64 グナマーナ正大師 (sage) 2015/09/19(土) 15:54:25 ID:sMb53j6A
俺は気になってビニールの『原材料』を見た。たら。あんこう。そして…まんぼう…
…おい…これってもしかして共食い?お前それでいいのか?それ仲間の肉も入ってるぞ!?
「う~ん…もう一本あれば、おかわりしてもいいですかぁ?」
「いいよ~。もっと持ってくるね~」
…ま、まぁ…お前らがそれでいいんなら、俺は何も言わない事にするわ…しかし…いいのか?
「ふぅ。もうお腹一杯です…ありがとうございました」
紳士的な空中に浮くまんぼう…もう俺は慣れた。小一時間で慣れた。でも親が帰ってきたら
どういう反応をするんだ?見てみたいけど…卒倒してひっくり返らなきゃいいんだけどなぁ。
そして夕方になって、パート勤めしていた母さんが帰ってきた訳。で…俺達が帰ってるのを知って、
俺の部屋に来た訳。当然まだまんぼうはそこにいる訳…
「あら…珍しいお客さんがいるわねぇ…」
…おかん…お前もか…つーか、俺の家の奴らは…俺以外はびっくりしないのか!
まんぼうだぞ?普通は海の中にいる生き物なんだぞ!?
「あ、お邪魔しています…ごめんなさいです」
まんぼうもまた律儀に挨拶しているし…それを母さんは当たり前のように受けているし…
「あら、喋れるのねぇ。どこから来ました?いまお茶でも出しますからゆっくりしていってください」
お茶出すなよ…驚けよ!なんで海にいるまんぼうがここにいるのか、少しは考えてくれよ!
「か、母さん…こいつ見て、なんとも思わないのか?海の生き物なんだぞ?」
俺はもう我慢できずに、母さんに向かってそう言った。あぁ、言ったさ…そしたら…
「でもいまはここにいるのよね。なら何も問題ないじゃない。いま晩ご飯の用意するから
少し待ってて。よかったらそちらのまんぼうさんもご一緒にいかがですか?」
…おぉい…まともに普通の対応かよ…もういいよ…それでいいよあんたら…
妹もなんか懐いているし、俺も慣れてきたし…もう何も言わないよ俺は…
「そう言えば…お父さんにも挨拶しなきゃいけませんねぇ」
「…へ?」
こいつ…まだここに居座る気満々だよ…帰る気配は微塵もないよ…