 【文献番号】25494107 保管料等請求事件 東京地方裁判所平成22年(ワ)第31963号 平成24年5月10日民事第4部判決 口頭弁論終結日 平成24年3月22日        判   決 原告 寺田倉庫株式会社 同代表者代表取締役 A 同訴訟代理人弁護士 和田正隆 同 菊池浩司 被告 株式会社クラヴィス 同代表者代表取締役 B 同訴訟代理人弁護士 安田修 同 野中信敬 同 橋本幸子 同 辻美和 同 小屋敷雄二        主   文 1 被告は,原告に対し,386万6116円及びうち85万7110円に対する平成22年4月9日から支払済みまで年14.6パーセントの割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決は仮に執行することができる。
求償金請求事件 書誌 全文 25493809 平成24年 4月27日 東京地裁 平成24年(ワ)第3999号 第一審 約4Kバイト(A4印刷:約4枚) 訴外Cと被告との間で発生した交通事故に関し、訴外Cと自動車保険契約を締結していた原告が、保険法25条に基づき、訴外Cの被告に対する損害賠償請求権を代位取得したと主張して、被告に対し、原告がCに支払った損害保険金の求償を求めた事案… 《全 文》 【文献番号】25493809 求償金請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第3999号 平成24年4月27日民事第27部判決 口頭弁論終結日 平成23年3月23日        判   決 原告 日本興亜損害保険株式会社 同代表者代表取締役 A 同訴訟代理人弁護士 高橋知久 被告 B        主   文 1 被告は,原告に対し,160万3000円及びこれに対する平成23年7月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は,被告の負担とする。 3 この判決は,仮に執行することができる。
別紙 訴状 第1回口頭弁論陳述 平成24年2月14日 東京地方裁判所 御中 原告訴訟代理人弁護士 弘中徹 同 三好重臣 同 仙田正一 同 別所司 同 野村亮輔 (担当)同 高橋知久 同 植村理栄子 同 小屋敷雄二 当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり 求償金請求事件 訴額    金160万3000円 貼用印紙額 金  1万4000円 第1 請求の趣旨 1 被告は原告に対し,金160万3000円及びこれに対する平成23年7月21日より支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え 2 訴訟費用は被告の負担とする との判決及び仮執行宣言を求める。 第2 請求の原因 1 交通事故の発生(以下「本件交通事故」という。甲1) 発生日時 平成23年5月31日 午前6時37分ころ 発生場所 千葉県君津市α×××番地×先路上 加害車両 自家用普通乗用自動車(○○○×××‐××××)      運転者―被告 被害車両 自家用普通乗用自動車(○○○×××‐××××)      運転者―訴外C(以下「訴外C」という。) 2 事故態様(甲2)  上記日時に、被告が加害車両を運転して本件交通事故現場付近に差しかかった際、センターラインを突き抜けて同車両を対向車線に進入させた結果、折から対向車線を進行してきた訴外C運転にかかる被害車両右前部に、加害車両前部を衝突させたもの。 3 訴外Cの損害 金160万3000円  訴外Cは、本件事故により被害車両が全損したため、同車両の時価相当額金160万3000円の損害を被った(甲3)。 4 被告の責任  被告は、加害車両を運転中、走行道路が左方向に緩やかにカーブしていたのであるから、進路に沿って把手を握持し速度を適宜調節して慎重に運転すべき注意義務があるのにこれを怠り、センターラインを突き抜けて対向車線に進入させた過失により同車全部を被害車両右前部に衝突させ、よって本件事故を惹起させたのであるから、民法709条に基づき、訴外Cに対し損害賠償義務を負担する。 5 原告の保険金の支払い  原告は、訴外Cと自動車保険契約を締結しており、同契約に基づき、同人に対して、支払報告書(甲4)作成日の2営業日後である平成23年7月20日までに車両保険金として金171万3239円支払い、保険法第25条に基づき、同人から被告に対する金160万3000円を限度とする損害賠償請求権の移転を受けた。 6 まとめ  よって、原告は、被告に対し、訴外Cから移転を受けた損害賠償請求権に基づき、金160万3000円及びこれに対する平成23年7月21日より支払済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。 以上
《全 文》 【文献番号】25463944 上場廃止の意思表示禁止等仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件 東京高等裁判所平成22年(ラ)第1276号 平成22年8月6日第17民事部決定 抗告人 株式会社アドバックス 同代表者代表取締役 小澤雅治 同代理人弁護士 野中信敬 安田修 橋本幸子 辻美和 小屋敷雄二 相手方 株式会社東京証券取引所 同代表者代表取締役 斉藤惇 相手方 東京証券取引所自主規制法人 同代表者理事長 林正和 上記両名代理人弁護士 井上聡 荒井紀充 森大樹 須藤希祥        主   文 1 本件抗告をいずれも棄却する。 2 抗告費用は抗告人の負担とする。
上場廃止の意思表示禁止等仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件 書誌 全文 25463944 平成22年 8月 6日 東京高裁 平成22年(ラ)第1276号 抗告審 評釈 約14Kバイト(A4印刷:約8枚) 金融商品取引所のした上場廃止の意思表示について効力停止の仮処分が認められなかった事例 25463945 平成22年 7月 9日 東京地裁 平成22年(ヨ)第2097号 第一審 約37Kバイト(A4印刷:約20枚) 金融商品取引所が有価証券上場規程において、不適当な合併により実質的存続性を喪失した上場会社が上場廃止に係る審査の申請をする場合、法令遵守および反社会的勢力との関係について問題がない旨の幹事証券会社の確認書の提出を求めることとした… 《全 文》 【文献番号】25463945 東京地方裁判所平成22年(ヨ)第2097号 平成22年7月9日決定 債権者 株式会社アドバックス 同代表者代表取締役 小澤雅治 同代理人弁護士 安田修 野中信敬 橋本幸子 辻美和 小屋敷雄二 債務者 株式会社東京証券取引所 同代表者代表取締役 斉藤惇 債務者 東京証券取引所自主規制法人 同代表者理事長 林正和 上記両名代理人弁護士 井上聡 荒井紀充 森大樹 須藤希祥        主   文 1 本件申立てをいずれも却下する。 2 申立費用は債権者の負担とする。
《全 文》 【文献番号】25511310 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第29277号 平成25年2月18日民事第48部判決 口頭弁論終結日 平成25年1月7日        判   決 原告 P1 同訴訟代理人弁護士 深町周輔 被告 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 同代表者代表取締役 P2 同訴訟代理人弁護士 横山経通 同 上村哲史 同 上田雅大        主   文 1 被告は,原告に対し,iモードID「□□□□□□□」で特定される携帯電話番号の契約者の氏名及び住所を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文と同旨 第2 事案の概要  本件は,原告が,電気通信事業を営む被告に対し,別紙投稿記事目録記載の各情報の発信者に対し損害賠償請求権を行使するために,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,被告の保有する上記各情報に係る発信者情報の開示を求める事案である。 1 前提事実 (1)原告は,精神科専門医であり,平成24年4月から,医療法人社団一友会が経営するメンタルクリニック「ナチュラルクリニック代々木」(以下「本件クリニック」という。)の院長を務めている(甲5,6,弁論の全趣旨)。  被告は,電気通信事業を営む株式会社であり,プロバイダ責任制限法4条1項の「特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者」である(弁論の全趣旨)。 (2)インターネット上のURL(http://www.2ch.net)で表示されるウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)は,様々な話題についての電子掲示板が集まった巨大掲示板群であり,インターネットの利用者であれば誰でも無料で希望の掲示板を閲覧したり新たに掲示板を作成することができる。  本件ウェブサイトの電子掲示板に投稿する際は,自らの氏名やメールアドレスなどの個人情報を登録する必要も記載する必要もないので,投稿者は匿名で記事を投稿することができ,利用者間でその投稿者が誰かが知られることはない。(当裁判所に顕著な事実,弁論の全趣旨) (3)氏名不詳者(以下「本件投稿者」という。)は,別紙投稿記事目録記載の各投稿日時において,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して,本件ウェブサイト上の同目録記載の閲覧用URLの電子掲示板に,同目録記載の投稿内容の記事(以下「本件各記事」という。)を投稿した(甲1,4,弁論の全趣旨)。
2 争点  本件各記事によって原告の名誉権ないし名誉感情が侵害されたことが明白か。 (原告の主張)  別紙権利侵害の説明のとおり,本件各記事において話題の対象としている人物は原告であり,原告の名誉権が侵害されたことは明白である。  また,別紙権利侵害の説明のとおり,違法性阻却事由が存在しない。 (被告の主張)  別紙投稿記事目録記載1及び2の各記事は,原告の社会的評価を低下させるものではない。また,同目録記載3の記事は,社会通念上受忍限度を超えて不法行為を構成するような侮辱的表現であるとはいえない。  したがって,本件各記事により原告の権利侵害が明白であるとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(本件各記事によって原告の名誉権ないし名誉感情が侵害されたことが明白か)について (1)プロバイダ責任制限法4条1項は,特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者が当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者に対しその保有する当該権利の侵害に係る発信者情報の開示を請求できる場合について規定し,その要件として,〔1〕特定電気通信による情報の流通によって当該開示請求者の権利が侵害されたことが明らかであるとき,かつ,〔2〕当該発信者情報が当該開示請求者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるときを挙げる。  そこで,本件各記事について,このような法律上の要件を充足するか否かを判断することにする。 (2)まず,証拠(甲1,4)及び弁論の全趣旨によれば,本件各記事の投稿者は同一人物であって,iモードID「□□□□□□□」で特定される携帯電話番号の契約者であることが認められる。  次に,別紙投稿記事目録記載2の記載(以下「本件記事2」という。)は,本件クリニックの名称が表示された「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」という題名の掲示板に,「論敵を精神病扱いしたり,医師免許をいいように使い過ぎ。医療の名の下に人間の尊厳を踏みにじるなんて最低だよな。」と記載されたものであるところ(甲1),同掲示板には,▲▲番目に投稿された本件記事2よりも早い段階である■番目に投稿された記事の中に,原告の実名を記載した上で,その人物が本件クリニックに勤務する精神科専門医であるとの記事部分が存在することから(甲1投稿番号7),本件記事2が原告について述べた記事であることは一般読者に容易に認識できると認められる。  また,本件記事2は原告が医師免許を利用して論敵を精神病扱いしているという事実を摘示していることから,一般読者の普通の注意と読み方からすれば,原告が本件クリニック院長を務める精神科専門医という社会的地位を濫用して,自分と意見を異にする者を精神病に罹患しているかのように扱うことによってその異見を抑えようとする人物であると受け止めるのが通常であり,そうすると,本件記事2は原告の社会的評価を低下させる内容の記事であることが認められる。次に,本件記事2は,上記のとおり摘示された事実に基づいて,医療の名の下に人間の尊厳を踏みにじる最低の行為であるという論評をすることによって,原告の社会的評価をさらに低下させるおそれがあることが認められる。  したがって,本件記事2が本件ウェブサイト上で公開されたことによって,本件クリニック院長を務める精神科専門医としての原告の社会的評価が低下したことが認められる上に,上記のとおり摘示された事実の根拠が本件記事2の中に全く示されておらず,上記事実が真実であること等の違法性阻却事由の存在が窺われないことから,本件記事2によって原告の名誉権が侵害されたことが明らかである。 (3)しかも,原告は,上記〔1〕の要件を充たす本件記事2の投稿者に対し,不法行為に基づく損害賠償請求権を行使するために発信者情報の開示を求めているから,これらの記事については上記〔2〕の要件も充たしているといえる。 (4)以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告は,被告に対し,プロバイダ責任制限法4条1項に基づき,本件投稿者の発信者情報の開示を請求することができるというべきである。 2 結論  よって,原告の請求は理由があるからこれを認容し,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第48部 裁判官 大嶋洋志
(別紙)投稿記事目録 (別紙)権利侵害の説明 第1 総論 1 同定可能性  本件各記事のスレッド名は「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」であり、主として同クリニックに勤める「◎◎」なる人物に関する記事であるところ(甲1)、「ナチュラルクリニック代々木」は原告が院長を務めるクリニックと同一名であること、同クリニックには「◎◎」姓の人物は原告しかいないことからして(甲5)、本件各記事がいずれも原告についてのものであることは明らかである。 2 事実の真実性・人格権侵害  後記第2「各論」参照。 3 違法性阻却事由の不存在  本件各記事については,後記第2「各論」記載のとおり事実に反する記載であるか、又はその投稿内容及び表現方法からして、債権者を侮辱・揶揄するためにのみなされたものであることは明らかである。   従って、仮にこれが意見ないし論評だとしても意見ないし論評としての域を明らかに逸脱している。  また、もっぱら債権者を侮辱・揶揄するためにのみなされたものであることからして、公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図るものでなされたものではないこともまた明らかである。 第2 各論 [閲覧用URL] http://<以下略> 1[番号]◆◆[投稿日時]○○○○/○○/○○(△)××:××:××.×× 投稿内容 もしかしてこのおばさん右翼雑誌に載ってた人? 滅多にある名前じゃないし。 論説内容とか意味不明だったけど。 いったいどんな診察してるんだろ。 説明 当該記事にいう「おばさん」とは、一般読者において、一連の記事の多くが原告に関するものであることからして、これが女性である原告を指したものであることは容易に理解し得る。 原告は、産経新聞社発行の雑誌「●●」の座談会に出席し、対話形式の記事の中で原告の発言が掲載されたことはあるが、論説を書いてなどいない。また、座談会出席も編集部より依頼を受けただけであって原告自身は右翼関係者ではなく右翼的思想も有していない。 当該記事は、原告について「右翼雑誌に載ってた人」「論説内容とか意味不明」などと記載することで、一般読者をして、あたかも原告が右翼と関係がある思想的に偏った人物であったり、意味不明な論説を行うような問題のある医師であるかのような印象を与えるものであり、原告の対外的名誉・信用を損なうものであることは明らかである。 2[番号]▲▲[投稿日時]○○○○/○○/○○(△)××:××:××.×× 投稿内容 論敵を精神病扱いしたり、医師免許をいいように使い過ぎ。 医療の名の下に人間の尊厳を踏みにじるなんて最低だよな。 説明 原告は、これまで意見の違う人物を精神病扱いしたようなことは一切ない。先の座談会(投稿番号◆◆番の記事に対する説明参照)では「人格障害」との言葉を用いたことはあるが、「人格障害」は「精神病」とは全く異なる。 当該記事は、原告について意見の違う人物を精神病扱いするような人物であるかのように記載することで、一般読者をして、あたかも原告が攻撃的で医師としての倫理にも悖る人物であるかのような印象を与えるものであり、原告の対外的名誉・信用を損なうものであることは明らかである。 3[番号]▼▼[投稿日時]○○○○/○○/○○(△)××:××:××.×× 投稿内容 こいつの顔ってP3に似てねえ? 説明 当該記事にいう「こいつ」とは、一連の記事が原告に関するものが大半であることからして、これが原告を指すものであることは明らかである。 また、「P3」とあるのは、当該投稿がなされた直前の平成24年6月3日に逮捕されたオウム真理教の元信徒の名前が「P3」であることからして、これが当該元信徒を指すものであることは明らかである。 この点、原告の顔と「P3」の顔とは、一見して全く似ていない(甲5)。 当該記事は、オウム真理教が過去に地下鉄サリン事件等を起こした狂信的信教集団としての側面を有していたことを踏まえ、原告の顔がオウム真理教の元信徒と似ていると記載することにより、原告を侮辱するものであり、債権者の名誉感情を損なうものであることは明らかである。 以上
《全 文》 【文献番号】25494966 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第4008号 平成24年6月19日民事第24部判決 口頭弁論終結日 平成24年5月22日        判   決 原告 B1 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 ソフトバンクモバイル株式会社 同代表者代表取締役 B2 同訴訟代理人弁護士 高橋聖 同 寺門峻佑        主   文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文同旨 第2 事案の概要 1 本件は,空手道場を運営する原告が,インターネット上の電子掲示板にされた匿名の4件の書き込みによって名誉を毀損されたとして,同書き込みについてインターネット接続サービスを提供したいわゆる経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,発信者の氏名,住所等の開示を求める事案である。 2 前提事実(証拠等を掲げた事実のほかは当事者間に争いがない。) (1)原告は,愛知県において特定非営利活動法人全世界空手道連盟新極真会α(以下「α」という。)を運営する者であり,同道場において師範として道場生の指導に当たっている(甲5,6の2)。 (2)被告は,電気通信事業を営む株式会社である。 (3)氏名不詳者(以下「本件発信者」という。)は,インターネット上の電子掲示板である「2ちゃんねる」(http://www.2ch.net,以下「本件ウェブサイト」という。)内の「a」と題するスレッドにおいて,平成23年11月28日,同年12月5日及び同年12月7日,別紙情報目録記載のとおりの4件の書き込みを行った(以下「本件各投稿記事」といい,それぞれを「[1]の記事」,「[2]の記事」などという。)(甲1,弁論の全趣旨)。  なお,本件各投稿記事はいずれも同一の発信者により書き込まれたものである(乙4,弁論の全趣旨)。  本件ウェブサイトの電子掲示板は,誰もが匿名で書き込みをすることができ,また,同サイトにアクセスした者は誰でもその記事を閲覧することができる。 (4)原告が,本件ウェブサイトの管理者であるパケットモンスターインク ピーティーイーエルティーディー(PACKET MONSTER INC.PTE.LTD)に対し,本件各投稿記事の発信者情報(IPアドレス,タイムスタンプ)の開示を求める仮処分を申し立てたところ(当庁平成23年(ヨ)第4482号),これが認容され,これに基づき,本件各投稿記事がそれぞれ別紙情報目録記載の各投稿日時に,同目録記載の各IPアドレスを利用して行われたことが開示され,さらにこの情報により,上記各IPアドレスはいずれも被告が管理するものであり,本件発信者は被告が提供するインターネット接続サービスを経由して本件各投稿記事を発信したことが判明した(甲2,3,4の1ないし4)。
(5)被告は,本件発信者の氏名,住所等の発信者情報を保有している。 (6)被告が,本件訴訟係属後に,本件発信者に対し,法4条2項に基づき,開示の同意の有無,同意しない場合はその理由について意見照会をしたところ,本件発信者から,開示に同意しないとして,理由について具体的に記述した回答書が提出された。本件における被告の主張はこれを踏まえてされたものである(乙1,4,弁論の全趣旨)。 3 争点及び当事者の主張 (1)被告の開示関係役務提供者該当性(法4条1項柱書) (原告の主張)  被告は法4条1項に定める開示関係役務提供者に該当し,発信者情報開示請求の相手方となる。 (被告の主張)  争う。被告のようないわゆる経由プロバイダ(特定電気通信の発信者とコンテンツプロバイダとの間の1対1の通信を媒介するにすぎないプロバイダ)は,開示関係役務提供者に該当しない。 (2)権利侵害の明白性(法4条1項1号) (原告の主張) ア 原告に対する名誉毀損 [1]及び[3]の記事は,「さいきん,B3師範の鬱病はどうなの?」,「検索の鬱はどうなの?」などと記述するものであり,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読むと,αの師範である原告(B1)が鬱病に罹っており,精神的に不安定で道場の経営者及び指導者として不適格であるとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるものである。 [2]の記事は,原告の道場に通い世界大会で優勝したB4選手と原告とが「やばい雰囲気だったよ」とか,「普通じゃないね」とか,「嫁は見てなかったのか」などと記述し,一般の閲覧者をして,原告とB4選手が不貞関係ないし恋愛関係にあるとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるものである。 [4]の記事は,「鬱だからというより」として,原告が「鬱」であることを前提とした上,「指導をよく休む」とか,「我慢をするというのができない」とか,「怠け癖」がある,「責任感がない」などと記述するものであり,一般の閲覧者をして,原告がまともに道場の経営に当たっていないとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるものである。  なお,被告は,本件各投稿記事の対象とされた「B3師範」や「検索」が,原告を示しているとは直ちに判断できないとも主張するが,αにおける師範は,B1,すなわち原告ただ1人しか存在しない。また,インターネット上で特定人を誹謗中傷するときは当て字が用いられるのが一般的であり,「けんさく」という呼び名を有しているのは原告しかいないことからすると,「検索」が原告を指していることは明らかである。 イ 違法性阻却事由の不存在  名誉毀損における違法性阻却の要件のうち,公共の利害に関する事実とは,不特定多数人が関心を寄せてしかるべき事実をいい,単なる興味あるいは好奇心の対象となるにすぎないものを含むものではないところ(東京地判平成13年9月5日判時1773号104頁参照),確かに原告は氏名が特定多数の者には知れ渡っているが,公的な地位に就いているわけでもなく,原告の精神状態や道場生との関係が不特定多数人の利害に関するとはいえない。また,原告の精神状態や道場生との関係につき特定多数の者の関心があるとしても,それは単なる好奇心にすぎず,正当な関心とはいえない。したがって,本件各投稿記事の対象とされた事実は公共の利害に関する事実とはいえない。  そして,原告の精神状態や道場生との関係を公表することによって,何ら公益の増進が図られるものでなく,目的の公益性もない。  さらに,本件各投稿記事によって摘示された事実はいずれも真実でない。
(被告の主張) ア 原告に対する名誉毀損が明らかとはいえないこと  本件各投稿記事はいずれも原告の社会的評価を低下させるものではない。  まず,本件各投稿記事には「B3師範」といったごくありふれた姓及び段位や,「検索」という氏名には通常用いない字が記載されているにすぎず,これが原告を示すと直ちに判断することはできない。  次に,本件各投稿記事のうち,[1],[3]及び[4]の各記事については,現在,鬱病は医学的に適切な治療を受ければその症状を緩和ないし抑制することが可能であり,これに罹っていても通常の社会生活を送ることは十分可能である。したがって,ある者が鬱病に罹っているとの事実は,その者に空手道場の経営者ないし指導者としての適格性がないことを意味するものではない。したがって,上記各記事が,一般の閲覧者をして,原告が道場の経営者又は指導者として不適格との印象を与えるものではなく,原告の社会的評価を低下させるものではない。  また,[2]の記事の「普通じゃない」との表現は,極めてあいまいな表現であり,不貞関係にあるとの意味を含むものとは解されない。むしろ,この表現は「両名が,通常の師範と門下生という間柄にしては親密そうである」という程度の本件発信者個人の印象を述べたにすぎず,一般の閲覧者にもそのようにしか読めない。したがって,[2]の記事から,原告とB4選手が不貞関係にあるとの内容を読み取ることは不可能であり,同記事が原告の社会的評価を低下させるものではない。 イ 違法性阻却事由の不存在が明らかとはいえないこと  本件発信者の回答によれば,原告は,全日本大会で多数回の優勝経験があり,空手を学ぶ者で知らない者はいないほどの有名人とのことである。また,αは,愛知県下最大級の空手団体であり,県内に50近くの空手道場を有し,門下生は数百又はそれ以上に及び,年齢層も年少者から年配者まで広範囲にわたるとのことである。そして,特に年少者の育成に力を注いでおり,その父兄を含めると,道場経営や指導内容に関心を持つ者は相当の多人数に及ぶものと考えられる。したがって,原告は準公人的な立場にあり,本件各投稿記事はそのような多数の者が関心を寄せる原告の現在の状況について記述したものであるから,公共の利害に関する事実に係るというべきである。  また,上記回答によれば,本件各投稿記事は,以前から本件ウェブサイトの掲示板に原告の指導の在り方に関する疑問や不満の声が投稿されてきたこと,αにおいては原告による直接の指導を受けられることは通常ないという実態があることを踏まえて,原告が特定の優秀な選手のみを集中的に指導し,原告の指導が道場に十分行き届いていないことが問題であると考え,道場経営の改善を希望する意図で行ったものであり,専ら公益を図る目的で行ったものである。  さらに,本件発信者は,本件各投稿記事に関する情報を複数の関係者等から入手して投稿に及んだのであり,その内容は真実であり,仮に真実でないとしても真実と信じたことに相当の理由がある。
