180 グナマーナ正大師 (sage) 2014/12/22(月) 23:34:48 ID:mZuRZ7So
3 請求の原因(原告の主張)
原告が、投稿1ないし51の投稿記事(以下「本件投稿」という。)によって名誉権の侵害を受けていることは、以下のとおり明白であって、権利侵害の明白性の要件を満たす。原告は、上記名誉毀損による不法行為に基づき、
発信者に対して、損害賠償を求めるため、被告に対し、発信者の氏名又は名称、住所、電子メールアドレスの開示を求めるものであるから、正当理由の要件も充足している。
本件投稿は、一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読んだ場合、別紙記事別主張一覧のとおり、原告の社会的評価を低下させることは明らかである。
V1やV3は、暴力団員ではなく、原告においても一切暴力団関係がない。V1は、道場における選手クラスの指導を行っており、躁欝病に罹患しているということもない。原告は、倒産していない。したがって、本件投稿に摘示された事実は、いずれも真実ではない。さらに、本件投稿で描写の対象となっているのは、
私人の精神状況や一空手道場での指導の在り方であって、公益目的は観念し得ず、また、公共の利害に関するものでもない。よって、本件投稿については、違法性阻却事由の要件を満たすものではない。
4 被告の主張(争点)
(1)骨子
以下に主張するとおり、本件投稿は、原告の名誉権を侵害することが明らかであるとは言えず、「当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき」(法4条1項1号)に該当しない。
仮に本件投稿が原告の名誉権を侵害するものであるとしても、本件投稿は、原告が暴力団と関係があること等を指摘することにより、原告の反社会性を公衆の批判に晒し、指導者としての原告の資質について世に訴えるものであるから、公共の利益にかなうものであるし、投稿者は、これを認識して投稿しているのであるから、公益を図る目的でされたものである。また、本件投稿が原告と暴力団との関係性等原告の内部事情を晒すものであることからして、
本件投稿は、原告の内部事情をよく知る者によってされたと思われるため、事実は真実であるか、事実が真実ではない場合でも、投稿者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があると思われるから、故意又は過失がなく、不法行為の成立が否定されるものである。
(2)投稿1ないし7、12及び14について
本件投稿がされたインターネット掲示板「2ちゃんねる」は、誰しもが匿名で自由に投稿をなし得るとの性質上、投稿内容に虚偽が含まれることが多々あり、本件掲示板においてされた投稿内容の信用性は、社会一般的に、そう高くはないと認識されているものである。かかる本件掲示板上においてされた投稿内容の信用性の問題に加え、上記各投稿が、およそ客観的な根拠を何ら指摘することなく、
単に、「そううつ病」、「精神病」、「精神安定剤や、抗うつ剤などの薬の副作用でしょうか」、「V1師範の「そう状態」や「うつ状態」は、誰の目にも明らかだったし」、「この人、完全に頭おかしいな!」などと指摘したものにすぎないことからすれば、
一般の閲覧者が、同投稿から直ちに、「V1が精神的に不安定な人間であり、かかる精神的に不安定な人物によって、原告が経営されている」などといった印象を抱くことはないのであり、たかだか同投稿の指摘がされたことのみによって、
原告の社会的評価が低下することなどあり得ない。同投稿によって、一般の閲覧者が抱く印象は、精々が、同投稿の投稿者が原告に対して批判的な立場にあるといった程度のものであろう。したがって、同投稿は、原告の社会的評価を低下させるものではないから、原告の名誉権を侵害することが明らかとは言えない。