神話学習スレ inバリュケー (170)

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1 ニヒケー元コテ ◆AbDmhTCTZY 2021/06/21(月) 01:42:00.40 ID:tyHKSB/s0

ギリシャ神話やローマ神話やエジプト神話について学習スレでふ
日本神話は日本綜合スレでもこのスレでも構いません

2 名無しさん@破産CEO 2021/06/22(火) 05:38:44.16 ID:i0X26KxH0

なぜガイアはゼウスを倒そうとテュポンを差し向けたのでふか?

3 名無しさん@破産CEO 2021/06/22(火) 13:11:04.11 ID:zOxLFvu30

ギガントマキアで神々がガイアの息子たち(巨人:ギガス)を殺したことに怒ったからです
ただし、ヒュギヌスはテュポンの母親はガイアではなくタルタラだとしております
この場合はテュポンが世界の支配権を得るため、ゼウスを挑発したのが戦いの発端となったようです
別伝ではヘラがゼウスの浮気に対する復讐のため、クロノスからテュポンの卵を受け取ったというものもあるようです
ホメロス風讃歌では、一人でアテナを産み落としたゼウスに嫉妬したヘラが産んだようです
この歌においてはテュポンは人間への大いなる災いですが、神への脅威としては歌われていません
テュポンがガイアの子であるという話はヘシオドスやアポロドロスが主な典拠かと思いますが、作者によって様々な解釈があるので面白いですね

4 名無しさん@破産CEO 2021/06/22(火) 20:22:48.48 ID:i0X26KxH0

>>3 出会いに感謝
タルタラはガイアの別の面だったりするんでふかね

ニヒケー前スレ
ギリシャ神話学習スレ
https://inter-concierge.net/test/read.cgi/inamura/1615339588/

5 名無しさん@破産CEO 2021/06/23(水) 14:16:27.19 ID:ytxs+a+I0

>>4
イギリスの古典研究家マイケル・グラントによればタルタラの名はヒュギヌスにしか見られないそうでふ
夫のタルタロスに対応させたものと思いまふが、名前が一回しか出てない以上それ以上の想像が出来ない形でふ

6 名無しさん@破産CEO 2021/06/23(水) 15:39:35.72 ID:XVUrW5qj0

インド神話もokでふか?
なぜインドの神々は手足や顔が複数あるんでふか?

7 名無しさん@破産CEO 2021/06/24(木) 01:13:00.37 ID:RnbvWC3s0

つよそうだから

8 ニヒケー元コテ ◆AbDmhTCTZY 2021/06/25(金) 01:05:35.27 ID:D+8Ph/KN0

>>6
日本の千手観音と同じでふ(千手観音はインド由来でふ)
手がたくさんあることはどのような身分の人間も一人残らず救済しようとする観音の慈悲と寛大さを表していまふ
顔が多いのは四方八方まで目が行き届いていることを表していまふ
なので強そうというのは少し違うような気もしまふ
まあ阿修羅でしたら分からなくはないかもしれませんが

9 名無しさん@破産CEO 2021/06/25(金) 11:49:04.41 ID:D/Im90kT0

仏教はヒンドゥーの影響を強く受けておりまふが観音の多肢とヒンドゥーの多肢は必ずしもイコールとは言えないでふ
観音は衆生を救う者のためそういった設定が後付されましたがヒンドゥーの神は人を救う存在であるとは限りません(例えば殺戮の神カーリーも4本の腕を持っていまふ)
こういった異形は人間との違いを明確にするためのものと言われており、強そうという理由はあながち間違いではないと思いまふ

10 名無しさん@破産CEO 2021/06/25(金) 12:34:31.26 ID:KNm7rWJvI

ニヒコテ師多分観音前提の話していますね
観音の話としてなら間違いはないのでふがインドの神となるとまた話が変わってきそうです
その辺りを加味して再度補足説明をいただきたいでふ

11 ニヒケー元コテ ◆AbDmhTCTZY 2021/06/25(金) 15:50:44.12 ID:od6BZMLs0

>>10
多分そうでふ、すみません
観音のモデルとしてインドの神々はモチーフにされましたが肝心な思想面では日本のオリジナル要素が強くなったかと思いまふ
>>9師の仰る通り、インドの神は残酷な者も多いでふ(カーリーもそうだがシヴァやヴィシュヌも結構残酷でふ)
日本の神様は怒らせさえしなければ優しい者がほとんどでふ
ヒンドゥー教はバラモン教を発展させたものでふのでイスラム教みたいな一神教思想はどうも受け入れられないようでふ(それ故ヒンドゥー教とイスラム教の対立は今もありまふ)
神は人間より上のステージにおり人間とは似て非なるものとするために顔の数や手の数を増やして人間との差別化を明確に表現したのかと思われまふ

12 名無しさん@破産CEO 2021/06/25(金) 16:59:58.75 ID:IfmvpNDC0

千手観音は日本発祥ではないので造形について日本の信仰が介在する余地は無いと思いまふ

13 ニヒケー元コテ ◆AbDmhTCTZY 2021/06/26(土) 23:19:35.26 ID:juG9ll3L0

>>12
>>11は造形面の話ではないでふ
観音のモデルはインド由来でふが日本での思想はあまりインドのヒンドゥー教の特徴とも言える思想の影響はなかったと言いたかった訳でふが・・・言葉足らずですみません
仏教はヒンドゥー教の影響を受けたものではありまふが、日本に伝来し現代でも信仰されている仏教はどこか少しヒンドゥー思想とは似て非なるもののように感じまふ
13宗派で当然仏教の中身は違ってはくるのでふが
初期に観音が日本に伝わったのは真言宗とかよりも確か前の時代でふので日本の信仰が介在することは恐らくなかったとは思いまふが千手観音がどうかまでは詳しく存じ上げません
奈良時代以降なら割と日本の信仰が観音像と入り交じる可能性はあるかもしれないと思いました

14 名無しさん@破産CEO 2021/06/27(日) 03:11:37.03 ID:5e6XE3bqi

語るに落ちる…というよりあまり知らない分野では早口にならない方がいいと思いまふ

15 名無しさん@破産CEO 2021/06/28(月) 08:21:12.79 ID:Oe6OUICc0

日本人は異教の神でも全部取り込む八百万の精神がありまふからね
もし飛鳥時代にイスラムが入っていたら普通にアラーも神の一人として神社とかに祭られていそうでふ

北欧神話の話もよろしいでふか?
なぜトールの武器はハンマーなんでふか?

16 名無しさん@破産CEO 2021/06/29(火) 08:48:42.04 ID:7ByiePrx0

神話の内容はググればすぐに出るので、なぜハンマーが神の武器とされたのかについてお答えさせていただきまふ
トールはご存知の通り雷神でふ
稲妻の轟音を鳴らすためにトールが何の道具を使っているかという疑問に対し、金属製のハンマーが鳴らしているからだと結論づけたのではないかという学説がありまふ
ハンマーを投げるという行為にはゼウスやインドラが雷を投げることに通じるため、同じ起源を持つのではないかとも言われておりまふね

17 名無しさん@破産CEO 2021/06/29(火) 14:25:32.64 ID:QpmpmsVA0

なぜギリシャ神話では雷神が最高神なんでふか?

18 名無しさん@破産CEO 2021/06/29(火) 15:07:21.75 ID:7ByiePrx0

ZEUSの雷は生来持って生まれた能力ではなく、キュクロプスが制作してZEUSに与えたものでふ
そしてZEUSの支配域は天空でふので厳密には雷神というよりは天空神でふ
雷は最も印象に残るシンボルでふが、あくまでZEUSの力のうちの1つでふね
本気で雷の力を行使すると世界が灼熱に覆われるのでおっかない力でふ

19 名無しさん@破産CEO 2021/06/30(水) 17:20:48.87 ID:Ebf2aGmr0

なぜ世界中の神話で弟殺しというテーマが使われているのでふか?

20 名無しさん@破産CEO 2021/06/30(水) 21:57:14.14 ID:2O3zJ0AJI

>>19
生きるため 仕方なかった

21 名無しさん@破産CEO 2021/07/01(木) 11:03:48.73 ID:FQ+eszxO0

弟殺しというより兄弟殺しの話になりまふが、セオドア・ガスターによれば兄弟の争いとは2つの社会・勢力の争いを反映しているそうでふ
直接的にそれが明示されているのはエサウとヤコブでふね
創世記25章の彼らの誕生において、「二つの国民があなたの胎内にあり、二つの民があなたの腹から別れて出でる。一つの民は他の民よりも強く、兄は弟に仕えるであろう」と書かれておりまふ
まぁ難しい理屈もなく単純に兄弟間の権力争いはどこの世界でも普遍的なものだから広まっているものだと個人的には思いまふが
自分語りになりまふがテュエステスの逸話が弟殺しの例として当職は好みでふ

22 名無しさん@破産CEO 2021/07/02(金) 11:08:20.05 ID:xee6s5ma0

なぜギリシャ神話やアステカ神話では世界が何回も滅亡し人類はどんどん悪くなっていくと考えられていたのでふか?

