367 グナマーナ正大師 2015/06/25(木) 20:05:09 ID:0VO5OWY.
事案2451111-c
████/██/██、█回目の内部調査に送り込まれたDクラス職員のD-███が、SCP-2451111の終了後にバスターミナルに再出現しませんでした。直ちに財団による周辺地域・道路の捜索が行われましたが、現在に至るまでDクラス職員の所在を示す物品は発見されていません。
D-███の消失から█日後、SCP-2451111の調査ログファイルに以下の文書が追加されていました。
[閲覧にはセキュリティクリアランスレベル4が必要]
調査ログ-███
日時████/██/██
被験者:D-███
視点:Dクラス職員
今日は財団から与えられた調査任務。財団に『就職』してからというものまともに吸っていないシャバの空気を吸えるかと思った俺は、何故だか狭っ苦しいバスに乗り込まされる羽目になった。
俺の席は前方左の通路側だ。後ろを見れば、カメラを構えたテレビクルー、白いもみ上げのジジイ、目玉をギョロギョロさせた鳥みたいな顔つきの真っ黄色のバケモノ、[卑猥語編集済]そっくりの顔のガキ、いけすかねえ顔したスーツの男と連れ添いらしき女、やたらと鋭い目付きの男、何のつもりだか空いてる席の下に潜んでやがる奴と、[データ削除]の格好をして天井に張り付いてる奴と様々だ。
特に最後の二人はサイコ野郎に違いない。まったくとんでもないバスに乗らされたもんだ。[編集済]、とっとと終わらせたい。
ふとオレンジのつなぎが周囲の視線を集めている事に気づき、逮捕された時の野次馬どもの視線を思い出す。「これはただの仕事だ、あの時とは違う」とそう思い込み、嫌な気分をかき消した。
どうやら客が一人遅れているらしく、バスは切符の時間通りに出発しない。待つ事15分以上、遅れて来たのは髪の毛を逆立たせ、小太りの身体を黒いスーツに押し込んだ男だった。
そいつは謝りもしないどころか、「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」などと聞こえよがしに呟くと、ズンズンとバスの通路を歩き、サイコ野郎が潜んでいる席にパンパンに張り詰めたでかいケツを詰め込んだ。
日本人は無表情で礼儀正しいと思っていたが、下の野郎も隣になった女も、デブに対してはっきりと嫌そうな顔をしている。あんな野郎が来たら無理もない。
昔の俺なら詰め寄って殴ってるところだが、財団の先生方は絶対に手を出すなと言いやがった。[編集済]。ただでさえ4列の小さな椅子に詰め込まれているのに、こんなクソデブと一緒に旅行とは悪趣味な事を考えやがる。
兎も角バスは出発したが、バケモノどもは大人しく席に座って特に何もしてこない。見た目が変なだけで案外マトモなようだと思ったその時、不意に背後でガサガサと紙袋を開ける音がし、美味そうな匂いが漂ってきた。
振り向くと案の定匂いの元はあのデブだった。汚い音を立てながらデカいハンバーガーを二つも平らげた後、Lサイズのポテトをボロボロこぼしながら食べ、ズコココと大きな音を立ててこれまたLサイズのジュースを吸う。
思わず隣の女のように顔をしかめてしまうぐらいに汚い食い方だが、財団で野菜ばかりの健康的なメシばかり食わされてきた身には少し羨ましい。
デブがハンバーガーセットを食い終えてから30分程過ぎた後、バスは海老名とかいうSAに着いた。さっきの匂いで食欲を刺激されていた俺はエージェントから渡されたカネで軽く飲み食いし、トイレをすませるとバスに戻った。
ここでも例のデブは集合時間に遅れて駆け込んでくる。運動不足なのか息も荒く汗だくだ。思わず舌打ちし、気分転換に自販機で買ったジュースを飲もうとしたその時、背後から椅子を激しく揺する凄まじい音が聞こえてきた!
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
財団で出会った中で最低のクソ野郎の奇声がバスの中でこだました。
(調査ログ終了)