93 グナマーナ正大師 2015/05/18(月) 17:22:26 ID:vraFb3lA
今更だが文学館管理人の洞察力は異常だ
http://karasawalit.tumblr.com/page/5
猪瀬直樹といえば『ミカドの肖像』などに代表されるノンフィクション作家で、現在は政治家に転じ東京都知事も務める有名人です。
そんな彼と唐澤先生の間にいかなる繋がりがあるのか。例えば猪瀬直樹の近年の意欲旺盛な政治活動と結び付け、そこから先生が抱く政治的野心を読み取ろうとする方もおられるかもしれませんが、さすがに現時点でそう言い切ってしまうのは難しいでしょう。
では、「なぜ猪瀬直樹なのか?」
この謎を解く鍵は、やはり彼の著作にあります。
それが猪瀬直樹の代表作の一つ、『ミカドの肖像』の続編として書かれた『土地の神話』です。
この作品では、東急電鉄の創始者・五島慶太を中心にした「田園都市」開発の物語、すなわち現在の東京都田園調布の成り立ちが緻密な筆致で描かれています。
さて、勘の良い皆様ならここで「田園調布」というワードにピンときたのではないでしょうか。
田園調布は、先生の外祖父と目される河野一英氏、そしてご尊父洋氏の自宅がある、唐澤先生とは非常に関係が深い土地だからです。
先生は事務所公式ホームページで「世田谷区で幼少を過ごし」と述べておられますが、大田区田園調布は田園都市株式会社により世田谷区側とも一体になって開発が行われましたし、「田園都市」の名を冠する東急田園都市線はその世田谷区を通っています。そして何より、ご祖父の家が田園調布にある。
先生が「田園調布」「田園都市」という土地・言葉に強い愛着を持っておられることは大いにあり得るはずです。
ゆえに、唐澤先生と猪瀬直樹を結び付けるものは、この『土地の神話』と考えてほぼ間違いないものと思います。
先生がこの作品の主人公・五島慶太をFacebookの「尊敬する人」に登録していることからもそれは窺えます。
「なぜ猪瀬直樹なのか?」
そう、自らに縁のある田園調布草創期の歴史を描いた彼の著作『土地の神話』が唐澤先生を惹きつけたのです。
ここから読み取れること――それはおそらく先生の、田園調布に対する深い愛郷心ではないでしょうか。
目を閉じれば、自分の故郷を愛する暖かい心を持った優しいお方、人間・唐澤貴洋の姿が浮かんでくるようではありませんか。
また、唐澤先生がなぜ「好きな本」として猪瀬直樹の著作を直接挙げなかったのかという理由についても述べておけば、それは『土地の神話』、すなわち自己の出自に深く関わる本を挙げることについての気恥ずかしさからだったのではないかと思います。