32 グナマーナ正大師 2015/02/02(月) 21:18:44 ID:s5kiKLlY
巨大なワタリガラスが馬車を襲い、岩村と厚史は掴まれた。
その鳴き声は歌のようで、ホソヤ何々と聞こえたが、
ともかく二人は連れ去られ、どこか雲の上に落とされた。
ヘリオスか?と岩村は思ったが、現実はそれよりも絶望的で、
これも雲のような巻鬚を蓄えた、身の丈20mほどはありそうな
巨大な男が玉座に座り、二人の眼前にそびえ立っていた。
"この天空神ウラノスの目に入れるには汚なすぎる、訴訟も辞さぬ"
はえーすっごい大きい、と厚史は思ったが、ウラノスの本来の姿は
天の全てであり、二人を目に留めるため形を変えているのだ。
"囚人だな、間違いない、なんだこれはたまげたなあ"
下僕の烏も威勢を借り、"わかる?この罪の重さ"と重ねた。
過熱した脱出劇は、遂に危険な領域へと突入した。
GODに勝てるわけないだろ、と二人は直感していたが、
それでも実力行使しかないことも同時に承知していた。