23 名無しさん@破産CEO 2021/07/02(金) 13:11:27.06 ID:ZjgR0c9u0

アステカの話は齧っただけで詳しい説明が出来ないので、ギリシアだけ答えさせていただきまふ
世界が何回も滅亡し、人類が悪芋のになっていくという過程はヘシオドスやオウィディウスに見られるものでふね
仰る通り、ギリシア神話では原初の人間は平和な時代を過ごしていました
原初の人間が暮らしていた黄金の時代には法がありませんでしたが、人間自らの誠実さと徳により幸せに暮らすことが出来ていました
弁護士なんていらない優しい世界でふ
それが銀、青銅、鉄(現在の世界)と時代が流れるにつれ人間は堕落し、暴力的でふしだらで破廉恥な悪芋のへと変貌していきました
こういった流れは、悪徳や欲が無ければ遥か古の平和な時代を築くことが出来るという教訓とも受け取れまふし
善良な人間は滅び、現代は悪が蔓延るしか無いという諦観にも取れまふ
見解は受け取る人次第でふがヘシオドスに限って言えば、昔の人類は働かなくても生きていけたけど今は無理だからさっさと働けという意図がありまふね
また、昔はよかったというノスタルジックな雰囲気を詩に与える効果があるという話を聞いたことがありまふ

24 名無しさん@破産CEO 2021/07/07(水) 20:05:24.07 ID:OuN8qbgs0

なぜギリシャ神話のオルフェウスや日本神話のイザナミなど
世界中には似たような神話があるのでふか?

25 ニヒケー元コテ ◆AbDmhTCTZY 2021/07/08(木) 00:57:35.49 ID:scyB4kuG0

とりとり
https://ej.alc.co.jp/entry/20200219-book-ej2003

余談にはなりまふが、ギリシャの神とローマの神は同一視されるものも多く、それ故似たような話が両国にあるというのも有名でふ
そもそもローマ神話自体がギリシャ神話をローマに持ち込まれたものでふし二者が似てしまうのも無理はないような気はしまふ
ただゼウスの妻ヘラ(ギリシャ)とユーピテルの妻ユノー(ローマ)の話辺りでは若干違いがあるなど、微妙な解釈変化(?)みたいなものは一応ありまふ

26 名無しさん@破産CEO 2021/07/08(木) 08:24:25.75 ID:pBZQFVlA0

ギリシア神話とローマ神話は比較神話学の例として取り上げるのはあまりふさわしくないと思いまふ
ネット上では同一視という言葉がよく使われまふが、当職は誤解を与えかねない表現だと考えていまふ
比較神話学も様々に派閥があり説明が非常に難しいため、当職も手持ちの資料を漁りどうにか解説出来ないか考えているのでしばらくお待ちいただきたいでふ

27 名無しさん@破産CEO 2021/07/08(木) 09:49:00.81 ID:WDsXmuINI

ローマ神話はギリシャ神話をローマ風に独自解釈したものと聞いたことがありまふ
だから神話の内容が似ている事は多々あるし、神の名称の違いは言語の発音の違いの影響なのではないかと感じていまふ
当職としては>>25の見方は良いと思うのでふが派閥があるからそうもいかないのでしょうか

28 名無しさん@破産CEO (sage) 2021/07/08(木) 11:20:10.58 ID:AIEOLwsD0

似たような形で聖徳太子とキリストの生まれたときの逸話が似ているといったのも聞いたことがある気がします

29 名無しさん@破産CEO 2021/07/08(木) 13:45:14.84 ID:WpURDuD70

ローマ神話がギリシア神話の影響を受けているのは周知の通りでふ。
一方で関係性について把握している人は少ないのではと思いまふ。
例えば上にあるゼウスとユピテルの対応については、基本的にはその認識で問題がありません。
基本的に、と付けたのはローマにおける土着の信仰を決して無視は出来ないからでふ。
一般的に知られているローマ神話はトマス・ブルフィンチの著したものであり、その内容の殆どはオウィディウスとウェルギリウスを元としていまふ。(ブルフィンチ自身がそれを認めていまふ)
さて、このブルフィンチのローマ神話は細かな差異はあれどギリシア神話の内容に準じたお話になっておりまふ。
というのも元となったオウィディウスの作品がギリシア神話の再構成であったからでふ。
ここの再構成とはローマの土地・文化に合わせたものというより、オウィディウスの詩作の傾向(彼はことさらに性と恋愛を詩の主題とする作家でした)に合わせたものでありまふ。
ウェルギリウスについてもギリシアの叙事詩環に直接連なる物語として書かれておりまふ。
ギリシア神話自体、たとえば劇作家のエウリピデスやアイスキュロスがそうしてきたように作家が自己流に様々な解釈をし、辻褄を合わせるために後付の設定を加えてきたものでふ。
すなわち一般に知られるローマ神話とはギリシア神話をテーマにしたラテン文学作品という意味合いが非常に強く、同一視というよりギリシア神話の枝と考えた方がよいのでふ。
かつてホラティウスは「ギリシアはローマに制服されたが、勝利者たるラティウムの文化をギリシアが征服した」と言ったそうでふ。
ローマ人自身も自分たちが描く神々の物語はギリシアのものであるとみなしていたわけでふね。
事実、不自然なまでに多くの英雄が、ギリシアからイタリアへと旅したエピソードを付け加えられておりまふ。

30 名無しさん@破産CEO 2021/07/08(木) 13:45:31.31 ID:WpURDuD70

では、ローマ神話はギリシア神話から単に固有名詞を変えアレンジしたものかというと、それもまた違いまふ。
ギリシア神話の影響が強くなったのはヘレスポントスのシビュラによるものが一番大きいかと思いまふ。(それより以前からエトルリアを経由し伝わっておりましたが)
オウィディウスらの文学作品については先述の通りでふが、帝政ローマ期のシンクレティズム以前からローマには土着の信仰がありました。
たとえばユピテルはギリシア神話からゼウスが名前を変えてきたのではなく、元からユピテルというローマの最高神が存在していたのでふ。
ローマの勢力が拡大するにつれてギリシアの色が濃くなり、ついにギリシア神話と同等のものとなったのは間違いのないことでふ。
ただラテン文学としてのイメージが非常に強くなった現代のローマ神話と、古代ローマにおける固有宗教とギリシア神話受容の事情を一緒くたにするのはどうしても疑問が浮かびまふ。
昔は学者の間でもローマには低級の信仰しかなく、ギリシアの影響を受け高級な神への崇拝が醸成されていったというのが定説でしたので、未だそれが蔓延っているのだと思いまふが……。
ギリシアとローマの類似性についてはとりあえず取り急ぎ。
要は"現代ローマ神話と知られている物語"は殆どギリシア神話を文学として二次創作したものであり、古代信仰との混同は避けるべきということでふね。

31 名無しさん@破産CEO 2021/07/09(金) 10:53:51.38 ID:/SUjn4IE0

ブリブリ神話について調べていたことがあるのですが、ブリブリに関する資料が少なくて挫折した記憶があります
検索してすぐに出てくる範囲の情報は得たのですが……
日本でブリブリ神話について詳しい資料などはあるでしょうか?

32 名無しさん@破産CEO 2021/07/09(金) 16:42:27.35 ID:6vnMsgDU0

そもそも神話かは微妙ですが
玄武って何故亀+蛇と2体合体してるんでしょうか

33 しば塾 ◆2Vesh.FSeQ 2021/07/09(金) 18:05:54.96 ID:Av9+NtZi0

>>32
中国古代の伝説だと亀は雌しかいないので蛇と番になる必要があり
玄武のあの姿は雄や男の象徴である蛇と雌や女の象徴である蛇が調和している様子転じて陰陽の調和を表しているらしいです

34 名無しさん@破産CEO 2021/07/11(日) 18:07:12.52 ID:0i3R7Pst0

なぜ北欧神話にはラグナロク(世界の終わり)が描かれているのでふか?

