720 グナマーナ正大師 2015/03/13(金) 22:03:06 ID:ENGsd/xU
唐澤貴洋会員● インターネット上で私自身が実際に業務妨害を受けた経験があり、かつ、今現在も受け続けておりますが、情報端末がスマートフォンなどで一般的に非常に普及している現代、身近にインターネットにアクセスできる環境の中で、旧来のリアルな、例えば不動産や相続、企業法務といった方分野から、新たにインターネット上での法律問題が発生しているという社会状況があります。
そういった社会状況において、弁護士が自分の名前を出して、インターネット上での依頼者の権利侵害に対して「それはおかしい。ちゃんと正した方がいい」と言う場面がありますが、それを行う際に、インターネットをする人は様々な属性の人なので通常であれば会わないような人格的にちょっとおかしい人に出くわしたりすると、「この弁護士は自分たちの表現の自由を害している」ということで、インターネット上にその弁護士について事実無根の記事を多数投稿する。
これは実際私自身が経験したんですが、こういった現象は私だけではなく、他の弁護士会の先生から相談を受けることもあり、広く弁護士全般の問題になりつつあると考えております。
樋口●ネットワークづくりは若い方のほうが旨いですから、「今困っているんだけど」と言ってね(笑)、それはできるよね。
唐澤●はい。
唐澤●インターネット上での業務妨害のあり方として、まず一番単純な基本的な妨害のやり方としては、弁護士名とその弁護士がいかに悪い奴かを書く。内容としては、例えばこの弁護士が無能であるとか、犯罪者であるとか、性犯罪者であるとか、依頼者を殴ったとか、そういった事実無根の事を書いた文章を作ってインターネット上の掲示板に投稿する、ないしは弁護士口コミサイトといったところに投稿する、というのが一番ポピュラーな妨害の仕方です。
今はそこからちょっと進化したものもあります。我々はインターネットにどうやって日常的に接しているかというと、検索エンジン(グーグル、ヤフーなど)を通じて情報を調べて弁護士を探したりその弁護士の評判を調べたりしますが、そこに着眼した妨害のあり方です。
これは弁護士名とある特定のキーワードを検索エンジン上で表示しやすくするものです。例えば私の名前を検索エンジン上の入力フォームに入れた際に、検索エンジンのサービスとして、このキーワードはこの弁護士の名前と関連しているのではないかということで、ある特定のキーワードを表示してくれる。これは検索をしやすくするための検索エンジン上のサービスです。
そこでかつてよく出てきたのは、「無能」とか「詐欺」とか、弁護としてそれが関連していると思われると、かなり致命的なキーワードをそこに表示する。こういう業務妨害のやり方が、先ほどのポピュラーなものから一歩進化した形です。一般の人から見るとその文章自体は意味不明ですが、特定のキーワードをその弁護士名と近接した形で掲示板上に多数投稿するための掲示板がインターネット上につくられており、その弁護士名をちょっとでも入力すると、この弁護士は変な弁護士だと一般の人に思わせることができる。
これは私が実際に経験した例ですが、他の弁護士でもそういった被害に遭っている方はいます。
あと、インターネット上の攻撃のあり方として、プライバシーを侵害するというのもあります。インターネット上で「炎上」という言葉があります。
炎上とは、特定人に対して不特定多数の者から、反復継続的に誹謗中傷がなされる状況と私は定義づけていますが、そのような状況下では、話題を求めて、炎上対象者に関する情報を収集するということが行われることがあります。
インターネット上に散逸されている情報以外にも、例えば電話をかけたり、関連しているところに行った入りして情報を収集して、それをもとに臆測でいろいろなことを書いて、またその人のプライバシーを侵害する。
紳士名鑑に乗っている親族の情報も集めて一族関係図みたいなものを勝手につくられました。誤った情報も多く含まれていましたが、そうやってプライバシーをどんどん侵害してくる。
ほかにも、これはインターネットではないですが無言電話がかかってくるとか、よくわからない届け物が送られてくるとか、そういったことが私の場合は行われました。