(3)正当理由の有無(法4条1項2号) (原告の主張)  原告は,本件各投稿記事による名誉毀損の不法行為に基づき,本件発信者に対して損害賠償請求をするため,被告に対し,本件発信者の氏名,住所等の発信者情報の開示を求めるから,法4条1項2号の正当な理由がある。 (被告の主張)  争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(被告の開示関係役務提供者該当性,法4条1項柱書)について (1)法4条1項は,特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は,次の各号のいずれにも該当するときに限り,当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(開示関係役務提供者)に対し発信者情報開示請求をすることができると定めており,「特定電気通信」や「特定電気通信設備」の定義は法2条に定められているところ,前提事実(3)のとおり,本件ウェブサイトの電子掲示板は,誰もが匿名で書き込みをすることができ,また,同サイトにアクセスした者は誰でもその記事を閲覧することができるのであるから,同掲示板に書き込みをする行為は法2条1号に定める「特定電気通信」に該当する。また,被告は,前提事実(4)のとおり,本件各投稿記事の書き込みに利用された特定電気通信設備(2条2号,端末機器,サーバ,交換機,ケーブル等)を用いて他人の通信を媒介する者であるから(法2条3号),本件特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者,すなわち開示関係役務提供者に該当する。  なお,被告のようないわゆる経由プロバイダであっても,特定電気通信役務提供者(法2条3号)に該当し,法4条1項の開示関係役務提供者となり得ることは,最判平成22年4月8日裁判所時報平成22年5月1日が示すところである。 2 争点(2)(権利侵害の明白性,法4条1項1号)について (1)原告に対する名誉毀損の有無 ア[1]の記事は,前提事実(3)のとおり,不特定多数の者が閲覧できる電子掲示板内の「a」と題するスレッドにおいて,「さいきん B3師範の鬱病はどうなの?」,「最近ずっと鬱状態だな」,「B4が世界大会で優勝したときはB4をぎゅっと抱きしめて躁状態だったな」,「ちょっとひいたよ」,「でもあとはずーっと鬱,鬱,鬱」などと記載してこれを公表するものであり,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読むと,新極真会山本道場のB3師範,すなわち原告が鬱病に罹っているとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるといえる。  なお,被告は,「B3師範」が原告を示すと直ちに判断することはできないと主張するが,上記[1]の記事は,「a」のスレッドに投稿されたものであるから,一般の閲覧者の普通の読み方を基準とすれば,同道場におけるB3師範について記述されたものと解されることが明らかである。そして,証拠(甲5,6の1,2)によれば,αにおいてB3師範といえば,原告以外にはいないことが認められるから,[1]の記事は原告を対象として記述したものと認められる。  また,被告は,鬱病は医学的に適切な治療を受ければ,症状を緩和ないし抑制することが可能であるから,鬱病に罹っているとの事実はその者に道場経営者又は指導者としての適格性がないことを意味するものではなく,原告の社会的評価を低下させるものではないとも主張するが,鬱病に罹っているから道場の経営者又は指導者としての適格性がないかどうかはともかくとして,一般には鬱病に罹っているという事実を公表されること自体がその人に対する人格的評価に対して消極的な作用をもたらすことは否定できないから,その公表はその社会的評価を低下させるものといえる。
イ 次に,[2]の記事は,前記[1]の記事(レス番号157)において,「B4が世界大会で優勝したときは」,「B4をぎゅっと抱きしめて躁状態だったな」,「キスでもしそうな勢いだった」,「まるで恋人みたいだったな」などの記載の後に,同日のレス番号161として,「師範の嫁は見てなかったのか?」,「あれは,やばい雰囲気だったよ」,「B4と師範は普通じゃないね」,「まあ,B4はみんなに師範が好きだと言い回っているからね」,「抱きしめられてうっとり…」,「なる程ね」などと記述するものであり,[1]の記事を読んだ後に,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として[2]の記事を読めば,世界大会で優勝したB4選手が師範すなわちαの師範である原告にあからさまな好意を抱いており,両名の関係は,原告の妻が見ると問題になるような関係,あるいは,B4選手が抱きしめられてうっとりするのもなる程と思えるような関係であるとの印象,すなわち両名間に少なくとも恋愛関係があるのではないかとの印象を与えるものである。そして,一般に,妻のいる空手道場の師範が教え子と恋愛関係にあることは,師範が不道徳な行為をしているとの評価をもたらすものであり,その社会的評価を低下させるものといえる。 ウ[3]の記事は,上記[1],[2]の1週間後に,同じ「新極真会α 五段★」のスレッドにおいて,「最近,検索の鬱はどうなの?」,「悪化してるんじゃないのw」,「あれでは空手の指導はもうむりなんじゃないのw」,「あんまり,逃げてると余計に病気が悪くなるんだわw」などと記述するものであり,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読むと,αで空手の指導をしている「けんさく」が鬱であり,空手の指導はもう無理な程度に悪化しているとの印象を与えるものであり,前記[1]と同様に,原告の社会的評価を低下させるものである。  なお,被告は,「検索」が原告を示すと直ちに判断することはできないと主張するが,この記事がαのスレッドに書き込まれたものであること,αにおいては,原告すなわち「B1」が空手の指導をしていること(なお,このことは同道場のホームページでも公開されている,甲6の1,2),αのスレッドには,前記のとおり,[1]においても,B3師範すなわち原告が鬱病の師範として摘示されていたこと,インターネット上では,特定人の氏名について当て字が使用されることが少なくないことからすると,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として,[3]の記事が原告についてされたものであることは容易に理解することができるといえる。 エ そして,[4]の記事は,「鬱だからというより」,「ワガママだから指導をよく休むし」,「我慢をするというのができないんだよ」,「所謂,怠け癖みたいなものだね」,「責任感がないんだよ」などと記述するものであり,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読めば,原告が,鬱だからというより,わがままで指導をよく休む,我慢ができず,所謂怠け癖のある責任感のない指導者であるとの印象を与えるものであり,原告の社会的評価を低下させるものである。  なお,この記事には,対象者が誰であるかを直接に示す記載はないが,[4]の記事も,[1]ないし[3]の記事と同様,αのスレッドに書き込まれたものであり,特に[3]の記事の2日後に書き込まれたものであることからすると,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として,これが上記[1]ないし[3]の記事などで鬱病の指導者として摘示されていた原告についての記述であることは容易に理解することができるといえる。 オ 以上によれば,本件各投稿記事は,いずれも原告の社会的評価を低下させるものである。
(2)違法性阻却事由について ア 発信者情報開示請求においては,権利侵害の明白性が要件とされているおり(法4条1項1号),これは名誉毀損(侵害)の場合には,いわゆる真実性,相当性の証明による違法性阻却の成立しないことの主張,立証をも要する趣旨と解される(ただし,相当性の証明における主観的要件を除く。)。  名誉毀損における真実性,相当性の証明による違法性阻却とは,〔1〕当該名誉毀損行為が公共の利害に関する事実に係り専ら(又は主として)公益を図る目的でされた場合には,摘示された事実が真実であることが証明されたときは,その行為には違法性がなく,不法行為は成立しない,〔2〕仮にその真実であることが証明されなくても,行為者においてその事実を真実と信じるについて相当の理由があるときは,その行為には故意又は過失がなく,不法行為は成立しないとするものである(最判昭和41年6月23日民集20巻5号1118頁参照)。 イ これを本件について見ると,前記の認定判断によれば,[1]及び[3]の記事は、原告が鬱病に罹っているとの印象を与えるもの,[2]の記事は,原告とその教え子であるB4選手とが恋愛関係にあるのではないかとの印象を与えるもの,[4]の記事は,原告がわがままで指導をよく休む,怠け癖のある責任感のない指導者であるとの印象を与えるものとしていずれも原告の名誉を毀損するものであると認められるところ,証拠(甲6の1,乙4)及び弁論の全趣旨によれば,原告が師範として主宰するαは,愛知県内に本部のほか,少なくとも春日井道場,一宮道場,名東道場,中道場及び弥富道場など,複数の道場を有する空手道場であり,その門下生は少なくとも数百人ないしそれ以上に及ぶこと,特に年少者の育成に力を注いでおり,小学生以下の門下生が占める割合が多く,その父兄を含めると,道場の経営や指導に関心を持つ者はさらに多人数に及ぶことが認められる。これらの事実に照らせば,たとえ原告の社会との関わる範囲が,主として空手,特に愛知県内の空手道場における指導を中心とした範囲に限られるとしても,その指導を現に受けている者,あるいはこれから受けようとする多数の者にとって,指導者が精神的な問題を抱えていないかどうか,指導者が不道徳な行為を行っていないか,指導者が熱心に指導を行うことができる人物であるかどうかがおよそ正当な関心の対象にならないものとはいえず,本件各投稿記事が公共の利害に関する事実に係るものでないと断定することはできない。 ウ しかしながら,本件各投稿記事は,その表現内容を見ると,[1]の記事は,「さいきん,B3師範の鬱病はどうなの?」,「最近ずっと鬱状態だな」との書き出しに始まり,B4選手との関係を記述した後,「でもあとはずーっと鬱,鬱,鬱,,」などと記述するものであり,その表現の態様からすれば,興味本位ないし単なる好奇心から出た記述といわざるを得ず,そこに公益を図る目的は窺われない。また,[2]の記事は,原告とB4選手とが「やばい雰囲気だったよ」とか,「普通じゃないね」,「抱きしめられてうっとり…」,「なる程ね」などと記述するものであり,上記[1]と同様,興味本意ないし単なる好奇心から出た記述といわざるを得ず,公益を図る目的は窺われない。[3]の記事も,「最近,検索の鬱はどうなの?」,「悪化してるんじゃないのw」などとして原告の状態を揶揄するものであり,そこに公益を図る目的は窺われない。[4]の記事についても,「ワガママだから」とか,「我慢をするというのができないんだよ」などと記述して,単に原告の人格を避難し,誹謗するものであって,その表現の態様に照らして公益を図る目的は窺われない。   以上によれば,本件各投稿記事に公益を図る目的は窺われない。  なお,被告は,本件発信者の回答によれば,αにおいては原告による直接の指導を受けられることが通常はないのが実態であることを踏まえて,原告が特定の優秀な選手のみを集中的に指導し,その指導が道場に行き届いていないことが問題であると考えて,道場経営の改善を希望する意図で行ったものであると主張するが,本件各投稿記事の表現内容に照らして,そのような目的を窺うことはできない。 エ したがって,その余の点について判断するまでもなく,本件各投稿記事に違法性阻却が成立することはない。
3 争点(3)(正当理由の有無,法4条1項2号)について  証拠(甲5)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,本件各投稿記事が名誉毀損の不法行為に当たるとして,本件発信者に対し損害賠償請求をするため,本件の開示請求をしているものと認められるから,開示請求をする正当な理由があると認められる。 4 結論  よって,原告の請求は理由があるからこれを認容し,訴訟費用の負担につき民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第24部 裁判官 吉田純一郎 (別紙)発信者情報目録  別紙情報目録記載の投稿日時において,被告が管理する別紙情報目録記載のIPアドレスを使用して,別紙情報目録記載の記事を投稿した者についての次の情報 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス 以上 (別紙)情報目録
《全 文》 【文献番号】25494912 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第4004号 平成24年6月29日民事第16部判決 口頭弁論終結日 平成24年5月18日        判   決 原告 A1 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 ソフトバンクBB株式会社 同代表者代表取締役 A2 同訴訟代理人弁護士 高橋聖 同 森安博行 同 寺門峻佑        主   文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文1項同旨 第2 事案の概要  本件は,原告が,インターネット上の電子掲示板に投稿された記事によって権利を侵害されたとして,上記投稿に係る経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ法」という。)4条1項に基づいて同記事の発信者に係る情報の開示を請求した事案である。 1 争いのない事実等(認定事実は末尾のかっこ内に証拠を掲記する。) (1)ア 原告は,NPO法人全世界空手道連盟新極真会に属し,愛知県において○○○○道場(以下「本件道場」という。)を運営しており,本件道場において,ただ一人の師範として道場生の指導に当たっている(甲5,6の1・2,弁論の全趣旨)。 イ 被告は,電気通信事業を営む株式会社である。 (2)平成23年12月10日23時05分,インターネット上の電子掲示板(http://www.2ch.net)において,別紙情報目録の「投稿記事内容」欄記載の記事(以下「本件記事」といい,本件記事を投稿した者を「本件投稿者」という。)が投稿された。 (3)本件記事は,被告をいわゆる経由プロバイダとして投稿されており,被告は,本件記事につきプロバイダ法2条3号の特定電気通信役務提供者に当たる(甲3,4,弁論の全趣旨)。 (4)原告は,本件投稿者に対し,本件記事の投稿により不法行為が成立するとして損害賠償を請求することを予定しており,そのために本訴により本件投稿者の特定に資する情報の開示を請求している(弁論の全趣旨)。
2 争点及び争点に関する当事者の主張 (1)本件記事は,原告の社会的評価を低下させるか(争点(1))。 (原告の主張)  本件道場に師範は原告一人しかいないから,本件記事にいう「師範」が原告を意味することは明らかである。そして,本件記事の内容は,「師範」が躁うつ病である旨を摘示するものであり,「師範」が精神的に不安定であり,本件道場の経営者や空手の指導者として不適格であるとの印象を抱かせるものといえるから,原告の社会的評価を低下させる。 (被告の主張)  原告の主張は否認する。  本件記事には師範という段位しか記載されておらず,本件記事の師範が原告を意味するとは判断できない。また,単に躁うつ病である旨摘示したからといって,一般の閲覧者が原告について道場の経営者として,あるいは空手の指導者として不適格であると考えるとまではいえず,原告の社会的評価が低下するとはいえない。 (2)本件記事の内容が真実であること又は本件投稿者がそれを真実と信じたことに相当な理由があることをうかがわせる事情は存在しないか(争点(2))。 (原告の主張)  原告が躁うつ病であること,又は本件投稿者が原告が躁うつ病であると信じたことに相当な理由があることをうかがわせる事情はない。 (被告の主張)  原告の主張は否認する。  本件投稿者は,本件投稿を行う以前から,本件道場の関係者複数人から,原告が躁うつ病であると聞いたことがあり,原告が躁うつ病であることに関する不満又は疑問を指摘する投稿がされているのを確認していた。  したがって,原告が躁うつ病であることは真実であり,仮にそうでないとしても,本件投稿者がそのように信じたことには相当の理由がある。 (3)本件記事が公共の利害に関し,かつ,本件記事の投稿の目的が専ら公益を図るものであることをうかがわせる事情は存在しないか(争点(3))。 (原告の主張)  本件記事は,私人の精神状況や道場での指導の在り方についての描写であり,それが公共の利害に関するものであることやその投稿の目的が専ら公益を図るものであることをうかがわせる事情はない。 (被告の主張)  原告の主張は否認する。  本件道場は,愛知県下最大級の空手団体であり,NPO法人全世界空手道連盟新極真会に属する愛知県唯一の道場としてその公式ホームページでも紹介されており,原告は,空手競技の全国大会で多数回の優勝経験がある有名選手であり,原告による道場経営又は空手指導の内容に関心を持つ門下生等が多数に及び,その出演するDVDが発表されるなど,準公人的な立場にあるから,本件記事の内容は,公共の利害に関するものである。また,本件記事の投稿は原告の道場経営の改善を希望する意図でされたものであるから,その目的は,専ら公益を図ることにあった。
第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件記事は原告の社会的評価を低下させるか。)について  証拠(甲1)及び弁論の全趣旨によれば,本件記事は,スレッドタイトルを「α」とする一連の記事のうちの一つであり,多数の門下生を有する本件道場の運営を話題とするものであることが認められるところ,本件道場には師範は原告一人しかいないのであるから,少なくとも,本件記事を読む本件道場の門下生等の関係者にとっては,本件記事にいう「師範」が原告を指していることが明らかというべきである。  そして,本件記事では,本件道場の師範が躁うつ病である旨摘示されているところ,単に躁うつ病に罹患しているというだけで直ちにその者の社会的評価が低下するとはいえないとしても、本件記事には,「もはや,師範と話ができるのも極々一部の人間です。師範に話しかけるときは覚悟しましょう。」などとも記載されており,これらの記事を併せて読むと,本件記事は,これを閲覧する者に対し,本件道場の師範が,躁うつ病に罹患していることにより正常に本件道場の経営や空手の指導をすることができなくなっており,経営者又は指導者としての適格性がないとの印象を抱かせるものということができる。  そうすると,本件記事は,原告の社会的評価を低下させるものということができ,争点(1)についての原告の主張には理由がある。  2 争点(2)(本件記事の内容が真実であること又は本件投稿者がそれを真実と信じたことに相当な理由があることをうかがわせる事情は存在しないか。)について  証拠(甲5)によれば,原告は躁うつ病に罹患した事実がないことが認められる。  また,証拠(乙4)によれば,本件投稿者が本件記事の内容が真実であると信じたとしても,その根拠としては,本件道場の関係者複数人から,原告がうつのため指導も休みがちで早退も度々ある旨,原告が気分に大きくムラがあるので話しかけるのに気を遣う旨,原告がうつのためどの道場に行けば指導を受けられるのかを明らかにしていない旨,本件道場の道場生の多くが原告による直接の指導を望んでいるのにそれがかなわないのは原告の躁うつ病のせいである旨などの発言を聞いたこと,インターネット上の電子掲示板で上記各発言と同様の原告に対する不満又は疑問を指摘する投稿がされていたことがあるに過ぎないことが認められるところ,それらの事実があるのみでは,原告が躁うつ病に罹患しているとか,そのために原告が本件道場の経営や空手の指導をすることができなくなっていると信じることについて,医師の診断等の客観的な裏付けがあることにはならず,相当の理由があったということはできない。  そうすると,本件記事の内容が真実であることをうかがわせる事情も,本件投稿者が本件記事の内容が真実であると信じたことに相当な理由があることをうかがわせる事情もないものというべきであり,争点(2)についての原告の主張には理由がある。 3 結論  以上によれば,本件記事の投稿によって原告の権利が侵害されたことが明らかというべきである。  よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第16部 裁判長裁判官 矢尾渉 裁判官 前澤功 裁判官 仲田憲史 発信者情報目録  別紙情報目録記載の投稿日時において,被告が管理する別紙情報目録記載のIPアドレスを使用して,別紙情報目録記載の記事を投稿した者についての次の情報 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス 情報目録
《全 文》 【文献番号】25498662 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第11833号 平成24年10月2日民事第50部判決 口頭弁論終結日 平成24年8月21日        判   決 原告 X1 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 ソフトバンクモバイル株式会社 同代表者代表取締役 X2 同訴訟代理人弁護士 高橋聖 同 佐々木政明 同 春日舞        主   文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文同旨 第2 事案の概要  本件は,インターネット上の電子掲示板にされた匿名の書き込みによって権利を侵害されたとする原告が,その書き込みをした者(以下「本件発信者」という。)に対してインターネット接続サービスを提供した被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,本件発信者の氏名,住所等の情報の開示を求める事案である。 1 争いのない事実等(証拠によって認定した事実については,各項に証拠を掲記した。) (1)原告は,訴外X3(読み仮名「○○○○○○」,以下「訴外X3」という。)の母親である。訴外X3は,中学3年生であり,NPO法人全世界空手道連盟新極真会愛知山本道場(以下「本件道場」という。)に通っている。本件道場に通う「○○○○○○」という氏名の者は,訴外X3のみである。(甲5,7,9,弁論の全趣旨) (2)被告は,電気通信事業を営む株式会社である。 (3)被告は,本件発信者からのアクセスを受けて,本件発信者に対し,別紙情報目録記載(1)及び(2)の各投稿日時ころ,インターネット接続サービスを提供し,本件発信者は,同日時ころ,インターネットに接続して,URL(http://www.2ch.net)で表示されるウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)の電子掲示板(以下「本件掲示板」という。)の「○○○○○○○○○○○○○○○」のスレッド(以下「本件スレッド」という。)に,別紙情報目録記載(1)及び(2)の投稿記事内容の記事(以下同目録(1)の記事を「本件記事1」,同(2)の記事を「本件記事2」といい,本件記事1及び本件記事2を併せて「本件各記事」という。)を投稿した。(甲1,弁論の全趣旨) (4)原告は,本件ウェブサイトを管理する訴外会社パケットモンスターインクピーティーイーエルティーディー(以下「訴外パケットモンスター」という。)に対し,本件発信者に係る発信者情報(IPアドレス及びタイムスタンプ)の仮の開示を求めて,東京地方裁判所に仮処分を申し立てた(平成24年(ヨ)第219号)ところ,同裁判所は,平成24年1月27日,訴外パケットモンスターは,原告に対し,本件各記事にかかる別紙発信者情報目録記載の各情報を仮に開示せよとの決定(以下「本件決定」という。)をした。 (5)訴外パケットモンスターは,本件決定を受け,原告に対し,本件決定にかかる発信者情報の開示を行ったことから,原告は,同開示を受けた情報から,本件発信者が,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して本件各記事を本件ウェブサイトに掲載したことを知った。(甲2ないし4) (6)本件スレッドの前には,「○○○○○○○○○○○○○○」(以下「本件前スレッド」という。)というスレッドが立てられていたところ,本件前スレッドには,以下の書き込み(以下〔1〕ないし〔3〕を「本件前スレッド記事」という。)があった。(甲8)
〔1〕レス番号 △△△「X4:○○○○/○○/○○(△)××:××:××.××ID:○○××○○○○× ▲▲▲▲=X3の母親。」 〔2〕レス番号 ◇◇◇「X5:○○○○/○○/○○(△)××:××:××.××ID:○○×○×○○○× 他支部のものですが,▲▲▲▲こと,●●さんてX3くんのお母さんの事ですか? 息子さん,たしかユースですよね? 今年も推薦されたのですか?」 〔3〕レス番号 ▽▽▽「X6:○○○○/○○/○○(△)××:××:××.××ID:○○○○×○○×× 〉〉◇◇◇X3の母親でビンゴw 中学二年だよね? 息子は」 (7)本件スレッドにおける本件記事1の前には,レス番号 □□□「X7:○○○○/○○/○○(△)××:××:××.××ID:○○○○○×○○× 元祖▲▲▲▲,X3ののババァがハジケてるなwww,2chする暇あるなら息子のへったくそな組手改良しろよカスwww」という書き込み(以下「本件前記事」という。)があった。(甲3,8) 2 争点 (1)被告が法4条1項にいう「開示関係役務提供者」に当たるか(以下「争点1」という。) (原告の主張) ア 本件掲示板は,法2条1号の「特定電気通信」に該当し,また,本件掲示板を通じた「特定電気通信」のために被告が管理する端末機器,サーバ,交換機(ルータ等),ケーブル等あるいはこれらの結合は,法2条2号の「特定電気通信設備」に該当する。そして,法2条1号ないし3号の文理及び同法4条の趣旨からすれば,最終的に不特定の者によって受信されることを目的とする情報の流通過程の一部を構成する電気通信を電気通信設備を用いて媒介する者は,同法2条3号にいう「特定電気通信役務提供者」に該当する。 イ 以上からすれば,被告は,法4条1項の「特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者」(以下「開示関係役務提供者」という。)に該当する。 (被告の主張)  上記原告の主張のうち,アは認めるが,イは争う。 (2)発信者情報開示請求権の存否(以下「争点2」という。) (原告の主張)  法4条1項は,開示関係役務提供者に対し,発信者情報開示を請求するための要件として,〔1〕「侵害情報の流通によって開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき」(以下「権利侵害の明白性」という。同項1号),〔2〕「当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき」(以下「正当理由」という。同項2号)を要求しているところ,原告につき,以下のとおり,権利侵害の明白性及び正当理由が認められるから,原告は被告に対し,本件各記事の発信者情報の開示を求める権利がある。 ア 権利侵害の明白性について  以下のとおり,本件各記事は,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読んだ場合,原告の社会的評価を低下させるものであって,原告の権利(人格権,名誉権)が侵害されたことは明らかである。 (ア)本件前スレッドには,本件前スレッド記事があり,X3という名前の道場生は本件道場に他におらず,「▲▲▲▲」,「●●」,「●●さん」という名称は,X3の母親である原告を指すことが,本件ウェブサイトの読者にとって共通認識となっていた(甲8)。  また,本件記事1の前には,本件前記事があり,本件スレッドでも▲▲▲▲という名称で原告が呼称されていた(甲3,8)。 (イ)上記(ア)によれば,本件記事1の「母親」が原告であることを一般の読者が容易に読み取ることができることは明らかであり,本件記事1の「母親」が「揉めて問題起こしている」,「大変危険です」という記載内容は,一般の読者をして原告が問題行動を起こす人物であると誤信せしめるものであって,原告の社会的評価を低下させるものである。 (ウ)上記(ア)によれば,本件記事1に続けて投稿された本件記事2の「●●さん」が原告であると,一般の読者が容易に読み取ることができることは明らかであり,本件記事2の「●●さん」が「人の悪口を言う」との記載内容は,読者をして原告が問題行動,誹謗中傷行為を起こす人物であると誤信せしめ,もって原告の社会的評価を低下させるものである。 (エ)本件各記事は真実でない(甲5)。さらに,本件各記事で描写の対象となっているのは,道場に通う一道場生の母親の振る舞いであって,公益目的は観念し得ず,また,公共の利害に関するものでもない。  したがって,本件各記事については,違法性阻却事由の要件を満たすものではない。 (オ)以上からすれば,原告が,本件各記事によって,権利(人格権,名誉権)の侵害を受けていることは明白であって,権利侵害の明白性の要件を満たす。
