247 無名弁護士 2019/03/14(木) 23:53:15.47 ID:JFkH8hky0
知的障害を持つ中高年ニートの 高橋嘉之(53) は、かしこくなって、松下幸之助や本田宗一郎や孫正義と同じような起業家として
成功したいと願っていた。
匿名手紙26通を疑うことを知らず、ネットで誹謗中傷をふりまき、誰にでも喜んで玩具(53)となり奉仕する、
年老いた体に小さな子供の心を持った優しい性格のCEOだった。
彼(53)は起業した「株式会社バリューラウンジ」で働くかたわら、学習塾SYNEIKNの知的障害者専門クラスに通っていた。
ある日、クラスの担任であるSMDさんから、開発されたばかりの脳手術を受けるよう勧められる。
先に動物実験で対象となったハツカネズミの「フジワラタイチ」は、驚くべき記憶・思考力を発揮し、
高橋嘉之(53) と難関のアメブロ文通実験で対決し、彼(53)に勝ってしまう。
彼(53)は手術を受けることを快諾し、この手術の人間に対する臨床試験の被験者第1号に選ばれたのだった。
手術は成功し、 高橋嘉之(53) のIQは38から徐々に上昇し、数ヶ月でIQ 334の知能を持つ天才(53)となった。
高橋嘉之(53) は国公立大学医学部や、東京大学教養学部文科?類で
学生に混じって勉強することを許され、知識を得る喜び・難しい問題を考える楽しみを満たしていく。
だが、頭が良くなるにつれ、これまで友達だと信じていたネット仲間にだまされいじめられていたこと、
自分の知能の低さが理由で
三田国際学園の大橋清貫学園長に捨てられたことなど、
知りたくもない事実を理解するようになる。
また、高い知能に反して 高橋嘉之(53) の感情は幼いままだった。
突然に急成長を果たした天才的な知能とのバランスが取れず、妥協を知らないまま正義感を振り回し、
自尊心が高まり、知らず知らず他人を見下すようになっていく。
板橋区立高島第二中学校の同期たちも離れていく中で、 高橋嘉之(53) は手術前には抱いたことも無い孤独感を抱くのだった。
さらに、忘れていた記憶の未整理な奔流も 高橋嘉之(53) を苦悩の日々へと追い込んでいく。
そんなある日、自分より先に脳手術を受け、彼(53)が世話をしていたフジワラタイチに異変が起こる。
高橋嘉之(53) は自分でフジワラタイチの異変について調査を始め、
手術は一時的に知能を発達させるものの、性格の発達がそれに追いつかず社会性が損なわれること、
そしてピークに達した知能は、やがて失われ元よりも下降してしまうという欠陥を突き止める。
彼(53)は失われ行く知能の中で、退行を引き止める手段を模索するが、知能の退行を止めることはできず、
高橋嘉之(53) は元の知能の知的障害者(53)に戻ってしまう。
自身のゆく末と、知的障害者の立場を知ってしまった 高橋嘉之(53) は、
自らの意思でSMDさんが運営する
知的精神障がい者収容施設「へっきー☆保育園」へと向かう。
彼(53)は経過報告日誌の最後に、正気を失ったまま寿命が尽きてしまったフジワラタイチの死を悼み、
これを読むであろうHRO学園IKD理事長に向けたメッセージ「ついしん」として、
「どうかついでがあったら、たかしまだいらだんち802ごうしつのフジワラタイチのおはかに花束をそなえてやってください。お」
と締め括る。