唐澤貴洋でリレー小説 (722)

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543 無名弁護士 2017/08/18(金) 13:41:57.08 ID:LtrSknGQI

薄汚いトタン屋根の工場にベルの音が鳴り響く。
「おおい、昼飯だぞ」
もくもくとライン作業をしていた唐澤の背中に工場長の声がとんできた。 彼に与えられた工程は容器にラベルを貼るだけのもの。馬鹿でもできる仕事だった。
いや、むしろ馬鹿でないとできない仕事だった。
一日の拘束時間は十二時間、そのうち休憩を差し引いた十時間強をラベル貼りのみに費やすことはまとな神経の持ち主には不可能である。一ヵ月も持たない。
この仕事は唐澤にとって天職といえた。