イ 正当理由について  原告は,上記アの名誉棄損による不法行為に基づき,本件発信者に対して,損害賠償(民法709条)を求めるため,被告に対し,本件発信者の氏名又は名称,住所,電子メールアドレスの開示を求めるものであるから,正当理由の要件も充足している。 (被告の主張) ア 権利侵害の明白性について  以下のとおり,本件各記事につき権利侵害の明白性は認められない。 (ア)本件前スレッドが本件スレッドと合わせて閲覧されるとは限らないため,本件各記事が原告に関する記載か否かを判断するに当たり,本件前スレッドの内容を考慮すべきではない。  そして,本件各記事においては,「あの母親」という抽象的な記載や,「●●」という一般的な姓の記載しかなく,これらの記載が原告を示すものとは認められない。仮に,本件前記事の投稿の記載内容を考慮してみても,同投稿の記載が原告を示すものとはいえないため,本件各記事の記載が原告を示すものとはいえない。 (イ)本件記事1の「揉めて問題起こしている」,「大変危険です」との記載や,本件記事2の「人の悪口言う」との記載は,極めて抽象的な記載にすぎないこと,また,本件各記事はインターネット上の掲示板における匿名の投稿であり,その記載内容からして一方的な主張を記載したものであることが誰の目にも明らかであることから,一般閲覧者の普通の読み方からすれば,本件掲示板の閲覧者が「原告が問題行動を起こす人物である」又は「原告が問題行動,誹謗中傷行為を起こす人物である」と誤信するとは考えられず,原告の社会的評価を低下させるものとはいえない。 (ウ)本件各投稿の記載内容及び各証拠からは,本件各投稿について違法性阻却事由が存在しないことは明らかではない。 イ 正当理由について  争う。 第3 争点に対する判断 1 争点1について 「開示関係役務提供者」とは,特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害された場合の当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者をいうと解されるところ(法4条1項),被告が法2条3号にいう「特定電気通信役務提供者」に該当することは当事者間に争いがない。  そして、前記争いのない事実等(3)ないし(5)によれば,本件発信者は,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して本件各記事を投稿したことが認められることからすれば,被告は,法4条1項にいう「開示関係役務提供者」に当たるというべきである。
2 争点2について (1)通常,インターネットに接続して電子掲示板によるスレッドを閲覧する者は,特定の一つの記事のみを見るのではなく,同一スレッドないし関連する前後のスレッドに掲載された一連の記事を見るのが通常であるから,被侵害法益主体の特定の有無については,当該スレッドの前後の関連記事も考慮に入れた上で判断する必要があるというべきである。したがって,本件前スレッド及び本件前記事の内容を考慮すべきでない旨の被告の主張は採用できない。   前記争いのない事実等(6)のとおり,本件スレッドに関連するスレッドである本件前スレッドには,本件前スレッド記事が投稿されていたこと,また,争いのない事実等(7)のとおり,本件スレッドには,本件各記事が投稿される直前に,本件前記事が投稿されていたことが認められる。  本件前スレッド及び本件スレッドは,そのスレッド名が「○○○○○○○○○○○○○○」,「○○○○○○○○○○○○○○」というものであって,スレッド名から関連するスレッドであることは明らかであり,また,スレッド名,本件前スレッド記事及び本件前記事並びに本件各記事の記載内容を通常人の一般的な読み方によれば,本件前スレッド及び本件スレッドにおいて,「▲▲▲▲」とは,本件道場に通う訴外X3の母親である原告を指すこと,本件前記事は,「▲▲▲▲」こと原告のことを話題にしていること,本件記事1は,本件前記事に応答する形で投稿されたものであるから,本件記事1の「あの母親」とは,原告を指すことが明らかに読み取れるものというべきである。さらに,本件記事2が本件記事1に続いて投稿されたものであることからすると,本件記事2の「●●さん」が原告を指すものであると理解するのが,通常人の一般的な読み方であるというべきである。  以上より,本件各記事の投稿により権利を侵害される者は「原告」であることが特定されていると認められる。 (2)権利侵害の明白性について  法4条1項によって,開示関係役務提供者に対し,発信者情報開示を請求するためには,権利侵害の明白性が認められることが要件とされるところ,被告は,本件各記事につき権利侵害の明白性が認められない旨主張するので検討する。 ア 本件記事1には,原告が,「山本道場内だけではなく近所や中学などでも揉めて問題を起こしている」という事実を記載した上で,「大変危険」であって,「山本道場の道場生が減ってしまいます」との記載があることからすれば,一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば,本件記事1は,原告が本件道場外の近隣において問題を起こして,本件道場の生徒を減らしてしまうような人物であるとの印象を与える。したがって,本件記事1は,原告の社会的評価を低下させるものというべきである。  また,本件記事2は「同じグループの人達と人の悪口言う」という事実を記載した上で,「怖くて道場いけなくなります」と記載されているものであること,本件記事2は,本件記事1に続けて投稿されたものであることからすれば,一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば,本件記事2は,原告が,生徒が道場にいけなくなってしまうような悪口を言う人物であり,本件記事1の記事における,原告が本件道場の生徒を減らしてしまうような人物であることを肯定するものとの印象を与える。したがって,本件記事2は,原告の社会的評価を低下させるものというべきである。 イ そして,本件において,原告の社会的評価を低下させる事実の摘示について,当該行為が公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出た場合であって,摘示された事実が重要な部分において真実であることが証明され,仮に真実であることの証明がないときでも,本件発信者において摘示した事実を真実と信じるについて,相当の理由があるといった違法性阻却事由が存在するという事情をうかがわせる証拠はない。 ウ したがって,本件各記事によって原告の名誉が毀損され,その権利が侵害されたことが明らかであるというべきであり,この点に関する被告の主張は採用できない。 (3)正当理由について  本件発信者に対して損害賠償請求権を行使することを予定している原告には,発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるといえるから,原告の被告に対する発信者情報の開示請求は理由があるというべきである。 3 結論  以上によれば,原告の請求は理由があるからこれを認容し,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第50部 裁判官 田口紀子 (別紙)発信者情報目録  別紙情報目録記載の投稿日時において,被告が管理する別紙情報目録記載のIPアドレスを使用して,別紙情報目録記載の記事を投稿した者についての下記の情報        記 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス (別紙)情報目録
別紙資料に山本道場そのまま残してるンゴ
《全 文》 【文献番号】25498563 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第20187号 平成24年10月23日民事第42部判決 口頭弁論終結日 平成24年9月4日        判   決 原告 A1 同法定代理人親権者父 A2 同法定代理人親権者母 A3 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 ニフティ株式会社 同代表者代表取締役 A4 同訴訟代理人弁護士 荒木泉子 増原陽子        主   文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は,被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文と同じ。 第2 事案の概要  本件は,原告が,氏名不詳者により,電気通信事業者である被告の提供するインターネット接続サービスを利用してされたウェブサイト上の電子掲示板への記事の投稿によって,名誉を毀損されたなどと主張して,被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき,上記記事に係る発信者情報の開示を求める事案である。 1 争いのない事実等 (1)原告(平成5年○月○○日生)は,平成24年4月にα大学に入学したものである(甲5)。 (2)被告は,電気通信事業を営む株式会社であり,利用者に対し,インターネット接続サービスの提供を行っているものである。 (3)URL(http://<以下略>)で表示されるウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)の電子掲示板(以下「本件掲示板」という。)における「α大学Part16」と題するスレッド(以下「本件スレッド」という。)に,氏名不詳者により,別紙情報目録の「投稿日時」欄記載の日時に,「レス番号」記載の番号で,「投稿記事内容」記載の記事(以下「本件記事」という。)が投稿された。本件掲示板は,誰もが匿名で,記事を投稿し,又はこれを閲覧することができるものである。 (4)原告は,本件ウェブサイトの管理者に対し、本件記事に係る発信者情報の開示を求める仮処分の申立てをしたところ,上記管理者から,同情報として,別紙情報目録の「IPアドレス」欄記載の情報が開示され,これにより,本件記事は,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して発信されたものであることが判明した。そこで,原告は,被告に対し,上記発信者情報の開示を求めて本件訴訟を提起した。
2 争点及び当事者の主張  本件の主な争点は,〔1〕本件記事の投稿によって原告の権利が侵害されたことが明らかであり,原告において発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか否かである。争点に関する当事者の主張の要旨は,次のとおりである。  (1)原告の主張  本件記事は,原告を「犯罪者」であると記載し,一般の閲覧者をもってその旨誤信させ,もって原告の社会的評価を低下させるものであり,原告の名誉を毀損するものである。この点,原告は,これまで犯罪者といわれるような問題行為を行ったことはなく,本件記事の内容は真実ではない上,公益を図る目的でされたものでないことも明らかであるから,違法性阻却事由も存在しない。したがって,本件記事の投稿により原告の権利が侵害されたことは明らかである。また,原告は,本件記事の発信者に対し,上記の名誉毀損を理由として損害賠償を求める意向を有しており,そのためには,被告が保有する発信者情報の開示を受ける必要があり,その開示を受けるべき正当な理由がある。 (2)被告の主張  本件記事には,原告と同名の人物の氏名が記載されているだけで,それ以外に当該人物の特定に資する情報は一切含まれていないから,一般読者の普通の注意と読み方を基準とした場合,本件記事が原告を対象としたものということはできない。したがって,本件記事が原告の名誉を毀損するものであることが明らかであるとはいえず,権利侵害の明白性は認められない上,その発信情報の開示を受ける必要もないから,開示を受けるべき正当な理由も認められない。 第3 当裁判所の判断 1 前記第2の1(3)によれば,本件記事は,「A1って犯罪者が入学するからよろしくやで~」との書き込みがされているものであり,原告が犯罪者であるとの事実をその実名をもって摘示するものであり,原告の社会的評価を低下させるものであることは明らかである。 2 これに対し,被告は,前記のとおり,本件記事は,氏名以外に対象を特定する情報は含まれず,原告を対象とするものであることが明らかではないと主張する。しかし,本件記事は,原告の実名を摘示するものであることは前記のとおりであり,かつ,「α大学Part16」という本件スレッドの題名の下で上記内容の記事が投稿されていることからすると,本件記事の対象が同大学に入学した原告を指すものであることは明らかであり,被告の上記主張は採用できない。 3 以上によれば,本件記事の投稿によって原告の名誉が毀損されたものというべきである。そして,原告は,本件記事に係る事実を否定しており,他に同事実が真実のものであり,又は発信者において真実であると信じるにつき相当の理由が存在したというべき事情は証拠上見当たらない上,本件記事の投稿は,その表現内容や方法に照らし,およそ公益を図る目的でされたものでないことは明らかであって,違法阻却事由の存在をうかがわせる事情を認めることはできないから,本件記事の投稿によって,原告の権利が侵害されたことは明らかである。 4 そして,原告は,本件記事を投稿した発信者に対し,名誉毀損を理由に損害賠償請求権を行使する意向を示しているところ,被告から当該発信者情報が開示されなければ,これを行使することができないから,同情報の開示を受ける必要があり,正当な理由があることは明らかである。 5 よって,原告の本件請求は,理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第42部 裁判官 井出弘隆 別紙 発信者情報目録  別紙情報目録記載の投稿日時において,被告 が管理する同目録記載のIPアドレスを使用して,同目録記載の投稿用URLに対し通信を行った者についての次の情報 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス 別紙 情報目録
《全 文》 【文献番号】25498447 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第19073号 平成24年10月26日民事第32部判決 口頭弁論終結日 平成24年9月7日        判   決 原告 X1 原告 X2 原告両名訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 同代表者代表取締役 X3 同訴訟代理人弁護士 五島丈裕        主   文 1 被告は,原告らに対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文同旨 第2 事案の概要  本件は,原告らが,氏名不詳者がインターネット上の電子掲示板にした記事の投稿により名誉を毀損されたとして,当該投稿についてインターネット接続サービスを提供したいわゆる経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,当該氏名不詳者に係る発信者情報の開示を求める事案である。 1 前提となる事実  以下の各事実については,証拠等を掲記した事実は当該証拠等によりこれを認め,その余の事実は当事者間に争いがない。 (1)当事者 ア 原告X2(以下「原告X2」という。)は,平成19年に東京藝術大学(以下「東京芸大」という。)音楽学部邦楽科教授に就任し,平成24年3月末に定年退官するまで同教授の地位にあり,退官以後は邦楽囃子の演奏家をしている(甲6)。 イ 原告X1(以下「原告X1」という。)は,在日韓国人であり,平成10年4月に東京芸大音楽学部邦楽別科邦楽囃子(小鼓)専攻に入学し,邦楽囃子を専攻して平成19年3月に博士課程を修了し,平成22年4月から平成24年3月末まで東京芸大音楽学部邦楽科で非常勤講師を務めていたが、原告X2の退官に伴い,選考を経て東京芸大の准教授に就任した(甲5,甲8)。 ウ 被告は,電気通信事業を目的とする株式会社である。  (2)インターネット上のウェブサイトである電子掲示板(http://www.2ch.net)(以下「本件ウェブサイト」という。)に,いわゆるスレッドが作成され,氏名不詳者により別紙投稿記事目録記載の投稿記事(以下「本件記事」という。)が投稿されて掲載され,不特定多数の人の閲覧に供された(以下,本件記事を投稿した氏名不詳者を「本件発信者」という。)。 (3)原告X1は,本件ウェブサイトの管理者であるパケットモンスターインク ピーティーイー エルティーディ(PACKET MONSTER INC.PTE.LTD.)を債務者として,本件記事の投稿に係る発信者情報開示の仮処分を申し立て,平成○○年○月○○日付けの仮処分命令に基づき,本件記事の投稿に使用された別紙投稿記事目録記載のIPアドレス等の開示を受けた(甲2,弁論の全趣旨)。 (4)被告は,本件記事の投稿についてインターネット接続サービスを提供したいわゆる経由プロバイダであり,上記IPアドレスの使用者である本件発信者の住所,氏名,メールアドレス等の情報を保有している。 (5)原告らは,本件発信者に対し,名誉毀損による権利侵害を理由として,不法行為に基づく損害賠償請求等を準備している(弁論の全趣旨)。
2 原告らの主張 (1)本件記事における記載の対象  本件記事において記載の対象となっているのは原告らである。本件記事には「芸大の邦楽科のMという教授」,「在日の女性R」との記載があるが,これはそれぞれ原告X2,原告X1を指すものである。 (2)本件記事による原告らの名誉毀損  本件記事は,原告X2が原告X1といわゆる不倫関係にあるとの真実に反する事実を摘示し,原告らの社会的評価を低下させ,その名誉を毀損するものである。また,本件記事は,読者に対し,原告X2が大学の人事を私物化しており,原告X1がこのような私物化がなければ准教授に就任することができない人物であるとの印象を与え,原告らの名誉を毀損するものである。  本件記事に記載されているのは男女の私的関係であり,公益目的は観念し得ず,公共の利害に関するものでもない。 3 被告の主張 (1)本件記事における記載の対象について  原告らの主張は,争う。本件記事の読者は,本件記事の「M」及び「R」がそれぞれ原告X2,原告X1を指すと理解することはできない。 (2)本件記事による原告らの名誉毀損について  原告らの主張は,争う。本件記事の読者は,単なる発信者の意見や憶測が記載されていると解釈するにとどまるから,本件記事が原告らの社会的評価を低下させることはない。  本件記事が事実を摘示するものであると解されるとしても,摘示事実は,大学関係者等の多数の者の利害に関係し,これらの者が関心を寄せることが正当であり,大学の人事について注意を喚起する意図がうかがわれるから,公共性及び公益目的がある。また,真実性又は真実相当性がうかがわれる事情があるから,本件記事の投稿の違法性が阻却される余地がある。 第3 当裁判所の判断 1 本件記事の記載の対象について  本件記事が掲載されたスレッドには,本件記事の直前に,「東京芸大音楽学部邦楽科邦楽囃子の教授は本年定年退官。後任人事を巡って様々な憶測が芸界内で飛び交っている。」との記事が掲載されており(甲11),また,本件記事が投稿された平成23年11月25日当時,東京芸大音楽学部邦楽科の講座においては,姓の頭文字のアルファベットが「M」である教授は原告X2の他におらず,姓の頭文字のアルファベットが「R」である非常勤講師又は助手は原告X1のほかにいなかったこと(甲7)によれば,本件記事の対象は原告らであることが認められる。そして,原告X2が東京芸大音楽学部邦楽科第4講座の指導教員であることは同大学のウェブサイトに公表されており(甲12),原告X1が在日韓国人であって,東京芸大音楽学部邦楽科に在籍していることも公表されていること(甲5)に照らせば,本件記事の対象が原告らであることは,その読者においても認識し得たと認めることができる。 2 本件記事による原告らの名誉毀損について  法4条1項1号に定める「開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかである」というには,開示請求者において,権利が侵害されたことに加え,当該侵害について,違法性阻却事由の存在をうかがわせるような事情が存在しないことを主張,立証する必要があると解するのが相当である。  そこで,本件について,上記のような観点から検討する。 (1)社会的評価の低下について  本件記事には,「芸大の邦楽科のMという教授が,私生活で懇意にしていた在日の女性Rを自分の次の准教授に推し,それが確定したようです。」,「邦楽界からかなりクレームが出ています。どうやら,憶測ですが,学長もグルのようです。」,「彼女は,古典の世界では何の知名度も無く,一人の師について修行もつんでいません。芸名もありません。」との記載があるが,これらは事実を摘示するものであるということができる。そして,これらの摘示事実(以下「本件摘示事実」という。)は,本件記事の一般の読者にとって,東京芸大の邦楽科の教授である原告X2が,原告X1といわゆる不倫関係にあり,そのために原告X1を准教授に推薦し,学長と通謀して,本来であれば准教授に就任することができるほどの実績のない原告X1を准教授に就任させたと理解されるものであり,このような読者に対し,原告X2が東京芸大の教授人事を情実により左右し,原告X1は准教授に就任することができるほどの実績がないにもかかわらず,准教授に就任させようとしているとの印象を与えるものであるということができるから,原告らの社会的評価を低下させるものであると認められる。
(2)真実性の欠如について  原告X2は,原告X1を邦楽の演奏家として指導したことはあるが,原告X1といわゆる不倫関係にあったことはなく,東京芸大においては,退任する教授の後任は公募され,後任人事委員会が選考にあたり,推薦者を一人に絞った後に,音楽学部教授会において投票により候補者として決定することとされているところ,退任する教授である原告X2は上記委員会の構成員となることができず,教授として出席した上記教授会においては賛成多数で原告X1を後任候補者とすることが可決されたものである(甲5,甲6)。  また,原告X1は,東京芸大音楽学部邦楽別科邦楽囃子専攻に入学し,博士課程を修了しており(前記第2の1(1)イ),平成15年から演奏家として様々な演奏会に出演している(甲5,甲9)。  これらの事実に照らせば,本件摘示事実は真実ではないと認められる。 (3)以上によれば,本件記事中の本件摘示事実は,原告らの名誉を毀損するものであって,本件記事の投稿の違法性を阻却する事由はないことが認められる(原告らが,本件発信者において本件摘示の事実を真実であると信ずるに足りる相当な事由がないことまでを主張立証する必要はないと解する。)から,本件記事の投稿によって原告らの権利が侵害されたことが明らかであると認めることができる。 3 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由  原告らは,本件発信者に対する不法行為に基づく損害賠償請求等を準備しており(前記第2の1(5)),原告らがこれを行うためには,本件発信者の氏名,住所等によりこれを特定する必要があることは明らかであるから,本件発信者に係る発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる。 4 結論  以上によれば,原告らは,被告に対し,法4条1項に基づき,本件発信者に係る別紙発信者情報目録記載の情報の開示を求めることができる。  よって,原告らの請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第32部 裁判官 白井幸夫 (別紙)発信者情報目録  別紙投稿記事目録記載のIPアドレスを使用して同目録記載の投稿用URLに接続し,同目録記載の投稿日時ころに同目録記載の投稿記事を投稿した者に関する次の情報 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス 以上 (別紙)投稿記事目録
《全 文》 【文献番号】25499413 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第21264号 平成24年12月10日民事第48部判決 口頭弁論終結日 平成24年10月29日        判   決 原告 株式会社国立音楽院 同代表者代表取締役 P1 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 同代表者代表取締役 P2 同訴訟代理人弁護士 五島丈裕        主   文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文と同旨 第2 事案の概要  本件は,原告が,電気通信事業を営む被告に対し,別紙情報目録記載の各情報の発信者に対し損害賠償請求権を行使するために,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,被告の保有する上記各情報に係る別紙発信者情報目録記載の各情報の開示を求めた事案である。 1 前提事実(証拠等を掲記しない事実は、争いのない事実である。) (1)原告は,世田谷区αにおいて,音楽教育を行っている株式会社である(弁論の全趣旨)。  被告は,電気通信事業を営む株式会社であり,プロバイダ責任制限法4条1項の「特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者」である。  (2)インターネット上のURL(http:<以下略>)で表示されるウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)は,様々な話題についての電子掲示板が集まった巨大掲示板群であり,インターネットの利用者であれば誰でも無料で希望の掲示板を閲覧したり新たに掲示板を作成することができる。  本件ウェブサイトの電子掲示板に投稿する際は,自らの氏名やメールアドレスなどの個人情報を登録する必要も記載する必要もないので,投稿者は匿名で記事を投稿することができ,利用者間でその投稿者が誰かが知られることはない。(当裁判所に顕著な事実,弁論の全趣旨) (3)氏名不詳者(以下「本件発信者」という。)は,別紙情報目録記載の各投稿日時において,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して,本件ウェブサイト上の同目録記載の各閲覧用URLの電子掲示板に,同目録記載の記事(以下「本件各記事」という。)を投稿した。 2 争点  本件各記事によって原告の人格権ないし名誉権が侵害されたことが明白か。 (原告の主張)  本件各記事はいずれも原告の社会的評価を低下させるものであるから,これらの侵害情報が流通することによって原告の人格権ないし名誉権が侵害されたことは明らかである。  また,本件各記事の内容は真実ではなく,事実の公共性も目的の公益性も認められないから,違法性阻却事由が存在しない。 (被告の主張)  本件各記事は,不法行為を構成するほどまでに原告の社会的評価を低下させるものではない。  また,別紙情報目録記載【2】の記事は,公衆のトラブルを未然に防ぐための注意喚起を意図すると解することもできるので,事実の公共性及び目的の公益性が認められ,真実性又は相当性に係る事情により,違法性阻却事由が認められる。
