デリュケースレinエビケー (398)

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369 お祝い 2018/12/25(火) 17:54:50.92 ID:dr2Sv+jP0

降誕祭の夜の都内某所
小太りの男は喜んでいた
テレビに出演しドラマにも協力しクレジットされた
本も出版し法廷では和やかに触れ合えた
今年の聖夜はよき聖夜となるだろう
だから盛大に聖夜を祝おう
父の肛門に飾った蝋燭
母の顔に飾ったもみの木
あの日から冷凍しておいたとっておきの弟
全てが煌めいて見える
全てが輝いて見える
来年もきっとよい聖夜を迎える事が出来るだろう
嗚呼、メリークリスマス!

「本当にそうかい?」

声がする
どこかから声がする

「本当にこのまま全てが上手くいくと?」

誰だ
このめでたい聖夜に水をさすのは誰だ

「忘れてしまったのかい?僕の声を」

誰だ!誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ!!!
何だ!何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ!!!

「可哀想に、これでは救えない」

誰が救ってくれと頼んだ!当職の道は当職だけのものだ!!
間違っている筈が無い!!当職が正しいに決まっている!!

「せめて僕と同じ翼を与えよう」

やめろ!やめてくれ!!やめさせろ!!!

「さあいこう」

嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

「兄さん」

翌朝、都内某所で駝鳥の死体が発見された。
家主の行方は杳として知れない。