岩村×アツシ (37)

←← 掲示板一覧に戻る ← スレッド一覧に戻る

12 グナマーナ正大師 2015/01/22(木) 03:21:34 ID:c0sqTLLw

まさしく、と答えたのは、後ろで目覚めた岩村であった。
愛する者との生還に、厚史の丹田に重く熱いものが滾った。
"タルタロスの最下部は、天空へと繋がっている――
一説にそう言われていると、会計士達から聞いたことがある"
岩村は門にスタスタと近づき、そのまま入り、消えてしまった。

慌てて追おうとした厚史だったが、傍らに奇妙なものを見つけ、
立ち止まった。それは門同様に鈍く光り、何か金属で作られた
大男の腕ほどの大きさの奇妙な置物であった。
厚史が触れると、それは縮み、片手に握られるほどになった。
"一個くらい、盗ってもばれへんか――"
厚史はそれを拝借すると、岩村の後を追い門の向こうへ消えた。