第3 当裁判所の判断 1 争点(本件各記事によって原告の人格権ないし名誉権が侵害されたことが明白か)について (1)プロバイダ責任制限法4条1項は,特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者が当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者に対しその保有する当該権利の侵害に係る発信者情報の開示を請求できる場合について規定し,その要件として,〔1〕特定電気通信による情報の流通によって当該開示請求者の権利が侵害されたことが明らかであるとき,かつ,〔2〕当該発信者情報が当該開示請求者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるときを挙げる。  そこで,本件各記事について,このような法律上の要件を充足するか否かを判断することにする。 (2)まず,別紙情報目録記載【1】の記事は,「a」という題名の掲示板を新たに作成した上で,「b」と記載されたものであるところ(甲1),一般読者の普通の注意と読み方からすれば,所在地と商号から原告を話題にしていることが明らかな掲示板を作成した上で,原告の商号の前に「詐欺」という刑法犯の罪名ないし民事上の不法行為に当たる行為の名称を冠することにより,原告が詐欺を行うような悪徳な業者であるかのような印象を持たせ,原告を誹謗中傷するものであって,上記記事が本件ウェブサイト上で公開されることによって,原告の音楽教育組織としての社会的評価を低下させる上に,その目的や方法において上記記事の投稿が社会通念上許容されるものと判断できるような事情が全く窺われないことから,上記記事によって原告の人格権が侵害されたことが明らかであるといえる。  そして,別紙情報目録記載【53】,【59】,【68】,【81】,【89】,【97】ないし【102】,【105】,【107】,【110】,【113】,【116】,【118】,【121】,【123】,【126】,【128】,【131】,【135】,【137】,【139】,【142】,【144】,【148】,【151】,【154】及び【158】の各記事も,上記【1】の記事と同じ内容の記事を投稿したものであるから,前述したところと同様の理由により,上記各記事によって原告の人格権が侵害されたことが明らかであるといえる。  次に,別紙情報目録記載【2】の記事は,「a」という題名の掲示板に投稿された記事であること(甲1),「嘘広告,嘘宣伝紙です。説明会,電話勧誘,オリエンテーションで嘘をつきます。口座から金を引き落とされます。」と記載されていることからすると,一般読者の普通の注意と読み方からすれば,所在地と商号から原告を話題にしていることが明らかな掲示板に,原告が広告,宣伝紙,説明会,電話勧誘やオリエンテーションで虚偽の説明をしており,その説明を信じた受講者の預金口座から預金を引き落としているという事実を摘示しているものと認められるから,これが本件ウェブサイト上で公開されることによって,原告の音楽教育組織としての社会的評価を低下させる上に,摘示された事実の根拠も全く示されておらず,上記事実が真実であること等の違法性阻却事由の存在が窺われないことから,上記記事によって原告の名誉権が侵害されたことが明らかである。  次に,上記各記事以外の本件各記事は,原告が「詐欺会社である。」(別紙情報目録記載【3】),「詐欺首謀者は,教務部責任者のP3(……詐欺師)である。」(同目録記載【4】),「国立音楽院 教務部責任者 P3(……詐欺師)」(同目録記載【5】ないし【52】,【54】ないし【58】,【60】ないし【67】,【69】ないし【80】,【82】ないし【88】,【90】ないし【96】,【103】,【104】,【106】,【108】,【109】,【111】,【112】,【114】,【115】,【117】,【119】,【120】,【122】,【124】,【125】,【127】,【129】,【130】,【132】ないし【134】,【136】,【138】,【140】,【141】,【143】,【145】ないし【147】,【149】,【150】,【152】,【153】,【155】ないし【157】)などと記載して,原告が詐欺を行っている会社であるという事実や原告が教務部責任者に詐欺を行う人物を配置しているという事実を摘示しているものと認められるから,これが本件ウェブサイト上で公開されることによって,原告の音楽教育組織としての社会的評価を低下させる上に,摘示された事実の根拠も全く示されておらず,上記各事実が真実であること等の違法性阻却事由の存在が窺われないことから,上記記事によって原告の名誉権が侵害されたことが明らかである。  したがって,本件各記事はいずれも,上記〔1〕の要件を具備するものといえる。
(3)しかも,原告は,上記〔1〕の要件を充たす本件各記事の投稿者に対し,不法行為に基づく損害賠償請求権を行使するために発信者情報の開示を求めているから,これらの記事については上記〔2〕の要件も充たしているといえる。 (4)以上によれば,原告は,被告に対し,プロバイダ責任制限法4条1項に基づき,本件各記事に係る別紙発信者情報目録記載の情報の開示を請求することができるというべきである。 2 結論  よって,原告の請求は理由があるからこれを認容し,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第48部 裁判官 大嶋洋志 (別紙)発信者情報目録  別紙情報目録記載の投稿日時において,被告が管理する同目録記載のIPアドレスを使用して,同目録記載の投稿用URLに対し通信を行った者についての次の情報 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス 以上 (別紙)情報目録
《全 文》 【文献番号】25499155 損害賠償請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第18974号 平成24年12月20日民事第30部判決 口頭弁論終結日 平成24年11月7日        判   決 原告 X1 同法定代理人親権者 X2 同 X3 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 X4 同法定代理人親権者 X5 同 X6 同訴訟代理人弁護士 佐藤昌樹        主   文 1 被告は,原告に対し,77万円及びこれに対する平成23年8月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを4分し,その3を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 4 この判決は,第1項に限り仮に執行することができる。        事実及び理由 第1 請求  被告は,原告に対し,330万円及びこれに対する平成23年8月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要  本件は,被告が,インターネット上の掲示板2ちゃんねる(http://www.2ch.net)(以下「2ちゃんねる」という。)に別紙投稿記事目録記載のとおりの投稿記事(以下「本件記事」という。)を投稿したところ,原告において,本件記事は原告の社会的評価を低下させるものであるとして,被告に対して,不法行為による損害賠償請求権に基づいて,330万円及びこれに対する平成23年8月7日(本件記事投稿の日の翌日)から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(以下の事実は当事者間に争いがないか、掲記の証拠により容易に認められる事実である。) (1)当事者 ア 原告は,本件記事の投稿当時,東京都千代田区にあるX7中学校に通っている中学3年生であった。  イ 被告は,当時,東京都千代田区にあるX8中学校に通っている中学3年生であった。 ウ 原告及び被告は,当時,X9塾という英語の学習塾に通っていた。 (2)事実経過 ア 被告は,平成○○年○月○日午前×時××分,2ちゃんねるの「○○○○○○○○○」と題するスレッドにおいて,本件記事(甲1)を投稿した。 イ 本件記事の投稿に先だって,2ちゃんねるの別のスレッドにおいて,同日午前×時××分に,「こいつ,2ちゃんに晒されたいらしくてw 調子に乗ってて,これがとてもむかつきます。頼む,荒らしてやってくれ(ブログ)」との投稿(甲11)が,同時××分に,「こいつのブログを荒らして」との投稿(甲12)がされた(以下,これらの投稿を併せて「本件同種投稿」という。)。 ウ 原告は,本件記事投稿の調査のために,原告代理人を選任し,同人は,2ちゃんねるを運営するパケットモンスターインクピィーティーイーエルティーディー(以下「パケットモンスター」という。)への発信者情報開示の仮処分を申し立てた。原告代理人は,平成23年12月14日に仮処分決定が出された後,2ちゃんねるとの交渉により本件投稿のIPアドレス(以下「本件IPアドレス」という。)を取得した。
エ 本件IPアドレスは,株式会社JCN関東(以下「JCN関東」という。)が管理するIPアドレスであることが判明し,原告代理人は,平成23年12月25日,同社に対して,発信者情報開示請求を行ったが,当初,拒絶されたことから,発信者情報開示訴訟を提起すべく,その前提として,本件IPアドレスの契約者情報を保存してもらうため発信者情報消去禁止の仮処分を申し立てた。同事件は,JCN関東が契約者情報を保管することで和解が成立した。その後,JCN関東から,被告の父であるX5が本件IPアドレスについての契約者情報であると伝えられた。 オ その後,被告や上記X5は,原告及び原告の父母に対し,本件記事は,被告が投稿したものであることを認めた。 2 争点 (1)争点1(社会的評価の低下の有無) (原告の主張)  本件記事は,当時,原告が通っていたX7中学校及び所属学年を示し,原告の氏名を明示した上で,一般の読者に,原告が誰とでも性交渉する性的道徳観念の希薄な人物であると誤信させるものであり,原告の社会的評価を著しく低下させるものである。 (被告の主張)  争う。 (2)争点2(損害) (原告の主張)  名誉毀損による精神的苦痛に対する慰謝料等300万円(本件記事の発信者を特定するために必要であった調査費用74万8054円を含む)及び弁護士費用30万円(上記慰謝料の1割相当額)の合計330万円の損害が発生している。 (被告の主張)  損害の発生は不知,被告に支払義務があることは争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(社会的評価の低下の有無)について  本件記事は,不特定かつ多数の者が閲覧可能であるインターネット掲示板である2ちゃんねるにおいて,原告の氏名,所属を特定した上で,原告の性的道徳観念が希薄な人物であることをうかがわせる内容を記載したものであるから,本件投稿が原告の社会的評価を低下させることは明らかである。  したがって,被告が本件記事を投稿したことは,原告に対する不法行為に当たり,被告は,これに基づき原告に生じた損害を賠償する責めを負う。 2 争点2(損害)について (1)本件記事投稿の悪質性に関する事情  被告は,原告とは直接会話したことはないものの,同じX9塾に通っていたところ,原告が通学するX7の生徒から「今度来たX1という子がブログやってるから見てみて」と言われ,原告が公開していたブログ(以下「原告ブログ」という。)を見たもののよい印象を持たず,また,原告の知人からも原告の悪い噂を聞くなどして,今度みんなで原告ブログにコメントを入れたり投稿したりしようという話になったこともあり,平成○○年○月に入り,原告ブログに「○○高(ある男子校の名前)の奴ら,早く2ちゃんにさらさないかな」という内容の記事を発見した際に,「暇だから書いてあげようか」とコメントを入れると,同月○日午前×時ころ,原告ブログに「本人がやらないと意味ない」という旨のコメントが返されていたことから,自分で原告をさらしてしまおうと考え,本件記事を投稿したと主張する。  他方で,原告は,被告がよい印象を持たないような記事を原告ブログには掲載していない旨主張し,陳述(甲10)しており,また,本人が自分のブログを2ちゃんねるにさらしてほしいとする記事を掲載することは不自然であって,第三者が原告ブログに不正アクセスした可能性があると主張している。  原告,被告ともに,当時,中学生ということもあり,当時の状況や心情を正確に把握することは困難というほかなく,また,原告ブログの記載内容についても,当時のブログ記事はもはや残っておらず(弁論の全趣旨),詳細については定かではないが,本件記事には「調子に乗ってる」,「ナルシな」,「自分で2chに晒されたい~暇だから。的なブログwあいたたた」といった記載があることからすると,少なくとも,被告は,原告ブログの存在を知って,その内容について反感を持ち,嫌がらせの目的で本件記事の投稿に至ったものと認めるのが相当である。  次に,原告は本件事案の悪質性を裏付ける事情として,本件同種投稿の存在を主張し,これらも,被告が行ったものと考えられる旨主張する。確かに,午前×時という深夜の時間帯にもかかわらず,非常に近接して,同じような内容の記事が投稿されており,同一人による投稿であるかもしくは意思を通じた者らによる投稿であることが強く推認されるが,3つの投稿は,投稿毎のIDが異なっており,まったく無関係に行われたという可能性もないわけではないし,その内容は,原告の名誉を毀損するようなものとは言い難い。そうすると,いずれにしても,本件同種投稿により本件記事投稿の悪質性が高まるものと認めることはできない。
(2)慰謝料等の額 ア 以上を前提にして,本件における慰謝料額を検討すると,当時,中学3年生の女子であった原告にとって,性的道徳観念が希薄であって,誰とでも性交渉をする人物であるかのように,自己を特定できる形で,不特定かつ多数の人物が閲覧可能なインターネット掲示板に投稿されることが,精神的苦痛を受けるものであることは,想像に難くない。  しかし,他方で,本件記事の投稿は,原告ブログに対する同年代の中学生による反感がその原因になっているものと考えられ,若年時にネット社会に身を乗り出す危険性が具現化したものと評価することも可能であり,心身ともに未成熟な被告が一時の感情の赴くがままに行ったものとも見て取れる。また,一般的には,2ちゃんねるのようなインターネット掲示板上における情報の信用性は高いものとは認識されておらず,本件記事についてもこれを裏付けるような特段の事情がなければ,これを直ちに真実と信用する者は乏しいと考えることができる。以上からすると,その他本件事案における一切の事情を勘案すれば,本件における慰謝料額としては50万円を認めるのが相当であると考える。 イ 次に,原告は,本件記事の発信者を特定するために必要であった調査費用として74万8054円の損害を被った旨主張する。  確かに,前記第2の1(2)ウ及びエ記載の活動に際して,原告は,原告代理人に対して,パケットモンスターに対する投稿記事削除及び発信者情報開示仮処分命令申立事件の報酬として42万2222円,JCN関東に対する発信者情報消去禁止の仮処分命令申立事件の報酬として26万2500円,さらに,2ちゃんねる上の誹謗中傷記事がコピーサイトに拡散した記事を削除するための報酬として6万3332円を支払ったことは認められる(甲13の1ないし3)。  そこで,検討するに,インターネット掲示版での投稿による名誉棄損では,発信者情報の開示を求めることで投稿した人物を特定しなければ,損害賠償を請求することはできず,弁護士に依頼して仮処分や訴訟を起こすなどして調査をすることも,社会通念上合理性を有するものと考えられる(なお,原告の主張する調査費用には,投稿記事削除に関わる費用も含まれているが,弁護士による投稿記事削除のための活動も社会通念上合理性を有するものであるから,同様に考えることができる。以下,併せて「調査費用等」という。)。  したがって,弁護士による調査費用等についても,相当な活動及び相当な金額の範囲で,相当因果関係ある損害として賠償されるべきであると考えられる。そして,相当な活動及び相当な金額の範囲を検討するに際しては,不法行為訴訟における弁護士費用相当の賠償額は,他の損害額合計の1割相当額を認めることが通常の取扱となっていることも念頭に置く必要があると考えられる。  以上を前提に,上記活動の内容及び成果(相手方を別にする2度の仮処分に加え,コピーサイトに拡散した記事の削除も実施していること等),本件訴訟における損害の認定内容等,一切の事情を総合考慮すれば,本件における調査費用等相当の賠償額としては,20万円を認めるのが相当であると考える。 (3)弁護士費用  弁護士費用として,上記(2)ア及びイの損害額合計70万円の1割相当額である7万円を認めるのが相当である。 3 結論  そうすると,原告の請求は,77万円及びこれに対する不法行為発生後の日である平成23年8月7日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を認める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第30部 裁判長裁判官 菅野雅之 裁判官 今岡健 裁判官 原彰一 別紙 投稿記事目録
《全 文》 【文献番号】25510213 所有権移転登記請求事件 東京地方裁判所平成23年(ワ)第38080号 平成25年1月21日民事第16部判決 口頭弁論終結日 平成24年11月26日        判   決 原告 P1 同訴訟代理人弁護士 大坪和敏 川崎美奈 被告 P2 被告 P3 上記両名訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋        主   文 1 被告らは,原告に対し,別紙物件目録記載1の土地につき,平成元年4月1日時効取得を原因とする亡P4の3分の1の持分全部移転登記手続をせよ。 2 被告らは,原告に対し,別紙物件目録記載2の土地につき,平成元年4月1日時効取得を原因とする所有権移転登記手続をせよ。 3 訴訟費用は被告らの負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文同旨 第2 事案の概要等  本件は,原告が,亡P4(以下「P4」という。)の相続人である被告らに対し,別紙物件目録記載1の土地(以下「本件土地1」という。)のP4の持分部分及び別紙物件目録記載2の土地(以下「本件土地2」という。また,本件土地1及び同2を合わせて「本件各土地」という。)について,時効取得を原因とする所有権移転登記手続を求めた事案である。 1 争いのない事実等(特記しない限り当事者間に争いがない。) (1)本件土地1について,昭和6年3月14日付けで,同日売買を原因とする所有権移転登記手続がされており,P4(登記簿上の表記 P5),P6及びP7が共有者(持分各3分の1)として記載されている。  このうちP6の持分については,昭和25年11月2日付けで,昭和18年5月16日家督相続を原因として,P8に持分全部移転登記手続がされ,P7の持分については,昭和25年11月2日付けで,昭和13年4月17日家督相続を原因としてP9に持分全部移転登記がされている。(甲1) (2)本件土地2について,昭和14年9月19日付けで,同日売買を原因として,P4に所有権移転登記手続がされている。(甲2) (3)本件各土地上に,建物が存在し(以下「本件建物」という。),昭和9年7月2日付けで,同年6月29日売買を原因として,P4の4女であるP10(登記簿上の名称はP11。以下「P10」という。)に所有権移転登記手続がされ、さらに,平成5年6月29日付けで,同月18日贈与を原因として,原告へ所有権移転登記手続がされている。(甲3,4) (4)P4は,昭和28年6月21日に死亡した。  P4の長男であるP12(以下「P12」という。)は,平成元年4月1日に死亡した。
 原告は,P12の長男である。(甲9の1,11) (5)P4の3女であるP13は昭和59年1月13日に死亡し,その長男であるP14は平成22年1月28日に死亡した。  被告らは,P14の子である。 (甲9の1・10・12・15~18,10) (6)原告は,平成23年12月10日に被告らに到達した本件訴状により,本件各土地についての取得時効を援用するとの意思表示をした(弁論の全趣旨)。 2 争点  本件の争点は,原告が,本件各土地を時効取得したかである。 (1)原告の主張 ア P4は,本件建物に居住し,本件各土地を占有していた。  P4死亡後は,長男であるP12がP4を相続して本件建物に居住するほか,本件各土地で個人事業として造園業(長嶋造園)を営んでいた。  原告は,P12の子であり,昭和5年生まれであるが,7歳のころからP12と共に本件建物に居住していた。  原告は,昭和48年ころP12に代わって世帯主となり,長嶋造園を引き継ぎ,本件土地1及び本件建物の固定資産税を支払うようになった。  原告は,平成元年4月1日にP12の死亡により,本件建物及び本件各土地の占有を取得した。  なお,本件土地1の一部は,古くからP15家に賃貸されており,平成元年4月1日時点では,P12からP16に賃貸されており,その後も,原告から,P16の家族が賃借していた。  また,原告は,平成5年6月18日には,贈与によりP10から本件建物の登記名義を取得した。  よって,原告は,平成元年4月1日から本件各土地を占有しており,平成21年4月1日経過時にも本件各土地を占有していたから,取得時効が完成している。 イ 被告らの主張への反論  原告は,本件各土地及び本件建物の固定資産税を支払ってきている。  本件建物についても,所有権移転登記手続をする以前から,原告が所有しているものであった。  また,本件建物は増改築されていない。  P12の相続の際,同人の二男の妻から,墓でももらえないかといった話があったことから喧嘩となり,遺産分割協議がされていないが,原告は,P12に代わって世帯主となり,家業も引き継いだから,家業を営む場所である本件各土地及び本件建物について当然引き継ぎ,相続したと考えていた。  原告は,相続税についての意識がなく,申告は検討しなかった。  P15家との間の賃貸借の地代については,昭和46年に賃料増額の交渉をしようとしたところ,弁護士をつけて争ってきたためあきらめたものであり,その後は単に増額を求めなかったに過ぎない。平成22年からは月2万円を受領している。  原告代理人が被告らに送付した手紙は,無償で名義の移転を求めたものであり,被告らが登記簿上の名義人であるP4の権利義務について相続している以上,形式的には所有者として扱わなければならないため,譲渡という文言を用いただけであり,被告らの所有権を認めたものではない。 (2)被告らの主張  原告は,以下のとおり,所有の意思があれば取るであろう行動を取らず,また,取らないであろう行動を取っているから,所有の意思をもって本件各土地を占有していたものではない。 ア 原告は,本件土地1の固定資産税を支払ったとしながら,本件土地2の固定資産税を支払っていなかったようであるが,そうであれば,所有者として不思議に思い,区役所に問い合わせるなどして現在の登記状況等の確認を行ってしかるべきところ,何もしていない。
イ 本件建物につき,P10から贈与を受けているが,本件建物を所有していたのであればこのような贈与を受けるはずがない。 ウ 本件建物については,贈与によって登記名義を変更したのに,本件各土地についてはそのような手続を取っていない。 エ 本件建物は増改築されているようだが,登記に反映されていない。 オ P12の死亡時に,同人の二男の妻から,墓地でももらえないかとの話があったことから喧嘩となり,遺産分割協議がされていないというのであるから,原告が,P12の相続により,全ての財産を取得したと考えてはいなかったのは明らかである。原告が世帯主になり,家業を引き継いだからといって,本件各土地,本件建物を当然引き継いだと考えるのは,家督相続制度が廃止されて久しい平成元年の相続においては不合理である。 カ P12の相続時に相続税を申告していない。 キ P15家との間の賃貸について,小田急小田原線a駅近くの約50坪の土地の地代としては相当に低い金額しか受領していない。 ク 平成22年6月30日,原告の訴訟代理人から被告らに対し,相続分を譲渡して欲しい旨の手紙が送付されている。
第3 当裁判所の判断 1 前記争いのない事実等に証拠(甲12,30,証人P17のほか各項末尾に記載)及び弁論の全趣旨を総合すると,本件の経過について以下の事実が認められる。 (1)昭和9年ころ,P4は本件建物を取得したが,4女であるP10名義でこれを登記した。(甲3) (2)P4は,昭和28年6月21日に死亡し,長男であるP12が本件各土地及び本件建物を引き継いで居住し,個人事業として造園業(長嶋造園)を行っていた。原告は,P12と同居して17歳ころからこれを手伝い,昭和48年ころには長嶋造園を継いで,P18家の家計を預かることとなり,本件各土地や本件建物の固定資産税を支払うようになった。なお,これらの固定資産税の課税の名宛人は,不動産登記簿上の所有者であったが,固定資産税納税通知書は原告のところに届いていた。(甲14ないし16,23ないし25(いずれも枝番全てを含む。)) (3)P12は,平成元年4月1日に死亡した。P12の遺産は,本件各土地と本件建物であり,その後も原告がその利用を引き継ぎ,居住するとともに長嶋造園を営んでいた。P12の相続人は,原告以外にも複数名がいたが,P12の法事の際に,原告の弟であるP19の妻から,墓くらいはもらえないか,といった話があったものの,遺産分割の具体的な協議がもたれることはなかった。また,本件各土地の不動産登記簿上の所有名義については,P4の名義が残っており,ただちに名義を移転するのが困難であった上,そのころ,P12やその妻の死が相次いだことから対応はされなかった。また,P12の相続に関する相続税の申告もされなかった。 (4)本件建物については,これらの状況が落ち着いた平成5年6月18日に,既に婚姻により本件建物を出ていたP10から原告へ贈与により不動産登記簿上の所有名義が移転した。 (5)なお,本件各土地のうち,本件土地1の一部は,以前からP15家に地代月額1万円で賃貸され,P15家では同土地上に建物を所有してこれを占有していた。昭和46年ころ,P12は,当時の借地人であったP16に対し地代月額1万円の増額を申入れたが,紛争となったことから増額をあきらめ,前記地代のまま契約が継続していた。その後,P12の死亡により貸主は原告となり,また,P16の死亡によりP20とP21が建物を持分2分の1ずつで共有してP20が借地人となり,同人の死後はP21が建物の所有権を全部取得して借地人となり,同人の家族とともに同建物に居住している。平成22年9月からは,P21と原告との交渉により,地代月額は2万円となった。(甲20ないし22,26ないし29(いずれも枝番全てを含む。),乙4,6) (6)平成22年6月30日ころ,本訴原告代理人は,被告らに対し,被告らが本件各土地についてP4の登記名義を相続によって承継しているところ,原告に登記名義を移転するために相続分譲渡証の作成をして欲しい旨を申し入れた。(乙1,2) 2 原告による本件各土地の占有について  以上によれば,原告は,平成元年4月1日以降,P12の死亡により同人の占有を引き継ぐ形で,原告自身が本件建物を占有使用するなどして,また,本件土地1の一部についてはP15家に借地に出すことで,本件各土地を占有していたといえる。 3 原告の本件各土地の所有の意思について (1)占有者は,所有の意志をもって,平穏かつ公然と占有するものと推定される(民法186条1項)が,本件では,原告は,P12からの相続によって本件各土地の占有を取得しているところ,P12には原告以外にも相続人がいたから,本件各土地の全体について所有の意思があったことが推定されるものではない。  しかし,原告は,P12と同居してその個人事業である造園業(長嶋造園)を手伝い,昭和48年ころにはこれを継いで,P18家の家計を預かることとなり,本件各土地や本件建物の固定資産税を支払うようになったこと,P12の遺産は本件各土地と本件建物であり,原告はその利用を引き継ぎ,居住するとともに長嶋造園を営んでいたが,P12の他の相続人から,原告が本件各土地を占有することについて具体的な異議を述べた者はなかったことからすれば,原告は,P12の相続のときから本件各土地について単独所有者としての自主占有を取得したものというべきである。
