293 核撃てば尊師 (sage) 2013/05/24(金) 21:35:01 ID:JWZAK.U20
その雰囲気を察知したのか、唐沢は更に続けた。
「私は弁護士です。最大の慰謝料を手に入れる術を知っています。どうでしょう。私に一存して頂けませんか?」
冷静に考えればおかしな話だと分かる。突然出現した全員が初対面の人間が重要な話し合いを全て自分に任せろと言っているのだ。一蹴されて当然な提案である。
しかし、その場の雰囲気もまた異質な物となっていた。誰もが唐沢が発する一語一句を聞き漏らさまいとしていた。例えるなら悪徳宗教の教祖と信者の様な状態である。一度信じ切った人物を疑うというのは非常に難しいらしい。
「私は彼に任せてみようと思う」
会議室内にいた誰かの一言がきっかけとなりその場にいる全員が一つの決断を下してしまった。