97 - パカーソン ◆MMQS1aoxrM 2022/03/09(水) 23:23:55 ID:9/V5qaLb0
>・21世紀社会に文系の生息領域は殆どない
デジタル化の進展によって中堅以下の文系学部卒の主要な就職先である一般事務職(企画立案などの高度な業務に従事せず定型的な事務を行う職)の需要が減少するであろうことは妥当な予測ですが
これを文系の生息領域が殆どないと表現するのは主語が大きいし表現も過激すぎます
>・文系の学問などネットで調べればすぐ出るので価値はない
(ネットで調べれば出るのでという根拠付けから、その学問自体には価値があることを暗黙の前提として採用します)
たしかにインターネットは情報の流通を圧倒的に効率化しましたし、これによって学問の成果たる知識を得ることは非常に簡単になりました
しかし学問とは知識だけものもではなく、知識の背景にある共通の構造(理論)やあたらしい知識や理論を生み出す方法論(技法)も含めたものなのです
理論や技法も情報として記述できるからネットで調べればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、それは上手くいきません
これらを体得して未知の問題に適用するためには、既存の知識を相互に関連付けて体系的に理解し、実際に応用するための練習をする必要があるからです
歴史学のトレーニングを受けていない人がネットで断片的な知識を取り入れて極端な思想や陰謀論に取り込まれているのに見覚えはありませんか?
有名なネットミーム画像ですが、これなんか参考になると思います: https://imgur.com/t/conspiracy/kpfjV4K
当職の意見をこの画像に当てはめると、Information(情報/これは当職の言うところの知識です)まではインターネットで得られるが
Knowledge(知識/これは当職の言うところの体系です)やInsight(洞察)、Wisdom(知恵)には専門的な訓練が必要で、Conspiracy Theory(陰謀論)は往々にして知識の体系を無視しているということです