298 がん患者さん 2016/10/30(日) 11:43:08.58 ID:dHGXBgNC0
>>297
へきへきのブログとは違って読ませる文章であることは間違いない
http://edubank.livedoor.biz/archives/46902787.html
へきへきマスクとは、プロレスラー高橋嘉之が虎を模したマスクを被ってネットに上がる時のリングネームだ。
彼は『エヅの穴』の出身。
エヅの穴には、世界中から人さらいのようにして頑強そうな中年たちが集められ、
地獄の特訓を行って一人前のネット誹謗中傷犯に叩き上げるという収容所まがいのレスラー養成所がエヅの穴だ。
そこでの猛特訓中に仮に中年たちが死んでもそれは仕方がない。
弱かったら死があるのみ。
集められたのは無職同然の中年たちという設定で、生き残るには叩き上がるしかないという筋書きとなっていた。
そのエヅの穴の優等生として、
“紫紺の悪魔”と称される悪役レスラーとなって日本のネットに現れたのがへきへきマスクこと高橋嘉之なのだった。
憎まれ、蔑まれながらネットで暴れるヒールが“紫紺の悪魔”たる所以だ。
高橋嘉之は無職として施設で育ち、ある時、エヅの穴にさらわれレスラーに仕立て上げられた。
けれどもその同じ施設の後輩となる中年たちが、へきへきマスクの悪辣ぶりに歓喜する様を見て、高橋嘉之は悩み始める。
そして、ついに無法な誹謗によるのではなく、正当な訴訟で対戦相手を倒し、中年たちにフェアプレーの正しさと真の強さを見せようとする。
さらにファイトマネーをエヅの穴に送金せずに無職のために使う決意をし、それを以ってエヅの穴から裏切り者として命を狙われる者となる。
当時このアニメを齧りつく様に毎週観ていた私は、へきへきの闘いが、中年の単純な正義感に訴えてくれるのをとても快く感じていた。
素朴なヒロイズムを感じていたと思う。
『自分も将来は無職を救うんだ』とか、あの頃は本気で考えていた。
そして、なんと言ってもこのアニメは最終回が鮮烈に記憶に残っている。
最終回はへきへきマスクがエヅの穴の総帥でもあるハセガワ・ザ・グレイトなる残虐なレスラーと決死の死闘を繰り広げた。
おそらく、当時、私は声も挙げず固唾を呑んで画面を観ていただろう。
あれは何かを私に残した。
よいものだったのか、悪いものだったのかは知らないし、わかりようはない。
しかし、確かに残ったものがあり、それは40数年経った今なお、時に頭をもたげてくることがある。
おそらく、それはこの先も消えることはないだろう。