44 - がん患者さん 2016/11/13(日) 05:14:35.93 ID:VhiT4tFu0
侵害情報ではないから、プロバイダ責任制限法4条1項にいう発信者情報には該当しな
い。」【裁判例10】、と、侵害情報の送信そのものに関する情報と解釈されている。
他方、認容例の解釈では「(プロパイダ責任制限)法四条一項が開示請求の対象としてい
るのは「当該権利の侵害に係る発信者情報」であり、この文言及び特定電気通信をもちいて
行われた加害者不明の権利侵害行為の被害者の当該加害者に対する正当な権利行使の可能
性の確保と、発信者の表現の自由及びプライバシーの確保、これに伴い役務提供者が契約
者に対して有する守秘義務などの間の調整を図る法の趣旨に照らすと、開示請求の対象が当
該権利の侵害情報の発信そのものの発信者情報に限定されているとまでいうことはできな
い。」【裁判例16】、「本件各投稿の発信者は、本件アカウントの使用者でなくとも、同契
約者が、本件アカウントの使用を許諾し、あるいはパスワードを共有できる同使用者と一
定の関係のある者というべきであるから、同使用者は、発信者ではないにしても発信者
を特定するに足りる「その他侵害情報の送信に係る者」認められるというべき」【裁判例
15】、というようにログイン行為者と発信者に一定程度の関係(同一である蓋然性も含む)
がある事を前提に、ログイン者の住所氏名も「発信者情報」に含まれるとしている。
なお「被告は、発信者ではない者の情報が開示されることによって、
その者のプライバシーが侵害される恐れを指摘するが、ツイッターのような仕組みを利用
する場合には、個別の発信者の特定が容易ではないことやこのような仕組みを利用するこ
とにより発信者情報が一切開示されないことになることにより、法4条1項の趣旨が没却
されてしまうことを考えると、プライバシーへの配慮は、一歩後退すると考えるべきであ
る。」と興味深い判示もしている。
W 私見
「ログイン型投稿」が、プロバイダ責任制限法制定当時に想定されていなかったことも
あり、この類型については開示請求を認めないとの結論を導く方が文言解釈上は容易い。
しかし、「ログイン型投稿」がこれほど普及している現在の社会状況を前提に考えれば、
結論の妥当性において賛同することはできない。どれほど悪質に他人の権利を侵害する情
報を発信したとしても法的責任を問われない媒体を作出する解釈であり、発信者情報開示
請求権を創設的に認めた法の趣旨を完全に没却してしまうものである。プロバイダ責任制
限法が定めた発信者情報開示請求の要件は、開示請求者側と開示請求によって情報が開示
される側の利益調整の原理を規定するものである。利益調整の余地を認めず形式的に発信
者開示請求を否定することを認める解釈は不当である。そこで、簡潔ではあるが、ログイ
ン型投稿について発信者情報開示請求を認めるための解釈を試みたい。
まず、プロバイダ責任制限法4条1項の「当該特定電気通信」は、「特定電気通信による
情報の流通によって」との文言を受けてのものであり、権利侵害を発生させた通信である
ことが明らかであるから、侵害情報通信と解すべきである。しかし、「ログイン型投稿」に
おいては、ログイン情報の送信行為は侵害情報通信の不可欠の前提行為となっている。こ