131 グナマーナ正大師 (sage) 2015/07/29(水) 15:29:08 ID:DKtnRcU2
チンフェ×オメガSS
「或る東京の居酒屋」
新橋駅から歩いて十五分の寂れた居酒屋のカウンター席に、スーツ姿の男が座っていた。
身長は百八十センチメートルは有るだろうか。立派な体格。将棋の駒の様にゴツゴツとした顔立ち。顔を覆わんばかりの大きな眼鏡。しかしその重厚な顔には絶望がありありと浮かんでいた。
「どうして、どこも雇ってくれねえんだ……」
男の名は小関直哉と言った。彼は兆海道で生まれ育った生粋の道民であり親元に暮らしていたが、二十六歳にして家を追い出され仕方無くここ東京に職を求めやってきたのだ。
小関が家を追い出された理由は二つあった。一つは二十代半ばを超えて未だフリーター稼業を続ける息子に親が痺れを切らした事。もう一つは、これが最大の理由であったが、彼が艦豚教なる宗教の過激派に三年ほど前から帰依していた為、その活動の所為で両親もトラブルに巻き込まれた事だ。
「隣座ってもいいンユ゙?」
突然、ある男が小関に訪ねた。
「正直、いいですよ」
小関は答える。
席に座り早速酒を頼むその男の姿を小関は脇目で観察する。髪と肌を大便色に染め、小関と同じくスーツを着ている。身長は百七十センチメートル台前半と小関は判断した。