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破歌(ぱっか)

7 レス · dat原文

ナイフは冷たく微笑んだ。まだ温かい皮膚の上を、新雪を面白がって踏み歩く幼子のように不規則に、それでいて楽しげに滑った。 生暖かい血が、とろりとこぼれた。人の身体は思ったよりも固かった。 僕は一層力を込めた。体重を入れ、ナイフを突き入れる。地層をもぐるもぐらのごとく、何があるかわからない身体を旅する。 彼の身体をほんの一時間前まで構成し、巡っていた液体が、主人をなくし彷徨するのか、ナイフの足跡を辿り傷を綴る。 やっと開かれた腹部は、鮮烈だ。図鑑で見た内臓が、図鑑そのままの配置で行儀よく座っている。 僕は、弟を、殺して、開示した。 僕の弟は優秀であった。それが僕には耐えられなかった。 弟は僕の半身。それが優秀であるというのに、僕は周囲から無能扱いされていた。 それが許せないものだから、殺した。 僕には弟が、同じ人間だとは思えなかったから、その中身を覗いてみようと思ったのだ。 図鑑と同じ構造ならば、きっと弟は人間だったということになる。 そして、内臓の配置は弟は人間であったことを示した。 つまり、そうだ、僕は人殺しになったというわけだ。 僕は警察を呼ぶ。「弟を殺しました」と伝え、住所を教えるとすぐに警察がやってきて身柄を拘束された。 取り調べが行われ、僕の担当の国選弁護人がやってくる。 「亮太くん、なんでこんなことをやったんだい」 唐澤と名乗るその弁護士は、今まで親に警察に何回も聞かれた質問を繰り返した。 この男は、僕に似ている。そう直感した。 きっと、この弁護士と二人なら、なにか歴史に残るようなことだってできるはずだ。 なぜだか分からないが、そんな確信が訪れた。 僕の中のナイフは、再び微笑んだ。 (終了)
まさかの祐太
叙述トリックかな?
秀作ですを
唐澤貴洋殺す 811246876.5782672
核投下跡地
核投下跡地