35 一般名無し質問者 2021/07/12(月) 01:07:42.12 ID:gOlOqSjNI

世界の終わりが描かれているのは北欧神話だけでなく他の宗教にも見られます
例えばキリスト教の最終戦争などもそうですね
こういった世界の破滅には敬虔な教徒ならば救われるという自宗教の優位性を説くことが出来るのが第一で、布教にも使われます
また、今の世界はいずれ滅ぶという結末を作る事で、現世に執着を持つ事に意味はないという教訓を語る意味合いもあります
北欧神話の場合は後者の意味合いの方が強そうに思えますね

36 一般名無し質問者 2021/07/16(金) 20:22:45.28 ID:FxJ1Vr2w0

なぜギリシア神話にはサテュロスやケンタウロスといった人間の上半身に馬や羊の上半身といった生物が登場するのでふか?

37 ニヒケー元コテ ◆AbDmhTCTZY 2021/07/18(日) 01:25:58.26 ID:KL/Kirgj0

諸説はありまふが古来人間は他動物とほぼ同レベルの知能しか無いと見なされていました
神は人間とは一線を画するものとしなくてはならなかったので動物の各々の人間よりも突出した部分を人間に付け加えることで人間と差別化を図ろうとしたのでふ
付け加えられた人間にはない動物の能力がその神を特徴づけるのでふ
人間と神との違いに畏敬の念を抱くのでふ
他にも人間と神を差別化するために神を巨大化させるといったケースもありまふ

38 一般名無し質問者 2021/07/19(月) 08:50:48.78 ID:6tH9/Bo4I

ニヒコテ氏の回答はギリシア神話とは事情が合わないので
>>36
たとえばケンタウロスは騎馬民族を現していると言われています
古代ギリシアの騎馬民族といえばトラキアですね
ホメロスの時代などは馬の上に乗るという行為はギリシア人には珍しく、ケンタウロスは馬に乗った異民族を四つ足に表現したものであると言われています
異民族を怪物として描くのは日本神話にも共通点が見られますね
ケイロンの影響もあってケンタウロスには賢者の様なイメージが浸透していますが、実はかなり野蛮な種族で人間を襲ったりレイプしようとする描写もあります
そういった野蛮さも自分達と文化の違う者への見方に通ずるのではないかと思います

なお、ギリシア神話において神と人間を絶対的に分ける要素は死の存在です
死す存在である以上、ケンタウロスとサテュロスは間違っても神ではありえません
ニヒコテ氏のレスで誤解が生まれるかと思いましたので補足しておきます

39 一般名無し質問者 2021/07/19(月) 10:57:01.57 ID:+TPwld3I0

ギリシャ神話ではないものの、神と人間の違いに恐れおののくという話はありまふ
事情は異なれど世界中の神話で人間に動物を一部分を融合させたり巨大化させたりする話はありまふ
とりとり

40 一般名無し質問者 2021/07/19(月) 16:41:34.53 ID:6tH9/Bo4I

エジプト、インド等は半神半獣の神が多く残っており世界中を見るとそういう傾向があるのは間違いないのでふが
神と人が同じ姿をしているからこそ人間が特別な存在であるとみなす宗教も多くあります
ギリシアでは基本的に変身しなければ人間と同じような姿ですし、神の血筋を権力者が名乗ることもとても多かったです
創世記では神の姿を象って人間が作られておりますね
これらや日本神話では異形の存在は討たれるべき存在となっていることが殆どです
ギリシアではミノタウロスなどの怪物、アブラハムの宗教では異教の神、日本神話では宿儺の様な鬼神などです
世界中に神話は幾つかのパターンがあり、傾向が似ていることも多いのですが、こと古代ギリシアにおいて神と人間の差別化に動物的要素を持ち出すのは間違っているかと思います

41 一般名無し質問者 2021/07/21(水) 19:56:31.24 ID:AmsKtHTp0

なぜハイヌウェレは殺されてその体が穀物ができたと考えられたのでふか?

42 一般名無し質問者 2021/07/21(水) 22:43:28.79 ID:k27YupLtI

ハイヌウェレ=女神の死は人間の定められた運命の直喩とされている他、肉を畑にまく儀礼文化が物語として形作られたのだと考えられていまふ
肉を蒔いた畑から作物が発生する様はまさしく神話の通りでふね
女神から恵みが生まれるのは世界的にも多く見られる出産のメタファーでもありまふ
なおハイヌウェレ型神話の伝わる地域は穀物より芋食文化が中心となっておりまふ

43 一般名無し質問者 2021/07/29(木) 19:06:18.35 ID:C/ILNGcF0

ケルト神話と北欧神話の最大の違いはなんでふか?

44 一般名無し質問者 2021/07/30(金) 09:29:45.57 ID:9njwCuZo0

その二つは全く別物なので最大が何を指すのかがわかりかねます
日本神話と中国神話の違いはなんですか?と言われているようなものですね

45 一般名無し質問者 2021/07/30(金) 10:04:20.46 ID:WR5p6OdYI

>>43 知ってる人からすれば全くだけどゲームや小説なんかで名前しか聞かない人にとっては混同するのも残当なのかな
まあ>>44の言う通り場所から違うからなんとも言えんが
あえて個人的に挙げるならば文字の重要性かな
北欧神話はルーン文字が有名だけどケルト神話は秘儀の保持のため文字を使うのを嫌う傾向にあったようです

46 一般名無し質問者 2021/08/01(日) 07:48:32.63 ID:LNXLm2DX0

コロボックルやホビットみたいな小人の伝説が各国にあるのはなぜでふか?

47 一般名無し質問者 2021/08/01(日) 13:05:34.22 ID:S3w073/WI

人間はあらゆる現象が起きた時、それに起源を求めます
そういった時、なぜそれが起こったか?どんな力が働いたか?を説明可能なものばかりではありません
自然科学の知識が不足していた頃、人間には説明の出来ない現象が起きた時にそれを引き起こした超自然的な存在がいると考えました
これは小人に限らずあらゆる妖怪(伝説上の動物の総称として)の発生であります
例えば、蜘蛛の巣は小人が夜の内に編んだものと考えた文化がありました

さて、妖怪は土地に固有の現象や動物がモデルとなって形成されます
人間は人間の文化にはどこにでもいるものですから、人間の姿をした妖怪というのはどの文化圏にも発生し得ます
なので小人、あるいは巨人は世界中で普遍的に見られるようになったのです
ピグミー族のように実際に身長の小さい民族をモデルにしたケースもありますが…こういったものは例外的ですね

48 一般名無し質問者 (sage) 2021/08/01(日) 15:19:03.79 ID:62WimwxZ0

スレチかもしれないのですがどうして平安時代には御霊信仰や酒吞童子などの怪異の存在に関する伝承が多く残っているのでしょうか?

49 一般名無し質問者 (sage) 2021/08/01(日) 16:57:04.71 ID:/usq6gKj0

平安時代そのものが約400年間の長い時代だとか
平安前期に本州征服を完了させたことで
後発で朝廷に服従した地域の先住民を土蜘蛛だとかレッテル貼りしたケースの枚挙にいとまがないとかが理由として挙げられます

50 一般名無し質問者 2021/08/02(月) 01:51:02.68 ID:1n3TH66XI

>>49氏に追記して
加えて江戸時代よりはるか昔から、いわゆる安倍晴明伝説というのは非常に人気の高いジャンルでした
とりわけ江戸時代に入ると時代物の娯楽小説というものがあっという間に広まりました
安倍晴明や源頼光の活躍がどんどん創作されていったことも、平安の怪異伝説が多い理由の一つかと思います
なお補足として
異民族等を怪異とした土蜘蛛等の発生は奈良時代によりますので、平安時代に限定した話とした場合、適切であるかどうは判断が難しいところです

51 一般名無し質問者 2021/08/12(木) 16:39:49.30 ID:ITISMZkK0

イザナミと言いペルセポネと言いなぜ冥界で料理された食事を食べると冥界に住まなければならなかったのでふか?

52 一般名無し質問者 2021/08/12(木) 18:44:12.45 ID:AvHFK/Ms0

>>51
比較神話学という学問ではギリシャと日本の黄泉竈食とザクロの話の類似性は話が世界を伝播したからという説が唱えられてるようで
これらの類似した神話は世界では一般的なものではないと思います

53 一般名無し質問者 2021/08/12(木) 21:29:03.38 ID:V05KJaH8I

〜をしてはいけないという約束を破った為に報いを受けるという話は普遍的なものかと思いまふ

54 一般名無し質問者 2021/08/12(木) 22:04:48.11 ID:+3nWFp6U0

怪異話創作に強い>>50氏詳しい説明からすると
奈良時代に生まれて平安時代に発展及び伝播普及したといったあたりが正確な表現かもしれないですねえ

55 一般名無し質問者 2021/08/12(木) 22:05:15.85 ID:lCciJfwBI

千と千尋にもそれに近いシーンがあるかと
確か食べ物を口に入れるという事は現地を受け入れたので人間界に帰るなど考えるにも至らなくなったという

黄金のリンゴの話も近いかもしれないでふ

56 一般名無し質問者 2021/08/13(金) 20:11:10.52 ID:4GSGmkuh0

なぜブラフマーはビシュヌやシバより影が薄いのでふか?

