66 グナマーナ正大師 (sage) 2015/09/19(土) 15:54:57 ID:sMb53j6A
「あ…私達の家、お父さんがいないんです…昔事故で亡くなっちゃって…」
また妹が余計な事を話し出したんだわ。確かに俺らの父さんは、5年前に事故に遭って死んでる。
いまは母さんのパート代と、国からの支援で何とか生きてるって状態なんだわ。
「そ、そうだったんですか…それは大変悪い事を聞きました…すいません…」
…結構…常識ってもんを知ってるまんぼうだなぁ…ならなんでいま「ここにいる?」と問い詰めたい…
お前さんさぁ、そろそろ海の中に戻ったら?普通の魚は陸に上がると酸素吸えないんだぞ?
なんでお前さんは平気なんだよ!?しかも浮いているんだよ!?空中に!??
「私…この人気に入っちゃった。ねーお母さん」
おい…妹…聡美ぃ…これ以上、こいつをここに居つかすつもりかよ!勘弁してくれよぉ…
「そうねぇ…ペットって訳じゃないけど…いてもいいかも知れないわねぇ…」
か、母さん…あなたまでそんな事をいいやがりますかっ!?俺は頭の中が真っ白になったよ…
どうしてうちの家族はこうも、能天気揃いなんだろーなぁ…まぁいいけどよぉ…
「それでは…しばらくの間お世話になりますね。私もどこに行っていいのか解らなくって…」
おい…海に帰れ…そこのでっかい魚…つーか、みんなも納得して喜ぶなよ!
「私を今日から、お父さんだと思って甘えてきてくださいね。妹さん。そしてお母さんもよろしくです」
…こうして…うちに変なまんぼうが居つく事になったんだわ…俺はもう、悪夢を見ているような気分だ。
いいのか!?そいつは『魚』なんだぞっ!?しかも父さんと思って甘えてくれだと?
「うわぁ~♪これから楽しくなるね~お母さん、お兄ちゃん♪」
「そうね…これからよろしくね。あ、名前とかつけなきゃまずいわよねぇ」
いや…そういう問題じゃないから…名前つけるとかどうでもいいから…少しは一般常識を持て!
と…俺の考えとは裏腹に…なぜか二人で真剣に名前とか考えている訳。この二人は…
「あ、まんぼーちゃん!いいよね?まんぼうなんだし」
「いいわねぇ…ならそれでいきましょ」
「いいんですか?素敵な名前までもらっちゃって…ありがとうございますぅ」
…決定したんですか…名前。そして居つく事も許可したんですか…世間体ってもの…みんな
知ってるのかなと俺は思った。でももうどうでもいいわ…疲れた…この場から全力で離れたい…
「そういう訳なんで…これからよろしくお願いします…」
「…もう好きにしてくれ…」
これが俺の出した精一杯の言葉…ちょっといま混乱している…という訳で…今回はここまでにさせてくれ…
また何かあったら書く。多分…とんでもない事態になっていると思うんだけどなぁ…
これ、まんま創作ですw 一人称の小説って、三人称のより難しいんですよね。
素材のイラストは、フリー素材のまんぼうくんを使わせてもらっています。
またこの小説は『なん☆とうせい』に著作があります。
商業用目的での配布は、硬くお断りしています。(いないとは思いますが)