情報ネットワーク法学会 第16回研究大会スレ (57)

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45 - がん患者さん 2016/11/13(日) 05:22:42.60 ID:VhiT4tFu0

の意味で、ログイン情報の送信がなれなければ侵害情報通信もなしえず、「当該特定電気
通信の用に供される特定電気通信設備」に、ログイン情報の送信を媒介した通信設備も含
むとの解釈は可能であると考える。確かに、ログイン情報の送信と、侵害情報通信は完全
に別個の通信である。しかし、「供された」ではなく「供される」と規定ぶりからすれば、
実際に侵害情報通信を媒介したことまでが必須の要素とは解されない.そして、この解釈
は最判平成22年4月8日(最高裁判所民事判例集64巻3号676頁)が、発信者と経由
プロバイダとの間でなされる一対一通信であっても最終的に不特定の者に受信されること
を日的とする通信の一部を構成していることを根拠4に、経由プロバイダの特定電気通信役
務提供者性を認めるのが自然な解釈としていることとも整合的であろう。よって、ログイ
ン情報を媒介した経由プロバイダも「当該開示関係役務提供者」に該当すると解すべきで
ある。
次に、ログイン情報の送信者に関する情報が「当該権利の侵害に係る発信者情報」に該
当することも示さねばならない。【裁判例12】のように「発信者」とログイン情報の送信
者が同一であると認定することでこの論点を回避した例もあるが、「発信者」との同一性を
認定できない事例や、そもそも「発信者」とログイン情報の送信者が同一ではない例もあ
り、この論点を完全に回避することは不可能である。
プロバイダ責任制限法は、「発信者情報」について「氏名、住所その他の侵害情報の発信
者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。」と規定しており、“発信者
の情報“とは規定していない。そして、前述のようにログイン情報も侵害情報通信の前提
行為として、ログイン情報を媒介した設備も当該特定電気通信の用に供される特定電気通
信設備に当たるのであるから、そのログイン情報の送信の過程で把握される情報も「発信
者の特定に資する情報」として「当該権利の侵害に係る発信者情報」に当たりうる5。
なお、総務省令の文言との関係において、ログイン情報の送信者は「発信者Jではない
のであるから、3号には該当せず電子メールアドレスの開示請求は認めるべきではない。
1号および2号の「侵害情報の送信に係る者」として氏名又は名称および住所の開示請求
のみ認めるべきである。

Y 裁判例一覧
<争点化せず>
1 東京地裁平成26年9月11日
2 東京地裁平成27年5月25日
3 東京地裁平成27年8月20日
(2014WLJPCA09118015)
(2015WLJPCA05258004)
(2015WLJPCA08208008)

4ウェブサーバーに情報を保存するために発信者から経由プロバイダヘなされる一対一通信と、
ウェブサーバーから閲覧者に対してなされる不特定の者によって受信されることを目的とする
通信は別個の通信である。
5実務上何ら問題なく認められているレンタルサーバー契約者の住所氏名開示請求を行う場合
と本質的には異ならないはずである。