【けんまくん】雑談★154【松戸聖獣】 (1000)

←← 掲示板一覧に戻る ← スレッド一覧に戻る

794 グナマーナ正大師 2015/06/17(水) 21:04:01 ID:aIvWaot2

【異色のサイバー指揮官(3)】
情報保全で「ログ」の重要性説いたら担当部署へ異動に…羽室英太郎・奈良県警本部長

▼(2)児童向け“サイバー絵本”も作った…から続く

 --平成17(2005)年には警察庁のサイバーテロ対策技術室長に就任されました

 羽室 今は内閣官房にも同じような機能の組織ができましたが、世界でサイバーテロ対策の重要性が叫ばれていた11年の時点でも、
日本ではインターネット空間でどのようなウイルスが活動し、どういうところが攻撃されているかを恒常的に測定したり、公表する組織はなかったんです。そこで、対策室で取り組むことになりました。

 --具体的にはどのようなことを

 羽室 サイバー攻撃を防止する目的は、国民の生活がきちんと保たれるようにすることが主眼です。
公共団体や民間事業者と連携しながら、防御態勢をきちんとつくるための指導をしています。

 --常に進化するサイバー攻撃に必要な対策とは

 羽室 まず「守る」という観点の対策が非常に重要だと思います。民間事業所を訪問すると、「よそはどれくらい予算使ってますか」ということばかり気にしている。
まだまだセキュリティーに対する認識や、投資が不十分なところもあります。そういった部分のレベルアップの必要性も継続して説明し、お願いしていかなければならないと思っています。

 --警察の組織自体も変わってきました

 羽室 「サイバー犯罪」や「ハイテク犯罪」など、一口に言ってもいろんな形態があります。
昨年度、警察庁情報通信局情報技術解析課には「高度情報技術解析センター」が設置されました。
そこでは、都道府県警察で行う解析で役立つようなソフトウエアを、現場の要望に応じてつくって配布しています。

 --警察が独自で制作しているのですか

 羽室 都道府県警察で既製品を買うと、これが結構高いんですよ。
測定器とかツールとかは、何十万、何百万するような機械も多い。なので、買わなくてもきちんとログが見られたり、データがわかりやすく打ち出せるような“ツール”を警察内部でもつくっているんです。

 --警察大学校付属警察情報通信学校では、情報管理教養部長も務めました

 羽室 警察が持っている情報が外に漏れると、非常に大きな問題になります。防止するための対策や技術的な手法を教えていました。

 --難しそうな課題です

 羽室 うれしかったこともありました。普通、警察大学校は警察官は警部にならないと入校できないので、生徒はほとんど「おじさん」です。
でも、情報管理課の職員は年齢や階級が関係ないので、巡査から警視クラスまで非常に幅広く、10代の生徒もいるんですよ。
入校中に20歳になった生徒がいたんですが、私と誕生日が1日違いだったので、50代の私と20歳の彼女の誕生日を一緒に祝っていただいた。
生徒同士でも世代間ギャップがあるという苦労もありましたが、あれは楽しかったですね。

 --政府の有識者会議でも委員を務められました

 羽室 情報保全に関する検討委員会というのが、22年末に設置され、その中に作られた「情報保全システムに関する有識者会議」に呼ばれました。
官邸で開催された、ちょっと肩が凝る会議でした。

 --なぜ呼ばれたんですか

 羽室 海保の情報流出、大阪地検特捜部の検事によるFDデータの改竄(かいざん)事件がありました。
警視庁で国際テロの情報がネット上に漏れたりということもあったので、政府内に委員会が設けられたんです。

 --そこではどんな話を

 羽室 情報流出に備えて、トレーサビリティーの確保が重要ということを話しました。
誰が何をしたのかというログをきちんと残す重要性を説明したんです。すると次の年、警察庁情報通信局情報管理課長に異動になりました。
天に唾する行為というのはこういうことだったのか、と改めて思った瞬間でしたね。(笑)   (聞き手 山崎成葉)   =続く(次回は明日18日に掲載)
http://www.sankei.com/west/news/150617/wst1506170007-n1.html