8 グナマーナ正大師 2015/01/17(土) 02:41:33 ID:NJeyNlbc
"岩さん、そんなことできるなら、とっくに誰かやっているよ"
厚史の意見は尤もだった。作業現場には一つ目の巨人や、
幾つも腕を生やした巨人が見張りをしているし、
他の受刑者との交代期間を狙うにしても岩村は500年後、
厚史は3000年後である。先のことを話しても意味がない。
"天空の門を知っているか?"
そう尋ねられても厚史に知る由もない。何かの策だろうか?
言葉に詰まる厚史を、突然岩村は抱きすくめ、
厚史の逞しい腹筋には硬いものが押し当てられた。
―わからないが、この人は何かできそうな気がする。
厚史は黙して身を委ねた。それは浅はかな、
単に利用される人間の考え方だったが、
聡明な厚史をもってしても、もう何もないのだから、
為すがままに成らざるを得なかったのだった。
岩村に貫かれ、口の端からさらりとした水が滴った。