57 一般名無し質問者 2021/08/17(火) 08:51:14.14 ID:x2R4QEQQ0

他の多神教・神話にも似た傾向が見られるのでふが、いわゆる創造神は世界の基礎を作った段階で役割を終えているので逸話が少なくなりがちでふ

58 一般名無し質問者 2021/08/18(水) 18:37:57.82 ID:R45FXJ5O0

なぜロキは無茶苦茶なことをしても許されていたのでふか?

59 ニヒケー元コテ ◆AbDmhTCTZY 2021/08/19(木) 03:56:55.01 ID:I9xmQ9mL0

許されていたのかは分かりませんが、ヘイムダルやフレイヤはロキの事を少なくとも良くは思っていないかと思いまふ(ブリーシンガメンの首飾りの件があるので)

60 一般名無し質問者 2021/08/19(木) 08:31:38.93 ID:tdyVz64c0

ロキの役割は複雑で一概に悪とするのが難しいところがあります
まず立場としてはオーディンとは義兄弟の契りを交わしていますしアース神族の一柱であります
また、神になんらかの災厄をもたらす際は巨人に脅迫されてやむなくというケースも見られます
ロキの悪知恵の代償として神々に引き渡された宝物も多くあります
一部の仲が良い神以外から好かれていたとは思えませんが、裁くことも難しい立場であったと思います
結局は全ての神々を罵倒したことで味方がいなくなりましたが…

61 一般名無し質問者 2021/08/20(金) 09:57:09.40 ID:6EDK67Id0

古事記ではオホゲツヒメを殺したはスサノオですが、なぜ日本書紀ではツクヨミが殺したことになっているんでふか?

62 一般名無し質問者 2021/08/20(金) 11:44:12.76 ID:bKR6jcT40

なぜ、という部分に触れた研究を見たことがないので当職の個人的な見解となってしまいまふが
オホゲツヒメ(ウケモチ)の神話は以前レスのあったハイヌウェレ型神話がインド・中国を経由して日本に伝わったと言われておりまふ
でふので本質的にこの二女神の神話は同一のものと考えることができまふ
古事記と日本書紀で大きく違う性質として、古事記が基本的に旧辞のみを出典とする一方で日本書紀は様々な説を併記する点がありまふ
でふので同等の内容の神話でも古事記が旧辞に忠実な内容としてスサノオを、日本書紀はまた別の地域か別の書物に伝わっていたツクヨミの伝承を採用したのではないかと当職は考えまふ
また、古事記は稗田阿礼が暗記していた旧辞の記録を太安万侶が書き記したものとされているので神話をとりあえずでスサノオにまとめてしまった方が記憶しやすかったのではとも思いまふ
スサノオが多面的で複雑怪奇な性格をしているのは、あらゆる神話の主人公役を押し付けられたためとも言われておりまふし

63 一般名無し質問者 2021/08/21(土) 09:49:57.00 ID:NMBt8v0T0

弥勒菩薩(マイトレーヤ)の基となったミスラ神なのでふか?

64 一般名無し質問者 2021/08/21(土) 10:11:36.95 ID:NMBt8v0T0

弥勒菩薩(マイトレーヤ)の基となったミスラ神とは何者なのでふか?

でした、すみません

65 一般名無し質問者 2021/08/22(日) 20:42:36.20 ID:fbqNX4R30

なぜスターウオーズには神話学者がブレーンとして参加していたのでふか?

66 一般名無し質問者 2021/08/23(月) 08:47:42.43 ID:9UzjwIMW0

>>64
ミスラはゾロアスター教における軍神・雨神・光神です
ヴェーダにおける契約の神ミトラが対応する神であると言われております
以前はミトラス教の由来であったとされ、現在でもその様に紹介する書籍やウェブサイトもありますが
最近の学会では否定的な意見のほうが強いため鵜呑みにしないほうがよさそうです

>>65
ルーカスが神話学者のジョゼフ・キャンベルに強い影響を受けていたからです
彼の講義を聞いたとも、彼の著作に感銘を受けたとも言われておりますが、いずれにせよ彼の物語制作の根本に神話があることは幾度も公言していますね

67 一般名無し質問者 2021/08/27(金) 07:18:50.25 ID:0My3I+xk0

イシス神とホルス神がキリスト教の聖母子像の由来になったとはマジなのですか?

68 一般名無し質問者 2021/08/27(金) 13:09:20.68 ID:rIiL5z5SI

処女懐胎という共通するテーマがありまふので、より時代の古いイシス神像がマリア像の造形上のモデルになっておりまふ

69 一般名無し質問者 2021/08/29(日) 09:21:30.55 ID:aTNV4WuU0

古事記を古朝鮮語で読めるとはマジなのですか?

70 しば塾 ◆2Vesh.FSeQ 2021/08/29(日) 10:19:29.65 ID:A8siwvUz0

>>69
全く根拠のない悪質なデマです、そもそも根本的な問題として朝鮮では
日本と違って記録を基本漢文でしか残していないのでそもそも古代朝鮮語自体
どのようなものであったかほとんどわかっていません。
分かっていない言語でどうして一冊の本を読むことができるかという
ことです、こう言った類のトンデモ学説の本は20年周期ぐらいで登場しますが
どれもこれもないように代わり映えがなく商業目的で書かれているとしか
言いようがないゴミです

71 一般名無し質問者 2021/09/04(土) 23:50:37.64 ID:IzZXdjaA0

なぜ禹王は半身不随と考えられていたのでふか?

72 ニヒケー元コテ ◆AbDmhTCTZY 2021/09/06(月) 02:49:34.44 ID:knWfLisk0

禹王は黄河などの治水に成功した人物として知られているのでふが、その治水の業を熱心に打ち込んだがあまり半身不随になり、手足はひび・あかぎれだらけになったと言われていまふ
これ以上は存じ上げないので詳しい方がいらっしゃいましたら補足の方を宜しくお願いしまふ

73 一般名無し質問者 2021/09/06(月) 09:05:12.87 ID:utwH/kJF0

神話として描かれているのはニヒコテ師の通りです
禹とは本来蛇や魚などを表す言葉で、禹をあやかった歩法である禹歩も蛇のように曲がりくねった動きをしま
禹の祖父は顓頊といいますが、彼にも神通力をもって洪水を治めた伝説があり、山海経によれば死後に蛇と化し、大水によって半身不随の魚になったようです
顓頊はすなわち水神であり、その子孫たる禹もまた同様です
そのためこの二人に共通する半身不随という要素は、蛇神信仰からきたものであるという考え方が出来ると言われています
これが定説というわけではないのですが

74 一般名無し質問者 2021/09/07(火) 13:22:17.41 ID:aljd7fAv0

なぜヘーベー(女神)の代わりガニュメーデース(少年)だったのでふか?

75 一般名無し質問者 2021/09/07(火) 16:16:13.75 ID:gKS/fK6Y0

なぜヘベの代わりにガニュメデスがゼウスの酌をする役目を担うことになったのか? という質問でよろしいでしょうか
クレタ人が少年愛を神聖視していたため、ガニュメデスとゼウスの間に同性愛的神話をでっち上げたとする説が最も有名かと思います

76 一般名無し質問者 2021/09/07(火) 16:34:57.50 ID:aljd7fAv0

そうです
言Jですみません

77 一般名無し質問者 2021/09/10(金) 15:30:10.62 ID:WbWDbpgK0

なぜウラノスは去勢されたのでふか?

