186 無名弁護士 2018/06/27(水) 00:21:50.38 ID:e9Alj06c0
オチが秀逸、これはいい。
86 名前:無名弁護士[] 投稿日:2018/06/26(火) 22:42:29.57 ID:Z/TZz8Sm0
ニュートンが木から落ちるリンゴを見て重力に気がついたように
当職も弟を用水路に落として命の尊さを噛み締めていた
ライオンは子を崖から落として生き残った逞しい子に愛情を注ぐらしい
つまりこの世に生き残った当職は洋から最大の愛を受け取れる事ができるというものだ
当職の期待通り弟は死んだ
無能な警察は自殺と判断した
父洋はひどく落ち込んだが、今まで以上に当職を求め毎日互いを貪りあっていた
ある日黒いモミアゲの男が我が家を訪ね洋と快楽行為を営んでいたのを見てしまった
おそらく父は当職に飽きたのだ
なぜだ、なぜ当職がそこに居ないのだ
そこは当職の場所だ、そこは─────
「兄さん」
何者かの声が聞こえる
厚史では無い、何者かの声が───
「ここだよ兄さん」
洋のお腹の中からだった
「おやおや、息子さんに見られてしまいましたねぇ」
整った顔の男は優しい笑顔だった
「たったかひろ」
父洋は雌の顔をしていた
その顔は母性に満ち溢れていた
「たかひろ君、弟さんを亡くされてさぞ悲しかったろう 辛かったろう」
「だからワシとキミちゃんとで新しい弟か妹を作ってやる事にしたんじゃ」
なんだ?何を言っているんだ?
「お前との子供だと弟ではなく息子になってしまうからのぉ」
「本当、ヒロ君は昔から優しいね」
はっはっはっ と二人の老人が笑う
そんなの、そんなの許さないからな
洋の愛は当職だけのものナリ!弟も妹もいらないナリ!!
そう駆け出した・・・が────
やっぱり妹なら欲しいナリ
後日弟が生まれた
子供は洋一と名付けられた