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785 エッヂの名無し (L20 3Z8d-6J0C) 2025/06/28(土) 11:10:19.936 ID:hhEEhWEoX

将雅が5歳のときのこと。
保育園でいじめられ、メソメソと泣き帰ってきた将雅に、母はこう言った。

「男のくせにメソメソしやがって。情けない!」

そして、やられたらやり返すことを要求し、その予行練習として母を殴るように言った。
大好きな“ママ”を殴ることは嫌だが、ここで言う通りにしないと余計に怒られる。将雅は泣きながら母の頬をベチッと叩いた。

そんな母より怖かったのが、父である。
父は、ジョッキーを経て調教師になった川田孝好氏だ。父は大井競馬の騎手としてデビューし、その後、佐賀競馬に移籍。将雅が小学2年生のときに、調教師に転身した。
子供の頃の父は怖くて話しかけられない存在であり、父の機嫌を損ねないように過ごすのが暗黙の了解であった。

将雅は一度、父の逆鱗に触れてボコボコにされたことがあった。それは競馬学校の1次試験に合格したあと、ビリヤード場で遊んでいたときのことだ。
まだ2次試験が控えているのに、遊んでいたことが許せなかった父は、将雅の意識が朦朧とするまで殴り続けた。父はジョッキーとしては大成したとは言えず、この世界がどれだけ厳しいかを身をもって知っていたのだ。