14 広尾学,園元事務長・学習塾俊英館元取締役島田真,樹 被告の判決 2018/07/29(日) 01:50:36.23 ID:zJ8yYtZR0
【広尾学,園元事務長・学習塾俊英館元取締役島田真,樹 被告の判決】
平成30年1月31日 判決言渡
平成29年(ネ)第3※※2号 損害賠償等請求控訴事件
(原審・東京地方裁判所平成28年(ワ)第2※※08号)
口頭弁論終結日 平成29年11月6日
判 決
東京都板橋区※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
控 訴 人 高橋嘉之(以下、「第1審原告」という。)
同控訴代理人弁護士 ※※※※
東京都小平市花小金井3※※※※※
被 控 訴 人 島田真,樹(以下、「第1審被告」という。)
同訴訟代理人弁護士 丹羽厚※※(仮称)
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
第2 事案の概要(以下,略語は原判決の例による。)
1.本件は,第1審原告が第1審被告島田真,樹に対し,?第1審被告 島田真,樹が第1審原告 高橋嘉之に匿名の手紙(本件匿名手紙)を送付し,第1審原告 高橋嘉之をして,
インターネット上で第1審原告 高橋嘉之を誹謗中傷しているのは大橋であると信じさせ,大橋の名誉を毀損するブログ記事を発信するよう仕向け,
大橋に対する謝罪及び示談金の支払を余儀なくさせたとして,不法行為に基づいて※※※万円の損害賠償を求めるとともに,
?第1審原告 高橋嘉之が第1審被告 島田真,樹に事実関係を確かめるために面会(本件面会)した際,
虚偽の説明をしたときは※※※※万円の違約金を支払う旨の約束をしたにもかかわらず事実と異なる説明をしたとして,上記違約金の一部※※※万円の支払を求める事案である。
原判決は,第1審原告 高橋嘉之の請求を全部棄却したことから,第1審原告 高橋嘉之がこれを不服として控訴した。
2.前提事実及び争点に関する当事者の主張は,次のとおり補正するほか,原判決「事実及び理由」中の第2の1及び2記載のとおりであるから,これを引用する。
(原判決の補正)
(1)2頁7行目の「特定に資する」を「正体を推測させる」に改める。
(2)2頁10行目の「者である」を「者であり, 第1審原告 高橋嘉之とはもともと面識はなかった」に改める。
(3)3頁20行目の「もって」を「第1審原告 高橋嘉之をあたかも道具のように利用して,」に改める。
(4)4頁15行目の「同額の支払義務を負った」を「平成29年8月30日にその支払を完了した」に改める。
第3 当裁判所の判断
1.前提事実に証拠(甲14のほか後掲のもの)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。
(1) 大橋と第1 審被告の確執(甲12,13,17の1,2)
ア (島田真,樹が匿名手紙の中で紀貫之としていた人物)(大橋)は,平成17年4月から平成24年3月まで広尾学,園の理事長を務めており,
平成25年4月からは学校法人※※※※の学園長の職にある。また,学習塾を運営す俊英館の設立者でもある。
大橋は,関係者の間では別名「紀貫之」で知られていた。
イ 第1審被告 島田真,樹は,俊英館の総務部長であったところ,大橋は,(港区の共学学校法人)の理事長当時,第1審被告 島田真,樹を広尾学,園の事務局長に抜てきした。
ところが,その後,大橋と第1審被告 島田真,樹の間に深刻な確執が生じ(大橋の認識では, 第1審被告 島田真,樹が大橋の理事長退任を画策したというもの),
第1審被告 島田真,樹は平成24年1月をもって 島田真,樹を退職し,俊英館に復帰することとなった。
第1審被告 島田真,樹は,その後も,広尾学,園を退職させられた経緯に強い不満を抱き,広尾学,園の理事の自宅を訪問して大橋を糾弾する話をして回ったり,
退職から1年以上経った平成25年3月になっても,大橋に関して訴えたいことがあるとして広尾学,園の理事会への出席を求めるなど,大橋に対する強い敵意を継続させていた。
(2) 本件匿名手紙の送付及び原告ブログの発信(甲2の1〜26,甲11)
ア 第1審原告 高橋嘉之は,インターネットを利用した進学受験のコンサルティング等を業とする株式会社※※※※※※※※※※※※※※の代表取締役である。
イ 第1審原告 高橋嘉之は,平成24年頃から,インターネット上の掲示板等で「にかい」のハンドルネームを使用する投稿者らから,自身及び家族についての執拗な誹謗中傷を受けていた。
ウ このような中の平成26年2月,第1審原告 高橋嘉之の自宅に1通目の本件匿名手紙が郵送されてきた。
その概要は,自分は事情があって匿名にしているが第1審原告 高橋嘉之の敵対者ではなく,原告ブログの一読者である,自分の知人との雑談中に原告ブログの話題が出て,
その知人は「にかい」の正体を知っていると言っていた,そこで原告ブログを通じてこの知人に犯人の情報を求めてみてはどうかというものであった。
第1審原告 高橋嘉之は,これを受けて,原告ブログ上で上記助言に沿った対応をした。
エ その後半年以上にわたり,平成26年9月まで,ほぼ毎週のように本件匿名手紙は第1審原告 高橋嘉之の自宅に郵送されてきた。
その内容は,当初は,「にかい」を特定するヒント(教育関係との接点等)を小出しにし,上記知人からの伝聞という体裁で, 「にかい」は「紀貫之」であると推理しているというにとどまっていたが,
平成26年7月の手紙(甲2の20)で「ずばり,紀貫之氏は,教育界のイニシャルO.K氏である」と伝えた。 本件匿名手紙は,このように「にかい」が「紀貫之ことO.K氏」であると伝えるとともに,
「にかい」の正体が分かってきたというメッセー ジを原告ブログに掲示して「にかい」を動揺させるのが効果的であると教示したり(甲2の13) ,
「相手を特定し過ぎてしまうと,逆に相手に動く余地を失わせてしまう。・・・その点で前回のブログは踏み込み過ぎたきらいがある」と原告ブログの表現の軌道修正を求める(甲2の22)など,
原告ブログを活用して「紀貫之ことO.K氏」を追い詰める方法の具体的なアドバイスを行う内容であった。