475 核撃てば尊師 2013/05/13(月) 09:57:19 ID:clMo.D4g0
http://book.asahi.com/author/TKY200802270243.html
冤罪弁護士 今村核さん
[掲載]2008年2月24日
今村核さん(45)
■無罪判決8件の「大事件」
16年間の弁護士生活で、8件の無罪判決を勝ち取った。日本の刑事裁判の有罪率は約99.9%、無罪になるのは起訴された人約1000人に対して1人にすぎないといえば、この「8件」の重みはわかるだろうか。本書は、それらの無罪判決に向けて重ねられた弁護活動の一つ一つを描いた本だ。
「痴漢、スリ、傷害など、事件そのものは小さいですが、そこに隠された刑事司法の問題点は大きいのです。これらは『小さな大事件』だと思っています」と弁護士の今村核(いまむらかく)さんは話す。
学生時代、刑事法学の泰斗、故平野龍一・元東大学長が「わが国の刑事裁判はかなり絶望的である」と指摘した論文を読んだ。日本では、欧米とは異なり、刑事裁判所は有罪か無罪かを判断するところではなく、有罪であることを確認するところとなっている、という趣旨の平野氏の主張に触発されて、刑事弁護士への道を目指した。
ある無罪を主張した事件の判決の前に、担当の裁判官と偶然、裁判所の廊下で出くわしたことがあった。その裁判官は突然、「敬服します。敬服します」と今村さんに2度お辞儀をしたという。すでに証拠調べが終わった後にもかかわらず、被告人に有利な証言をしてくれそうな事件関係者を探し求め、その証言を得て、執拗(しつよう)に弁論の再開を求めた今村さんの姿に、共感したようだ。
来年から始まる「裁判員制度」については、「裁判員となる市民の負担を軽くするため、裁判を早く終わらせることに法曹界の関心が集まっており、裁判を急ぐあまり、弁護活動が制約される可能性があるのではないか、と危惧(きぐ)しています」と懸念をいだいている。
冤罪弁護士
著者:今村 核
出版社:旬報社 価格:¥ 1,680