105 グナマーナ正大師 (sage) 2015/09/14(月) 10:17:21 ID:KW8Iy92c
-第二章-
『…ブレラお兄ちゃんが…どこにもいないの…アルトくん…』
ランカから携帯が掛かってきて、開口一番にアルトはこう言われた。
しかもバルキリー共々行方不明らしい。
「お、俺に言われてもなぁ…隊長…オズマ隊長は何て言ってる?」
『わかんない…探してはくれているみたいなんだけど…』
ランカにしてみれば、やっと実の兄と解ったブレラが、あの日以来
姿をまったく見せなくなったのは、心配を通り越えて不安に駆られて
いてもおかしくはない。再開をやっと果たしたと思ったら消えていたのだ。
ランカじゃなくても不安にはなって当たり前でもある。
「う~ん…星の外に出ていれば、多分レーダーが探知しているとは思うんだ
…その報告は上がってはいない…」
とにかくアルトとしてみれば、ブレラの消息はランカ以上に検討もつかない事。
だがこのまま憔悴しきっているランカを、放っておけるほどアルトは人でなしではない。
「とにかく…俺もパトロールの時とか、なるべく気をつけて周囲を見てみる事にするよ…
だからそんなに落ち込むな、ランカ…な?」
『う、うん…ありがと…アルトくん…』
お礼を言うとランカは、家の家事があるからと言って携帯を切った。
一方電話を受けたアルトは、何とかブレラを探す手立てはないものか・・・と
考え付くだけのアィデアを出そうとした。だが…ブレラの機体の発信器は
あれ以来作動していない。普通ならどこにいても、機体識別反応で
その行方は解る。万が一不時着した時に、すぐに見つけられるよう、
フロンティアではバルキリーの機体識別反応は、解除してはいけない
決まりもある。だがブレラの機体はあのギャラクシーの管轄だ。
「俺一人で悩んでいても仕方がないか…オズマ隊長にも相談してみよう…」
待機室に戻ったアルトは、まずはボビーにこの話を持ち出した。
その日オズマはまだ別パトロール中で、待機室にはボビー、そして
キャサリン・グラスしかいなかった。
「そうねぇ…あたしも気になってはいたのよ。ブレラちゃん、結局
あの後急に消えちゃったでしょ?」
アルトから話を聞いたボビーは、コーヒーを出しながらこう言った。