マヨケー発狂部 (1001)

←← 掲示板一覧に戻る ← スレッド一覧に戻る

355 [´・ω・`] berlin01.tor-exit.artikel10.org 2023/06/15(木) 22:41:24.72 ID:Za/MJSqW0

唐澤貴洋は羨ましく思った。人前で陰部を晒せるだなんて、あらゆる生き物に愛でられるだなんて、と。
彼はこの日常にうんざりしていた。父から与えられた、何一つ不自由のない悠々自適の生活に。朝から晩までなにもすることなく、酒を飲んだり手淫をしたりして一日を終える。そこに労働という無益な行為は無く、外に出ることはおろか、トイレ以外は一切自室から出ることはない。そもそも出る必要がないのだ。あらゆる娯楽は自室に揃っており、たとえそこに無いものであっても、父に頼めばすぐに持ってきてくれる。
一般就労者からして見れば、まさに夢のような生活だろう。欲しいものは全て手に入り、煩わしいことは何一つない。全てが行き届いた理想郷。外界から切り離された自分だけの世界――
父洋が実の息子をねんごろにするのは、彼自身息子を愛していたこともあったが、やはり一番の理由は体裁を気にしていたからであろう。由緒ある家系の中で、唐澤貴洋は唯一の汚点だった。短足低伸長に、おせじにも恰幅の良いとは言えないでっぷりと膨らんだ腹。肉の詰まった太い指。顔と首とが一体化しているため顎はなく、目、鼻、口の全てが脂肪の重さで垂れ下がっている。
見た目もさることながら中身も大概で、常識の欠如、逸脱した品性、知性の欠陥と三拍子が揃っている。悲しいことに、唐澤貴洋は知恵遅れが認められるものの、精神遅滞とまでは認められず、また父洋が障害の烙印を押すことを拒んだため、大人になる今まで適切な支援を受けられずに育ってきた。結果、人生の全てにおいて周囲との軋轢を生み、いじめられたり蔑まれたりと徐々に行き場を無くしていった。