1 枯れ果てた名無し@転載禁止 (c1147ad2) 2024/12/05 (木) 22:16:16.138 ID:R85O5U6JQ
気候変動により世界中で夏の気温が上昇する中、新たな研究によると、ほとんどの都市部で涼しい日陰を作る上で重要な樹木が不足していることが明らかになった。
世界8都市の建物250万棟以上を対象としたこの研究では、建物の近隣の樹冠被覆率を30%以上にするという推奨の達成率が高かったのは、シアトルとシンガポールの2都市のみであることが示されたという。
RMIT(ロイヤルメルボルン工科)大学 (オーストラリア)グローバル・都市・社会学部のThami Croeser氏らによるこの研究結果は、「Nature Communications」に11月19日掲載された。
世界の都市部で気温の低下や心身の健康に有益な樹木が不足
研究グループは、「人間は、単に身体的な安らぎのためだけに樹木を必要としているわけではない。樹木は心を落ち着かせるのにも役立つ」と説明する。Croeser氏は、「木陰や緑豊かなオープンスペースが少ない都市部でうつ病、不安障害、肥満、熱中症の発生率が高いことは、過去の研究で示されている」と話す。
都市環境の専門家は、持続可能な都市の指標として、「3-30-300」ルールを推奨している。これは、都市内の全ての住宅、学校、職場は、その建物から3本以上の樹木が見え、建物の近隣の樹冠被覆率は30%以上であり、最寄りの公園や緑地から約300メートル以内の場所にあるべきというものだ。
今回の研究では、アムステルダム、ブエノスアイレス、デンバー、メルボルン、ニューヨーク、シアトル、シンガポール、シドニーの8都市にある250万棟以上の建物のデータセットを用いて、3-30-300ルールを満たす建物がどの程度あるのかを調査した。
その結果、3-30-300ルールのうち、「3本以上の樹木」については、全体的に達成率が高めではあったものの(ブエノスアイレスでの37%〜シアトルでの98%)、「樹冠被覆率30%以上」を満たしている建物の割合が高かったのは、シンガポール(75%)とシアトル(45%)の2都市のみであり、ニューヨークとアムステルダムでは特に低い(それぞれ1%、0%)ことが明らかになった。
一方、「最寄りの公園から300m以内」を達成していた建物の割合は、シンガポール(80%)とアムステルダム(52%)で高かった一方で、ニューヨーク(27%)とブエノスアイレス(23%)で低かった。
Croeser氏は、「日中の気温を大幅に下げるには、実際には40%以上の樹冠被覆率が必要なことが研究で示されている。それゆえ、樹冠被覆率30%以上というのは、絶対的な最低水準に過ぎない。それにもかかわらず、われわれが調査した建物のほとんどは、その水準にも達していなかった」と話す。
またCroeser氏は、「地表を樹木で覆うことは、大気の冷却効果を高めるだけではない。洪水リスクの軽減効果を見込めるほか、心身の健康にとっても有益であり、都市の生物多様性を育むのにも役立つ」とRMIT大学のニュースリリースの中で語っている。
さらに同氏は、「現在、われわれは、都市を整備する際に樹木を最後に植え、それがケーブルやパイプ設置の邪魔になる場合は、伐採するか、若木に置き換えることが多い」と指摘。
「道路設計の初期段階から樹木を計画の中に組み込み、その上で、インフラや交通アクセスとのバランスを取る解決策を見つけることが、必要な大きな変革の一つとなる」と述べている。
またCroeser氏は、樹木が植えられている環境についても問題提起している。「固くなった土壌の上にアスファルトが敷かれているため、雨水は土壌の中に浸透せずに側溝に流れてしまう。
以前の研究で、都市部の樹木を、生育に十分なスペースのある良質の土壌に植え、雨水が直接土壌に浸透するようにすれば、樹木の成長が促進され、樹冠不足の解消につながることが示されている」と話す。その上で、「同じやり方を続けていると、樹冠被覆率30%以上は高いハードルのように思えるが、やり方を変えれば十分に達成できる」と述べている。
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