196 名無しさん (ササクッテロレ Sp-ee01d30b691d5e36) 2023/03/16(木) 23:44:30 ID:vFIHaGhEp5
男の悲鳴に少年は振り返る。
「こ、ここは……この場所は!?」
目の前に広がるのは野球場だろうか、焦茶色の土と鮮やかな緑が織りなすフィールドに、所狭しと詰められた観客。
白、黄色、黒のメインカラーに小さく青い場所が見える。
自分はベンチ席にいるようだった。
「にぃに、にぃに」
思わず振り返る。そこには新井の姿があった。だが様子がおかしい。
「みゃあ」そう言いながら新井はユニフォームを内部から濡らし、そこから滲み出た無色の液体をぶち撒けた。
「何したんや」反射的に聞く。
「しっこ」分かっていたがやはり小便らしい。
「どこに出しとんねん」訳がわからない。なぜ彼が漏らしているのかも、なぜ私がここにいるのかも。そしてなぜ自分が彼を責めているのかも。
「おいす!」といい新井はベンチに指をさす。
「せっかく掃除したんやぞ...」もちろん記憶はなかったが、そう言葉に出た。掃除をしたかも分からない。
「にしし」彼は笑っていた。どうやら悪びれる様子はないらしい。
「さてはわざとやなぁ?今日という今日はしばいたる!」記憶が曖昧とはいえ悪戯で漏らすような人間は許せない。ここは一度しつけるべきだと私は大声で怒鳴った。
その時だった。
「ん......ちゅ...んちゅ.........」
途端に彼が私に口づけをしてきた。それだけにとどまらず、彼の舌は私の歯の間をかき分けるように口腔内に侵入し、私の舌を貪った。なんとも言えない快感に襲われ、意識が遠くなる。
「ちゅ......ん......んちゅ.........」
新井は思わず倒れそうになる私に気をかけることもなく、私の体を掴み、その口で蹂躙する。そこには既に理性というものはなかった。
ここで私の意識は途絶えた。