【馴れ合い】恒心教戦国部【小牧長久手の戦い】 (33)

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16 - [´・ω・`] tor-exit-44.for-privacy.net 2024/09/04(水) 15:31:17.89 ID:YI41qV2I0

昨晩

私が秘書艦の仕事を終え、部屋に帰ろうとした時提督は声をかけて来た。
「初霜、ちょっと時間良いか?」
「はい、大丈夫です。」
「…あぁ、ソファにでも腰掛けていてくれ。」
とりあえず言われた通りに私はソファに腰掛ける。
「…重要な話だ。多分、俺にとっても君にとっても。」
「…?新たな作戦か何か開始されるんですか?」
「…作戦と言うか、何と言うか…」
提督は初霜と向かい合う形で座った。
「俺にとっては…真珠湾、ミッドウェー並みの…いや、それは言いすぎか。そうだ、キスカだキスカ撤退戦。それくらい真剣な話だ。」
「キスカ…」
あの作戦には私も参加していた。その時の記憶が蘇る。
あれほど上手く事が運んだ作戦は後にも先にも無いだろう。艦娘に転生した後も私はキスカ島(暗号名ではキス島)で包囲されていた陸軍の包囲を解いた事があったが、その時は途中で深海棲艦の戦艦と遭遇して酷い目にあった。
それを考えると木村提督がどれだけの運と指揮能力を持っていたかが良く分かる。霞がイマイチ提督を信用していないのはきっと彼女がそんな木村提督のミンドロ島沖海戦での座乗艦になった事があるからだろう。提督と木村提督を比べたくなる気持ちも分かるが流石に相手が悪い気がする。

一方でしばらくブツブツ何か呟いていた提督だが、私が心ここにあらずといった状態だったので少し心配になったようだ。声をかけて来た。
「…初霜…?良いか?」
「っ!ごめんなさい!」
「もう一度言う。とても重要な話だ、しっかり聞いてくれ。」
「は、はい。」
すー、と息を吸い込んだ提督は覚悟を決めた様で一気に話した。

「初霜…好きだ。」

「…って、ええっ!?」
「…すぐに答えを出してくれなくても良い。ただ俺の気持ちは覚えておいてくれ。」
パニックだった。
北号作戦でも坊の岬沖海戦でも生還した私だが、今回ばかりは焦った。憧れの人も私の事を好いてくれていた…なんて幸運なんだろうか私は…今の私は雪風ちゃんすら凌駕する存在だ!!

だが、嬉しいと同時に私にはまだ心の中で少し迷いが有った。結果、
「…今の私は恋愛には興味がないの。それでも、待っててくれるの…?」
「…あぁ、いつまでも待ってやるさ。」
結局昨晩はそんな聞き方によっては死亡フラグに聞こえかねない台詞を残して撤退して来た。これでは戦争が終わる直前に「私実は鎮守府に恋人が居るんですよ、戻ったらプロポーズしようと…実はもう花束も買ってあったりして。」
とか僚艦に呟いて直後にレーザーか機雷に吹き飛ばされてしまうかもしれない。どこかのポロが趣味のF−16乗りみたいに。