15 サジェストに弱い弁護士 2018/04/12(木) 04:21:57.63 ID:CrIAAdjh0
俺はその文を読んで、初めて親と弟が死んだことがわかった。
このメールの送り主を許せるわけが無いが、自分に似ていた事があった。
それは、「人間として欠けている部分がある」という所だったと思った。
俺も、過度に自分語りをし、嘘を騙り、さらには震災を馬鹿にするような書き込みまでしてた。
人間として欠けているのも同然だ。
その後も同じだ。引き篭もってばかりで自分を外へ出そうとしていない。
馬鹿にされることが辛くて、自分の心を閉ざしている。
彼も同じようなものだ。
一度、好奇心で行った行動がどんどん過激を増し、心が歪んでいった。
それに気づいたのも、罪を犯した後。俺と同じだ。
それを悟った俺は思った。コイツは、別の自分であるということを。
長谷川亮太と言う名前ではないし、たしかに別人だ。
でも、心の中身は自分と対して変わらない。
つまり、俺は犯罪者と同じようなものだ。
そう思い、俺は少し考えた後に、決心した。
「人のことも思いやれる自分になる」と。
夕日が照らす部屋の中、拳を強く握った手を肩の前に出し、前を向いた。