78 一般名無し質問者 2021/09/10(金) 17:00:33.80 ID:S1SoSkeR0

ギリシャ神話における神とは永遠に生きる不滅の存在です
命を奪うことは不可能であるため、生殖能力を失わせることで権威の失墜を表現したものだと考えられています

79 一般名無し質問者 2021/09/11(土) 08:56:58.17 ID:1WcZM1j/0

ググれば出る範疇なので余計かとは思いますが一応物語の流れについても説明をしておきます
世界にはまずカオスが生まれ、ついでガイア、タルタロス、エロスといった原初の神々4柱が出現しました
ガイア(大地)は誰と交わることなく、自らと同じ大きさの天空を生みました
これがウラノスであり、ガイアにとっては息子であり夫となります
ほかガイアは様々な神を生みますが、夫ウラノスの種で生まれたのは
ヘカトンケイル(百手巨人)3人、キュクロプス(1つ目巨人)3人、ティターン神族12柱です
このうちヘカトンケイルとキュクロプスは見た目が醜悪であったため、奈落(あるいはガイアの胎の中)へ押し込められてしまいます
これに怒ったガイアはアダマスの鎌を用意し、ティターン神たちに復讐を呼びかけます
そしてティターン神の末子クロノスがウラノスのキンタマを刈り取り、海へと投げ捨てました
この際、ヘシオドスはクロノスのみがウラノスを襲ったとしておりますが
偽アポロドロスはオケアノス以外の全員がウラノス襲撃に参加したとしています
ウラノスの男性の権威と繁殖の象徴たるキンタマを刈り取った際、迸った血を吸った大地は復讐女神たちを孕みます
ウラノスのキンタマから美女神アフロディテが生じた話は有名ですが、これはヘシオドスに見られるものであり、他の多くの詩人はこの説を取らないようです

80 一般名無し質問者 2021/09/12(日) 10:45:05.86 ID:wkHCDohp0

なぜアダムとイブを誘惑する動物として蛇が選ばれたんですか?

81 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/13(月) 10:17:37.20 ID:iFCZqotk0

回答する機会が多いので今回からコテを付けてみます
問題があれば外しますね

まず聖書にはあらゆる解釈が存在することをご承知おきください
蛇はイブに対し知恵の実を食べるように唆しますが、これは一般的にサタンが蛇を代弁者としたか、あるいは蛇に化けて行ったものとされております
創世記には蛇が地上の生き物で最も賢かったと書かれており、サタンはそれに目をつけたのです
ただし、創世記そのものにはサタンの存在は一切描写されておらず、蛇の裏でサタンが糸を引いていたとするのは後世の解釈でしょう

蛇は世界の宗教で広く見られる象徴であり、崇められると同時に忌避されることもまた多い存在です
人間は本能的に蛇を恐れますが、蛇は肉食獣の様な爪や牙を持つものではなく、表面的には脅威を感じる強さは持っておりません
にも関わらず見ただけで恐ろしく思うのは、蛇の生態や動作の中に狡知を見出したからではないかと考えられます
故に最も賢い生物として選ばれたのでしょう
蛇はイブを唆した後、怒った神によって呪いを受けてしまいます
これもまた、人間が何故蛇に対してネガティブな嫌悪感を示すのかへの理由付けとなっています

なおグノーシス主義においては、逆の見方をして蛇こそが人間に知恵を与えた偉大な存在であるという解釈がされます
面白いですね

82 一般名無し質問者 2021/09/13(月) 12:51:29.44 ID:jcGRiLYW0

ZEUS208師との出会いに感謝

なぜバーバ・ヤーガは鶏の脚の小屋に住んでいると考えられたのでふか?

83 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/13(月) 14:08:27.70 ID:sWGybiwX0

バーバ・ヤーガの住居の元は日本で言うところの高床式倉庫です
実際に見てみると何故鶏の足扱いされたのかがわかりやすいかと思います
https://kids.britannica.com/students/assembly/view/224991

84 一般名無し質問者 2021/09/17(金) 09:37:46.53 ID:zdvtduF90

なぜガイアはゼウスへ対抗するためにテュポーンを産んだのですか?

85 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/17(金) 13:02:36.59 ID:EJZ5sSaX0

>>3をお読みください

86 一般名無し質問者 2021/09/21(火) 22:22:30.11 ID:5op4n3m40

なぜトヨタマヒメの正体をサメにしたのでふか?

87 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/22(水) 13:25:18.87 ID:d928UUY6i

和邇がサメであるかワニであるかは諸説ありますので置いておくとして
日本神話において海に住む神秘的な生物の筆頭的な存在が和邇であるため、海神である豊玉姫と結びつくのはごく自然なことかと思います
また、古くは和珥氏という豪族がおりました
和珥氏は豊玉姫を祖神としていましたので、和珥氏の祖先が後宮に娘を送り込んでいた様を神話的に解釈したという見方も出来ますね

88 一般名無し質問者 2021/09/23(木) 00:15:17.25 ID:qcalwOfD0

なぜイシュタルは金星の神とされたのでふか?

89 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/24(金) 10:07:41.04 ID:aUL7B1NV0

イシュタルが金星の神として扱われるのはシュメールのイナンナと同一視されたからなのですが
ではそのイナンナがなぜ金星の神扱いされたかとなると古すぎて分からないというのが現状かと思います
さかのぼって調べたところ、4500年前には既に金星のアイコンとして使われていたようですが……
説によっては5000年以上前に金星と関連付けられているとする場合もあるようです
金星は極めて明るく美しい星であり、不規則な動きをすることから世界的にも美しい女神として扱われることは多いです

90 一般名無し質問者 2021/09/24(金) 16:08:17.13 ID:tDfRFWXI0

なぜネブカドネザルは発狂したのでふか?

91 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/24(金) 16:49:37.51 ID:Oo6bvW2l0

ネブカドネザル王の発狂はダニエル書4章の30節の記述ですが、ネブカドネザルより後の王ナボニドゥスの話と混同されたというのが定説です
その混同が意図的である可能性も指摘されています

92 一般名無し質問者 2021/09/26(日) 18:33:29.05 ID:Ne1od9jv0

なぜヤマトタケルは白鳥と結び付いたのでふか?

93 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/28(火) 08:38:49.22 ID:TeN6AL+A0

白鳥に限らないのですが、神話で特定の種類の動物が使われる一番の理由はその地域でありふれた生物であるからです
ただ白鳥とはあくまで白い鳥の総称であってハクチョウではなく、三重の辺りでもよく見られる白鷺だったのではないかと言われております

94 一般名無し質問者 2021/09/28(火) 22:12:13.19 ID:8PkXhwewI

千葉県の君津市に白鳥神社があります
日本武尊と深い関係があるとのことだそうです

95 一般名無し質問者 2021/09/29(水) 21:14:49.90 ID:UXmS4fNT0

https://inter-concierge.net/test/read.cgi/whitenighit/1626055635/17-18

呪術学習スレから来ました。
狼男伝説と北欧神話のベルセルクには関係があるのでふか?

96 一般名無し質問者 2021/09/29(水) 21:42:25.12 ID:UBqHnJdUI

ヨルムンガンドとトールは長年争ったそうですがどちらが勝ったのでしょうか?

97 一般名無し質問者 (sage) 2021/09/30(木) 03:56:54.92 ID:63qo9r8e0

>>95
ベルセルクは狼の皮を被って戦った狂戦士として知られています
狼男伝説とウールヴヘジンの方が関係がありそうですが同一と見なすこともあったかと思います

>>96
恐らくトールかと思います
トールはミョンニルを投げてヨルムンガンドに打ち勝ってはいますが、ヨルムンガンドの毒にやられてトールはその後亡くなったとされているので実際は相打ちかもしれません

98 一般名無し質問者 2021/09/30(木) 10:54:22.67 ID:mZgD/YcfI

プロセルピナが春の女神と呼ばれる理由は何でしょうか?

99 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/30(木) 13:23:14.79 ID:GTR/qX0A0

プロセルピナは元は土着の豊穣神か、あるいは別の言語から名前を借用したのかはっきりとしませんが
いずれにせよかなり早い時期にギリシア神話のペルセポネと同一視されていたようです
プロセルピナの母親は豊穣の女神ケレス(ギリシア神話のデメテルに相当)です
プルトはプロセルピナに恋し、彼女を拐かします
母親のケレスは悲しみのままに娘を探して世界中を旅することになります
しかし豊穣の女神が天にいないことで、大地に作物の実らない時期が発生してしまいました
旅の果てに娘を誘拐したのがプルトとユピテルであると知り、ケレスはユピテルに娘を返すように直訴します
ユピテルは一つの条件の下にプロセルピナを返すことを約束します
その条件とは、プロセルピナが運命の女神の掟(冥界のいかなる食物も口にしてはいけない)を破っていない事です
しかしプロセルピナは既にザクロを口にしており、冥界から返すことは叶わなくなりました
最終的にユピテルはケレスとプルトを仲裁し、プロセルピナは一年のうちの半分をプルトと共に、もう半分を天界で暮らすこととなります
プロセルピナが天界に戻ったとき、ケレスはたちまち機嫌を良くし、大地にはあらゆる植物が生えてくるようになりました
このことからプロセルピナが冥界にいる間が冬であり、天界に戻ると春が来ると考えられるようになりました
細かい部分は伝承によって多少の差異がありますが、今回はメタモルポセスを中心に説明させていただきました

100 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/09/30(木) 17:07:37.12 ID:YsKi1cmA0

古ノルド語は私も読めないので英訳になってしまいますがギュルヴィたぶらかしにおいては
Thor shall put to death the Midgard Serpent, and shall stride away nine paces from that spot; then shall he fall dead to the earth, because of the venom which the Snake has blown at him.
と記されています
トールはヨルムンガンドを殺して9歩歩いた後毒で死んだのですが、相打ちと見るか少しでも生き延びたトールの勝ちと見るかは人によりそうですね

101 一般名無し質問者 2021/10/02(土) 21:11:18.74 ID:m4TOMGAz0

なぜエルフは美しく不老なのでふか?

