431 - 一般職員 2016/04/08(金) 21:12:45 ID:qJYf3Eoo
敵対的買収と防衛策
長谷川 亮太
本論文は、ソースその他の調味料の製造および販売等を主たる事業とする東京証券取引所第二部上場会社であるYに対する日本企業への投資を目的とする投資ファンドであるXによる買収の試みに関連した事件を題材にしたものである。
YはXによる買収への対抗策として新株予約権無償割当てを行い、Xはその仮の差止めを求めた。XがYの全株式を対象に公開買付けを開始したのに対抗してYが行った、差別的な内容の新株予約権無償割当てを適法と認めた。
会社法一○九条一項は、株式会社は株主をその有する株式の内容および数に応じて平等に取り扱わなければならないとして、株主平等原則を定めている。
本件無償割当てについては、これが株主平等原則に違反するかどうか、および、著しく不公正な方法によるものであるかどうかが問題になる。
どのような要件の下で不平等な取扱いが許容されるのか、そして、本件無償割当てにおいて新株予約権に差別的行使条件・取得条項が付されたことについて実態をふまえて考察した。