「またきました」
「詠みますね」
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16 レス · dat原文
やった✊😳
「君死にたまふことなかれ
―旅順口(りょじゅんこう)包囲軍の中に在る弟を歎(なげ)きて―」
「与謝野晶子」
あゝをとうとよ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ、
末(すえ)に生れし君なれば
親のなさけはまさりしも、
親は刃をにぎらせて
人を殺せとをしへしや、
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや。
堺の街のあきびとの
旧家をほこるあるじにて
親の名を継ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ、
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家のおきてに無かりけり。
君死にたまふことなかれ、
すめらみことは、戦ひに
おほみづからは出(い)でまさね、
かたみに人の血を流し、
獣の道に死ねよとは、
死ぬるを人のほまれとは、
大みこゝろの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されむ。
あゝをとうとよ、戦ひに
君死にたまふことなかれ、
すぎにし秋を父ぎみに
おくれたまへる母ぎみは、
なげきの中に、いたましく
わが子を召され、家を守(も)り、
安いと聞ける大御代(おおみよ)も
母のしら髪(がみ)はまさりぬる。
暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
あえかにわかき新妻(にひづま)を、
君わするるや、思へるや、
十月も添はでわかれたる
少女ごころを思ひみよ、
この世ひとりの君ならで
あ、また誰をたのむべき、
君死にたまふことなかれ。
「意訳です」
ああ、弟よ、君のために泣く
君よ、どうか死なないでおくれ
末っ子として生まれた君ならば
親はとてもかわいがっていたのに
そんな親は君に武器を握らせて、
人を殺せと教えたでしょうか?
人を殺して死ねと
24歳まで育てたのでしょうか?
堺の街の商人の
旧家を誇るあるじとして
親の名を継ぐ君なのだから、
君よ、どうか死なないでおくれ
旅順の城が滅んでも
滅ばなくても、何の事ではない。
君は知らないだろうが、商人の
家の掟にはそんなものはない。
君よ、どうか死なないでおくれ。
天皇陛下は、戦いに
自ら出てはこられない
互いに人の血を流し、
獣の道に死ねとは、
そうして死ぬのが人の名誉とは、
(天皇陛下の)お心はとても深いので
そもそもどうして思われることがあるでしょうか?
ああ、弟よ、戦いで、
君よ、どうか死なないでおくれ。
前の秋に父君を亡くし
取り残された母君は、
嘆きの中に痛ましく、
我が子を徴兵されても、家を守っている
安泰だというこの治世だけれども
母君の白髪は増えている。
暖簾の陰に伏して泣く、
か弱く若き新妻を、
君は忘れているでしょうか、思っているでしょうか。
10カ月も添わずに生き別れた
おとめ心を考えてください。
この世にたった一人の君以外に
ああ、また誰を頼るべきなのでしょうか。
君よ、どうか死なないでおくれ。
「それではまた来ます」
「明日もよろしくお願いします」
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