102 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/10/03(日) 15:35:18.38 ID:IfIRiHEPI

現代のエルフのイメージは間違いなくトールキン及びロードス島戦記の影響下にあります
トールキンのエルフは非常に美しく不老で、人間を超越した存在であると設定されており、その後のハイファンタジーの殆どがこの設定を模倣しております

一方でトールキンの影響力が強過ぎることを指して、元々エルフは美人ではない妖精のような姿が主流であったと主張する人もおりますが、これも一概に正しいとは言えません
エルフの源流は北欧神話のアールヴにあるとされるのが一般的です
古エッダ『スキールニルの歌』においてアールヴは神の似姿であったという記述があります
『ギュルヴィたぶらかし』ではリョースアールヴは太陽よりも美しいとされています(ダークエルフに相当するデックアールヴはアスファルトより黒い肌だそうです)
この様にエルフは人間より高位の存在であるが故に、神と似た美貌を持っているのです

ただし、イギリスなどはエルフに対して高位存在というよりイタズラ小僧のイメージを持つ場合もあります
こういった地域ではサンタ妖精やハウスエルフ(ハリーポッターの屋敷しもべ妖精)のように、ゴブリンにも近い眉目秀麗とは言い難い姿の場合が多いです
よって美しいエルフは人間より高貴な存在、英語圏の醜いエルフはある程度下等に見られる存在と分けることが出来ますね

余談ですが、美しいエルフの女王が人間の召使いに身をやつすエロ漫画の様な民間伝承やエルフを守るための法律の存在など北欧におけるエルフ文化はとても興味深いものが多いですよ

103 一般名無し質問者 2021/10/08(金) 10:24:15.32 ID:CA/eo6bt0

天照大神は本当は男神で神を祭る巫女であった大日女尊が同一視された結果
天照大御神という女神になったってマ?

104 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/10/08(金) 11:06:12.07 ID:1Cbd7X2Y0

現代のアマテラス男神説論者の殆どはホツマツタヱを根拠にしていますのでまぁつまりそういうことです
三部本書より更に昔にそういった信仰が存在した可能性は否定出来ませんが証拠はありません

105 一般名無し質問者 2021/10/12(火) 00:32:37.79 ID:nhmPn2ok0

なぜテセウスはアリアドネを置き去りにしたのでしょうか?

106 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/10/12(火) 10:54:31.33 ID:giOBSqWN0

テセウスがアリアドネを捨てた話は後に作られたもので、古くはプルタルコスも異説が非常に多いと言っていました
松平千秋の説によれば、本来の神話においてアリアドネは父王を捨てテセウスに着いて国を出たため、ディオニュソスがこれに憤慨しアルテミスに射殺させたとしています
少なくとも初期の神話においてディオニュソスが何らかの理由でアリアドネに対しアルテミスをけしかけたのは確かです
偽アポロドロスの伝えるところではテセウスにアリアドネを捨てる気は無かったものの、ディオニュソスに無理やり奪われたことになっています
ディオドロスはディオニュソスがアリアドネに惚れたためテセウスを脅迫し、アリアドネを捨てざるをえなかったという話を伝えます
パイオンの作品では、嵐の航海の中でアリアドネが産気付いたためなんとか島に下ろしたものの子を産むことなく死んでしまったとなっています
他方、オウィディウスやカトゥルスはテセウスを不義理な男と断じ、アリアドネの悲哀を歌った繊細な詩を残しています
テセウスについては様々な話が残っており、どの説を取るかは難しいところがあります

テセウスがアリアドネを捨てたという話だけで見るなら
・アイグレに惚れたためアリアドネが邪魔になった
・国を裏切った女であるため最初から良く思っていなかった
という二点が理由になるかと思います
もともとテセウスに異常に恋い焦がれたのはアリアドネの方で、テセウスからすればミノタウロスさえ倒してしまえば用済みの女であった可能性はあります

107 一般名無し質問者 2021/10/16(土) 01:56:50.63 ID:xZf+XEc30

なぜ巨人族は一つ目が多いんでふか?

108 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/10/17(日) 00:37:41.34 ID:mWko8oEy0

日本においては片目で炉を見つめる鍛冶仕事と結びつけるのが通説であり、ギリシアのヘパイストスやキュクロプスにも共通します
しかしヘパイストスはそもそも隻眼であるかソースが曖昧な部分があります
ケルト神話の単眼巨人フォモール族などにも当てはまりませんし、あまり信頼のおける説とは言えませんね
ほか、象の頭蓋骨(参考画像:http://photozou.jp/photo/show/124201/248239190)を巨人のものと認識したという説が有名でしょうか
隻眼・単眼が神話で意味するのは何かという問いに有力な説が無いため、明確な回答は出来ません
こと巨人に限れば象の頭蓋骨説が最もそれらしくは思えますが……
顔のパーツはどれも重要な機能を持っていますので、もし異形を強調するためにどれかを増減させるとしたら、1つあれば機能する上に顔の中央に置けてバランスの良い目を減らすというのが最もイメージしやすい選択だったのかもしれません

109 一般名無し質問者 2021/10/20(水) 01:57:47.38 ID:wxi5GPxG0

なぜ田道間守は和菓子の神として奉られているのでふか?

110 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/10/20(水) 08:42:02.30 ID:UCTREXJd0

田道間守は天皇の命により橘の実を持ち帰った逸話がありますが
これは古事記では登岐士玖能迦玖能木實、日本書紀では非時香菓と記されています(トキジクノカクノコノミと読みます)
非時香菓の菓は果と同じ意味合いで果物を指すのですが、時代を経て菓子の菓とみなされるようになりました

111 一般名無し質問者 2021/10/24(日) 11:54:53.42 ID:iE5W8f7I0

なぜ蛭子が恵比寿神になったのでふか?

112 一般名無し質問者 2021/10/26(火) 09:10:26.71 ID:2kJibZmG0

記紀における蛭子の記述は親に流されて終わりなので、後付の余地がいくらでもあったからかと思います
七福神はおめでたそうな神様を適当に並べた集団でしかなく、恵比寿もこれといった由緒が記録に残っているわけではありません
漁業神・寄り神としての性質が海に流された蛭子と相性が良かったので、設定の肉付けに使われたのでしょう

113 一般名無し質問者 2021/11/03(水) 02:26:15.90 ID:mSPmb+bg0

なぜアマテラスとスサノオとの誓約ではスサノオが勝ったことになったのでしょうか?

114 一般名無し質問者 2021/11/07(日) 17:11:37.87 ID:yyWXoyHZI

なぜカピトリヌスの三神はユーピテルとユノーと並んでミネルヴァなのでしょうか?
ユーピテルとユノーが同率なのはゼウスとヘラの関係からイメージできるのですがミネルヴァはユーピテルとユノーに並べるだけの位はあったのでしょうか?

