122 - 名無しさん 2023/02/11(土) 21:10:26 ID:SoO-36E30D-DB62
電車が品川まで来たとき、万一あれがみな子なら、山の手線に乗りかえるだろうと思って、私は巧みに人影に姿をかくして、じっと彼女の行動を注視していた。ところが、彼女は下車しないのみか、肩の辺を少し動かして、懐から何かとり出した様子であった。それが懐中鏡であることは、彼女の肩ごしにちらりと見えた反射ですぐわかった。
私の頭には、何とも我慢のならぬ想念が、ふつふつと煮えるように湧き起こってきた。