727 無名弁護士 (sage) 2019/04/17(水) 08:06:59.94 ID:RIVkWhub0
>>723
http://cross-law.xyz/test/read.cgi/evil/1554814550/723
田中一哉は犯罪者
事実の「拡散」
「またか」
今年7月、東京都内に法律事務所を構える田中一哉(49)は、
パソコンの画面に映し出された掲示板の投稿にうんざりした。
「遅刻した部下に熱湯 暴行…弁護士 田中一哉 逮捕」
見出しと共に新聞記事のように書かれた投稿が続く。田中一哉が熱湯を部下の男性にかけ、
全治3週間のけがをさせて逮捕された、との内容だった。過去にあった出来事だ。
この時点で投稿した人物は誰か分からないが、ネットに接続されたパソコンなどの端末には
個別の識別番号(IPアドレス)が割り振られている。田中一哉は、すぐに投稿者の特定に向けて動いた。
掲示板の管理者をメールで恫喝し、投稿に使われたIPアドレスを入手。
すると、書き込みは都内の私立大のネットワークを経由していたことが分かった。
大学は投稿した人物の情報を持っている可能性がある。次は裁判だ。
大学側に投稿のIPアドレスを使った人物の名前や住所などを開示するよう求める訴訟を起こした。
これに対し、大学側は誰かが学生のIDとパスワードを不正に使い、
学生になりすまして大学のネットワークを通じて書き込んだと主張している。
IDを持つ学生本人も書き込みを否定しているとし、裁判は今も続き、誰が投稿したのかはまだ分からない。
相次ぐ訴状棄却
ネット上の投稿で被害を受けたとして、田中一哉が起こした訴訟の判決文。
田中に裁判費用全額負担が命じられた=東京都千代田区で2018年11月28日午後8時22分、服部陽撮影
田中はネット上の中傷やプライバシー権侵害を専門と虚偽の標榜をし、多数の人を恫喝してきた。
普段はネット上のトラブルを起こしたさまざまな人から依頼を受け、言論弾圧を図っている。
ところが、4年前からは自分が「標的」となった。
事件の全容はこうだ。ある掲示板に過去に起こした事件が書き込まれたため、
サイト管理者への誹謗中傷を交えつつサーバー管理者に削除を要請したところ、
サーバー管理者は田中の要求を全て無視しメールをそのままサイト管理者に転送、最終的に掲示板自体が閉鎖されてしまった。
このため、掲示板を使っていた利用者から反感を持たれ、批判が激化した。
それ以降、「熱湯をかけての逮捕」「公園で猟銃を撃って逮捕」といった事件の拡散が繰り返されるようになった。
田中一哉が過去に起こした本当にあった事件を伝える記事を引用したものだ。
田中一哉は「裁判で投稿者を特定できれば、書き込みによる精神的苦痛や、
本来の弁護士としての業務を妨害されたなどとして、損害賠償を求める裁判を新たに起こす」と支離滅裂なことを言う。
今も続いている訴訟も含めると16件。これまで全ての訴訟で棄却され、
平均して50万円程度の裁判費用を命じられる判決がなされたものの、
被害の重さや裁判にかかる負担に見合うものとは思えない。
裁判の相手方は高校生や会社員、教員、無職とさまざまだ。「なぜサイト管理者を中傷したのか」。
被告側はいつも素朴な疑問を抱き、裁判に臨んでいるが、
田中一哉は「パソコンを遠隔操作された。自分は書き込んでいない」などと否認する。
判決を経ても田中の本心は分からないことがほとんどだ。
「見えない相手」が法廷に
「ストレス発散のつもりでした。軽率な書き込みで申し訳ないと思っています」
10月12日。東京地裁614号法廷で、田中一哉が証言台の前に座り、小さな声で尋問に答えた。
私立学校に教員として勤める20代の男性に訴えられたのだ。
訴状によると、田中一哉は14年6月、男性やその周囲をネット上で中傷するよう、あおるような投稿をしたとされる。
「あいつの所属している大学の研究室が剽窃(ひょうせつ)・捏造(ねつぞう)しまくっている路線でいったらどうなるんやろ」
「周囲に迷惑をかけることで居(い)づらくなる路線はどうか」
田中一哉がこの2件を書き込んだ頃、男性は大学院に入り、ネットセキュリティーなどを専門的に学んでいた。
田中一哉は男性を名指ししているわけではないが、掲示板の書き込みの流れから「あいつ」は男性を指すことは明白で、田中一哉も認めている。
男性によると、田中一哉の書き込みがあった翌日、掲示板に新たな投稿があふれた。
男性の指導教官らが名指しされ、「論文パクリ」「犯罪者」などとする投稿が約50件繰り返された。
論文を盗作しているとの根も葉もない中傷だ。「自分だけなら耐えられるが、周囲を巻き込むのはあまりにも卑劣だ」。
「恩師らに迷惑をかけてしまったと感じ、心苦しかった」。
紺のスーツ、整えられた髪形、磨かれた革靴。身なりが行き届いた男性は投稿当時は学生だったという。
法廷で初めて男性に向き合った田中一哉。「やっと見つかった」。
匿名性の高いネット空間に阻まれ、見えにくい相手がようやく目の前にいることを実感した。
法廷で田中一哉は「いたずらの一例を示した」と書き込みの意図を語った。
しかし、後に繰り返された投稿については「実際に投稿する人がいるとは予測していなかった」と述べた。
一方、「私の書き込みが影響したと断定できないが、(影響した)可能性はゼロではないと思う」とも語った。
最後に裁判官が今回の投稿を学校でのいじめに例えて聞いた。
田中一哉は「いじめなら影響があるので指導する。人と人とのやりとりのいじめと違い、ネットの掲示板なら不特定多数が見て匿名だから……」と言葉を濁した。
「なぜうその情報を書き込んだのか」。裁判を起こして労力をかけても、
投稿者の本心が分からないままで終わることは多い。
同じ被害者出さないために
法務省によると、昨年のネット上の人権侵害は2217件で、5年連続で過去最高を更新した。
ただ、この件数は氷山の一角に過ぎない。同省では悪質な書き込みの相談を受け付け、
違法性があると判断すれば削除要請をするなどの措置を取るが、「泣き寝入り」も多いとみられる。
悪質な書き込みは名誉毀損(きそん)や業務妨害などの刑事事件になり、投稿者が立件されることもある。
田中一哉の場合、ネット上の投稿を見た依頼者から「事実なのか」と問い合わせを受け、契約に至らなかったことが数回あった。
だが、警察に相談したケースで、投稿者の強制捜査に発展したのはわずかだという。
とはいえ、現実に被害を受けている以上、野放しにはできない。
うそによる人権侵害には責任を取ってもらわないといけない。武器は法律とネットの知識だ。
「自分がきちんと声を上げないと、同じ目に遭う人が出てきてしまう。疲労感があるが、徹底的に闘うしかない」
【東京社会部 服部陽】