115 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/11/08(月) 09:02:48.18 ID:WMao7wExI

>>113
アマテラスとスサノオの誓約はウケヒというもので、記紀においてウケヒは数度行われています
ウケヒはこれから行うことが○○であれば吉、そうでなければ凶と宣言して結果を判断します
良く言えば占い、現代的な感覚で言えば博打みたいなものです
日本書紀においてはスサノオが男児を得れば高天原を襲う意思は無いと宣言した上でウケヒを行いました
ウケヒの結果には四つの説が残りますが、その内三つで男児を産んだため基本的にはスサノオが潔白である(勝利した)と解釈されます
古事記では少し事情が違い、事前の宣言を行わずにウケヒを行っています
スサノオが女神を産み、自分にやましい心が無いから女が生まれたのだと後から解釈を決めています

古事記と日本書紀ではこの様に話の食い違いがありますが、これによりウケヒの結果自体は重要ではないと考えられています
この神話で重要なのは神武天皇の先祖であるアメノオシホミミがこのウケヒに中で生まれた事と、
アマテラスがそれを息子とすることで天皇の血統が天に帰属するのを証明する事であると言われております

116 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/11/08(月) 10:28:48.21 ID:WMao7wExI

>>114
カピトリヌスの三神に限って言えば、エトルリア神話のティニア・ユニ・メンルウァに当てはめただけなのでギリシア神話とはさほど関係がありません
メンルウァはティニアとユニから生まれた知恵の女神です
もともとエトルリアはギリシアと交易で繋がっており、ギリシアの文化が広く移入されていましたのでメンルウァはアテナに影響を受け、それが更にミネルヴァと同一視されていくことになります
しかし、古い伝承ではメンルウァはアテナとあまり似ていない存在のようでした
メンルウァは鎧を着込むことなく、雷によって人に智慧を与える女神であったと言われ、アテナ(=ミネルヴァ)と結びつけるのはやや無理があるかもしれません

ギリシア神話内でのアテナの位の話となると、単純に考えればオリンポス12神の中では6番目以降にあたります
12神はみな血族であるために、序列は家族関係で表されます
まず一番上に長兄のゼウス(末弟でもある)があり、ヘラ・ポセイドン・デメテル・ヘスティアの5柱が存在します
アテナ・アレス・ヘパイストス・アポロン・アルテミス・ヘルメスは子供世代なのでこれらの下として扱われることになります(アフロディテは出自が定まらないので別とします)
実際、ホメロスの作中ではアポロンがポセイドンを気遣って引き下がる殊勝な面を見せており、基本的には親世代の方が位が上と見て問題ないでしょう
しかしながら実際の信仰でいえばまた別の話で、古代ギリシアにおいてアテナはアポロンとも並び絶大な人気を誇っていました
仮に12神の中から3柱を選ぶとしてアテナがその中に入ってもそれほど不思議ではないかとも思います

117 一般名無し質問者 2021/11/09(火) 12:13:26.64 ID:qBf32XuQ0

コロポックルの正体は千島アイヌだったというのはどこまでが本当なのでふか?

118 一般名無し質問者 2021/11/16(火) 01:32:26.39 ID:ZOCluMEU0

なぜサムソンは髪を切られただけで怪力を失ったのか?

119 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/11/16(火) 08:42:53.31 ID:G04DH7Yb0

物語としては、サムソンが生まれた時に天使から髪を剃らないことを守るように伝えられます
育ったサムソンはペリシテ人を倒し、イスラエルに君臨するようになりますが、デリラという女を愛するようになります
デリラはペリシテ人に買収され、サムソンから髪を剃ってはならない決まりを聞き出します
サムソンは髪を剃られ、力を失いペリシテ人に倒されてしまいます

ここまでが士師記のサムソンの物語の内容となりますが、アブラハムの宗教において髪が特別視されているわけではありません
ここで重要なのは、神に伝えられた約束を破った結果力を失い、敵に打ち倒されるという部分です
なので、髪を切ってはいけないでも爪を切ってはいけないでも垢を擦ってはいけないでも、決まりごとは何でも良いのです
いかに強い力を持った人物でも、神の定めた法に従わなければならないというのが物語に込められた意味でしょう
ほかに、女を信用してはならないことやペリシテ人との深い対立関係も読み取れますね

120 一般名無し質問者 2021/11/22(月) 10:33:10.48 ID:9SPAjSb40

なぜオーディンは片眼を失ったんでしょうか?

121 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/11/22(月) 13:59:27.32 ID:QFZZwq7K0

物語ではミーミルの泉の水を求めたからだと言われております
ミーミルの泉はユグドラシルの根の伸びた先にあるヨツンヘイムの泉で、管理者のミーミルはこの泉の水を飲むことで広い知識を有していたとされています
オーディンは知識を得るためには我が身を犠牲にすることを厭わない知識欲旺盛な面があり、他にルーン文字を得た際も自らの身を犠牲として捧げています

この物語は真の知識を得られるのであれば、たとえ己の目を失うことになっても惜しくはないという
智慧がいかに高潔であるかを教訓とするものだと解釈されています
余談となりますがヘイムダルも同様に力を得るためにミーミルに耳を捧げたという説がありますが、これは比較的新しい考えで主流のものではないようです

122 一般名無し質問者 2021/11/27(土) 15:49:40.63 ID:iJotz/R30

なぜ神はバベルの塔に怒ったのでしょうか?

123 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/11/29(月) 14:38:35.11 ID:s1KK3NAW0



一般的には天に届く塔を作ろうとした人間の傲慢を罰するためと言われています
創世記は物事の始まりを語ることが主題で、バベルの塔の話が記された11章は地域によって言語が分かれている理由とノアの系譜が主題であり
バベルの塔自体は実はそれほど重要ではないので、あまり解釈が発展しません
そもそも塔を立てた理由が有名になりてえくらいしか書かれてないんですよね

124 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/11/29(月) 14:49:02.35 ID:s1KK3NAW0

なおバベルの塔を立てた理由ですが、高名になりたいという野心のほか
天(神の領域)と地の境界を越えるため、新しい技術への過信、大洪水からの避難が目的などの説があります
創世記に書かれているのは「さあ、町と塔とを建てて、その頂を天に届かせよう。そしてわれわれは名を上げて、全地のおもてに散るのを免れよう」という内容のみです

125 一般名無し質問者 2021/12/02(木) 08:35:03.28 ID:Fi5nDkzZ0

なぜ湖の乙女はアーサー王に仕えたマーリンを沈めたのに円卓の騎士と結婚したのでしょうか?

126 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/12/06(月) 10:59:45.91 ID:X996XH3h0

マロリー版のニミュエのことと思いますが、彼女の振る舞いはメタ的に言えば話の都合の為に捻じ曲げられているという指摘があります
そもそもマロリーのアーサー王の死は様々な伝説を一つにまとめて脚色を施して作られたものなので齟齬も出ており、ニミュエの性格付けも場面によって変わってしまいます

ランスロにおいてはニミュエに相当する湖の乙女はメルラン(マーリン)を騙して幽閉する悪役ですが、後期流布本のメルラン物語では互いの愛情と運命故に乙女とメルランは二人の世界に閉じこもることとなります
更にメルラン続伝では湖の乙女はメルランに対する深い憎しみから彼を幽閉するに至ります
この様にマーリンの最期について、湖の乙女の立ち位置は諸説ありややこしいことになっています

マロリー版ではメルラン続伝に近い物語となっておりますが、その後わざわざ憎いはずのマーリンの後を継ぐかのように円卓に力を貸しているので不自然に写ります
実はマーリンを深く愛していたから円卓に力を貸したとする見方もあれば、単に湖の乙女は気まぐれであるなどこれといって有力な説はありません
湖の乙女とペレアス卿の結婚はマロリーによって創作された展開なのですが、その辺りの整合性を取らなかったとするのが実態でしょうか

127 一般名無し質問者 2021/12/15(水) 23:22:18 ID:Fx0cAYudI

オシリスが冥界を支配する存在というのは後世の作り話であるという言説はマジなのですか?

128 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/12/16(木) 09:08:29 ID:yHRlKp0a0

現存するオシリスの物語で最も古いものはプルタルコスのモラリアに記されているものです
その他にも古くオシリスについて書かれた資料はあるものの、物語の形を取っているものはやはりプルタルコスのものになると思います
モラリアの記述を信じるのであればオシリスは死者を滑る者であり、ギリシアのハデスに相当するとされているので冥界の支配者という認識は決して間違いではありません
しかしプルタルコスの記述はエジプトでオシリスの信仰が生まれてから数千年が経ってから初めて著されたものです
ギリシア的な解釈が介在している可能性は否めませんが、それまでに断片的に残っていたオシリスの情報とそこまで乖離があるようにも見えません
信仰は時代によって変わるためオシリスが元々冥界の王でなかった可能性も充分にあるが、現在最も信頼できる原典では冥界の王と考えて間違いないといったところでしょうか

129 一般名無し質問者 2021/12/16(木) 10:01:44 ID:UrGnGcZc0

なぜクリームヒルトはジークフリートの死を悲しんで喪に服していたのにエッツエルと再婚したのでしょうか?

130 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2021/12/16(木) 11:38:30 ID:7o/pnT3c0

夫を殺された復讐を遂げるためにエッツェルの力を利用しようとしたからです
ニーベルンゲンの歌の物語後半はこれが主題になります

131 unknown.Level3.net 2021/12/25(土) 09:16:46 ID:5XVuuaSl0

なぜイエスは馬小屋で生まれたのでしょうか?

