426 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 00:05:57.59 ID:qFdpWvXR0.net
私はどこにでもいる平凡な会社員だ。最近、ふと旅行を思い立ち、会社に有給の申請をした。
有給を使って何をするかって?決まっているじゃないか。旅行だ。それはいよいよ明日に迫っている。
高ぶる気分を胸に帰宅し、数時間の仮眠を取った私は、近所が寝静まる中マイカーに乗り込み、夜道を走らせた。
しかし、たった数時間の仮眠は体に疲れを残す。
早くもくたびれてきた私は、しばし海老名のSAで休憩を取ることにした。
居並ぶトラックを眺めながら一服していると、一台のバスがSAに入ってくる。
私は微かな胸騒ぎを覚えたが、続々と入ってくる車の音にかき消され、また、私はそれを気に留めない。
売店に視線を移すと、やけに太った男があちこちで食べ物を買っている。確か、先ほどの夜行バスから出てきた男だ。
おそらく乗客であろう。ああいうの必ずいるんだよな、と、ひとり苦笑した私は車へと戻り、エンジンをかける。それと同時に夜行バスも動き出したようだ。
運転手も苦労が絶えないだろう。私はバスに先を譲り、その後ろにピタッとついた。
走り始めて数分後、突如、バスの運転が乱れた。どうしたというのか!危険を感じた私はバスの前へ出ようとしたが、その瞬間、鼻にツンとくる匂いがあった。
「うげっ!」 あのバスから漂ってくる得体の知れぬ悪臭に顔をしかめた私だが、ここを切り抜けなければ。九州が私を待っている。