11 グナマーナ正大師 2015/01/19(月) 20:53:57 ID:WPH7.jSE
ファッ――――――
巨人は苦痛と恥辱に震えた。たかが罪人ごときに
眼面シャワーである。悲痛な咆哮は留まることなく響き、
地は裂け、深い深い亀裂が姿を現した。
やったぜ、と岩村は思わず声に出した。
そして厚史を抱え上げ、亀裂に飛び込んだ。
岩村達の肉体は、タルタロスで不死を得ていた。
だからこそ、家ほどもあるシシュポスの岩を多数の罪人で
山に押し上げ、やがて押し戻されて潰されようとも、
すぐさま蘇り、また麓から押し上げる刑をこなせたのだ。
しかし地の底に現れた、奈落。こんなものに落ちたなら
消滅してもおかしくはないだろう。
暗い暗い、どん暗い闇の中、意識を取り戻した厚史は
その中にぼんやりと光る、奇妙な祭壇を目にした。
"これが、天空の門?"