852 グナマーナ正大師 2015/07/02(木) 17:07:06 ID:jCNsUjnM
「提督。」
「何だ?」
初霜はこたつを出て提督へと抱きついた。まさかこんな事をしてくるとは提督も想定外だったので少し動揺する。しかし、そこは仕事柄多用する事の多いポーカーフェイスで誤魔化した。上官としていつも冷静沈着に振舞っている手前、こんなシュチュエーションで動揺する所を見られたくない。
「人の髪の匂いと脇腹大好きな変態提督にはお仕置きが必要です……目を閉じて下さい。」
提督は初霜に言われた通り目を瞑る。もしもこれが子日や卯月辺りだったらふざけて蒟蒻でもくっ付けて来そうだが初霜に限ってそれは無いので素直に従う。
「いきますよ?」
そのまま初霜は提督へ唇を重ねる。柔らかい初霜の唇の感触がとても心地よい。
30秒かそこいら口付けを続けて、唇を放す。名残惜しげに2人の唾液が垂れた。
「初霜……今日はえらく積極的だな。」
「今日は散々一方的に悪戯されましたから。ちょっとした仕返しです。」
そう言って初霜は提督をこたつから引っ張る。
「提督、駆逐艦寮まで送ってって下さい。」
「……敷地内だし、憲兵も居る。俺がついて行かなくとも危ない所は無いだろう。」
「そうじゃないんですよ。……こたつから出たら寒いじゃないですか。くっついていれば暖かいでしょ?」
そう言って初霜は提督の腕に引っ付いた。
「つまり俺と一緒に腕組んで歩きたいと?」
「駄目ですか?」
「いや、むしろ大歓迎。」
楽しそうに言って提督はこたつから這い出した。
終