773 がん患者さん 2016/10/01(土) 18:41:00.70 ID:lmUZX66L0
(2争点及び当事者の主張
(1) 略
(2) 本件情報の発信について、権利侵害の明白性が認められるか(争点2)。
(原告らの主張)
本件情報は、意図的に本件画像に移行できるようにハイパーリンクを設定表示しており、原告らの容貌を撮影した本件画像を取り込んでいると解することができる。
したがって、本件情報の発信は、本件掲示板を通じて原告らの容貌を撮影した本件画像を公表するものといえる。
そして、本件画像は、原告らの容姿が明確に撮影されており、原告らを十分に特定しうるところ、取材や防犯目的で撮影されたものではなく、
私人である原告らを本件掲示板に「晒す」という不当な目的で盗撮したものと考えられ、本件情報の発信は、原告らの容貌等をみだりに公表されない人格的利益たる肖像権を侵害するものといえる。
また、本件情報には「山岡君か」との記載があり、同画像に写る人物の1人が原告山岡裕明であることを特定していることからすれば、本件情報の発信は、個人に関する情報をみだりに公表されない人格的利益たるプライバシー権を侵害するものである。
なお、原告らは、本件画像の公表を承諾したことはなく、その他の違法性阻却事由も存在しない。
さらに、原告らは、本件情報の発信による不法行為に基づき、本件情報発信者に対して損害賠償を求めるため、被告に対し、別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求める者であり、正当理由も認められる。
(被告の主張)
本件情報において記載されているリンク先のURLは、単なる英数字の羅列にすぎず、直ちに本件画像を掲載したものと評価することはできない。
また、事故の容貌等をみだりに公表されない人格的利益の侵害が問題となりうるのは、公開を欲しない状況や容姿を撮影したり、公表したりする場合であるところ、本件画像は、公道という公的生活領域において歩行している人物を撮影したものであり、
これは一般人が通常行っている行動であって、その行動自体が撮影されることに心理的負担を覚えない形態のものといえる。
さらに、プライバシー権が侵害されたというためには、その対象となる個人情報が一般の感受性を基準にして当該私人において公開を欲しないであろうと認められる場合でなければならない。
もっとも、本件情報には「山岡君か」との記載があるが、本件画像に写っている2人の人物のいずれを指すのか判断できないし、本件画像は行動を歩行する人物を撮影したものであり、その行動自体が撮影されることに心理的負担を覚えない形態のものであって、
プライバシー情報として要保護性が及ばないと解される。
したがって、本件情報が本件画像を摘示していると評価されたとしても、原告らの人格的利益を明らかに侵害するものとはいえない。
(3) 被告が、原告らからの本件情報に係る発信者情報開示請求を拒否いたことについて不法行為が成立するか(争点3)。
(中略)
(4) 原告らの被った損害(争点4)
(原告らの主張)
被告らが、原告らからの本件情報に係る発信者情報開示請求に応じなかったことにより、原告らは多大な精神的苦痛を被った。原告らのかかる精神的苦痛に対する慰謝料はそれぞれ100万円を下らない。
(被告の主張)
原告らの主張は否認ないし争う。