(2)ア これに対し,被告らは,所有者であれば取るべき行動を取らず,また,取らないであろう行動を取っていると主張する。 イ しかし,前記認定のとおり,原告は本件各土地及び本件建物の固定資産税を支払ってきている。 ウ 本件各土地の登記名義を移転していないことを被告らは論難するが,P12が死亡して原告が本件建物や本件各土地を引き継いだ平成元年時点でも,P4の登記名義の相続人は相当数に上ることがうかがえ(甲10),P12やその妻の死亡が重なった時期であったことも合わせ考えると,原告が,同じP4の相続人として血縁関係を有する者らに対し,ただちに登記名義を実際の所有関係に一致させるべく行動しなかったからといって不合理ではない。 エ P10が有していた本件建物の登記名義を,贈与という形式で譲り受けるのは,原告が実際の所有者であったとすれば,金銭的負担なしに登記名義を実態の所有関係に一致させる行為であると解されるのであって,所有の意思を有していたことを否定する事情ではない。 オ 本件建物が増改築されたことを認めるに足りる証拠はない。 カ 被告らは,P12死亡時に,その相続によって原告が全ての財産を取得したと解するのは不合理であるとも指摘するが,原告は,従前から本件建物に居住して,P12から引き継いだ家業の長嶋造園を運営し,本件各土地を利用してきており,P12死亡後も,同様の利用形態を継続しており,具体的な遺産分割協議の話もなかったというのであるから,原告が,P12から本件各土地及び本件建物を相続した,と解するのは不自然なことではない。 キ 原告は,P12の死亡時に相続税の申告をしていないけれども,P12の遺産が,同人の登記名義になっていない本件各土地及び本件建物のみであったことからすると,原告が相続税申告を行わなかったことについて,税務上の当否はともかく,所有の意思を有していたことを否定する事情であるとはいえない。
ク P15家との間の地代が月額1万円(増額後は2万円)という点についても,少なくとも地代月額を1万円と設定した時点(昭和46年以前であると思われる。)においては,当時の経済情勢に照らし,相応の金額であったと推認されるから,地代の設定時点においては所有者の取る行動として不合理なものではない。また,その後に地代がほとんど増額していない点については,当事者間の交渉による地代の増減は,単純に経済的な見地からのみ決定されるものではなく,貸主と借主の人的関係や交渉経過等にも影響されるものであって,増額がされていないことのみから,貸主が,土地所有の意思を有していないことが推認されるとはいえず,他に原告が土地所有の意思を有していないがために地代を増額しなかったことをうかがわせる証拠もない。 ケ 平成22年の本訴原告代理人からの相続分譲渡証の作成の依頼も,原告に本件各土地の登記名義を移転させるための便法としての,無償での相続分譲渡証の作成方を依頼しているのは明らかであって,原告が所有者ではないことを前提とした行動とはいえない。 コ してみると,被告らが,原告の所有の意思を否定する事情として指摘するものは,いずれもその事実が認められないか,あるいは,所有の意思を否定するには足りないものであって,これらを総合考慮しても,原告の所有の意思を否定するには足りない。 (3)よって,原告は,所有の意思をもって,本件各土地を占有していたものであるといえるところ,原告は,平成23年12月10日に被告らに到達した本件訴状により,本件各土地についての取得時効を援用するとの意思表示をしたから,本件各土地を時効取得した。 4 結論  以上の次第で,原告の請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第16部 裁判官 野村武範 別紙 物件目録 1 所在 世田谷区α×丁目 地番 b番c 地目 宅地 地積 149.28平方メートル P5の持分 3分の1 2 所在 世田谷区α×丁目 地番 e番f 地目 宅地 地積 72.19平方メートル
《全 文》 【文献番号】25510834 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第27756号 平成25年2月19日民事第12部判決 口頭弁論終結の日 平成25年1月22日        判   決 原告 A 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 KDDI株式会社 同代表者代表取締役 B 同訴訟代理人弁護士 星川勇二 同 星川信行 同 渡部英人 同 竹本英世        主   文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文と同旨 第2 事案の概要 1 本件は,原告が,インターネット上の電子掲示板にされた匿名の書き込みによりその名誉が毀損され,人格権が侵害されたなどとして,当該書き込みをした者(以下「本件発信者」という。)に対する損害賠償請求権の行使のために,本件発信者にインターネット接続サービスを提供した被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,本件発信者の氏名又は名称,住所及び電子メールアドレスの情報の開示を求める事案である。 2 前提となる事実  以下の事実は,当事者間に争いがないか,掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。 (1)当事者 ア 原告は,有限会社新光商会(以下「新光商会」という。)の専務取締役である。新光商会は,横浜市に本店を置き,輸出入食料品等の形状等の検査,労働者派遣事業法に基づく一般労働者派遣事業等を目的とする会社である。(甲6,7) イ 被告は,電気通信事業法に定める電気通信事業等を目的とする会社であり,法2条3号にいう「特定電気通信役務提供者」に該当する。 (2)事実経過等 ア インターネット上のウェブサイト「2ちゃんねる」内の電子掲示板(以下「本件掲示板」という。)に,別紙情報目録記載のとおり,氏名不詳者によって,同目録の番号[1]から[6]までの各「投稿記事内容」記載の内容の各書き込み(以下,併せて「本件各書き込み」という。)がされた(甲1)。 イ 原告は,本件掲示板の管理者を相手方として,当庁に対し,本件各書き込みを含む本件掲示板上の原告に係る合計19件の書き込みに係る各IPアドレス等の開示を求める仮処分命令の申立て(当庁平成24年(ヨ)第1409号)を行い,当庁は,平成24年4月24日,これを認める仮処分決定をした(甲2)。  上記管理者は,上記仮処分決定を受けて,原告に対し,本件各書き込みに係る上記各IPアドレス等を開示した。当該開示に係るIPアドレスは,いずれも「○○○.○○.○○○.○○○」である。(甲3) ウ その後,前記イのIPアドレスが被告によって本件発信者に対して割り当てられたものであり,本件各書き込みがされた際に本件発信者に対してインターネット接続サービスを提供していた者が被告であったことが判明した(甲4)。
3 争点及び当事者の主張 (1)原告 ア 権利侵害の明白性について (ア)本件各書き込みは,以下のとおり,いずれも,原告の名誉を毀損し,その名誉感情を侵害するものである。 a 本件各書き込みは,いずれも,新光商会の経営者の一人である「C」に関する「煙草の煙は人の顔に吹っかけるは,人の額に拳を付き立てて,「俺は偉いんだ。俺を誰だと思ってんだ!!」それがここの挨拶かよ。」との記載(以下「本件記載〔1〕」という。)を含むものであるが,新光商会において「D」との読みの氏名を有する役員が原告のみであることからすれば,本件記載〔1〕は,一般の閲覧者をして,原告が通常の挨拶をすることができない異常な人間である旨誤信させ,原告の社会的評価を著しく低下させるものである。 b 本件各書き込みは,いずれも,新光商会の経営者の一人である「C」に関する「バイトの女はナンパし放題。」との記載(以下「本件記載〔2〕」という。)を含むものであるが,これは,一般の閲覧者をして,原告が勤務時間中にバイトの女性を口説いており,そのために顧客から受けた仕事を適当にやっている旨誤信させ,原告の社会的評価を著しく低下させるものである。 c 本件各書き込みは,いずれも,新光商会の経営者の一人である「C」に関する「クズ」,「最低のクズ」又は「最低のクズ野朗!!」との記載(以下「本件記載〔3〕」という。)を含むものであるが,これらは,原告が人間として価値がない最底辺の人間である旨を苛烈に表現するものであり,社会通念上許される限度を超えて原告を侮辱し,原告の人格権を違法に侵害するものである。 (イ)本件記載〔1〕及び本件記載〔2〕の各摘示事実の内容は,いずれも真実ではない。 (ウ)本件記載〔1〕及び本件記載〔2〕の各摘示事実は,いずれも,一中小企業である新光商会の役員の勤務状況に関する情報であり,公益の増進に資するものではない。また,本件各書き込みは,単に原告を誹謗中傷するそれらの表現方法からして,原告に対する積極的な加害意思の下に行われたものであることは明らかであり,公益目的を有するものとも認められない。 イ 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由について  原告は,本件発信者に対して不法行為による損害賠償請求権を行使するために,被告に対して本件発信者に係る別紙発信者情報目録記載の情報の開示を求めるものであるから,本件請求には正当な理由がある。 (2)被告 ア 権利侵害の明白性について (ア)本件各書き込みについては,以下のとおり,いずれも,原告の名誉を毀損し,又はその名誉感情を侵害するものであることが明らかであるということはできない。
a 本件記載〔1〕は,「煙草の煙は人の顔に吹っかけるは,人の額に拳を付き立てて,「俺は偉いんだ。俺を誰だと思ってんだ!!」」との部分と「それがここの挨拶かよ。」との部分とを脈略なく記載するものであって,それらがどのような繋がりを有しているが判然としているものではなく,これを一般の閲覧者が原告が主張するような意味で理解することは困難であり,原告の権利を侵害する効果は乏しい。 b 本件記載〔2〕は,「バイトの女はナンパし放題」との事実を摘示するにとどまり,「原告が顧客から受けた仕事を適当にやっている」旨の事実を摘示するものではないから,一般の閲覧者の普通の注意と読み方とを基準としても,それのみで「原告が顧客から受けた仕事を適当にやっている」旨の印象を抱かせるものではない。 c 本件記載〔3〕は,本件投稿者がその個人的な雑感を述べることにより原告を批判したものであるにすぎず,その表現には日常生活において使用される言葉が用いられており,また,その内容もごく抽象的なものにとどまり,何ら具体的事実を摘示するものではなく,一般の閲覧者が原告に対して具体的印象を抱くとは考え難いものであるから,原告の権利を侵害する効果に乏しいものである。 (イ)本件各書き込みは,個人的な雑感を日常生活において使用される言葉により抽象的に表現したものにすぎず,これを閲覧した者に対して与えられる具体的情報も限られており,それによる原告の権利侵害の効果は乏しく,その違法性の程度は極めて軽微であるから,本件各書き込みについては,違法性阻却事由が存在するものというべきである。 イ 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由について  争う。
第3 当裁判所の判断 1 権利侵害の明白性について (1)法4条1項に基づく発信者情報開示請求訴訟においては,被害者は,同項1号所定の要件である「侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき」について,当該侵害情報の流通によりその社会的評価が低下した等の権利の侵害に係る客観的事実についてはもとより,その侵害行為の違法性を阻却する事由の存在を窺わせる事情が存在しないことについても,その主張立証を要するものと解される。 (2)前記前提となる事実によれば,本件各書き込みは,いずれも,本件記載〔1〕を含むものであることが認められるところ,本件記載〔1〕によって摘示されている事実は,新光商会の経営者の一人である「C」がたばこの煙を人の顔に吹きかけ,人の額に拳を付き立てて「俺は偉いんだ。俺を誰だと思ってんだ」などと述べるというものであって,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準とすれば,本件記載〔1〕中の「それがここの挨拶かよ。」との部分及び本件各書き込みのその余の部分と併せ読むことにより,新光商会の経営者の一人である「C」がその従業員らに対して日常的にその顔にたばこの煙を吹きかけたり,その額に拳を突き立てながら威圧的な言辞を浴びさせたりするという態度をとっているとの印象を抱かせるものであると認めることができる。そして,証拠(甲5から7まで)により,新光商会において「D」との読みの氏名を有する役員が原告のみであることが認められることからすれば、上記の印象を抱かせる本件記載〔1〕に係る上記摘示事実は,原告につきその品性,徳行等の人格的価値に対する社会的評価を相当程度低下させるものと認めることができる。  したがって,その余の点について判断するまでもなく,本件各書き込みは,いずれも,原告の名誉を毀損するものと認められる。  (3)本件記載〔1〕に係る摘示事実については,原告がその陳述書(甲5)において虚偽である旨を陳述しているところであって,本件証拠上,当該事実が真実であることが窺われるような事情は存せず,また,本件発信者において当該事実が真実であるものと信ずるにつき相当の理由があったことが窺われるような事情も存しないものと認めることができる。 (4)被告は,本件各書き込みによる原告の権利侵害の効果は乏しいなどとして,本件各書き込みについては違法性阻却事由が存在するものというべきである旨主張するが,本件記載〔1〕が原告の品性等に対する社会的評価を相当程度低下させ,原告の名誉を毀損するものと認めるべきことは前記説示のとおりであって,被告の上記主張は採用することができない。 (5)以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,本件各書き込みによって原告の名誉が侵害されており,かつ,その違法性を阻却する事由の存在を窺わせる事情は存在しないことが認められるから,本件請求は,法4条1項1号所定の前記要件を満たすものということができる。 2 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由について  本件各書き込みによって原告の名誉が違法に侵害されたことは前記認定のとおりであるところ,弁論の全趣旨によれば,原告は,本件発信者に対して不法行為による損害賠償請求を行うことを予定していることが認められるから,原告には,本件発信者に係る別紙発信者情報目録記載の情報の開示を受けるべき正当な理由があるものと認めることができる。 3 よって,原告の本訴請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第12部 裁判長裁判官 相澤哲 裁判官 小島法夫 裁判官 浦川剛 (別紙)発信者情報目録  別紙情報目録記載の投稿日時において,被告が管理する別紙情報目録記載のIPアドレスを使用して,別紙情報目録記載の記事を投稿した者についての次の情報 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス (別紙)情報目録
《全 文》 【文献番号】25510781 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第27652号 平成25年2月19日民事第7部判決 口頭弁論終結日 平成25年1月15日        判   決 原告 a 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 被告 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 同代表者代表取締役 b 同訴訟代理人弁護士 上田雅大 同 上村哲史 同 横山経通        主   文 1 被告は,原告に対し,別紙情報目録記載の投稿記事にかかる別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  主文同旨 第2 事案の概要  本件は,インターネット上の掲示板において,別紙情報目録記載の投稿がなされたことが,原告に対する名誉毀損に当たるとして,原告が,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,上記投稿をした者にインターネット接続サービスを提供したプロバイダである被告に対し,別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求めた事案である。 1 前提となる事実(特に証拠を摘示していない事実は,当事者間に争いがない。) (1)原告は,千葉県柏市αにおいて,教育指導研究会という屋号で学習塾を個人で経営している(甲4,6,7)。  被告は,電気通信事業を営む株式会社であり,プロバイダ責任制限法4条にいう「開示関係役務提供者」に該当する。 (2)氏名不詳者(以下「本件投稿者」という。)は,別紙情報目録記載の投稿日時において,URL(http://<以下略>)で表示されるウェブサイトの電子掲示板にアクセスし,「○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○」というスレッド(以下「本件スレッド」という。)に対し,同目録記載の投稿(以下「本件投稿」という。)を行った(甲1)。 (3)教育指導研究会は,そのホームページにおいて,インターネットの検索キーワードで「教育指導研究会 盗聴器」という表記があることや,一部の掲示板で教育指導研究会を中傷する書き込みがあるのは,平成19年10月当時在籍していた講師が,教え子とプライベートで出かけたり不信な言動があったため,生徒の安全を考えて同講師の授業を録音したことにつき,同講師がこれを「盗聴行為」と称して自らのブログなどで配信したことによるものである旨説明した(乙3)。 2 争点  本件投稿が原告の権利を侵害することが明らかであるといえるか。 (1)原告の主張 ア 原告の権利侵害について  本件投稿は,一般の閲覧者の普通の読み方を基準として読んだ場合,「英検だったか漢検だったかの不正合格」「盗聴器事件」という記載により,原告が個人事業として運営する教育指導研究会において,検定試験に不正なことをして生徒を合格させたとか,盗聴器をおいて生徒のプライバシーを侵害しているとの事実を摘示して原告が違法行為をしていると誤信させ,もって原告の社会的評価を低下させるものである。  なお,被告の主張するように,一般の閲覧者が直ちに具体的な個人名まで同定できなければ同定可能性が認められないものではない。  よって,本件投稿によって,原告の権利(名誉権)が侵害されている。
イ 違法性阻却事由の存在を窺わせる事情の不存在について  本件投稿は真実でない上,本件投稿で描写の対象となっているのは,小規模な一個人経営の塾の問題であり,かかる問題に何ら民主主義的意義は見出すことはできないため,到底公益目的は観念し得ず,公共の利害に関するものでもない。  なお,原告において「合格実績ねつ造」「盗聴器事件」について過去に認めた事実はない。また,本件投稿者が本件投稿を行う際,原告に事実関係を確認するなど適切な取材をした事実は存在せず,本件投稿者が「合格実績ねつ造」「盗聴器事件」という記載について真実と信ずるに足りる相当の理由があったとはいえない。  よって,本件投稿は,違法性阻却事由の要件を満たすものではなく,原告が名誉権の侵害を受けていることは明白である。 (2)被告の主張 ア 原告の権利侵害について  本件投稿には,原告の名前及びそれに関連するものは全くないから,一般の閲覧者をして,本件投稿が原告についての投稿であるとは受け取られないし,「Y先生が生徒に抱きつき事件」「英検だったか漢検だったかの不正合格」「盗聴器事件」との記載だけでは,原告自身に何か問題があるとも読み取れず,原告の社会的評価を低下させるものとはいえない。  また、本件投稿は,そもそも「ここまだ潰れてなかったんだ」「もう長くないと思ったけどな」といった投稿者の単なる感想を述べたものであり,原告の名誉を毀損するものとはいえない。 イ 違法性阻却事由の存在を窺わせる事情の不存在について  子供の教育に関わる塾に対しての意見は,公共性及び公益目的があるといえる。また,教育指導研究会については,過去にも「セクハラ」「合格実績ねつ造」「盗聴器」についてインターネット掲示板で書き込みがあり,また,ある程度の部分については,教育指導研究会自身が認めていることからすれば,本件投稿の意見の前提としている事実の重要部分が真実であるか,又は投稿者が真実と信ずるに足りる相当の理由があった可能性がある。   よって,仮に,本件投稿が原告の名誉を毀損するとしても,本件投稿についてはいずれも違法性阻却事由が存在する可能性があり,原告に対する権利侵害が明白であるとまではいえない。 第3 当裁判所の判断 1 プロバイダ責任制限法4条1項1号は,発信者情報開示請求の要件の一つとして,「権利が侵害されたことが明らかであるとき」(権利侵害の明白性)と定めているところ,これは,発信者のプライバシー及び表現の自由と開示請求者の権利回復の必要性との調和を図るため,その権利が侵害されたことが明らかである場合に限って発信者情報の開示請求を認めることにしたものと解されるから,開示請求者は,権利侵害にかかる客観的な事実が存在することのみならず,その侵害行為に違法性阻却事由の存在を窺わせる事情が存在しないことをも主張立証する必要があると解するのが相当である。 2 以上の見地から,本件投稿が原告の名誉を毀損することが明らかであるか否かを検討する。 (1)原告の権利侵害について ア インターネット上の掲示板に掲載された情報が他人の社会的評価を低下させるものであるか否かは,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準に,前後の文脈等を考慮し,当該情報全体が読者に与える印象によって判断するのが相当である。また,当該情報の特定の表現が事実の摘示を含むか否かも,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準として,証拠等によりその存否を決することが可能な特定の事実を摘示しているか否かによって判断すべきである。
イ そこで,本件投稿を一般の読者の普通の注意と読み方とを基準に判断すると,本件投稿のうち,原告が指摘する「英検だったか漢検だったかの不正合格」という記載は,本件スレッドのタイトルと併せて読めば,学習塾である教育指導研究会において検定試験で不正なことをして生徒を合格させたという事実を摘示することにより,教育指導研究会の社会的評価を低下させるものと認められる。  また,本件投稿のうち,原告が指摘する「盗聴器事件」という記載については,必ずしも明確ではないものの,本件スレッドのタイトル及び前後の文脈等も考慮すれば,学習塾である教育指導研究会において盗聴器が仕掛けられる事件があったという事実を摘示することにより,教育指導研究会の社会的評価を低下させるものと一応認められる。  そして,教育指導研究会は原告が個人で営む学習塾であるから,教育指導研究会の名誉を毀損することは,すなわち,原告の名誉を毀損するものと認めるのが相当であり,本件投稿の中で原告の個人名が明らかにされることは必要ではないというべきである。 ウ よって,本件投稿により,原告の権利(名誉権)が侵害されていると認められる。 (2)違法性阻却事由の存在を窺わせる事情の不存在について ア 民事上の不法行為たる名誉毀損については,その行為が公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出た場合には,摘示された事実の重要な部分につき真実であることが証明されたときは,上記行為には違法性がなく,不法行為は成立しないものと解するのが相当であり,もし,上記事実が真実であることが証明されなくても,その行為者においてその事実の重要な部分を真実と信ずるについて相当の理由があるときには,上記行為には故意もしくは過失がなく,結局,不法行為は成立しないものと解するのが相当である(最高裁昭和41年6月23日第一小法廷判決・民集20巻5号1118頁参照)。 イ これを本件についてみるに,子供の教育に関わる学習塾に関する本件投稿は,公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出たものと認める余地があるといえる。  しかしながら,本件記録上,教育指導研究会が検定試験で不正なことをして生徒を合格させたり検定試験の合格実績をねつ造した事実を窺わせる証拠は見当たらない。  なお,証拠(乙1)によれば,教育指導研究会については,過去にもインターネット掲示板で「合格実績ねつ造」という書き込みがなされたことが認められるものの,これをもって「英検だったか漢検だったかの不正合格」という事実の重要な部分につき真実であることが証明されたということはできず,本件投稿者において上記重要な部分を真実と信ずるについて相当の理由があるということもできない。  他方,「盗聴器事件」という記載については,前記第2の1(3)に記載した事実を前提とすれば,教育指導研究会が講師の了解なく授業を録音した事実が認められることからすれば,摘示された事実の重要な部分につき真実であるか,または,本件投稿者においてその事実の重要な部分を真実と信ずるについて相当の理由があった可能性があり,違法性阻却事由の存在を窺わせる事情が存在しないことを認めるに足りないというべきである。 (3)以上によれば,本件投稿のうち「英検だったか漢検だったかの不正合格」という記載については,原告の権利を侵害することが明らかであると認められることになる。 3 よって,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第7部 裁判官 大須賀綾子 別紙 情報目録 (別紙)発信者情報目録  別紙情報目録記載の投稿日時における別紙情報目録記載のドコモUIMカード(FOMAカード)製造番号の契約者についての次の情報 1 氏名又は名称 2 住所 以上