132 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2022/01/04(火) 04:03:02 ID:ymyP+8nfI

ご回答が遅れ申し訳ございません
イエスが馬小屋で生まれたことには実はあまり意味がありません
むしろ聖書では馬小屋で生まれたと確定できる箇所が無いのです
根拠となるのはルカ福音書となりますが、あくまで家畜の餌場に生まれたイエスを寝かせただけであり、馬小屋で生まれたとは記されていません
餌場に寝かせたのも、宿屋に泊まることが出来なかったからだと理由が書いてある為、馬小屋で産みそのまま餌場に寝かせたとは考えにくいのです
新約聖書の成立から数百年の間に生まれた外典において、イエスは洞窟で産まれ家畜小屋の餌場に置かれたとされたものもあります
更に1000年近くの時が経つと、イエスは馬小屋で生まれたとする記述も見られ始めるようになります
聖書ではあくまで生まれた場所を明確にしていませんが、家畜小屋の餌場に置かれたイメージが、長い時を経て徐々に馬小屋で生まれたというように変化が生じていったようです

133 一般名無し質問者 2022/01/04(火) 11:53:15 ID:mB4W9jxdI

お久しぶりです
素晴らしい回答者がいると思った瞬間でした

134 一般名無し質問者 2022/01/19(水) 10:19:31 ID:UDTtW+QJI

なぜ北欧神話には世界の終焉(ラグナロウ)を前提とした考えがあるのでしょうか?

135 一般名無し質問者 2022/02/11(金) 21:40:58 ID:6HSK18JM0

今日建国記念の日なので

神武天皇はなぜ第四子なのに初代天皇として即位したのでしょうか?

136 しば塾 ◆2Vesh.FSeQ (sage) 2022/02/11(金) 22:36:15 ID:SXYjo4rD0

>>135
おそらく古代日本には未子相続の習慣があったからです、神武天皇に限らず
古代日本では長男ではなく末の子が王位を継承した事例がたくさんあり
遊牧民社会のような末子相続が行われていたのではないかと言われています。
ただ残された史料が少ないので本当にあったのかそしてどうしてなのかと言った
ことはあまり良く分かってないです。

137 知恵熱 (知恵熱) 知恵熱

知恵熱

138 一般名無し質問者 2022/03/10(木) 09:54:14 ID:6I+KeKVY0

なぜキリストはユダヤ教の神殿で大暴れしたのでしょうか?

139 一般名無し質問者 2022/03/29(火) 10:39:53 ID:KeC7Bln50

なぜガネーシャは鼠に載った姿で描かれることが多いのですか?

140 一般名無し質問者 2022/05/03(火) 10:10:21 ID:j3B5kFYE0

なぜキリストや釈迦は特殊な方法で生まれる必要があったんでしょうか?

141 一般名無し質問者 2022/05/05(木) 04:13:09 ID:NV1IVOyk0

>>140
それは特別な存在としての箔付けのためでしょう
たぶん後世の後付けでしょうが、いつごろからそういう話になったのかは気になりますね

142 一般名無し質問者 2022/05/07(土) 02:08:16 ID:EUEUTOwY0

>>139
https://www.lala-fukuoka.jp/?mode=f8
ガネーシャとネズミ
ガネーシャの足元には先の神話にも登場したネズミが描かれていることが多く、これにも理由があります。

ガネーシャが幼い頃、巨大なネズミが彼の友達を怖がらせるようになった。
このネズミの名前は「ムシカ」、元は神々の中の帝王に仕える半神半獣の奏楽神団でした。
ムシカはうっかりヴァマデーバというリシ(神話上の賢者、聖者たち)の足を踏んでしまったことから呪いによってネズミに変えられたと言われています。
ガネーシャはこれを縄でとらえ、ヴァ―ハナにしました。
この逸話から、ガネーシャには「暗闇で増えるネズミの如くとりとめなく湧いてくる雑念を追い払う」という力があると。
また、ネズミは欲望と無智の象徴。
そのネズミをヴァーハナとし乗りこなすことができるガネーシャはそれを完全にコントロールできる聡明さを表現しています。
また大きな象が小さなネズミに乗るということからガネーシャ神はなんでも出来るということを表しているとも。

※ヴァーハナは神々の乗り物。
シヴァはナンディン(乳白色の牡牛)、ヴィシュヌはガルーダ(鷲)、ブラフマーはハンサ(白鳥)をそれぞれ従えています。

143 一般名無し質問者 2022/05/07(土) 02:08:45 ID:/+USUP900

こういった経緯からかインドではネズミを捕るとされるネコは好まれず、野良ネコなんかはあまり見かけないようです。
またシヴァのヴァーハナである牛は現代でも神聖視されていたり、ヴィシュヌのガルーダはタイやインドネシアの国章にもなったりしています。

またムシカの登場するインド神話のひとつに
『シヴァはガネーシャとスカンダにこの世界をどちらが早く3周できるかという競争をさせた。
スカンダが俊足の孔雀(パラヴァーニ)に乗って世界を回る間に、ガネーシャは「自分にとって両親こそがこの世界です」と、ネズミ(ムシカ)に乗り両親の周りを3周したのであった。
シヴァ神はこの知恵と言葉に感動し「物事の始めにガネーシャ神に祈りを捧げよと命じた』
というものがあります。
スケールからしてとんでもないお話ですが、事業の開始・商業の神様と言われ、幸福・成就・安定を祈願するという文化はここから生まれたのかもしれません。

144 一般名無し質問者 2022/06/30(木) 10:02:44 ID:ksAR3N2U0

なぜ大国主と国づくりをしたスクナヒコは小人として表現されたのでしょうか?

145 一般名無し質問者 (sage) 2022/07/01(金) 23:01:20 ID:bx44X/7L0

https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%92%E3%82%B3%E3%83%8A
古事記では、出雲の御大(美保)の岬にいた大国主神の下に、波の彼方から天乃羅摩船(アメノカガミブネ)に乗り、蛾の皮の着物を身にまとう小さな神が現れた。
その神は大国主神が名を尋ねても答えず、大国主神配下の神も見当がつかなかったが、すると谷蟆(タニグク、ヒキガエル)が久延毘古(クエビコ)なら知っているはずと教示した。
久延毘古に尋ねると、その小さな神は『神産巣日神の子、少名毘古那神』であると判明した。
そこで高天原の神産巣日神のところに行くと、少名毘古那を自分の指からこぼれ落ちた子と認め、少名毘古那に『大国主神と兄弟になって国を造り固めなさい』と命じた。
そして二神は協力し合って国を造り固め、その後に少名毘古那神は常世の国に去って行った。

らしいです

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155 一般名無し質問者 2023/01/10(火) 20:08:03 ID:yfsefxlA0

なぜソドムとゴモラは性の乱れた街扱いされていたのでしょうか?

156 ZEUS208 ◆CJh/Tcvz2E 2023/01/12(木) 09:27:17 ID:F9etc5Bc0

ソドムとゴモラについては聖書中様々な場所で記述が見られますが、特に性的な行為の根拠とされるのはユダの手紙によるものです
>主は、自分たちの地位を守ろうとはせず、そのおるべき所を捨て去った御使たちを、大いなる日のさばきのために、永久にしばりつけたまま、暗やみの中に閉じ込めておかれた。
>ソドム、ゴモラも、まわりの町々も、同様であって、同じように淫行にふけり、不自然な肉欲に走ったので、永遠の火の刑罰を受け、人々の見せしめにされている。
これによれば、堕天使の行いとソドム・ゴモラの行いを同一のものとみなしています
すなわち、神への不服従です

堕天使を「永久に縛り付け、暗闇に閉じ込めた」とされていますが、これに合致する記述がエノク書に見られます
>アザエルを捕縛せよ。彼の手と足を縛れ、彼を暗黒の中に投げ入れよ
ここでのアザエルの罪とは「人間に欲情し性交したこと」と「人間に道具を伝えたこと」の二つです
前者は言わずもがな、後者もこれにより女が男に媚を売るようになったことが明示されています

よってまず神へ背いた行いを堕天使がしており、ソドムとゴモラの宗教的不道徳をそれに合わせたという見方が出来ます
もちろん、そのままストレートにソドムとゴモラは偶像崇拝(=異教徒)の町であり、主の教えにそぐわない奔放な性行為が行われていたと解釈することも出来ますが

なお「ソドム、ゴモラも、まわりの町々も」とあるように他にもアデマとゼボイムという町が同じ様に不道徳により滅ぼされているのですが、これらはあまり知名度が無いようです

157 一般名無し質問者 2023/01/13(金) 07:21:55 ID:JSjsI4Eh0

ZEUS208師お久しぶりです
出会いに感謝

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