4 - 名無しなのじゃ 2017/08/17(木) 00:37:59.32
雨が降っている。今日は年に一度の夏祭りだ。
そういえばあの夏祭りの朝は雨だったね。
祭の中止を心配して俯いていた僕に君はこう言ったんだ。
「てるてる坊主作るのじゃ!」
互いの顔に似せたてるてる坊主をいくつも作って、ゲラゲラ笑う子どもみたいな二人だった。
夏祭りに一人やってきた僕は、きみがいつかせびった林檎飴を買った。
林檎飴を買ってあげたときの君の奇声、もとい喜声はいまも耳を離れない。
君がいない夏祭り。涙味の林檎飴を囓り、探し求める君は幻獣。