《全 文》 【文献番号】25501779 割増賃金等請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第15937号 平成25年9月26日民事第11部判決 口頭弁論終結日 平成25年7月18日        判   決 原告 A 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 今村邦雄 被告 株式会社レガシィ 同代表者代表取締役 B 被告 税理士法人レガシィ 同代表者代表社員 B 上記両名訴訟代理人弁護士 八代徹也 木野綾子        主   文 1 被告らは,原告に対し,連帯して201万4333円及びこれに対する平成22年10月6日から支払済みまで年14.6%の割合による金員を支払え。 2 被告らは,原告に対し,連帯して20万円及びこれに対する本判決確定の日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求を棄却する。 4 訴訟費用は,これを5分し,その3を被告らの負担とし,その余を原告の負担とする。 5 この判決1項は,仮に執行することができる。        事実及び理由 第1 請求 1 主文1項のとおり。 2 被告らは,原告に対し,連帯して201万4333円及びこれに対する本判決確定の日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要  本件は,被告ら双方に雇用されていた原告が,被告らに対し,時間外労働についての割増賃金の未払があるなどとして,〔1〕割増賃金及びこれに対する最終給与支払日の翌日から年14.6%の割合による遅延損害金,〔2〕付加金及びこれに対する本案判決確定の翌日から年5%の割合による遅延損害金を,それぞれ連帯して支払うことを求める事案である。  被告らは,原告には裁量労働制が適用されるなどと主張して争った。 1 争いのない事実等  次の事実は,当事者間に争いがないか,証拠(甲2,4の1及び2,甲5,6の1及び2,甲12,乙1~3,5,10)及び弁論の全趣旨によって容易に認められる。
(1)被告株式会社レガシィ(以下「被告会社」という。)は,金融,財務,その他の資産の管理及び運用に関する総合コンサルティング業務,会計事務代行業務等を目的とする株式会社であり,被告税理士法人レガシィ(以下「被告法人」という。)は,他人の求めに応じ,租税に関し,税理士法2条1項所定の税務代理,税務書類作成及び税務相談に関する事務を行うこと等を目的とする税理士法人である。被告らの代表者は,いずれもBであり,被告会社の本店所在地と被告法人の主たる事務所の所在地は,同一であり,被告会社の従業員と被告法人の従業員も,ほぼ同一である。 (2)原告は,平成22年1月1日,被告らとの間で,被告らの法人税・資産税部門における税理士の補助業務を行うスタッフとして,期間の定めなく雇用される旨の労働契約を締結し,同年9月末日,被告らを退職した。  原告は,平成19年3月から平成21年12月までの間,有限責任監査法人トーマツに勤務し,平成22年1月1日時点において,既に公認会計士試験に合格していたが,同年9月末日までの間に,公認会計士となる資格を取得するために必要な実務補習を修了しておらず,税理士となる資格を取得することもなかった。 (3)原告の賃金については,毎月1日から末日までの期間の分を翌月5日に支払うものとされた。また,原告の給与月額は,33万7000円であり,そのうち29万7000円が被告会社支払分,4万円が被告法人支払分とされた。 (4)被告らは,いずれも平成22年当時,就業規則において,従業員の勤務時間を8時間,始業時刻を午前8時50分,終業時刻を午後6時,休憩時間を午前11時30分から午後12時30分及び午後3時から午後3時10分とする旨を定めていた。また,休日については,日曜日,土曜日,国民の祝日,年末年始(12月30日から翌年1月4日まで),使用者が「レガシィカレンダー」により指定する日とする旨を定めており,平成22年度(平成22年1月1日~同年12月末日)における休日は,122日であった。 (5)被告らの平成22年当時の就業規則には,次の内容の規定(以下「本件規定」という。)があった。 ア 専門業務型裁量労働制は,労使協定で定める対象労働者に適用する。 イ 専門業務型裁量労働制を適用する労働者(以下「裁量労働適用者」という。)が所定労働日に勤務した場合には,勤務時間を原則8時間とする定めにかかわらず,労使協定で定める時間,労働したものとみなす。 ウ みなし労働時間が所定労働時間を超える部分については,割増賃金を支払う。 エ 始業時刻及び終業時刻は,上記(4)の始業時刻及び終業時刻を基本とするが,業務遂行の必要に応じ,裁量労働適用者の裁量により具体的な時間配分を決定するものとする。 オ 休憩時間及び休日は,上記(4)のとおりとする。 カ 裁量労働適用者が,休日及び深夜に労働する場合については,あらかじめ所属長の許可を受けなければならないものとし,許可を受けて休日及び深夜に業務を行った場合には,被告らは,割増賃金を支払うものとする。 (6)被告会社における専門業務型裁量労働制に関する協定届(平成20年10月31日に成立し,同年11月1日から平成23年10月31日までを有効期間とする協定について,平成23年8月23日に届出られたもの。乙5)には,裁量労働制の対象となる業務の種類として「会計事務」,業務の内容として「税理士法に定める税務代理,税務書類の作成,税務相談,及びこれらの税理士業務に付随する財務書類の作成 会計帳簿の記帳代行等,財務に関する事務」と記載されていた。 (7)原告は,被告らに雇用されていた平成22年1月1日から同年9月末日までの間,別紙「出退勤時刻等一覧表」の「年月日」欄記載の日に,同「出勤時刻」欄記載の時刻に出勤し,同「退勤時刻」欄記載の時刻に退勤し,同「休憩時間」欄記載の時間,休憩し,同「勤務時間」欄記載の時間,労働した。また,原告は,同年7月31日(土曜日)に4時間労働した。 (8)被告は,原告に対し,平成22年9月分の賃金支払日である同年10月5日,原告の同年3月6日(土曜日),同年7月31日(土曜日),同年8月8日(日曜日)及び同月22日(日曜日)の各労働について,割増賃金として5万2008円を支払った。 (9)原告は,被告らに対し,平成23年2月4日到達の同年1月31日付け賃金支払請求書(甲4の1)により,未払賃金の請求をしたが,被告らは,原告に対し,同年3月18日付け書面(甲5)を送付して,原告の請求を拒絶した。  その後,原告は,被告らに対し,同年12月19日到達の同月14日付け賃金支払請求書(甲6の1)を送付して,未払賃金の請求をしたが,被告らは,原告に対し,回答しなかった。 2 原告の主張
2 原告の主張 (1)割増賃金の支払請求について ア 割増賃金の額  原告は,被告らに雇用されている間,被告らの明示又は黙示の業務命令に基づいて,別紙「出退勤時刻等一覧表」の「通常残業時間」欄記載のとおりの時間外労働(深夜労働,法定休日労働を除く。以下同じ。)に従事し,同「深夜残業時間」欄記載のとおりの深夜労働に従事し,同「休日労働時間」欄記載のとおりの法定休日労働に従事した。それぞれの時間は,時間外労働が合計661時間40分,深夜労働が合計102時間48分,法定休日労働が合計9時間である。  上記の時間外労働,深夜労働及び法定休日労働についての労働基準法37条1項,4項及び労働基準法施行規則20条1項に基づく割増賃金の額は,次の計算式のとおり,時間外労働についての分が合計172万0333円,深夜労働についての分が合計32万0736円,法定休日労働についての分が合計2万5272円であり,これらの合計206万6341円のうち201万4333円がいまだ支払われていない。  したがって,被告らが原告に対して支払うべき割増賃金の額は,201万4333円である。 (計算式) 〔1〕1年における1か月平均所定労働時間 (365日-122日)×8時間÷12か月=162時間 〔2〕1時間当たりの賃金 給与月額33万7000円÷上記〔1〕162時間=2080円(切捨て) 〔3〕時間外労働についての割増賃金額 (661時間+40分÷60分)×上記〔2〕2080円×1.25=172万0333円 〔4〕深夜労働についての割増賃金額 (102時間+48分÷60分)×上記〔2〕2080円×1.5=32万0736円 〔5〕法定休日労働についての割増賃金 9時間×上記〔2〕2080円×1.35=2万5272円 イ 時間外労働についての割増賃金の支払請求(原告に対する専門業務型裁量労働制の適用の有無)について  被告らは,原告について,「税理士の業務」を行う者として労働基準法38条の3所定の専門業務型裁量労働制が適用されることを前提に,被告らが原告に対し時間外労働についての割増賃金を支払義務を負わない旨を主張する。  しかし,同条の3第1項1号は,専門業務型裁量労働制の対象となる業務について,「業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため,当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なもの」と定めており,その業務が高度に専門的な能力を必要とするものであることが不可欠である。そして,同号,労働基準法施行規則24条の2の2及び平成14年厚生労働省告示第22号において,「税理士の業務」が専門業務型裁量労働制の対象とされたのは,その業務が高度に専門的な能力を必要とするものであり,そのことが法律上の国家資格という最も明確な形で担保されていることに基づく。前記告示に関する通達(平成14年基発第0213002号)が,「税理士の業務」について,法令に基づいて税理士の業務とされている業務をいうとするのも,当該業務が法令上税理士しか行い得ないとされていること(税理士法52条)を前提とするものである。そうすると,税理士でない者,すなわち,税理士となる資格を有さず,税理士名簿への登録を受けていない者は,「税理士の業務」を行い得ず,その者に専門業務型裁量労働制を適用することはできないというべきであるから,原告には専門業務型裁量労働制が適用されない。
 また,被告会社は,被告法人と異なり,税理士法52条により,税理士の業務を行うことができない以上,仮に,税理士でない者について専門業務型裁量労働制を適用し得るとしても,原告が被告会社に対して提供した労務については,「税理士の業務」に該当せず,専門業務型裁量労働制を適用し得ない。  さらに,専門業務型裁量労働制を導入するためには,使用者は,これに関する労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければならないところ(労働基準法38条の3第2項,同法38条の2第3項,労働基準法施行規則24条の2の2第4項),被告法人における専門業務型裁量労働制に関する協定は,届出がされておらず,また,被告会社における専門業務型裁量労働制に関する協定については,平成20年10月31日に定められたとしても,平成23年8月23日に届出がされたにすぎず(乙5),原告が被告会社に雇用されていた平成22年においては,その届出がされていなかったものである。そうすると,仮に,税理士でない者に対して,専門業務型裁量労働制を適用し得るとしても,原告に対しては,その適用の要件を満たしていなかったものである。  以上によれば,被告らは,原告に対し,時間外労働についての割増賃金を支払うべきである。 ウ 深夜労働についての割増賃金の支払請求(所属長の許可の要否等)について  被告らは,原告に本件規定が適用されることを前提に,被告らが原告の所属長において,原告に対し,深夜に労働することの許可を与えた事実はなく,深夜労働についての割増賃金を支払うべき理由はない旨を主張する。  しかし,本件規定は,労働基準法38条の3所定の専門業務型裁量労働制に関するものであり,本件規定にいう「裁量労働適用労働者」も,上記専門業務型裁量労働制が適用される者を意味するのであり,前記のとおり,原告に専門業務型裁量労働制が適用されない以上,本件規定が適用されることもなく,原告は,休日又は深夜に労働する場合に所属長の許可を得る必要はない。  また,仮に,原告に本件規定が適用されるとしても,原告は,常に直属の上司の面前において深夜労働に就いており,被告らの所属長の黙示の許可を得て就労したものというべきであるから,本件規定所定の割増賃金支払の要件を充たす。  したがって,被告らは,原告に対し,深夜労働についての割増賃金を支払うべきである。 エ 法定休日労働についての割増賃金の支払請求について  被告らにおいては,日曜日が法定休日であると解されるから,平成22年8月8日(日曜日)及び同月22日(日曜日)の労働については,法定休日労働として割増賃金が支払われるべきである。 (2)被告らの割増賃金の連帯支払義務について  被告らの代表者及び本店ないし主たる事務所の所在地が同一であり,従業員もほぼ同一であること,原告が被告ら双方と労働契約を締結していたことは,いずれも当事者間に争いがないところ,原告は,ただ一度の機会に,被告らの人事担当者であるCから被告らを区別した上での説明を受けることなく,その労働契約を締結したものであり,その際に書面(甲11)をもって提示された賃金の額も,被告会社及び被告法人からそれぞれいくら支払われるのかについて全く区別されていなかった。そして,被告らは,原告から,被告ら相互の業務内容,労務提供の受領先,原告の労働条件等について全く区別することなく労務の提供を受け,原告も,被告らに対し,自らの労務の提供先として両者を全く区別することなく一体のものとして認識し,その労務を提供していたものである。被告らの「キャリア・ディベロップメント・プログラム」(乙4)においても,被告ら相互を全く区別することなく,賃金制度の考え方,等級体系,賃金体系が定められている。そして,原告が被告らを退職する際に作成して提出した退職届も,1通のみであった。  上記の事実に照らせば,原告と被告らの間の労働契約においては,労務の提供とその反対給付である賃金の支払について,不可分債務(民法430条)とする旨の明示又は黙示の合意があったというべきである。したがって,被告らは,原告に対し,賃金及びこれに対する遅延損害金を連帯して支払うべき義務を負う。  また,上記の事実に照らせば,原告と被告らとの間の労働契約は,契約締結行為それ自体としても,契約当事者の認識においても,被告らを共同の主体とする1個の行為によって締結されたものであり,被告会社及び被告法人双方の営業のためにされたものであるというべきである。したがって,原告と被告らとの間の労働契約に基づき発生した債務は,被告らのために商行為である行為によって負担されることになったといえるから,商法511条1項により,被告らは,原告に対し,当該債務について連帯債務を負うというべきである。
エ 以上より,被告らは,原告に対し,連帯して割増賃金201万4333円及びこれに対する遅延損害金を支払うべき義務を負う。 (3)遅延損害金の支払請求について  原告が既に被告らを退職している以上,上記の未払割増賃金については,賃金の支払の確保等に関する法律(以下「賃確法」という。)6条1項及び賃確法施行令1条により、最終給与支払日の翌日から年14.6%の割合による遅延損害金が発生する。したがって,原告は,被告らに対し,連帯して201万4333円に対する平成22年10月6日から支払済みまで年14.6%の割合による金員の支払を求めることができる。 (4)信義則違反の抗弁について  被告らは,原告の割増賃金請求が信義則に反するものとして許されないと主張し,その評価根拠事実として,様々な事実を主張するが,その事実自体が認められないものがあるほか,その関連性も不明である。   仮に,原告に背信的意図に基づく機密保持義務違反行為があったとしても,それを根拠に原告の請求が信義則に違反する旨を主張することは,労働基準法24条1項(賃金全額払いの原則)に反し,主張自体失当である。  したがって,被告らの信義則違反の抗弁は,理由がない。 (5)付加金の支払請求について  被告らは,労働基準法37条1項,4項,労働基準法施行規則20条1項に違反して,原告に対し,長期にわたり多額の割増賃金を支払わず,再三請求を受けた後も何ら対応しなかった。被告らの労働基準法違反の程度や態様が極めて悪質であり,原告が受けた不利益は甚大である。被告らには,付加金の支払を命じることが相当でないと認められるような特段の事情は認められない。  したがって,原告は,被告らに対し,労働基準法114条に基づく付加金として,201万4333円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金を連帯して支払うことを求めることができる。 3 被告らの主張 (1)割増賃金の支払請求について ア 原告の時間外労働,深夜労働及び法定休日労働についての割増賃金201万4333円が未払であることは,否認し,又は争う。 イ 時間外労働についての割増賃金の支払請求(原告に対する専門業務型裁量労働制の適用の有無)について  被告らにおいては,労使協定により労働基準法38条の3所定の専門業務型裁量労働制が定められるとともに,就業規則において,上記専門業務型裁量労働制に係る規定として,本件規定が置かれている。そして,原告については,税理士ではないものの,上記専門業務型裁量労働制が適用されていたから,時間外労働という概念自体あり得ず,被告らは,原告に対し,時間外労働についての割増賃金を支払うべき理由はない。  すなわち,同条の3所定の専門業務型裁量労働制の対象となる業務の範囲については,その業務を行う手段や時間配分の決定などについて使用者が具体的な指示をすることが困難な業務か否かという観点から実質的に解釈されるべきである。同条の3第1項1号,労働基準法施行規則24条の2の2第1項6号及び平成14年厚生労働省告示第22号により専門業務型裁量労働制の対象業務とされた「税理士の業務」とは,飽くまで,法令に基づいて税理士の業務とされている業務をいうのであり,税理士法上,税理士のみならず税理士法人が税理士の業務を行うことが予定されている以上(税理士法52条参照),税理士として登録していない者が,実質的に税理士の業務を行うということも当然にあり得るところであり,税理士法2条1項に規定する税務代理,税務書類の作成等が「税理士の業務」の例であるとする平成14年基発第0213002号も,税理士として登録している者しか「税理士の業務」の主体になり得ないことまでは意味していない。そして,原告は,税理士法人である被告法人の従業員として,顧客の窓口,相談対応,調査,申告書類作成等,実質的に税理士の業務に従事していたのであり,その業務は,登録のある税理士が行う税理士の業務と同様,その手段や時間配分の決定などについて使用者が具体的な指示をすることが困難な業務であるといえる。実際に,被告らは,原告に対し,業務の進め方(どのような順序,方法で当該業務を行うべきか)については具体的指示をしておらず,それは,配分を受けて納期を指示された原告の裁量に任されていたものである。したがって,原告には労働基準法38条の3所定の専門業務型裁量労働制が適用されるというべきである。  なお,原告は,被告らが専門業務型裁量労働制に関する協定の届出をしなかったことを問題視するが,協定の届出は,専門業務型裁量労働制の効力要件ではないから,専門業務型裁量労働制の適用は否定されない。
ウ 深夜労働についての割増賃金の支払請求(所属長の許可の要否等)について  本件規定所定の「裁量労働適用労働者」は,飽くまで,被告らの就業規則又は原告と被告らとの間の個別労働契約によって「裁量労働適用労働者」とされる者を指す。そして,原告は,専門業務型裁量労働制が適用されるかどうかにかかわらず,本件規定所定の「裁量労働適用労働者」に該当するから,被告らの就業規則又は原告と被告らとの間の労働契約に基づき,休日又は深夜に労働する場合には,あらかじめ所属長の許可を得なければならないとされ,その許可を得て休日又は深夜に業務を行った場合に限り,割増賃金の支払を受け得るものである。  しかるに,被告らが,原告の所属長(大山プリンスパル)をして,原告に対し,深夜に労働することの許可を与えた事実はない。そして,原告がパソコンに向かって何をしているか(私的に利用している可能性もある。),あるいは,被告らの業務を行っているとしてもそれがその時に残業してまで行う必要がある仕事であるかどうかについては,原告自らが明らかにしない限り,上司に分かるはずもなく,上司が原告の作業を止めさせなかったとしても,そのことをもって黙示の許可があったとはいえない。  したがって,被告らは,原告に対し,深夜労働についての割増賃金を支払うべき理由はない。 エ 法定休日労働についての割増賃金の支払請求について  被告らにおいては,法定休日が特定されておらず,週に1日あるいは4週に4日休日が与えられていれば法定休日の要件は満たされるから,日曜日又は土曜日のうち労働しなかった方の日が法定休日となる。したがって,平成22年8月8日(日曜日)及び同月22日(日曜日)は,いずれも法定休日ではないというべきであり,上記両日の労働については,法定休日労働としてではなく,単なる時間外労働としての割増賃金が支払われるにすぎない。 (2)被告らの割増賃金の連帯支払義務について  原告は,被告らそれぞれとの間で労働契約を締結し,被告らそれぞれに対して労務を提供し,それぞれの被告から別々にその対価である賃金を得ていた。被告ら内部における相互の区別が不明確であったことは否めないが,税務相談や税務申告等の税理士法人でなければできない業務については,被告法人として行っていたものであり,原告も,被告法人に対して,その労務を提供していた。明示又は黙示に不可分債務との合意がなされていたという事実はなく,被告らは,原告に対し,賃金及びこれに対する遅延損害金を連帯して支払うべき義務を負わない。 (3)遅延損害金の支払請求について  賃確法6条2項,賃確法施行規則6条は,同法6条1項の適用を除外しているところ,同規則6条5号が除外事由の一つとして「その他前各号に掲げる事由に準ずる事由」を定め,その適用範囲を拡げていることなどに照らせば,同条4号については,裁判所又は労働委員会において,事業主が,確実かつ合理的な根拠資料が存する場合だけでなく,必ずしも合理的な理由がないとはいえない理由に基づき賃金の全部又は一部の存否を争っている場合にも,同法6条1項の適用を除外するものであると解するのが相当である。  本件では,被告らに賃確法施行規則6条4号所定の事由があるといえ,原告の請求に係る割増賃金に対する遅延損害金については,商事法定利率(年6分)によるべきである。 (4)信義則違反の抗弁  以下のア~オの事情に照らせば,原告の割増賃金請求は,信義則に反するものとして許されない。 ア 原告が被告らにおいて行っていた活動は,被告らの業務の遂行という側面のほか,原告らの勉強ないし修行という側面も有していた。 イ 被告らは,原告について,将来ある税理士の卵として大事に育成してきたものであり,自分の仕事が手一杯の時には,上司から新たな仕事を割り当てられても断ることを認めるなどの配慮をしていた。 ウ 原告は,専門業務型裁量労働制の適用を受けることを前提として被告らと労働契約を締結し,退職時までその待遇に異議を唱えて来なかった。 エ 原告は,公認会計士となる資格を取得するために必要な実務補習を修了していないことをあえて秘して,被告らに雇用された。 オ 原告は,自ら時間外労働等についての割増賃金手当を請求するのみならず,他の退職者らに対しても,被告らに同様の請求をするようそそのかすとともに,その際,被告らの保有する機密文書である「09集計シート」等の各退職者の労働時間主張の基礎となる資料(甲17)を被告らから盗み出して渡した。このような原告の背信的意図に基づく機密保持義務違反行為によって,被告らの元従業員であるD及びEは,被告らを相手方として,時間外労働についての割増賃金を請求する労働審判を申し立て,その後に移行した訴訟の公開の法廷において,原告から提供を受けた上記資料を証拠として提出するに至った。
(5)付加金の支払請求について  付加金の支払を命じるかどうか,その金額をいくらにするかは,裁判所の裁量であり,使用者の行為が悪質であるかどうかということを勘案して決するが,結果的に割増賃金の不払があったとしても,労働組合の了解の下で実施された賃金や労働時間の決め方から発生したものであり,労働基準法の解釈が誤っていたという面が大きい場合には,制裁としての付加金の支払を命ずることは相当ではない。本件は,正に上記の場合に該当するから,被告らに付加金の支払を命じるべきではない。 4 争点  本件の主たる争点は,次のとおりである。 (1)原告が被告らに対し時間外労働についての割増賃金の支払を請求し得るかどうか(争点1)。その前提として,原告に労働基準法38条の3所定の専門業務型裁量労働制が適用されるかどうか。 (2)原告が被告らに対し深夜労働についての割増賃金の支払を請求し得るかどうか(争点2)。その前提として,原告が深夜労働についての割増賃金の支払を受けるのに,所属長の許可を要するかどうか。 (3)原告が被告らに対し法定休日労働についての割増賃金の支払を請求し得るかどうか(争点3)。その前提として,平成22年8月8日(日曜日)及び同月22日(日曜日)がいずれも法定休日であるかどうか。 (4)被告らが原告に対し割増賃金及びこれに対する遅延損害金を連帯して支払う義務を負うかどうか(争点4)。 (5)被告らが原告に対して支払うべき割増賃金の額(争点5)。 (6)被告らが原告に対して支払うべき遅延損害金の額(争点6)。 (7)原告の割増賃金請求が信義則に違反するかどうか(争点7)。 (8)被告らに対し付加金の支払を命じるべきであるかどうか及びその金額いかん(争点8)。 第3 当裁判所の判断 1 前記争いのない事実等,証拠(甲2,11,乙1,2,4,6,7,11,15)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1)被告会社は,会計事務代行業務等を目的とする株式会社であり,被告法人は,税理士法人であるが,被告らは,代表者を同じくするとともに,その本店所在地ないし主たる事務所の所在地も同一である。被告らの従業員構成もほぼ同一であり,従業員のほとんどが,被告会社と被告法人の双方に雇用されている。 (2)被告らの就業規則は,ほぼ同一の内容であり,勤務時間,休憩,休日,休暇等についても,同じ内容の定めがされている。しかし,被告会社と被告法人の双方に雇用された従業員について就業時間や給与等を調整するような定めは一切なく,そのような従業員も,被告らそれぞれにおいて同一に定められた就業規則に従って就業することとされている。 (3)被告らに行政書士法人レガシィを加えたレガシィマネジメントグループにおいては,平成22年1月1日付けで,賃金制度の考え方,等級体系,賃金体系について説明した「キャリア・ディベロップメント・プログラム(資産税・法人税務部社員用)」(乙4)が定められた。これは,被告らの就業規則において引用され,その一部とされていた。しかし,上記プログラムにおいては,被告らが全く区別されることなく,一体として賃金制度,等級体系,賃金体系が構築されていた。 (4)原告は,税理士となる資格を有せず,税理士名簿への登録も受けていなかったところ,被告らとの間で,被告らの法人税・資産税部門の税理士の補助業務を行うスタッフとして,期間の定めなく雇用される旨の労働契約を締結し,被告らそれぞれの就業規則に従って就業することとされた。そして,被告らから雇用されている間,被告会社から給与月額として29万7000円,被告法人から給与月額として4万円の支払を受けていた。しかし,被告らに雇用される際に,被告らから給与月額の提示として交付された書面(甲11)には,被告らのいずれが支払元であるかを何ら区別することなく,給与月額については,基本給23万9000円,専門性手当4万8000円,資格手当5万円の合計33万7000円である旨が記載され,年収については,賞与として月額給与4か月分の8割の額を加えた合計512万3000円である旨が記載されていた。 (5)原告は,被告らに雇用されている間,確定申告に関する業務,土地等の簡易評価の資料作成業務等を行っていたところ,その業務が被告会社の業務であるのか被告法人の業務であるのかについては,明確に特定区分されることはなかった(なお,税務相談や税務申告等の税理士法人でなければできない業務については,被告法人として行い,原告も,被告法人に対してその労務を提供していたという事実を認めるに足りる証拠はない。)。
