さんUぼっち・ざ・ろっく!部🎸 (501)

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126 - 名無しさん 2023/02/11(土) 21:12:32 ID:rpR-F2F6d3-3262

 それに、電車が桜木町でとまった時、私の疑いは確定的になってきたのでもうかく必要もないのだ。私は、彼女が降りる時、ちらりとその横顔を見たのだ。無論それは妻のみな子であった。顔色は土のように蒼ざめて、非常に心配事でもある様子で、わざとそういう様子をしているのかも知れぬが、誰か人を監視しているような風はちっとも見えなかった。自分の心配だけでせいいっぱいだという風だった。
 いったい世の中に起こる千差万別のすべての事柄は、よく考えてみればわかる事柄、少なくもわかり得る事柄と、いくら考えてもわかりっこのない事柄との二つに大別することができる。そして、みな子の今の行動のごときは、後者の典型的なものだ。私はもうからから笑い出したくなった。