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15 がん患者さん (sage) 2016/10/24(月) 09:07:40.93 ID:mpYgY0ENI

「わかってる。ミサはホバーボードでのんびり観光してるんじゃねぇのか? ミサを待ってられるかっ」
 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま。
 魔物に警戒しながら、魔物を刺激しないように体制を低くし、慎重に動きながら辺りを見回す。

 こいつら、オレが小石につまずいた隙にオレたちを囲いやがった。
 オレたちを囲んだ魔物は、すぐに襲おうとはせず遠くでオラたちの様子を窺っている。
 オレは後退るうちにネロの背中とぶつかり、ネロと背中合わせになる。

 オレは深呼吸して落ち着きを取り戻し、姿勢を正してネロに振り向く。
「こいつらなんなんだ? アルガスタに魔物がいるなんて聞いたことねぇぞ」
 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま、ネロに訊く。

 ネロは瞼を閉じて、肩を竦めて首を横に振る。
「わからない。もしかしたら、禁断の森に棲んでいる新種の魔物かもしれない」
 ネロは黒縁メガネの鼻のフレームを、人差指と中指で挟んで持ち上げた。
 ネロは顎に手を当てて腕を組み、魔物を観察して考え込んでいる。
 ネロの黒縁メガネのレンズには、魔物の黒いシルエットが回転して赤く点滅している。