2 争点1(原告が被告らに対し時間外労働についての割増賃金の支払を請求し得るかどうか)について (1)労働基準法38条の3所定の専門業務型裁量労働制は,業務の性質上,業務遂行の手段や方法,時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務を対象とし,その業務の中から,対象となる業務を労使協定によって定め,労働者を実際にその業務に就かせた場合,労使協定によりあらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度である。労働基準法施行規則24条の2の2,平成14年厚生労働省告示第22号は,「税理士の業務」を専門業務型裁量労働制の対象と定めるが,ここで「税理士の業務」とは,法令に基づいて税理士の業務とされている業務をいい,税理士法2条1項所定の税務代理,税務書類の作成,税務相談がこれに該当すると解するのが相当である。 (2)ところで,税理士の業務については,税理士法52条により,税理士又は税理士法人(税理士が社員となって設立する。税理士法48条の2及び4)でない者が行うことが制限されており,税理士又は税理士法人以外の者が業として他人の求めに応じて税務代理,税務書類の作成等を行うことは許されない。また,税理士の業務は,公認会計士の業務,弁護士の業務,建築士の業務等と並んで,いずれも専門性の高い国家資格を要する業務であることに基づき,労働基準法38条の3所定の専門業務型裁量労働制の対象とされたものである。これらのことに照らせば,専門業務型裁量労働制の対象となる「税理士の業務」は,税理士自身,すなわち,税理士法3条所定の税理士となる資格を有し,同法18条所定の税理士名簿への登録を受けた者自身を主体とする業務をいうものと解するのが相当である。  もっとも,実際のところ,税理士でない税理士事務所又は税理士法人の従業員が,税理士事務所又は税理士法人の内部において,税理士又は税理士法人の指示により,税理士又は税理士法人が行うべき税務書類の作成等の業務を,単なる補助者にとどまらない立場で事実上行うという場合もあり得る。被告らは,このような税理士以外の従業員による事実上の税務書類の作成等の業務について,実質的に「税理士の業務」を行うものと評価して,専門業務型裁量労働制の対象と認め得ることを前提に,原告に専門業務型裁量労働制が適用されると主張するものであると理解される(なお,原告による業務が,税理士又は税理士法人が行うべき税務書類の作成等の業務でなく,単なる税理士の補助的業務であるというのであれば,そもそも実質的に「税理士の業務」を行うものと評価する前提を欠くといわざるを得ない。)。  しかしながら,仮に,被告らが主張するように,税理士以外の従業員による事実上の税務書類の作成等の業務について,実質的に「税理士の業務」を行うものと評価して,専門型裁量労働制の対象と認め得る余地があるとしても,前記のとおり,そもそも税理士又は税理士法人でない者が業として他人の求めに応じて税務書類の作成等を行うということ自体が法律上制限されていることに照らせば,税理士以外の従業員による事実上の税務書類の作成等の業務を専門型裁量労働制の対象と認め得るためには,少なくとも,その業務が税理士又は税理士法人を労務の提供先として行われるとともに,その成果が当該税理士又は税理士法人を主体とする業務として顕出されることが必要であるというべきである。
(3)これを本件についてみると,税理士法人である被告法人においては,その税理士以外の従業員が被告法人を労務の提供先として事実上税務書類の作成等の業務を行い,その成果が被告法人を主体とする業務として顕出されるということがあり得る。しかしながら,他方,税理士法人でない被告会社においては,自らが業として他人の求めに応じて税務書類の作成等を行い得るものではない以上,被告会社の従業員が被告会社を労務の提供先として事実上税務書類の作成等の業務を行ったとしても,その業務は,税理士又は税理士法人を労務の提供先とするものとはいえず,また,その成果が税理士又は税理士法人を主体とする業務として顕出されるということも考えられない(なお,仮に,業務の成果が被告会社の従業員である税理士個人を主体とする業務として顕出されることがあったとしても,その労務の提供先が当該税理士個人ではなく被告会社である以上,同様である。)。したがって,少なくとも,被告会社においては,その税理士以外の従業員による事実上の税務書類の作成等の業務について,実質的に「税理士の業務」を行うものと評価して専門型裁量労働制の対象に該当すると解する前提を欠き,税理士以外の従業員に専門型裁量労働制を適用することはできないというべきである。  そして,前記認定の事実関係の下では,原告は,被告ら双方と労働契約を締結したものの,被告らに対し,そのいずれの業務であり,そのいずれが労務提供先となるのかを格別区別することなく,双方の業務が渾然一体となったものとして,その労務を提供していたものであり,被告らも,原告から,被告らのいずれの業務であり,被告らのいずれが労務提供先となるのかについて格別区別することなく,その労働の提供を受けていたものであると認められる。このような被告会社の業務と被告法人の業務とが渾然一体となって行われている場合に専門業務型裁量労働制を適用することは,専門業務型裁量労働制を本来適用することができない業務に適用する結果となるものであり,労働基準法が特定の業務に限って専門業務型裁量労働制の対象とした趣旨を損なうものといわざるを得ない。したがって,被告らにおける原告の業務については,仮にそれが事実上の税務書類の作成等であったとしても(むしろ,乙11~14及び弁論の全趣旨によれば,原告の業務は,税理士の補助業務にとどまることがうかがわれる。),被告会社の業務として行われたのか被告法人の業務として行われたのかが明確に特定区分されていない以上,専門業務型裁量労働制を適用することはできないというべきである。 (4)以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告には専門業務型裁量労働制が適用されないものと認められ,被告らは,原告に対し,時間外労働についての割増賃金を支払う義務があるというべきである。 3 争点2(原告が被告らに対し深夜労働についての割増賃金の支払を請求し得るかどうか)について  前記争いのない事実等,証拠(乙1,5,10)及び弁論の全趣旨によれば,本件規定は,被告らにおける業務について専門業務型裁量労働制を導入する旨の規定であり,専門業務型裁量労働制が適用される従業員をもって「裁量労働適用者」と称した上で,「裁量労働適用者が,休日又は深夜に労働する場合については,あらかじめ所属長の許可を受けなければならないものとする。」と定めているものと認められる。そうすると,前判示のとおり,原告には専門業務型裁量労働制が適用されないと認められる以上,本件規定は,深夜に労働する場合について所属長の許可を得ることを要し,許可を得て深夜に業務を行った場合に割増賃金の支払を受け得るとされる部分を含めて,原告に適用されるものではないというべきである。被告らは,原告が専門業務型裁量労働制の適用を受けるかどうかにかかわらず,休日又は深夜に労働する場合に所属長の許可を得なければならない旨を主張するが,採用することはできない。  したがって,原告の所属長(大山プリンスパル)が原告に対し,深夜に労働することの許可を与えたかどうかにかかわらず,被告らは,原告に対し,深夜労働についての割増賃金を支払うべき義務があるというべきである。
4 争点3(原告が被告らに対し法定休日労働についての割増賃金の支払を請求し得るかどうか)について  労働基準法35条は,4週間を通じ4日以上の休日を与える場合でない限り,「使用者は,労働者に対して,毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。」と規定するところ,被告らは,被告らにおいては法定休日が特定されていないから,日曜日又は土曜日のうち労働しなかった方の日が法定休日となる旨を主張する。   しかし,被告らにおいては,就業規則上,日曜日,土曜日,国民の祝日,年末年始(12月30日から翌年1月4日まで),使用者が「レガシィカレンダー」により定める日が休日とされる一方,証拠(甲3,乙3)によれば,平成21年及び平成22年においては,「レガシィカレンダー」により土曜日又は国民の祝日のうちの3日についてあらかじめ出勤日とする旨が定められていることが認められ,これに弁論の全趣旨を総合すれば,少なくとも平成22年においては,日曜日が法定休日とされていたものと認めるのが相当である。被告らの上記主張は,採用することができない。  したがって,平成22年8月8日(日曜日)及び同月22日(日曜日)は,いずれも法定休日であり,上記両日における労働については,法定休日労働として割増賃金が支払われるべきである。 5 争点4(被告らが原告に対し割増賃金及びこれに対する遅延損害金を連帯して支払う義務を負うかどうか)について  前判示のとおり,原告は,被告ら双方と労働契約を締結したものの,被告らに対し,そのいずれの業務であり,そのいずれが労務提供先となるのかを格別区別することなく,双方の業務が渾然一体となったものとして,その労務を提供していたものであり,被告らも,原告から,被告らのいずれの業務であり,被告らのいずれが労務提供先となるのかについて格別区別することなく,その労働の提供を受けていたものであると認められる。このような事実関係の下では,原告と被告らの間においては,労務の提供のほか賃金の支払について,これを不可分債務とする旨の黙示の合意があったものと認めるのが相当である。  したがって,被告らは,原告に対し,賃金及びこれに対する遅延損害金を連帯して支払うべき義務を負うというべきである。 6 争点5(被告らが原告に対して支払うべき割増賃金の額)について  既に判示したところに,前記争いのない事実等,証拠(甲12)及び弁論の全趣旨を総合すれば,原告は,被告らに雇用されている間,被告らの明示又は黙示の業務命令に基づいて,別紙「出退勤時刻等一覧表」の「通常残業時間」欄記載のとおりの時間外労働に従事し,同「深夜残業時間」欄記載のとおりの深夜労働に従事し,同「休日労働時間」欄記載のとおりの法定休日労働に従事したこと,それぞれの時間は,時間外労働が合計661時間40分,深夜労働が合計102時間48分,法定休日労働が合計9時間であることが認められ,上記の時間外労働,深夜労働及び法定休日労働についての割増賃金の額は,原告主張のとおり,時間外労働についての分が合計172万0333円,深夜労働についての分が合計32万0736円,法定休日労働についての分が合計2万5272円と算定される。  したがって,被告らが原告に対して支払うべき割増賃金の額は,上記算定の割増賃金合計206万6341円から支払済みの5万2008円を控除した201万4333円であると認められる。
7 争点6(被告らが原告に対して支払うべき遅延損害金の額)について  被告らは,賃確法6条2項,賃確法施行規則6条4号について,事業主が必ずしも合理的な理由がないとはいえない理由に基づき賃金の全部又は一部の存否を争っている場合にも,同法6条1項の適用除外を定めたものであるとして,上記の未払割増賃金に対する遅延損害金について,商事法定利率によるべきであると主張する。しかし,賃確法6条2項は,賃金の支払の確保措置を通じて労働者の生活の安定を図るという趣旨に基づき,賃金の支払遅滞が「天災地変その他のやむを得ない事由で厚生労働省令で定めるものによるものである場合」に同条1項の適用を除外しようとするものであり,その規定の趣旨及び文言に照らせば,同条2項,同規則6条4号は,事業主の賃金支払拒絶が天変地異と同視しうるような合理的かつやむを得ない事由に基づくものと認められる場合に限り,同法6条1項の適用を除外したものと解するのが相当である。被告らの上記主張は,採用することができない。  原告は,被告らに対し,連帯して201万4333円に対する平成22年10月6日から支払済みまで年14.6%の割合による金員の支払を求めることができるというべきである。 8 争点7(原告の割増賃金請求が信義則に違反するかどうか)について  被告らは,いくつかの事情を摘示して,原告の割増賃金請求が信義則に違反する旨を主張するが,いずれの事情をもってしても,原告の請求が信義則違反であると評価するに足りない。  特に,被告らは,原告が背信的意図に基づく機密保持義務違反行為に及んだことを強調するが,仮に,原告に被告ら摘示の事実があり,それにより被告らが損害を被ったとしても,それをもって原告の賃金請求が信義則違反である旨を主張することは,原告に対する債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求権を自働債権として原告の賃金債権を相殺するものにほかならず,賃金全額払の原則(相殺禁止の趣旨を包含する。)を定めた労働基準法24条1項本文の趣旨を潜脱するものであることが明らかである。  したがって,原告の割増賃金請求が信義則に違反するとは認められない。 9 争点8(被告らに対し付加金の支払を命じるべきであるかどうか及びその金額いかん)について  原告は,平成22年1月~同年9月分の割増賃金にかかる付加金について,被告らに対し,平成24年6月4日に本件訴えを提起し,その支払を求めたものである。そして,被告らは,労働基準法の規定に違反して,原告に対する時間外労働等についての割増賃金の支払をしなかったものであるところ,その違反の程度や態様については,専門業務型裁量労働制に係る法令の解釈適用を誤ったことに起因するものであり,必ずしも悪質であるとはいえない。他方,被告らは,本件訴訟に至って以降,賃金全額払の原則を定めた労働基準法24条1項本文の趣旨を潜脱するものであることが明らかな主張を重ねるなどして,原告に対する未払割増賃金の支払をしようとしなかったという事情も存する。これらの諸般の事情を総合考慮すれば,本件においては,被告らに対し,同法114条ただし書所定の期間内の付加金として,20万円の支払を命じるのが相当である。
10 結論  以上によれば,原告の請求は,被告らに対し,主文1項及び2項記載の金員の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がない。  よって,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第11部 裁判官 中吉徹郎 (別紙)出退勤時刻等一覧表《略》
とりあえずお疲れ
乙やで
なんでこれ盛り上がってないんや 長いから後回しって感じなんか?
カラザイルの共有キャップ削除は2代目の卒アル開示者開示と同じくらい失策だと思うナリ Tor使って過激派行為でネタをくれてた無法地帯組のキャップを剥奪とか意味不明ナリよ
カラザイルは荒らしに対して敗北宣言出してる掲示板やぞ 秘密基地ごっこに何を期待してんねん
判例DB普通におもしろいな 尊師以上の無能弁護士いるぞ プロバイダ責任法4条に基づく発信者情報開示等請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第4211号 平成24年8月31日民事第24部判決 口頭弁論終結日 平成24年7月6日        判   決 原告 X1 同訴訟代理人弁護士 太田真也 被告 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 同代表者代表取締役 X2 同訴訟代理人弁護士 横山経通 同 上村哲史 同 上田雅大        主   文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  被告は,原告に対し,別紙投稿記事目録記載の各投稿記事に係る別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 第2 事案の概要 1 本件は,原告が,インターネット上の電子掲示板にされた別紙投稿記事目録記載の投稿によって権利を侵害されたことが明らかであり,投稿した者に対する損害賠償請求権の行使のために必要であるとして,インターネット接続サービスを提供した被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,投稿した者の氏名,住所,電子メールアドレスの情報の開示を求める事案である。 2 前提となる事実  以下の事実は,当事者間に争いがないか,掲記の証拠により容易に認められる事実である。 (1)当事者  原告は,別紙投稿記事目録記載の各投稿がされた当時26歳の女性であり,職業は保育士である。(乙2)  被告は,電気通信事業を主な目的とする法人である。 (2)インターネット掲示板「2ちゃんねる」(http:<以下略>。以下「本件サイト」という。)には,○○○○○○○○○○○○○○○○と題するスレッドが作られ,別紙投稿記事目録記載の投稿(以下,同目録記載の投稿を「本件各投稿」といい,それぞれを「投稿1」「投稿2」などという。)を含む投稿がされた。(甲1) (3)原告は,本件サイト管理者であるシンガポール法人(パケットモンスターインク ピーティーイー エルティーディー)を債務者として,本件各投稿を含む投稿のIPアドレス等の開示を求める仮処分の申立てをし,平成23年11月29日,その旨の仮処分決定を得て,IPアドレス等の開示を受けた。(甲3,4)  その結果,本件各投稿の発信者(以下,併せて「本件各発信者」という。)は,被告を経由プロバイダとして,本件サイトに投稿していた。(甲4,5) (4)被告は,本件各発信者の氏名,住所及び電子メールアドレスの情報を現に保有している。(甲4,6の1及び2) (5)本件各投稿は,法2条1号の不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信に該当し,被告は,電気通信設備を用いて本件各発信者の通信を媒介する経由プロバイダであるから,法2条3号にいう「特定電気通信役務提供者」に該当し,法4条1項にいう「開示関係役務提供者」に該当する。
3 争点 (1)本件各投稿による明白な権利侵害 (原告の主張)  本件各投稿は,別紙主張対比表原告欄記載のとおり,原告のプライバシーを侵害し,あるいは,侮辱するものであるところ,原告は,一般人である保育士であり,本件サイトでプライバシー情報を拡散されたり,評価されたりしなければならないほどの公益性はない。  プライバシー権は,自己情報コントロール権として自己の私的情報をみだりに収集・利用・伝達されない権利とされており,個人は,自己の私的情報を公表するか否かのみならず,どの範囲で,どのような形で公表するかについても自らコントロールする権利を有している。  原告は,自ら運営するブログで自己の私的情報を公表しているが,不特定多数人に何らの制限なく,どのような方法によっても公表してよいと認めたとまではいえず,原告の意図しない方法や手段での公表についてはプライバシー権の侵害となる余地は十分にあると思われる。特に,本件各投稿が,本件サイトの実名スレッドという掲示板への投稿であり,原告をおもしろおかしく誹謗中傷しようという目的でされたもので,原告の意図に反して,原告の望まない情報が,原告に否定的な感情を抱く不特定多数の人々の好奇の視線に晒される状態に置かれることになる。さらに本件サイトにおける表現形式は,不特定多数人が次々に主張や意見を記載するという無秩序で統一感のないものであるから,一旦プライバシー権や名誉を毀損する書き込みがされると,権利侵害が無限に拡散する状況にある。  したがって,本件各投稿がされた表現の場及び表現の方式に鑑みれば,一般人の感覚からは名誉権やプライバシー権の侵害に当たることが明白といえない表現であっても,名誉権やプライバシー権の侵害に当たる余地が多分にあると考えられる。 (被告の主張)  プライバシー権は,私生活上の事柄をみだりに公開されない権利であり,個人に関する情報がプライバシーとして保護されるためには,〔1〕私生活上の事実又は私生活上の事実らしく受け取られるおそれのある情報であり,〔2〕一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合,他者に開示されることを欲しないであろうと認められ,〔3〕一般の人に未だ知られていない情報であることが必要であるところ,既に当該個人がその情報を自ら公表していた場合には,自らの私生活上の平穏を確保し,人格的自律を保持する上で,当該自己情報を秘匿する必要がないと判断し,その秘匿性をいわば放棄したものと解するのが自然であり,このような情報については法的保護に値しないと解される。  インターネット上のブログや掲示板(以下「ブログ等」という。)は,閲覧者を特定の範囲に制限しない限り,不特定多数人が閲覧することが可能であるから,ブログ等の作成者は,ブログ等に掲載する内容が不特定多数人に閲覧され,意見・批評が述べられ,流通していくことは容易に予見し得ることであり,これを前提として内容を記載するのが通常である。  したがって,ブログ等に自ら公表した自己情報は,不特定多数人に閲覧等されてもよいと判断して,プライバシー権を放棄した情報であるから,これらの情報に関し,他の掲示板等に書き込みがされたとしても,非公知性の要件を欠き,プライバシー侵害には当たらない。  原告は,原告のブログ,Twitter及びFacebook等(以下「原告ブログ等」という。)において,不特定多数人に向けて自己情報を積極的に発信しており,原告のブログは,アメーバブログの運営元が芸能人・有名人と認定した者しか登録できない「Amebaオフィシャルブログ」と呼ばれるブログの一つであり,アクセス数が1日21万以上に上ることもあることからすれば,当該情報については自ら秘匿性を放棄したものといえる。  原告は,原告のブログが不特定多数人に閲覧等されることを認識しながら,生年月日や経歴,容姿のみならず,交際相手がいること,食事や旅行に行ったことなど私生活における様々な情報を公開していたのであるから,閲覧者が様々な意見,感想及び批評を述べることを予見し,容認した上で原告ブログ等を作成していたといえる。これらの情報に関し,原告に批判的な意見や感想があったからといって,原告の社会的評価を下げるものとはいえず,社会通念上受忍限度を超えて原告の名誉感情を侵害するものとはいえないから,名誉毀損又は侮辱が成立すると解すべきではない。  原告ブログ等で既に公開されている情報は,原告が秘匿性を放棄し,非公知性の要件を欠くから,本件サイトで公開されたとしても,プライバシーの侵害には当たらない。  また,本件各投稿は,別紙主張対比表被告欄記載のとおり,いずれも原告が公開しているブログの記事や写真等に関する感想や批評にすぎないから,これがプライバシー権の侵害ないし侮辱にあたることが明白であるとはいえない。
(2)電子メールアドレスの開示の必要性 (原告の主張)  原告は,本件各発信者に対する不法行為による損害賠償請求等の準備をしており,そのために,本件各発信者にかかる発信者情報が必要であるから,その開示を求める正当な理由がある。 (被告の主張)  氏名及び住所の開示を受けることができる場合には,それだけで損害賠償請求権の行使が可能であるから,電子メールアドレスは不要である。 第3 当裁判所の判断 1 原告は,本件各投稿により,原告のプライバシー権の侵害,名誉及び信用毀損並びに名誉感情を侵害されたことが明らかであると主張しているので,この点について検討する。 (1)原告は,本件各投稿のうち,投稿1及び投稿2が,原告の実名及び交際中の男性の年齢や家族構成を公開するもので,プライバシーの侵害に当たると主張している。 ア 証拠(乙2から4)によると,原告のブログは,「Amebaオフィシャルブログ」として,運営元が,審査の上,芸能人・有名人として登録をすることがふさわしいと認定して登録したもので,不特定多数人がアクセスすることができ,1日のアクセス数が21万を超えることもあること,原告は,オフィシャルブログとして登録されることを自ら強く希望していたこと,そのブログにおいて,原告は,氏名はもちろん,生年月日や職業,趣味のほか,旅行や食事などの日常生活の内容などについても記載し,写真も掲載していたこと,TwitterやFacebookでも私的な情報を公開しており,Twitterで,交際中の男性から言われた言葉をそのまま記載していたものをブログにも転載していることが認められる。  本件サイトは不特定多数人が閲覧し,自由に書き込むことができるから,投稿1及び投稿2において公開されている原告の氏名,交際相手の年齢及び家族構成は,いずれも原告の私的情報を公開するものということができるが,少なくとも,本件各投稿がされていた当時,原告ブログ等は,閲覧者を制限しておらず,本件サイトの本件各投稿を含む投稿の内容(甲1)に照らせば,原告ブログ等に,原告の氏名,交際相手の年齢及び家族構成が記載されていたことが認められるから,原告は,投稿1及び投稿2がされる以前に,これらの私的情報を不特定多数人に既に公開していたものといえ,投稿1及び投稿2により,原告のプライバシーが侵害されたとはいえない。  これについて,原告は,原告が原告ブログ等で公表している私的情報は,不特定多数人に何らの制限なく,どのような方法によっても公表してよいと認めたものではないと主張しており,一定の目的のために公開された私的情報について,その目的と関係のない範囲にまで公開されない利益が法定保護に値すると解する余地があるとしても,本件ブログ等において,原告が私的情報を公開する目的が明示又は黙示に示されていたことを認めるに足りる証拠はなく,本件訴訟に提出されている原告ブログ等(乙2,3)からは,原告は特段の制限を付さずに,不特定多数人に対して私的情報を公開していることが認められるから,原告は,原告ブログ等に記載した内容について,私的情報をどの範囲でどのような形で公表するかについてのコントロールを放棄して公表したものといべきであり,投稿1及び投稿2が,原告が私的情報を公開した目的以外の目的ないし方法で,原告の私的情報を公開したものであるとの原告の主張は前提を欠いている。 イ 原告は,投稿1が,不特定多数人に対し,プライバシー権や名誉権を侵害する危険性のある書き込みを極めて強く誘引するものであり,氏名のみの記載であっても,プライバシー権や名誉権を侵害する書き込みと同視し得ると主張するが,一般人の注意及び読み方を基準とすれば,投稿1(甲1)が原告主張の書き込みを極めて強く誘引するものであるとまではいえない。  また,原告は,投稿2について,原告に対する否定的なイメージを生じさせる記載の後,原告の名誉を侵害するような文言に続けて,交際相手の年齢と家族構成を記載し,最後に原告を嘲笑しているから,全体として原告の名誉を毀損するものであり,意図した範囲を超えて私的情報を公開したものであると主張する。  仮に,原告が自ら公開した私的情報であっても,これを使用して,原告の名誉を毀損したのであれば,その行為自体は名誉毀損として不法行為を構成するものというべきであるが,一般人の注意と読み方をもってすれば,投稿2(甲1)が,原告に対する好意的な記載ではないとしても,原告を嘲笑するものであり,交際相手の年齢及び家族構成の指摘が,他の記載と相まって原告の社会的評価を低下させることが明らかであるとはいい難い。 ウ 以上のとおりであるから,投稿1及び投稿2が,原告のプライバシー権の侵害ないし名誉毀損に当たることが明らかであるとはいえず,その発信者情報の開示を求める原告の請求は理由がない。
