187 グナマーナ正大師 (sage) 2014/12/22(月) 23:40:32 ID:mZuRZ7So
〔3〕判断
上記投稿がインターネット掲示板「2ちゃんねる」の「q」との表題のスレッドに同一の投稿者によって投稿された一連のものであること、及び、上記投稿の内容からすれば、
投稿先が「2ちゃんねる」という投稿内容の信用性がそう高くはないと社会一般的に認識されているインターネット掲示板であることを考慮しても、
上記投稿は、一般の閲覧者にとって、原告が経営する空手道場である愛知山本道場が、躁欝病という精神病に罹患したV1を師範として運営されている空手道場であることを摘示し、
原告の社会的評価を低下させるものであることは明らかである。
そして、上記投稿内容が、「V1師範、そううつ病を抑える薬、きちんと飲んでるのかな?」(投稿4)とか、「「剛毛でチリ毛」が、かなり薄くなって来ましたね」(投稿7)など、
憶測を交え、身体の特徴を揶揄する表現まで用いていることから、上記各投稿は、その目的が専ら公益を図る目的であるといえないことが明らかである。
よって、上記各投稿については、これによって原告の名誉権が侵害されたことが明らかであり、当該侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき(法4条1項1号)にあたる。
(2)同一投稿者の他の投稿について
投稿8ないし11、13、15ないし19、21ないし32及び34ないし51も、前記(1)の投稿と同一の投稿者により、同一のインターネット掲示板のスレッドにされた一連の投稿である。そして、その内容(記載されたリンク先の記事も含む。
甲6)によれば、原告の師範のV1が、脱税や横領などの違法な行為をしていると摘示し(投稿8、10、11)、V1が極道とも深い付き合いがあることを摘示し(投稿9)、原告が倒産したことを摘示し(投稿18、19)、
指導員の一人であるV3が暴力団山口組の組員であると摘示するなど(投稿26ないし32)、全体として原告の社会的評価を低下させることは明らかである。
この投稿者は,被告に対し,発信者情報開示に同意しない理由として,「V1が昔自分の給料から300万以上だましとっていって数々の脱税を手伝わせた為」などと回答したことが認められ,この事実からすれば,
脱税の事実を摘示する投稿(投稿8)及びそれに関連する投稿(投稿10,11)については,公益を図る目的ももって書き込まれたことが窺えないではない。
しかし,根拠のない憶測や揶揄を交えた(1)の投稿と同一投稿者による一連の投稿であること、上記投稿の中でも「V1師範も、レイプ事件や強盗事件を起こして、支部長辞めさせられて逮捕さらた「V6」みたいになるのが,オチかもね」(投稿13)など根拠のない予測に基づく揶揄を加えていることからすれば、
上記回答内容をふまえても,上記各投稿は、その目的が専ら公益を図る目的であるといえないことが明らかである。
よって、上記各投稿も、これによって原告の名誉権が侵害されたことが明らかであり、当該侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき(法4条1項1号)にあたる。
(3)まとめ
上記各投稿については、その投稿記事(侵害情報)の流通によって原告の権利が侵害されたことが明らかであり、名誉毀損の不法行為による損害賠償請求権の行使のために必要であるから、原告には、発信者の氏名又は名称、住所及び電子メールアドレスの情報の開示を受けるべき正当な理由がある。
よって、被告は、法4条1項に基づき、原告に対し、上記各投稿の発信者に係る前記の発信者情報を開示すべき義務がある(主文1項)。