(2)次に,原告は,投稿3から投稿14が,いずれも感想や批評の域を超えて,社会通念上受忍限度を超えて明らかに原告の名誉感情を侵害するものであると主張している。 ア 投稿3から投稿14(甲1)は,いずれも原告ブログ等の記載内容及び掲載された写真に対して,その感想や批評を述べるものであり,これが通常の感想や批評の域を超えるものであるか否かは,これに対応する原告ブログ等の内容に左右される部分があるといえるところ,原告ブログ等について,原告は本件訴訟に書証として提出する意向はなく,その記載が事実に反すると主張する部分についても,具体的事実の立証はしないというのである。  したがって,本件各投稿の記載が,感想や批評の域を超えているかどうかは,その記載のみから判断することになる。 イ また,「Amebaオフィシャルブログ」が,アメーバブログの運営元が,芸能人・有名人ブログとして,審査をした上で登録するものであることは上記認定のとおりであり,これを閲覧する側からみれば,登録されたブログの作成者は,芸能人・有名人として,一般人とは異なり,人々の注目を集めるに値する存在として特別に扱うべきことをブログの運営元が認定したものと認識するのが通常であるから,一般人のブログ以上に多くの人々が関心を持ち,閲覧することは当然に想定されるところである。そして,上記オフィシャルブログの登録条件として(乙4),本人が登録を希望して申請することを求めており,原告も,自ら希望して登録されたことに照らせば,原告の職業が保育士で,芸能人ではないとしても,ブログの閲覧者から芸能人などと同等ないしこれに近い扱いを受けることを容認していたものというべきであり,原告ブログ等で公開した内容に対しては,芸能人等と同程度の賞賛ないし批判にさらされることを予想した上で原告ブログ等に記載し,写真等を掲載していたものというべきである。  したがって,原告ブログ等に対する感想又は批評として,社会通念上受忍限度を超えて原告の名誉感情を侵害するものであるか否かを判断するにあたっては,原告が,本件各投稿がされた当時26歳の女性であり,保育士であったことのみならず,原告ブログ等で公開した内容については,芸能人等と同等ないしこれに近い扱いを受けることを予想して記載しており,同程度の賞賛ないし批判を受けることも容認していたことを前提として判断すべきである。 ウ 投稿3から投稿8,投稿14(甲1)はいずれも,原告ブログ等の記載内容及び掲載された写真に対する感想又は批評を述べるものであり,一部辛辣な表現があることは否定できないが,自己の感想又は批評を述べるものとして特に扇情的で,原告に対する悪いイメージを増幅させることを意図して記載されたものとまではいえず,社会通念上明らかに受忍限度を超えて原告の名誉感情を侵害するものとはいえない。  投稿9から投稿11(甲1)も,本件サイトの投稿(甲1)並びに原告ブログ等の記載内容及び掲載された写真(乙2,3)によると,原告は,クレジットカードの月額支払額やこれが利用限度額を超えることなども公開しており,その具体的内容は不明であるものの,旅行や食事の内容などについても記載していたことが認められるから,これらの記載を前提とすれば,原告を「セレブな」等と形容し,一般人とは異なると記載することが通常あり得る表現である可能性は否定できず,上記表現が特に扇情的で,原告に対する悪いイメージを増幅させることを意図したものということはできない。  また,投稿10(甲1)の「計画的倒産」との記載は,これ以前の書き込み内容に照らすと,原告について述べたものではないことが明らかであるから,この記載をもって原告の名誉ないし信用を毀損するものであるといえないことは明らかであるし,その他の記載も,単なる感想や批評の域を超えるとまでいえるものではない。  投稿11から投稿13(甲1)において,保育士として働いていないことや料理をしていないことを述べるものは,原告ブログ等の記載に,保育士としての稼働状況や料理をしたことの記載がないことを前提として記載されたものであると推測され,原告が料理についての資格を有していることを示す証拠はないから,これらの記載が単なる感想や批評の域を超えるものであるということはできず,原告の社会的信用を損なうものともいえない。
 投稿9,投稿12及び投稿13(甲1)では,原告ブログ等に掲載されている写真が「露出写真」「下着姿晒したり,やたらバスト強調したり,・・・半生おっぱい見せる」ものであると指摘され,ホテルでの朝食写真についても「露出好き」との評価がされていることが認められるが,そのそれぞれに対応する写真がどのようなものであったのかについて原告は立証せず,実際に下着姿であったり,胸部等が露出した写真であった可能性を否定できないから,表現が辛辣であるとはいえるものの,原告が当時26歳の女性であることを考慮しても,原告ブログ等に原告が掲載した写真に対し,上記のとおり表現したことが,感想や批評の域を超えるもので,扇情的な表現であり,原告に対する悪いイメージを増幅させることを意図して記載されたものということはできず,社会通念上受忍限度を超えて明らかに原告の名誉感情を侵害するものとはいえない。   したがって,投稿3から投稿14はいずれも,社会通念上受忍限度を超えて明らかに原告の名誉感情を侵害するものであるとはいえないから,その発信者情報の開示を求める原告の請求は理由がない。 エ なお,原告は,本件サイトが,原告をおもしろおかしく誹謗中傷しようとする目的を有しており,原告の望まない情報が,原告に否定的な感情を抱く不特定多数の人々の好奇の視線に晒されることになり,その表現形式が無秩序で統一感のないものであって,権利侵害が無限に拡大する可能性があることから,一般人の感覚から名誉権やプライバシー権を明らかに侵害するものといえない表現であっても,名誉権やプライバシー権の侵害にあたると主張する。  しかし,上記認定のとおり,原告ブログ等は,不特定多数人の閲覧を容認しており,原告ブログ等で公開された私的情報を原告に否定的な感情を抱く人々も閲覧することも予定しているのであって,本件サイトへの投稿者が原告に否定的な感情を抱く人々に偏っており,その表現形式が無秩序で統一感のないものであるとしても,そのことから,本件サイトへの投稿が,一般人の通常の注意と読み方を基準として名誉毀損ないしプライバシー侵害にあたらないにもかかわらず,名誉毀損ないしプライバシー侵害にあたると判断すべきであるとはいえない。  原告の上記主張は独自の見解であって,当裁判所の採用するところではない。 2 以上のとおりであるから,本件各投稿によって,原告の権利が侵害されたことが明らかであるとはいえず,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事24部 裁判官 石栗正子 (別紙)投稿記事目録 (別紙)発信者情報目録  別紙投稿記事目録記載のIPアドレスを,同目録記載の投稿日時に使用し、同目録記載の投稿用URLに接続したものに関する情報であって、次に掲げるもの 1 氏名または名称 2 住所 3 メールアドレス 以上 (別紙)主張対比表
プロバイダ責任法4条に基づく発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第8013号 平成24年8月8日民事第32部判決 口頭弁論終結日 平成24年6月20日        判   決 原告 a 同訴訟代理人弁護士 太田真也 被告 KDDI株式会社 同代表者代表取締役 b 同訴訟代理人弁護士 星川勇二 同 星川信行 同 渡部英人 同 竹本英世        主   文 1 原告の各請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。        事実及び理由 第1 請求  被告は,原告に対し,別紙投稿記事目録記載の各投稿記事に係る別紙発信者情報目録記載の発信者情報を開示せよ。 第2 事案の概要  本件は,原告が,氏名不詳者がインターネット上の電子掲示板にした書き込みによって人格権を侵害されたと主張して,同書き込みについてインターネット接続サービスを提供した,いわゆる経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,上記書き込みを行った氏名不詳者の氏名等の情報の開示を求める事案である。 1 前提事実  以下の各事実については,証拠等を掲記する事実は当該証拠等によりこれを認め,その余の事実は当事者間に争いがない。 (1)原告は,平成23年10月5日当時,インターネット上にブログ(URLhttp:<以下略>,以下「本件ブログ」という。)を開設していた者である(甲1,弁論の全趣旨)。 (2)被告は,インターネット接続サービスを提供する,いわゆる経由プロバイダであって,法2条3号にいう「特定電気通信役務提供者」に当たる。 (3)氏名不詳者は,インターネット上の匿名掲示板である「2ちゃんねる」(http:<以下略>,以下「本件ウェブサイト」という。)内の「○○○○○○○○○○○○○○○○○」と題するスレッド(以下「本件スレッド」という。)において,別紙投稿記事目録の各「投稿内容」欄記載の書き込みを,同目録の各「投稿日時」欄記載の年月日に行い,不特定多数の閲覧にした(甲1,弁論の全趣旨)。  以下,別紙投稿記事目録記載の各書き込みを「本件各書き込み」と総称するほか,本件各書き込みについて,各「記事番号」欄の記載に従い,例えば,「記事番号」欄「1」記載の書き込みを「本件書き込み1」などという。また,本件各書き込みの発信者を「本件各発信者」と総称する。 (4)原告は,本件ウェブサイトの管理者であるパケットモンスターインク・ピーティーイー・エルティーディー(PACKET MONSTER INC.PTE.LTD.)に対し,本件各書き込みに係る発信者情報の開示を求める仮処分の申立てを行い,同仮処分命令を得て,これに基づいて,本件各書き込みに係るIPアドレス等の情報の開示を受け,この情報により,本件各発信者が,被告を経由プロバイダとして本件各書き込みをしたことが判明した(甲3から5,弁論の全趣旨)。 (5)被告は,本件各発信者に係る氏名,住所等の別紙発信者情報目録記載の情報を保有している(甲6)。
発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成25年(ワ)第5846号 平成25年8月7日民事第42部判決 口頭弁論終結日 平成25年7月17日        判   決 原告 Q1 上記訴訟代理人弁護士 太田真也 被告 KDDI株式会社 上記代表者代表取締役 Q2 上記訴訟代理人弁護士 星川勇二 同 星川信行 同 渡部英人 同 竹本英世        主   文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。
2 当事者の主張 (原告の主張)  本件記事は,原告の実名が掲載されており,本件記事が投稿されたスレッド(以下「本件スレッド」という。)のタイトルには勤務先,本件スレッド内の他の投稿記事には所属,役職が記載されているため,原告を知る者には同定可能である。  本件記事は,「a」というタイトルのスレッドに「Q1ネタにするか,不倫にするか,ボーナスにするかハッキリしろや~ボケェ」と原告の実名を掲げて,同人を侮辱する内容の記載となっている。そして,本件記事は,原告の名前と「不倫」という言葉を結びつけるような記載になっており,記事単体において原告を侮辱するのみならず,他のより激しく原告を侮辱している記事に読者を誘引していくという効果を有している。  したがって,本件記事の記載内容は,社会通念上相当な限度を超え,原告を侮辱するものであるから,原告に対する権利侵害は明白であるといえる。 (被告の主張)  否認ないし争う。  仮に,本件記事に記載された「Q1」なる人物が原告のことであったとしても,本件記事のスレッドにおける話題の対象が「Q1」なる人物のことであるのか,不倫のことであるのか,ボーナスのことであるのかがハッキリしないことに対する不満等を述べているにすぎないから,原告を侮辱するものであるとはいえず,権利侵害の明白性の要件を満たさない。また,発信者情報の開示は,発信者のプライバシーや表現の自由といった重大な権利利益に関する問題であるから,発信者の投稿した記事自体によって他人の権利が侵害されていることが明らかである場合に限られ,他人の権利を侵害している他の投稿記事に誘引するにすぎない場合にはかかる要件を満たさないというべきである。
第3 当裁判所の判断 1 証拠(甲1,5,6)によれば,原告は,オリエンタル白石株式会社に勤務していること,本件スレッドには,「a」というタイトルが付けられていること,本件スレッド内では,「Q1見てたらアホ丸出し。」,「不倫して社員から白い目で見られてはい終了!!」(投稿番号×××),「女で人生狂ったバカ丸出しなハ、ゲじじいQ1」(同×××)などと,「Q1」なる人物の不貞行為を話題とし,それに関する投稿が続いた中で,本件発信者が「優柔な奴らだな。Q1ネタにするか,不倫にするか,ボーナスにするかハッキリしろや~ボケェもうQ1ネタは秋田ぞ」(同×××)との本件記事を投稿したことが認められる。  したがって,本件記事の「Q1」なる人物が原告のことを指しており,原告が本件記事を含む本件スレッド全体について不快感を感じたことは容易に認められるものの,本件記事の内容自体は,原告を殊更侮辱するものとはいえないし,本件記事の表現や本件スレッド内の位置等をみても,原告を侮辱する他の記事に誘引するものとも認められない。  したがって,本件記事の流通によって,原告が人格権や名誉権等の権利を侵害されたとまでは認められない。
東京地方裁判所 平成24年(ワ)第15333号 損害賠償等請求事件(甲事件) 平成24年(ワ)第27982号 損害賠償等請求事件(乙事件) 平成25年5月27日民事第1部判決 口頭弁論終結日 平成25年4月15日        判   決 甲事件原告 株式会社HAYA(以下「原告会社」という。) 代表者代表取締役 P1 乙事件原告 P2(以下「原告P2」という。) 上記2名訴訟代理人弁護士 太田真也 甲事件及び乙事件被告 P3 訴訟代理人弁護士 酒井将 浅野健太郎 太期宗平        主   文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。        事実及び理由 第1 請求 1 甲事件  被告は,原告会社に対し,金407万3024円及びこれに対する平成24年6月6日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 乙事件  被告は,原告P2に対し,金70万5900円及びこれに対する平成24年6月3日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要  原告会社及び原告P2は,女子高生が客のマッサージをするなどの接客を行ういわゆる女子高生リフレ(以下「女子高生リフレ」という。)店舗を営業する株式会社及びその従業員であったところ,同様の営業を営む株式会社の代表取締役であった被告が,原告会社に対し,嫌がらせ目的で電話をかけ,これに応対した原告P2に対し,威圧的な口調で事実無根の言葉を繰り返したことにより,同人において就労に支障が出るほどの著しい精神的苦痛を生じさせ,また,同人の勤務効率が低減して原告会社の営業活動に支障を生じさせたなどとして,不法行為に基づき,被告に対して,原告P2につき慰謝料及び治療費並びに弁護士費用合計70万5900円,被告会社につき営業利益の損失額及び弁護士費用合計407万3024円の各支払を求めるとともに,訴状送達の日の翌日から民事法定利率による年5分の割合の遅延損害金の支払を求めた。
2 前提事実 (1)原告は,エステサロンの経営等を目的とする株式会社であり,東京都千代田区内において,女子高生リフレ店舗「Alice-アリス-~萌え萌えJKリフレ~P4校」(以下「原告店舗」という。)を営業している。原告P2は,原告店舗従業員である。 (2)被告は,株式会社ステファニーリンクの代表取締役を務めていた者であり,同社は,東京都豊島区内において、女子高生リフレ店舗「Candyfloss」(以下「被告店舗」という。)を営業していた。 (3)被告は,平成23年10月20日午後4時頃,原告店舗へ電話をかけ,電話に出た原告P2が被告に応対した(同電話における被告と原告P2との会話を「本件会話」という。)。  3 争点及びこれに対する当事者の主張 (1)本件会話における被告の言動が不法行為に当たるか(争点1)。 (原告らの主張) ア(ア)訴外P5(以下「P5」という。)は,被告店舗従業員であったのに,平成23年10月4日,原告店舗の採用面接を経て,原告から採用通知を受けたにもかかわらず,その後何らの連絡なく,原告店舗で働くことはなかった。 (イ)被告は,同月20日午後4時頃,営業中の原告店舗に電話をかけ,電話に出た原告P2に対し,P5の兄である旨名乗った上,「なんでうちの妹が写真に出ているのか。」,「妹は面接に行っていないと言っている。なのになんで写真がホームページに載っているんだ。」,「妹は面接に行っていない。今,一緒にいてそう言っている。」,「おびえちゃってるよ。」,「なんかおたくら暴力団関係者なんでしょ。」,「Candyflossにちょっかいだしてるんでしょ。」などと威圧的な口調で,事実無根の言葉を繰り返した。 (ウ)そこで,原告は,不本意ながら,ホームページに掲載してあったP5の写真等を削除するなど誠実な対応をとった。 イ 上記被告の電話における言動は,原告P2に原告店舗における就労に支障を生じるほどの著しい精神的苦痛を与え,かつ,原告P2の勤務効率の低減を発生させたこと及び不必要な電話対応をせざるを得なくなったことなどにより,原告の営業活動に支障を生じさせるものであるから,原告らに対する加害行為というべきである。 (被告) ア(ア)P5は,平成23年10月19日午前零時22分,電子メールで,被告店舗従業員への採用募集に応募したことから,被告は,同月20日,P5との採用面接を行った。 (イ)上記面接時までに,被告は,原告店舗のホームページを閲覧したところ,そこに同店舗従業員としてP5の写真等(以下「写真等」という。)が掲載されていることを発見した。当時,被告店舗においては,同業種の別店舗との掛け持ち就労を禁止していた。このため,被告は,P5に対し,原告店舗に在籍しているなら被告店舗で採用することはできない旨伝えた。 (ウ)ところが,P5は,被告に対し,原告店舗の面接に行ったことはなく,在籍もしていない旨言ったことから,被告は,原告店舗に電話をかけて,P5の在籍を確認し,在籍していないのであればホームページ上の写真等を削除(以下「削除」という。)してもらおうと考えた。 (エ)被告は,原告店舗への電話の際に,同業者である旨名乗れば,従業員の引き抜きなどと疑われ,争いが生じると考えたことから,P5の兄を名乗って上記電話をかけることとした。  また,上記電話をかける際,被告は,自らの電話番号を非通知設定としなかった。 (オ)被告は,原告P2に対して,P5についての在籍確認を行った上,同人が原告店舗で働く意思がないことを伝え,写真等の削除を依頼した。原告P2は,「私は責任者ではないので,責任者からかけ直します。」と応えたため,同人との間で長々としたやりとりは行われず,また,この間,被告は,原告P2に対し,紳士的かつ冷静な口調で話しており,威圧的な口調であったという事実は一切ない。 イ 上記アのとおりであるから,原告P2が不必要な電話対応で時間を割いたことはなく,また,著しい精神的苦痛を生じさせることもない。
(2)損害 (原告ら) ア 原告会社=下記合計407万3024円  原告会社は,被告の上記加害行為により,本来得られるべき営業利益387万3024円の損害を受けたほか,訴訟代理人に対し,本件訴訟を委任し,弁護士報酬として20万円を支払った。 イ 原告P2=下記合計70万5900円  原告P2は,被告の上記加害行為により,著しい精神的苦痛を受けたところ,これを慰謝するには50万円が相当である。また,原告P2は,精神的苦痛による体調不良に関する治療費5900円を,訴訟代理人に対し,本件訴訟を委任し,弁護士報酬として20万円を各支払った。 (被告)  否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実  証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1)P5は,平成23年10月19日午前零時22分,電子メールで,被告店舗従業員への採用募集に応募した(乙1,被告本人)。 (2)上記応募に応じて,被告は,同月20日,P5との採用面接を行うことにし,その旨P5に連絡した(被告本人)。 (3)上記面接時までに,被告は,原告店舗のホームページ上に掲載された同店舗の在籍表に,同店従業員としてP5の写真が掲載されていることを発見した。当時,被告店舗においては,同業種の別店舗との掛け持ちを禁止していたことから,被告は,P5に対し,他の店舗に在籍しているなら被告店舗で採用することはできないことを伝えることにし,前同日,面接に訪れたP5に対し,その旨伝えた。(乙8の1・2,被告本人)。 (4)これに対して,P5は,被告に対し,原告店舗の従業員募集に応募したことはあるが,面接には行っておらず,在籍もしていない旨言った。P5を採用したいと考えた被告は,原告店舗に電話をかけて,P5の在籍を確認し,在籍していないのであればホームページ上の写真等を削除してもらった上,被告店舗でP5を採用しようと考えた。(被告本人,弁論の全趣旨) (5)被告は,原告店舗への電話の際に,同業者である旨名乗れば,従業員の引き抜きなどと疑われ,原告代表者らとの間において争いが生じると考えたことから,P5の兄を名乗って上記電話をかけることとした(被告本人,弁論の全趣旨)。 (6)平成23年10月20日午後4時頃,原告店舗へ電話をかけ,電話に出た原告P2が被告に応対した(前提事実)。 (7)被告は,原告P2に対して,P5についての在籍確認を行った。原告P2は,P5が原告店舗に在籍している旨応えた。そこで,被告は,P5は,原告店舗の従業員募集に応募したが面接には行っていないこと,写真が勝手に使われている旨伝えた上,P5は原告店舗で働く意思がないことを伝え,その削除を依頼した。(被告本人) (8)被告の上記要請に対して,原告P2は,「私は責任者ではないので,確認させていただいて,後ほど折り返し電話します。」と応えたため,被告は,自己の携帯電話番号を伝えた。被告と原告P2との上記電話における会話時間は2~3分であった。(被告本人,弁論の全趣旨)。
(9)原告P2から上記電話があった旨伝えられた原告従業員P6(以下「P6」という。)は,同日中に被告から教えられた電話番号に電話をかけた。同電話において,被告は,P6に対し,P5の兄を名乗り,P5が原告店舗に在籍していないのに同店舗のホームページに勝手に写真が掲載されているから,これを削除して欲しい旨伝えた。(被告本人)。 (10)原告は,原告店舗のホームページに掲載したいたP5の写真等を削除した(弁論の全趣旨)。 (11)原告代表者らは,平成23年11月23日頃までの間に,上記各電話においてP5の兄を名乗っていたのが原告と同業者の関係にある被告であることを知った(証人P6,被告本人)。 (12)原告P2は,同月24日,医師から,不安障害(不安状態)で通院加療中であり,今後当分の間自宅静養が望ましいとの診断を受けた(甲3)。 (13)原告代表者及びP6は,同月25日,被告店舗を訪れた。被告が入店を拒んだにもかかわらず,原告代表者らが無理矢理入室しようとしていると考えた被告は,警備会社に非常通報をするとともに,警察へ連絡するなどした。(被告本人) (14)P6は,平成23年12月1日付け内容証明郵便で,被告及びP5に対し,共謀して,原告店舗に度重なる嫌がらせの電話をしたなどとして,慰謝料200万円を支払うことを要求する旨の書面を送付した(乙4)。 2 争点1(本件会話における被告の言動が不法行為に当たるか)について  原告は,第2の3(1)のとおり主張する。  そこで検討するに,前記認定事実によれば,被告は,〔1〕平成23年10月20日午後4時頃,営業中の原告店舗に電話をかけ,電話に出た原告P2に対し,P5の兄である旨名乗ったこと,〔2〕上記電話において,原告P2に対し,P5についての原告店舗における在籍確認を行ったこと,〔3〕その上で,被告は,原告P2に対し,P5が原告店舗の従業員募集に応募したが面接には行っておらず原告店舗で働く意思がないこと,にもかかわらず同店舗でホームページにP5の写真が勝手に使われていることを伝えて,上記写真を上記ホームページから削除するように依頼したことが認められる。しかしながら,上記電話における被告の言動が原告P2をして原告店舗における就労に支障を生じるほどの著しい精神的苦痛を与え,かつ,原告P2の勤務効率の低減を発生させる程度に威圧的であった事実ないし上記電話対応が原告の営業活動に支障を生じさせるものであった事実は,いずれもこれを認めるに足りず,その他本件全証拠によるもこれを認めるに足りない。  かえって,被告が原告店舗に対し上記電話をかけた目的は,P5を採用したいと考えた被告において,P5の原告店舗における在籍確認をするとともに,同店舗のホームページから同人の写真等を削除してもらうことにあり,かつ,被告は,同業者であることを名乗れば原告代表者らとの間において争いが起きることを恐れて,P5の兄である旨名乗ったのであるから,被告としては穏便に上記目的が達成されるのであればそれに越したことはなく,このような被告において,本件会話の当初から,原告P2に対し威圧的な態度に出たとは考え難い。また,原告P2は,上記被告の申入れに対して,「確認の後,責任者から折り返し電話する」旨応えるなど誠実に対応しており(実際に同日中に責任者であるP6から折り返し電話をしている。),原告P2の応答態度に触発されて被告において威圧的な口調となったとも考えられない。  以上によれば,争点(1)に係る原告らの主張は採用できない。  なお,P6の供述中には,原告らの上記主張に沿う部分があるものの,P6の本件会話内容についての供述は,原告P2からの伝聞によるものであるから,これを措信することはできない。また,原告P2の陳述書(甲2)が提出されており,同書面には,原告らの上記主張に沿う陳述があるが,原告P2については反対尋問を経ておらず,同人の陳述につき客観的裏付けも見当たらないのであって,上記記載内容を信用することはできない。さらに,原告P2の平成23年11月24日付け診断書(甲3)によれば,同人は,同日,不安障害(不安状態)で通院加療中であり,今後当分の間自宅静養が望ましいとの医師の診断を受けたことが認められるけれども,上記受診は本件会話から約1か月経過後であり,本件全証拠によるも原告P2に発症したとされる不安障害と本件との関連性を認めるに足りない。 3 よって,その余の争点を判断するまでもなく,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第1部 裁判官 塚原聡
発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第5802号 平成24年12月7日民事第13部判決 口頭弁論終結の日 平成24年9月11日        判   決 原告 B1 同訴訟代理人弁護士 太田真也 被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 同代表者代表取締役 B2 同訴訟代理人弁護士 五島丈裕        主   文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。
太田真也弁護士直近の裁判5件すべて完全敗北
全然勝ててなくてかわいそうになるわ よっぽど仕事無くて無理な裁判起こしてるんやろな 発信者情報開示請求事件 東京地方裁判所平成24年(ワ)第5035号 平成24年5月30日民事第39部判決 口頭弁論終結日 平成24年4月25日        判   決 原告 A 訴訟代理人弁護士 太田真也 被告 株式会社エヌ・ティ・ティエムイー 代表者代表取締役 B 訴訟代理人弁護士 石堂磨耶 同 上村哲史 同 横山経通        主   文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
これってパカビジの裁判版なんかな あなたの抱えている悩みは解決可能ですとか言って裁判けしかけてるんやろか
仮処分とってIP開示した後のプロバイダへの利用者開示訴訟 尊師でも「A1って犯罪者が入学するからよろしくやで~」と「犯罪者チンコフェイスaくんを許すな」で勝てたのに
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>>577 これか http://toro.2ch.net/test/read.cgi/blog/1317746442/
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